銀河英雄伝説 〜無能なる俗物が勘違いで英雄に祭り上げられ、気づけば貴族連合盟主としてラインハルトと雌雄を決する件について〜 作:斉宮 柴野
門閥貴族、軍、民衆――
それぞれが不安を抱える中で、最も影響を受けるのは、皮肉なことにやる気のない元帥アルブレヒトでした。
本章では、皇位継承問題と門閥貴族の再編、そして帝国史上初となる「共同女帝」の戴冠式までを描きます。
重厚な政治劇の裏側で、当事者たちはとんでもない混乱に巻き込まれますが、それもまた帝国の現実です。
政治、コメディ、そしてキャラクター同士の関係性が大きく動く重要な回となります。
どうぞお楽しみください。
帝都オーディン 元帥府 執務室
今日も平和だ。窓の外には美しい庭園が広がり、小鳥のさえずりが聞こえる。ここが銀河帝国の軍事的中枢だなんて信じられないくらい、のどかな空気が漂っている。高級な革張りのソファに、だらりと体を預ける。最高だ。このままソファと同化して、家具の一部になりたい。
手には糖分補給のための特製フルーツジュース(マンゴー&ピーチ)を持っている。甘い。脳に染み渡る。仕事なんてしたくない。一生こうしていたい。
「アル様。……ご報告があります」
その静寂を、氷のように冷たく、そして美しい声が切り裂く。アナだ。俺の副官にして、事実上のこの元帥府の支配者。彼女がこうして声をかけてくる時は、たいていろくでもない知らせだ。「予算超過です」か「書類に不備があります」か、あるいは「サボらないでください」のどれかだ。
「ん?なんだアナ。ラインハルトの奴、また何かやったのか?」
ストローをくわえたまま尋ねる。あの金髪の弟分は、先日アムリッツァで大暴れして帰ってくるところだ。まだ傷も癒えていないだろうに、また何か騒ぎを起こしたのだろうか。
「いいえ。……皇帝フリードリヒ四世陛下が、崩御なさいました」
「ぶっ……!」
マンゴー&ピーチの芳醇な液体を、盛大に吹き出した。鼻から出た。痛い。
「……なに?陛下が亡くなったの?」
「はい。事実のようです。昨夜未明、心臓発作による急死かと。……御殿医の診断書も確認済みです」
アナは、動じることなくタオルを差し出してくる。彼女の手際の良さは、もはや芸術の域だ。俺が吹き出す角度まで予測していたに違いない。
「(タオルで口を拭いながら)……あーあ。面倒なことになったな」
ベタつく口元を拭きながらため息をつく。皇帝崩御。それは、帝国のパワーバランスが崩れ、混沌が訪れることを意味する。つまり、「仕事が増える」ということだ。最悪だ。
「これでタガが外れるぞ。……おじいちゃん、もう少し長生きしてくれればよかったのに」
「愚痴を言っても始まりません。……今後の対応を協議する必要があります」
アナは、タブレットを操作しながら淡々と進める。
「じゃあ、ラインハルトはどう動く?……アムリッツァでボロボロになって帰ってくるところだろう?軍事的には動けないはずだ」
「恐らくは……リヒテンラーデ侯と結び、唯一の直系男子であるエルウィン・ヨーゼフ二世殿下を担ぎ上げる形になるかと思いますが」
「……だよなぁ」
天井を仰ぐ。天井のシミの数を数えたい気分だ。
「俺がせっかく『門閥貴族』という枠組みを整理して、こっちに合流すれば一番楽に済むようにしてやったのにな。……なんでわざわざイバラの道を行くんだ?」
俺の計画は完璧だったはずだ。俺がブラウンシュヴァイクとリッテンハイムを抑え、ラインハルトを迎え入れれば、内戦など起きずに平和的に改革が進むはずだった。それなのに、あの弟分は、わざわざ俺に喧嘩を売ろうとしている。
「ラインハルト様のプライドが許さないのでしょう。……『兄上の下につく』ことだけは、死んでも嫌なのだと思われます」
「……まあ、遅れてきた反抗期といったところか。可愛い弟だよ、まったく」
苦笑する。手のかかる弟を持つと、兄貴分は苦労する。だが、放置するわけにもいかない。
「(立ち上がる)よし。……みんなを呼んでくれ。主要な提督たちを全員だ」
◆
数十分後。大会議室には、帝国軍の至宝とも呼ぶべき提督たちがズラリと並んでいた。
ロイエンタール
ミッターマイヤー
リューネブルク
ケンプ
ケスラー
レンネンカンプ
クナップシュタイン
グリルパルツァー
そして、ミュラー
壮観だ。ラインハルトが喉から手が出るほど欲しがり、枕を濡らして悔しがるであろう豪華メンバーが、ここには飽和状態で揃っている。しかも、全員が俺の指揮下にある。この戦力差、もはやイジメに近い。
上座に座り、できるだけ重々しい声を作る。これは「威厳」の演出だ。
「集まってもらって済まないな。……ちょっとした報告がある」
(ゴクリ……)
場の空気が張り詰める。全員、何事かと固唾を飲んでいる。
