飯食え・アーカイブ   作:混沌の魔法使い

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番外編 勇者と養女と料理人と

番外編 勇者と養女と料理人と

 

それはいつもと同じ様にゲーム開発部でアリス達と過ごしている時の事でした。いつものようにアリスが天真爛漫な笑みを浮かべ、私に投げかけて来た言葉に私の思考は完全に停止した。

 

「はい? アリス今なんと?」

 

「チャンスッ!」

 

「あ!? モモイ卑怯ですッ!」

 

我に帰ったが、それは余りに遅すぎ、私の操作していたキャラが倒れYOULOSEの文字が画面に踊っている。

 

「やったーッ! ケイ。これでカワサキさんのスイーツバイキングの予約をよろしくね」

 

「駄目に決まってるでしょう! やりなおしですッ! それよりもアリス。さっきの言葉の意味を教えてくださいッ!」

 

モモイに負けるつもりはなかったので、ゲームの勝敗の商品として提示しましたが、余所見をしている間だったのであれはノーカウントだ。

 

「ええー!? なんで私勝ったじゃんッ!?」

 

「お姉ちゃん。それは流石に駄目だよ。ケイちゃんのファザコン具合を考えれば絶対隙を見せる奴だよ」

 

「ミドリシャラップッ! それでアリス。さっきの言葉の意味を教えてください」

 

「はい! アリスもマスターの養女になりたいです! ケイはマスターの養女、そしてアリスとケイは姉妹です! ならアリスもマスターの養女になりたいです!」

 

聞き間違いでは無かった。アリスもお養父さんの養女になりたいとキラキラとした目で私に向かって言っている。

 

「お、お養父さんがなんていうか」

 

「マスターに聞きます! アリスも養女になりたいって」

 

「で、でもホシノとかユメが」

 

「2人も説得します!」

 

「えっと、えっと」

 

「ケイはアリスと姉妹になるのは嫌ですか?」

 

イヤじゃない、アリスと一緒に暮らすのはきっと楽しいし、幸せだと思いますけれど……脳裏にお養父さんの姿が過ぎった……。

 

「あ、アリスは私より可愛いからお養父さんがアリスの方だけを可愛がるかもしれないのが怖いですアリス……」

 

無愛想な私よりもアリスの方がずっと可愛い。無愛想な私よりもアリスのほうを可愛がるかもしれない……それが怖いというとアリスは何を言ってるんですかと声を上げた。

 

「マスターが優劣をつけるわけがありません! 行きましょうケイッ! モモイ、ミドリ! アリスは週末はマスターの所にお泊りしますッ! ユウカに伝えておいて下さい!」

 

「あ、アリス待って、待って」

 

私の制止の声を無視して走り出すアリスに手を引かれ、私はゲーム開発部の部室から連れ出されるのでした。

 

「ケイってガチだよね」

 

「そうだね。まぁカワサキさんは優しいし、格好良いし気持ちは分かるけどアリスちゃんにもああいう反応をするんだね」

 

「う、うん……カワサキさんが悪いのかな? それともケイちゃんのほうかな?」

 

目に入れても痛くないほどに可愛がっているアリス相手でも、嫉妬を見せたケイにモモイ達は本当にケイは危険なファザコンではないかと戦慄していた。

 

「養父にガチ恋するロリ少女、これは行けるッ!」

 

そしてさやかはケイの反応を見てインスピレーションが沸いたのか、強烈な勢いで新作エロゲーの作成に入っていた。

 

「素直で天真爛漫な姉と斜に構えたように見えて甘えん坊の妹! そして優しい養父! 裏ミレニアムプライスは貰ったッ!!!」

 

神鳥さやかエロゲー販売まで5日。 ワイルドハントとブラックマーケットで大ブレイクするまで8日。 ユウカに前が見えねぇにされ反省室送りまで25日。

 

「かくかくしかじかという訳でマスターの所に遊びに来ました!」

 

「悪いなアリス。現実じゃかくかくしかじかじゃ伝わらないんだ」

 

「そうですか? ではアリスはマスターの「アリスッ!」もがもが」お養父さんは気にしないでください、アリスは泊りがけで遊びに来ただけですので」

 

「お、おう……」

 

どこかの馬鹿が燃料を得ていた頃、カワサキはケイに口を塞がれ目を白黒させているアリスを見て大丈夫なのか? と首を傾げながらおやつであるホットケーキを引っくり返しているのだった……。

 

 

 

アリスもケイのようにマスターの養女になりたいのですが、ケイがその都度妨害するのでマスターにそれを伝える事は残念ながらまだ出来ていません。

 

(でもまだチャンスはあるので気にしません!)

