鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
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午前
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海。
常夏の島ハワイの、ワイキキビーチ。
案外浜辺部分はそこまで広くないそこの、石畳やら草木のある内側にて。
喜多川祐介はココナッツに絵を描いていた。
喜多川祐介
「…駄目だな。これではただ、歪んだキャンバスに無理矢理絵を描いているだけだ。画材の良さを活かせていない…」
アーティストな現地人※英語
「ジャパニーズ・ウキヨエ・スタイルか!こりゃ本土のボンボン共に売り捌き放題だぜ、イイな!!」
「何で思いつかなかったんだ、俺もググって描いてみるか…」
喜多川祐介
「彼は何と?」
明智吾郎
「自分に無かった発想だ、取り入れてみたい…だと。」
喜多川祐介
「現地の感性には受けたか。喜ばしいが…まだ、上は目指せる。」
祐介は、自分自身の認知する『美』の固執から彼は既に脱却している。
故に、自身が気に入らない作品であろうと他人からの好評を喜べる心を手に入れていた。
同時に、自身が気に入った作品であれば酷評されようと動じない。
美の感性は人それぞれ。あくまで『この人はそう思ったんだな』というだけなのだ。
芸術家は得てして感受性が高いもので、気を病むものも多いと聞く。
どうにか、それを伝えられて良かった。
現地住民が話す、祐介が一番嫌いそうなタイプの言葉を誤魔化して翻訳しながら、そんなことを考えていた。
喜多川祐介
「普段の描き方を聞いてくれるか?」
明智吾郎
「いいよ。」
「(※英語)普段はどんな風に描いているんですか?」
アーティストな現地人※英語
「んなもん適当よ!芸術の価値も知らねー観光客が勝手にアレコレくっちゃべりながら買うのを見るのはケッサクだぜ?」
明智吾郎
「…具体的な描き方は定まってないらしい。共通してるのは、作品を買う人の笑顔を思い浮かべる事だそうだ。」
喜多川祐介
「深いな。正しく…ライブペイントの極意だ。」
明智吾郎
「…。」
…。
坂本竜司
「悪ぃ、待たせた。」
絵を描くこと暫く。水着姿の竜司がやってきた。
突然話し掛けたのに快く画材を貸してくれた現地住民にお礼を言い、3人でまとまる。
喜多川祐介
「礼と言ってはなんだが、これは貴方に。」
アーティストな現地人※英語
「おっ、良いねぇ!謎の日本人画家の作品…うん、70ドルはイケるな!あんがとよ!アンタと出会えて幸運だったぜ!」
明智吾郎
「お前との出会いは幸運だったって。」
喜多川祐介
「ああ、俺も良い刺激になった。」
祐介はアーティストのハグに応じ、そのまま穏便に別れる。
バレないように、ほっと安堵の息を吐いた。
坂本竜司
「あのオッサンは?」
明智吾郎
「ココナッツに絵を描いて売ってる人だよ。祐介に画材を貸してくれてたんだ。」
坂本竜司
「ほ〜ん、優しい奴もいんだな。いーじゃん!」
(…ガッツリ金稼ぎ目的だったんだけどね。)
喜多川祐介
「それで、海に集まってどうするんだ?竜司。」
今回のハワイ旅行のスケジュールは全て竜司が管理している。遊びの面に関しては段取りよく出来るためなのだが…
坂本竜司
「決まってんだろ!ナンパだよ!ナンパ!」
喜多川祐介
「海を越えてもソレか…吾郎が許すと思うのか?」
明智吾郎
「よし、誰から狙う?」
喜多川祐介
「吾郎!?」
明智吾郎
「どうした、『日本での女を避ける態度はどうした。…俺が見ぬ間に何か拾い食いでもしたのか?』とでも言いたげな顔して。」
喜多川祐介
「日本での女を避ける態度はどうした。…俺が見ぬ間に何か拾い食いでもしたのか?」
「ハッ!?」
坂本竜司
「抵抗できた予言だろ!」
「…んで、どうしたんだよ?」
乗り気な俺に目を剥いて驚く二人を、笑ってあしらう。
明智吾郎
「日本なら、向こうからギャアギャア騒いで鬱陶しいだけだ。けど、