「陛下がお隠れになった」
ざわっ……。
衝撃が走る。当然だ。国家元首の死だ。通常なら、ここから「全軍、厳戒態勢!」とか「帝都封鎖!」とか叫ぶところだ。
「そして俺達は……帝国を支える筆頭門閥貴族として、義務を果たさなければならん……ということらしいが」
肩をすくめる。義務。嫌いな言葉ランキングの上位に入る単語だ。
「……俺は面倒でな」
「(背後から咳払い)コホン!……アル様!」
「……あー、つまりだ。無用な混乱を避けるため、既定路線を早めることにした」
慌てて真顔に戻る。危ない。アナの視線が突き刺さっている。これ以上本音を漏らすと、後で説教コースだ。
「既定路線……ですか?」
ミッターマイヤーが首を傾げる。彼のような真面目な男には、俺の思考回路(いかにサボるか)は理解しがたいだろう。
「うむ。……俺と、アナと、エリザベートちゃんと、サビーネちゃんの結婚式を早めることになった。すぐに準備を始める」
「は?」
全員がフリーズする。目が点になっている。無理もない。皇帝が死んだ直後に、「結婚式やります」と言い出す元帥など、前代未聞だ。
「ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯には了承を取ってある。……これで貴族連合は『親族』として鉄の結束となるだろう。誰からも文句は言わせん」
これが、俺の考えた「最強のサボり術」だ。結婚式という一大イベントをぶち上げることで、政治的な面倒ごとを全て「祝い事」のムードで塗りつぶしてしまう作戦だ。そして何より、さっさと結婚して身を固めてしまえば、周囲から「次期皇帝」とか「摂政」とか面倒な役職を押し付けられずに済む(かもしれない)
(皇帝崩御という緊急事態に、あえて「結婚式」!?……これは、動揺する民衆や貴族たちを安心させるためのパフォーマンスか!)
(いや、待て……これは高度な政治的デモンストレーションか!「我々には余裕がある」と内外に示すことで、敵対勢力を牽制している!)
(最大勢力であるブラウンシュヴァイクとリッテンハイムを同時に身内にしてしまえば、他の勢力が付け入る隙がなくなる!まさに盤石の布陣!)
(「俺がルールだ」という無言の圧力……!この男、底知れない!)
俺はただ、面倒な後継者争いに巻き込まれたくないだけだ。
「……なるほど。国家の安寧のため、ご自身の慶事を政略に利用されるとは……。恐れ入ります」
ケスラーが感心したように頷く。
(いや、単にさっさと身を固めて隠居したいだけなんだが……まあいいか。誤解されている方が動きやすいし)
俺は、彼らの誤解を訂正しないことにする。面倒だからだ。
「そういうわけだ。……ケンプ、ミュラー、その他の者たちは各管区の警備を厳重に頼む。結婚式のパレードで不手際は許さんぞ」
「はっ!!」
◆
「ロイエンタールとリューネブルクは残ってくれ」
「(妖しげな瞳を光らせる)何でしょうか、閣下」
ロイエンタールの両眼、金銀妖瞳が怪しく光る。彼は野心家だ。だが、その野心を利用すれば、これほど便利な男はいない。
「(冷徹な表情)……我ら二人を残すとは。汚れ仕事ですか?」
リューネブルクが薄く笑う。彼はプロフェッショナルだ。裏の仕事、荒っぽい仕事を任せれば、右に出る者はいない。
「人聞きが悪いな。……ラインハルトのことだ」
切り出す。
「アムリッツァでかなりこっぴどくやられているから、軍事的にはしばらく手を出せないとは思うが……警戒をしておいてくれ」
「なるほど……。手負いの獅子は、牙ではなく爪(政治)を研ぐと?」
「そうだ。……これからは政治的なところでの戦いになる」
ラインハルトは馬鹿ではない。武力で勝てないと悟れば、搦手を使ってくるはずだ。
「リヒテンラーデ侯との駆け引き、宮廷内の裏工作、民衆への扇動……そういう面倒くさい攻撃が来る。……俺はそういうのが苦手なんだ」
「そこで頼りになるのは、ロイエンタール。……お前だけだ」
「……!」
「お前だけだ」この言葉に弱い男は多い。特に、能力はあるが認められてこなかった男には効果覿面だ。
「お前の政治的嗅覚とバランス感覚は鋭い。……俺が結婚式で浮かれている間、ラインハルトや国務尚書が妙な動きをしないよう、睨みを効かせてくれ」
これは丸投げだ。「俺の代わりに面倒な政治をやってくれ」と言っているだけだ。だが、言い方ひとつで、それは「信頼」に変わる。
「(深く頭を下げる)……過分なご評価、痛み入ります。私の両眼は、閣下の覇道のために」
彼は恭しく頭を下げる。よし、釣れた。これで政治面は安泰だ。
「そして、リューネブルク」
「はっ」
「お前には陸戦隊を統括してもらう。……皇帝崩御で、貴族の中にも暴発する馬鹿や、民衆の暴動が起きるかもしれん」