 

今回が駄目でも、まだ何回でもチャンスはあると割り切りマスターとケイとアリスで出かけたのは良いのですが……。

 

「アリス。次はこれにしましょう、きっと似合いますよ」

 

「うわーん! アリスもう疲れましたーッ! アリスゲームショップに行きたいですッ!」

 

もう彼是4時間も服を脱いでは着て、脱いでは着てを繰り返していて思わずそう叫んでしまいました。マスターが好きなゲームを買ってくれるって言っているのにッ! まだケイはアリスと自分の服を選んでいるのです。

 

「こういうフリフリも可愛いですね。私は黒いのを選ぶので、アリスは白でどうですか?」

 

「まだ試着するんですかッ!?」

 

今日だけで15着は服を買っていますのにまだケイは服を選んでいますので思わず声を上げる。

 

「いえ、これで最後にしますよアリス」

 

「そうですか! じゃあ次はゲームですね」

 

服が終わったので今度こそ行きたかったゲームショップだと思ったのですが……。

 

「何を言ってるんですかアリス。化粧品も買いますよ。下着はまた今度私とアリスの2人だけで見に来ましょう」

 

もう駄目です。アリスとケイは価値観が違いすぎます、服の次は化粧品を買うつもりの上にまだ買い物の予定を組み始めるケイにアリスはもう限界でした。

 

「マスターももう持てないですよッ!?」

 

「大丈夫だ。女の買い物は長くて荷物が多くなるのは知ってるからな」

 

「それでもそれはもう無理だとアリスは思いますッ!?」

 

大量の紙袋を両腕に2つずつ、そして両手に4つずつ持ってるマスターはもう限界だと思います。

 

「何を言ってるのですかアリス。お養父さんの前では常に完璧で可愛い私達で無ければなりません。妥協は許されないのです」

 

「うわーんッ! アリスはもうケイとお買い物には行きませんッ!」

 

「モモイやミドリは雑すぎるのです。年頃の少女はこれくらいしなければなりません」

 

胸を張ってドヤ顔をしているケイを見てアリスは思わずそう叫びましたが、アリスの言い分は通らずに化粧品まで見て回る事になり、もうケイと買い物になんか来ないとアリスは思っていたのですが……。

 

「アリス。これはどうですか? それともこっちの方がいいですか? それとも両方買いますか?」

 

「い、良いんですか!? ケイ大好きですッ!」

 

「ありがとうございますアリス。私もアリスが大好きですよ」

 

念願のゲームショップに来たらケイはお小遣いがあるのでアリスの好きなゲームも別で買ってくれると言ってくれました。それも2つもッ!

 

「ケイ。あんまりアリスを甘やかすとミドリが怒るぞ」

 

「お養父さん。アリスは私に付き合ってくれましたから今度は私です。それにお養父さんも買ってるではないですか」

 

えっと顔を上げるとマスターは私達が欲しいと言っていた新作ゲーム機を手にしていました。

 

「そ、それはッ!? 15万クレジットもするプライステーション2ッ! い、良いのですかッ!? そんな高価な物を買って貰ってもッ!?」

 

欲しいけど買えないと皆で話していた新作ゲーム機をマスターは買ってくれていました。

 

「ケイには1ヶ月でプレゼントを買ってやったし、アリスにもって思ってな」

 

「おおお……マスターありがとうございますッ!」

 

「全く、お養父さんも甘いですね。じゃあアリスこのプライステーション2用のゲームに変えますか?」

 

「はい! そうしますッ!」

 

買うつもりだったゲームを棚に戻し、変わりにプライステーション2のコーナーをケイと見に行く。

 

「1つだけですからね? 流石にちょっと高いです」

 

「はい! 分ってます!」

 