「旅の恥はかき捨て…純粋にテクニックで戦えると思わないかい?」
「人に好かれたくて鍛えた技術を腐らせて捨てるなんて勿体ないからね。」
言い訳がましくそんな言葉を重ねながら、くだらないと唾棄していたナンパについて考える。
(やるなら、とことん最後までだ。日本にも居るゴミのような鬱陶しいナンパはしない。『その場にいる者と即興で交友関係を構築する』という本質を抽出すればいい。)
(観光客だ、互いに異国の文化の類を話せば話題には困らない。さらにこちらは英語が使える。英語が話せる日本人の学生…そして話題に直近のホットなニュースを選んで、現地の日本人や留学生と差別化する。)
(あとは、第1印象。俺は外面を整えることに関して絶対の自信があるし…祐介も軽く調整してやるだけでいい。問題は竜司の扱い方か…日本人は若く見られやすい。恋愛をしにナンパする訳じゃないんだ、良い意味で子供らしさを押し出して『構ってあげる』構図を取って歳上を狙えば…)
どうせ、真摯にくだらないことに取り組む姿を見て冷笑するような輩はこの場に
坂本竜司
「おお…そうだ!そうだよな!」
「『思い出作り』だ!行くぞリーダーっ!!」
明智吾郎
「ああ。作戦開始だ。」
…。
結論から、話そう。
エビ屋台の店主
「Oh!?!?ユーアー『タンテイオウジ』!?予告、見テタヨ〜!!ウチのシュリンプ、食べテッテ!!」
エビ屋台の店主※英語
「おい!探偵王子がご来店だ!!特上のエビ出すぞ!!」
エビ屋台の店員※英語
「探偵王子!?キャシー!貴女会いたいって言ってなかった!?」
大失敗だ。
屋台の近くで談笑していたサーファーグループの女*1が飛び上がって喜び、女友達を4,5人呼び寄せた上でパーティが始まってしまう。
なんとか左右を(皆まで言わないが柔らかく大きい物に)挟まれないよう祐介と竜司で固めるも、椅子に座る俺の頭上には…
キャシー
「会えて嬉しい!ここ数年ニホンを調べて、貴方のニュースを見かけない日の方が少なかったのよ!今日は観光?いつまで?何処に泊まってる?」
健康的な日焼けをした女サーファーが、己の乳を乗せながら話しかけてきている………
エビ屋台の店主
「ゴメンね、ニホンジンは困ルデショ?」
エビ屋台の店主※英語
「キャシー!探偵王子はお困りだ。誘惑するならウチのシュリンプをそのペ◯ス塗れの口で食い終わってからにしな。」
キャシー※英語
「ハァ!?神から賜った幸運を逃すもんですか!18でしょ!?食う!絶対食うのよ!!」
エビ屋台の店主※英語
「横のあんちゃんはそれでイケるが探偵王子はインテリだ!オトナとしてリードして攻めんだよ、まずは俺に従って離れとけ!」
キャシー
「…ごめんなさい?」
エビ屋台の店主
「ゴメンネ?悪気ナイカラ許シテアゲテヨ、シュリンプ沢山アルカラネ!」
こちらがあまりわからないとでも思っているのだろう、英語でとんでもないやりとりをしてから女サーファーは離れていく……
なんだか、落ち込んだ。
苛つかない。落ち込んだんだ…
喜多川祐介
「…誤算だったな。吾郎の名声は世界規模らしい。」
坂本竜司
「お、おほっ!おほほっ!」
エロ猿はさておき、祐介は緩く笑いながらシュリンプを堪能している。
美味なものの健康面を度外視した食事と飲み物、そして…際どい水着の女性達。
なんというか…『低俗な娯楽第1位』みたいな状況になってしまった…………。
…。
喜多川祐介
「…大丈夫か?」
シュリンプを食べ終え、トイレに抜け出すと祐介がついてきた。
心配の声を掛けてくれる。
明智吾郎
「案外、ね。料理の味も良いし、なんというか…男としての本能をくすぐるような…」
「チッ。少しは喜んでしまった自分に腹が立つよ。」
「それにこんなもの、自分のテクニックもクソもない。」
喜多川祐介
「吾郎の、これまで積み重ねた行動の結果だ。報われて何が困る?」
「お前の今持つ名声は、他でもないお前の力だろうに。」
「俺達がタダ飯にありつけたのもお前の名声のお陰だ。」
明智吾郎
「…はぁ。」
