オラリオから少し離れたところにあるメレンは、今日とんでもない賑わいを見せていた。
言わずもがな、学区の帰還である。
「……人多っ」
「人混みは苦手だったな」
「そうじゃなくて、神は嫌いだよ」
あぁ〜、なんて顔をしながら、校舎から見えるメレンは、広く人が多かった。
「だが、恐らくあの神がいるんじゃないか?」
「……いるといいな」
そんな会話をしながら、学区は、メレンへと到着する。歓声に包まれ、学区へと聞こえてくる喧騒はいっそうるさい。
「………!!いた───」
「おい、ベル!?」
ベルは、目を右往左往して、ただ1人を探す。目当てを視界に捉えた瞬間、窓から飛び降りる。レオンはベルを止めようと手を伸ばすが、止められるはずもなく、歓声に包まれるメレンを一瞬にして沈黙させるには、十分すぎる程だった。
「なんだなんだ!?」
「もしかしてあれ……ベル・クラネル!?」
「すげぇ…初めて見た」
「トンキチ兎……」
「べるきゅんだ!?」
「ノスタルギアだ!【追想燈】!」
とんでもない大物を目の前に、一瞬の沈黙はより強大な驚愕へと塗り替えされる。
「お久しぶりです!アストレア様!結婚しましょう!」
「久しぶり、そしてごめんなさい、ベル」
■
これは、まだベルが未熟な頃のお話。
今から五年前、アイズに戦闘をふっかけた時のお話。アイズと戦闘を開始したのはいいが、あまりの弱さに溜め息も出なかった。
「単調、風は纏うだけじゃない。その弱さでよくロキ・ファミリアは最強なんて言えるね。教育がなってないんだよ。」
「っ、やぁぁ!!!」
街中での高レベル冒険者同士の激闘(一方的)。
街にも被害多数で、住民はギルドとロキ・ファミリア、そして学区にクレームを入れまくって。どう止めようか、というところに悩んでいたところ。
その時に介入したのが
「やめなさい」
アストレアだった。
凛々しく、物怖じしない彼女は二人の間にはいって、物理的に戦闘を終わらせた。
その時にベルは惚れ、アストレアに求婚するようになったのだった。天国のアルフィアも頭が痛いね!
「というわけさ!」
「どうなってるんだよ!学区は!?」
ごもっともな意見だった。
彼女の名前はヘスティア、唯一の眷属であるリリルカと共に学区を見にメレンへ来ていたのだが、騒動がおこり、目が点になっていたところを、ヘルメスが通りがかり今のような説明をした結果。
こうなった。
「アストレア様!結婚しましょう!」
「ごめんなさい、ベル」
アストレアの両手を優しく握り、真っ直ぐな瞳で見つめるベルは何度もアストレアに求婚を迫るが、何度も断られている始末だ。
これにはどこかの美神もにっこり(だが、かと言って美神が選ばれるわけではない)。
「クラネルさん、離れてください」
「なんだ、えっと………名前何?」
「リュー・リオンです。いい加減覚えてください、これで65回目ですよ」
「よく覚えてるね」
アストレアの付き添いをしていた金髪エルフのリュー・リオンは激怒した。この真面目風最強先生を装ってアストレアに近づく不届き者を直ちに処分せねばと。彼女には色恋はわからぬ。彼女は積年の恨みがある。
「っと、これ以上はまたクレーム対応になりそうなので、学区に戻ります」
「誰がクレームです───」
「アストレア様!いつか、貴方の結婚を夢みて、頑張りますので!貴方に似合う男に、このベル・クラネル、精進します!!」
「ええ、楽しみにしてるわ」
そして、ベルは帰っていく。アクロバットな動きでヘルメスにフォークを投げつけた後に。
「…なんというか、凄い子だったね。アストレア」
「あら、ヘスティア、来ていたのね」
「ああ、一度くらい見といた方がいいと思ったからね。リリルカくんも、来たいって言ってたしね」
あははと乾いた笑いをするヘスティア。
「アストレアにあそこまで求婚するなんて……」
「本当よ、あの子前あった時は花束を渡してくれたのよ?すごいけど……困るわ。それにイケメンと名高いベルからの求婚は他の子たちからの嫉妬を浴びることになるもの」
ごめんなさい、まじごめんなさい。
別に手抜きな訳じゃないんです。ただ別シリーズとの並行作業と新シリーズをやる上でこのシリーズ早く投稿したい……けどなぁみたいなのがあって…
マジでごめんなさい