「パーティーゲームのおすすめって奴は買ってるぞ?」

 

「分りました! えーっとどれにしましょうか? んーんーッ! 悩みますッ!」

 

どれもこれも面白そうですし、あ、ゼルナの新作もありますし、ドラゴンテストもッ! どれもこれも遊んでみたいですけど……。

 

「これにします」

 

「スマッシュシスターズですか、モモイとミドリですか?」

 

「はい! だけどユズとケイとも遊べます!」

 

プライステーション2専用の大乱闘スマッシュシスターズを購入する事に決めました。これで皆とも遊べますし、何よりも。

 

「マスターもたまに遊びに来てくださいね」

 

「ん? あーそうだな。時間が出来れば「大丈夫ですよアリス。私が時間を見てお養父さんを連れて行きましょう」

 

「はい! 楽しみにしています!」

 

ユズと同じ位ゲームが上手いマスターも加わればきっと楽しいですし、先生も誘って皆でゲーム大会もきっと楽しいに違いないと思い。少し重いプライステーション2の箱を持ってアリスはマスターとケイと一緒にアビドスへと帰りました。

 

「ぱんぱかぱーんッ! アリスはウェイトレスにジョブチェンジしました!」

 

「にはは! 頑張りましょうアリス」

 

「はい! ケイもコユキも頑張りましょう」

 

「良く似合っていますよアリス。それじゃあお養父さん。オープンにしますね」

 

「おう。準備は出来てるぞ」

 

ここからはマスターとケイのお手伝い。ゲームを買ってもらったので頑張りますと気合を入れていたのですが……。

 

「アリスちゃん。こっちにパフェ!」

 

「私はホットケーキスペシャル」

 

「白玉ぜんざいお願いしまーす」

 

「クレープお願いしまーす」

 

「うああああああッ! 注文が止まりませーんッ!!」

 

「うわーんッ! こんなに忙しいなんて知りませんでしたーッ!!」

 

「はははは、ランチライムとおやつ時は地獄だぞ?」

 

「今日はコユキとアリスがいるので役割分担が出来て楽ですね」

 

客席は全部埋まり、なんなら外まで色んな学園の制服を着た生徒達が並んでいるのを見て、これ何時休めるんでしょうかと軽く絶望しながらも高価なゲームを買って貰ったこともあり頑張ってお手伝いしていたのですが……。

 

「こつん?」

 

「今何か変な音が? ってこれはぁッ!?」

 

「ん? うおッ!?」

 

ぶしゅーっと音を立てて煙幕が焚かれ、煙の中からマスターの悲鳴が聞こえる。

 

「性懲りも無くッ! このッ!」

 

ケイが何かをすると警報が鳴り響き、アビドスの校舎が騒がしくなってくる。

 

「なんですか!? ケイ。これはなんなんですか!?」

 

「お養父さんが拉致されましたッ! 奪い返しますよッ!」

 

「ケイ! なにしてるのさ! なんでカワサキを拉致されてるのッ! ちゃんとしてよッ!」

 

「分ってます! 今回は私の落ち度ですッ! アリス行きますよ! コユキは留守番お願いします」

 

後片付け私だけですか!? と叫んでいるコユキの声を聞きながらケイに引っ張られ店の外を出たアリスは外の光景を見て絶句しました。

 

「アクセル全開! 振り切ってくださいアカリさん!」

 

「念入りにコースは調べてますから大丈夫ですよ~」

 

凄まじい速度で走り去る一台の車。その後部座席にマスターが座っているのが見えました。

 

「良い加減にしなよ! なんでカワサキを拉致するのかなッ!」

 

「ん。殺す」

 

「まずはカワサキさんを取り返してからですよ~だからお仕置きはその後ですよ~」

 

「アリス乗ってください! おいかけますよ!」

 

「もうどうにでもなれですッ!」

 

走り去るアビドスの校章の車、そしてアリスに車に乗れというケイにもうアリスはなるようになるしかないと諦め、ケイの運転する車でマスターを拉致した美食研究会の車を追いかけることになるのでした……。

 

 

 

アリスに色々と買い物をさせたのはとにかく振り回すことでアリスもお養父さんの娘になりたいという目的を忘れさせるためでした。

まぁそれはお養父さんがプライステーション2を買った事でアリスの脳内からは消えたようですが……。

 