「そうだね。思い出作りにはなったと思おうか。」
ため息が出る。
友人からの意見を反論無く受け入れる心に。
そして口では腹が立つと言っておいて…心では、この状況を楽しんでいる自分に。
俺の中に、名声を素直に喜べる自分
獅童正義に尻尾を振ることになった原因であろうこの自分も…俺の一面なのだろう。
〜
遠くに居る坂本竜司
「へ、夜!?部屋!?ぱーてぃ!?皆で!?」*2
〜
明智吾郎
「…お前らは修学旅行だろ?」
「あの猿を剥がそう。手を貸してくれ。」
喜多川祐介
「任された。」
…。
〜〜
夕
〜〜
※三人称視点
…。
皆様は修学旅行の9/10(土)にて、坂本と三島とでナンパに繰り出した際のイベントを覚えておいでだろうか。
スリムな女性
「ネェ、オジサン。私タチト遊バナイ?」
夕方になって、金髪と黒髪の女性の3Dモデルである、2人の現地人に怪盗+三島の一行は話しかけていた。
グラマーな女性
「日本語デキルヨ、素敵ナクラブデお酒飲モ?」
彼女らは、その一行を『怪盗ででも無ければついて行く気はない』と言って断っている。
その際に話した理由、なのだが…。
スリムな女性
「ワ〜オ♡ ネェ、ニホンジンナノニソンナニオッキク…苦労シタデショ?触ッテイイ?」
鴨志田卓
「あ〜っと…え〜…ハハ、お褒めいただき光栄ではあるんすけど、え〜…」
私らはオジサンのが好きだから、と。
若者たちと遊ぶつもりが無い、そしてオトナと言わずにわざわざオジサンと表現した。
これはあくまで解釈の一つに過ぎないが…
成人男性のなかでも、爽やか系ではなく軍人系。
ガッシリとしたアスリート体型をメインターゲットとしているのではないだろうか?
グラマーな女性※英語
「イケるわね。」
スリムな女性※英語
「どっちが先かはじゃんけんよ?」
鴨志田卓
「おっふ、ええと、まだボク何も言ってないのに触り始められますと…」
そして、いくら鴨志田卓と混ざっているとは言え女性経験どころかコミュニケーション経験が終わっている憑依転生者が狙われると…為すすべが無く、困ることしかできないだろう。
電車で痴漢冤罪を恐れる者のように両手を上げながら、あわあわと困惑した声を出す鴨志田。
鴨志田卓
「う〜ん…はっ、そうだ。それだ。」
「俺、教師なんです。修学旅行の引率で来とりまして…」
スリムな女性
「素敵。私ニモレッスンシテ欲シイナ?セ・ン・セ・イ?」
小声の鴨志田卓
「ああーっと絶対いかがわしいレッスン始めようとしてるどうしようこれ、剥がすのに触ったら強姦で逮捕される奴だよな?裁判?マジ?初裁判が海外ですか?」
有効打が打てず、鴨志田卓は連れ去られてしまうだろう。
川上貞代
「あの、何をされてるんですか?」
こうして、助けがはいらない限りは。
原作通り、上にはTシャツ下にビキニを装備した川上貞代が。
狼狽える鴨志田の後ろから接近して話しかけていた。
グラマーな女性
「what?」
川上貞代
「…
スリムな女性
「Oh…Sorry.」
そうして、2人は追い払われる。
苛立った目線で去る二人を見つめる川上。
川上貞代
「はぁ。日本語で話してたの聞こえてたっての…」
「アレが海外のナンパかぁ…災難だったね?セ・ン・セ・イ?」
その目はじっとりと湿気があり、若干鼻の下を伸ばしていた鴨志田卓への非難が含まれているが。
鴨志田卓
「か、川上さん…」
「助かった、ほんっとどうしたら社会的に死なないで済むのか分からなくって…」
川上貞代
「…ええと、感謝されるとそれはそれで困るって言うか。」
強大なパレスボスにもビビらず正面から殴りかかれる鴨志田卓の大いに弱った顔。
そこから即座に感謝を贈られてしまい、川上貞代の非難の仮面が割れ…中の赤面が露わになる。
川上貞代
「兎に角、ビーチの監視お疲れ様。もう皆確認終わったから、私達も自由時間。」
「…。」
「少しだけ、一緒に歩かない?」
顔を赤くした、流し目。
ぼそっと独り言でも言うように投げ渡された言葉が、鴨志田卓の耳に染み込み。拒否する選択肢を溶かして消した。
(逆)ナンパ編