(これは良くないことですよね)

 

自分でも分かっている。アリスと本当の意味で姉妹になるのはきっと良い事だ。2人で毎日ミレニアムへ通学するのもいいし、一緒にご飯を食べて、お風呂に入って一緒に寝る。それは楽しいし、幸福なことだと思う。ですが……。

 

(嫌だったんですよ)

 

アリスの事は大好きだ。そもそも私の存在理由がアリスなのだからアリスの望みは全て叶えたい、だけどお養父さんの娘になりたいという願いだけはどうしても許容できなかった。

 

「ケイ? どうかしましたか? もう髪を梳き終りましたか?」

 

「あ、いえ。少し呆けていました。もう少し待ってくださいね」

 

アリスに促され、アリスの髪に櫛を通す作業を再開する。この2日間はとても楽しかったのは間違いないです。お養父さんとアリスと一緒に買い物や遊園地に行ったりゲームをしたり、まぁ美食研の襲撃は最悪でしたが、それでも楽しかったと間違いなく言えます。だけど……。

 

(不安なんですかね)

 

アリスもお養父さんの養女になり、本当の意味で姉妹になる……それに対する漠然とした不安がどうしても消えない。私よりもアリスが可愛いのは分りきっている事だ。だからお養父さんがアリスばかりを可愛がるのではないかというのが怖いのだ。

 

「ケイはマスターにちゃんと甘えていますか?」

 

「はい? アリス……何を?」

 

「ケイはしっかりしているのでマスターの迷惑にならないようにとかそういうことばかりを考えていませんか?」

 

「それ……は」

 

無理矢理養女として転がり込んだのだ。お養父さんに迷惑にならないようにするのは当然の事だと……。

 

「アリスはこの2日間で沢山マスターに甘えました。だけどマスターは嫌な顔をしませんでした。だからケイももっと甘えるべきです! だから今日は川の字で寝ましょう!」

 

「あ、アリス? それは流石に迷惑」

 

「迷惑ならマスターは断ります! 行きましょう!」

 

私の言葉を遮り、アリスは枕と私の手を握り部屋を飛び出し、私はそのまま引っ張られてお養父さんの部屋まで連れて行かれた。

 

「マスター! お休みの時間です! お仕事は終わりですよ!」

 

「うん?」

 

「マスターがちゃんと寝るようにアリスとケイが監視します! さぁ行きましょう! ケイは枕をお願いします」

 

そして嵐のような勢いでお養父さんを担ぎ上げ走り出し、私も慌ててそれを追っていき……。

 

「これは思ったよりもいいものです! ミドリの漫画に感謝です!」

 

「俺はあいつがどんな漫画を見ているのか心配になって来たよ……」

 

「大丈夫です! さやかが読むようなマンガは読んでいないのでッ!」

 

(ど、どうしてこんな事に?)

 

お養父さんを真ん中に、右をアリス、左が私で川というか小の字で眠る事になっていた事に私は驚きを隠せませんでした。

 

「明日は何を食べたい?」

 

「え? えーっとハムエッグとかですかね?」

 

「じゃあアリスはお弁当でから揚げを作って欲しいです!」

 

「ん、分った。じゃあ2人とも寝るんだぞ」

 

お養父さんはそう言って電気を消し、寝転がると小さな声で子守唄を歌い始めた。

 

「む……これは……眠りの……」

 

「ふあ……」

 

眠れない、そう思っていたのに驚くほどに私もアリスも睡魔に襲われ、意識が闇に沈む前に私はお養父さんの腕を掴み、布団を抜け出して仕事に戻らないようにするのがやっとなのでした。

 

「おはよう、ケイ、アリス」

 

「おはようございます! マスター」

 

「おはようございます。お養父さん」

 

朝にはお養父さんは布団から抜け出していましたが、布団がまだ温かかったので朝まで眠っていた事に安堵し、用意されていた朝食を食べ、お弁当を持ってミレニアムへ向かうバスへとアリスと共に駆け出す。

 

「ほら! マスターは一緒に寝てくれましたよ、ケイ! ケイはもっと沢山甘えるべきなのです!」

 

「そうですかね?」

 

「勿論です! 今度は髪を梳いてもらうといいですね! 知ってますか? マスターはツインテールも得意です!」

 

「え? それまさか?」

 

「はい! マスターにやってもらいました!」

 

揺れる2房の髪を見て、今度は私も絶対やってもらおうと決意し、ミレニアム行きのバスへとアリスと共に乗り込むのでした。

 

「あれ? なんか今日アリスもケイもキラキラしてない?」

 

「本当だ。凄い絶好調って感じ」

 

「はい! マスターに添い寝して貰ったのでアリスもケイも元気爆発です!」

 

「あ、アリス!? それは駄目ですよッ!? な、なんですかその目はッ!?」

 

モモイとミドリに微笑ましい目で見られ、声を荒げましたが2人はニマニマと笑うだけでした。

 

「おめでとうケイのファザコンレベルは限界突破したね!」

 

「上限突破したね、でも禁忌は越えちゃ駄目だよ?」

 

2人の安い挑発に私は反論も何もせず、ただただ無言で2人へと飛び掛るのでした……アリスがいなければもう添い寝なんて絶対に頼まない……。

 

「あの、お養父さん? あんまり夜遅くまで仕事は駄目ですよ? 一緒に寝ましょう?」

 

「んん? ああ、もうこんな時間か、教えてくれてありがとうケイ」

 

「ユメとホシノに怒られるお養父さんは見たくないですから」

 

ユメとホシノにカワサキが怒られないようにという名目で添い寝を言うようになるまで2週間。

 

「あ、あの、髪を結んで貰えますか?」

 

「珍しいな、おいでケイ」

 

「は、はい!」

 

女の命である髪を結って貰うまで1ヶ月……そして……。

 

「お養父さん。そろそろ寝ましょう」

 

「ん? おお。分った」

 

エブリデイ添い寝まで後半年……そしてアリスが養女になり、本当の姉妹になるのも良いかも知れないとケイの気持ちが変わり始めた頃――ケイには大きな試練が立ち塞がる事になる。

 

「パパを迎えに来ました」

 

「お父さんはそちら側ではなく、こっち」

 

「お父様迎えに来ましたよ」

 

「なぁ!? お、お養父さんを返しなさい!」

 

「やだよー! お父さんは私達のお父さんだからねッ!」

 

「???」

 

突然の事態に思考停止し、宇宙猫状態のカワサキを父と呼ぶ白い3人の少女達に連れ去られるカワサキを取り返す為の戦い、そして……。

 

「どうやら我は養女だったようですね」

 

「んなわけありますかッ! いい加減にお養父さんを返しなさいッ!」

 

「それは拒否します。カワサキは私達のお養父さんです」

 

「ざっけんなコラーッ!!! というかお養父さんも否定してください」

 

「いや、それが娘っていうのはあながち否定出来ないって事情があってな……なんか俺より先に俺の持ち物がキヴォトスに落ちてたというべきか……それを科学的に分析されてるというか……なんか遠縁の親戚くらいな立場なんだよな」

 

「養女という証拠に我は魔法を使えますよ」

 

「なん……ですって!?」

 

そう遠くない内に存在しない記憶が生え、カワサキと同じ魔法を扱える10番目預言者マルクト、そして神を名乗る自販機のAIとの戦いが待ち構えているなんて考えてもしないケイはというと……。

 

「明日はお養父さんの服を見に行きませんか?」

 

「いや、いい。めんどくさい」

 

「いーえ、絶対買うべきです! 決定ですからね! いつも黒い服はセンスがないです!」

 

別にセンスがない訳では無いが、汚れてもいい服ということで黒系統を好むカワサキを買い物へ引っ張り出そうとしていたりする……。

 

 

 

 




デカグラマトン編クリアしてアイン・ソフ・オウルとマルクトも娘でいいじゃないか? という電波を受信したのでケイとアリスをメインにしつつ、デカグラマトン編をなんとかハッピーエンドに出来ないかなとチラっと考えて見ました。まぁこのルートに入るかは不明ですが、幕話ということでね。なおもしもアイン・ソフ・オウルが生存するとケイがシャーって猫のようになる予定です。
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