「……」
「そういう『ノイズ』を処理するのは、お前のようなプロフェッショナルでなくてはならん。……手荒な真似も必要になるだろうが、任せられるか?」
これも丸投げだ。「暴れた奴がいたら適当にシメといてくれ」と言っているだけだ。
「(薄く笑う)……『白銀の狼』にお任せを。……閣下の祝宴を邪魔する輩は、それが誰であれ、静かに退場させましょう」
リューネブルクの目に、嗜虐的な光が宿る。彼は、合法的に暴れられる場所を提供されると喜ぶタイプだ。これで治安面も安泰だ。
「助かるよ。……二人とも、信頼しているぞ」
心からの感謝を込めて言う。本当に助かる。これで俺は、心置きなくケーキの試食に専念できる。
(廊下にて)
「……フッ、食えんお方だ」
「同感だな。ご自身は『結婚式』という道化を演じ、敵を油断させつつ……裏では我々を使って完璧な布陣を敷く」
「ラインハルト・フォン・ローエングラムか……。彼も天才だが、相手が悪すぎるな」
彼らは勝手ににやる気を出してくれている。素晴らしいエコシステムだ。
「ふぅー……。これで面倒な仕事は全部二人に丸投げできたぞ」
脱力する。肩の荷が下りた。
「……アル様。丸投げではありません。『適材適所』です」
アナが、いつの間にか横に立って、新しいジュース(今度はベリーミックス)を置いてくれる。彼女のフォローは完璧だ。
「そうそう、それそれ。……俺は人材配置の天才かもしれないな」
「ご自分を褒めるのはそのくらいにして。……さて、次は衣装合わせとケーキの試食です。スケジュールが詰まっていますよ」
「うげっ。……ケーキはいいけど、衣装合わせは面倒だな」
「エリザベート様とサビーネ様が楽しみにされています。……逃げられませんよ」
「へいへい。……忙しくなるぞー」
ストローを吸い込む。甘酸っぱいベリーの味が広がる。
◆
帝都オーディン ノイエ・サンスーシ宮殿 大広間
最大級の広さを誇る「黒真珠の間」は、今、銀河帝国の全歴史の中でも稀に見るほどの絢爛豪華さと、そして絶望的なほどの「退屈」によって支配されていた。
壇上には、帝国の最大門閥貴族、オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵が立っている。彼は、マイクを恋人のように握りしめ、恍惚とした表情で言葉を紡ぎ続けている。その顔は赤らみ、額には汗が光り、瞳は自己陶酔の彼方を見つめている。
「……というわけで、我がブラウンシュヴァイク家はそもそも建国の祖ルドルフ大帝の血を濃く受け継いでおり、その高貴なる血脈は銀河の星々よりも煌びやかであり、歴史の荒波を乗り越えて……(中略)……今日の良き日にアルブレヒト君という英傑を息子に持てたことは、まさに銀河の奇跡であり、神々の祝福としか言いようがなく……(中略)……あー、そこで私は思い出すのだが、彼がまだ幼かった頃……」
終わらない。全く終わる気配がない。彼の話は、現在から過去へ、過去から神話の時代へ、そしてまた現在へと戻り、さらに未来の妄想へと飛躍し、螺旋階段を登るように無限ループを繰り返している。話の内容など、誰も聞いていない。ただ、「長い」という事実だけが、重力のように参列者たちにのしかかっている。
新郎席。そこに直立不動の姿勢で立っている一人の男がいる。本日の主役、俺だ。純白の式典用軍服に身を包み、胸には勲章がジャラジャラとついている。見た目は完璧な英雄だ。だが、その内面は、今まさに崩壊寸前のダムのようになっている。
額には、冷や汗とも脂汗ともつかない液体が滲んでいる。視線は一点に固定され、瞬きすら忘れている。意識が飛びそうだ。いや、いっそ飛んでしまえば楽になれるのに、軍人としての本能がギリギリのところで意識を繋ぎ止めている。
(……限界だ)
足の感覚はとうの昔になくなった。腰は石のように固まっている。だが、そんな筋肉の悲鳴など、今直面している最大の危機に比べれば、蚊に刺された程度のかすり傷に過ぎない。
下腹部だ。膀胱だ。そこにある「ダム」の水位が、警戒レベルを超え、危険水域に突入し、今にも決壊警報が鳴り響きそうなのだ。
朝から水分を控えめにしたはずだった。
だが、緊張による口の渇きを癒すために飲んだ少量の水と、控え室でアナに無理やり飲まされた「滋養強壮ドリンク(高麗人参入り)」が、今になって牙を剥いている。
利尿作用が凄い。高麗人参のパワーが、変な方向に発揮されている。
「………アナ。……アナよ」
隣に立つ、この世のものとは思えないほど美しい花嫁に助けを求める。彼女は、純白のウェディングドレスに身を包み、頭にはティアラを戴いている。その姿は、雪の女王のように気高く、そして冷たい。
「……何ですか?前を向いてください。カメラが回っていますよ」
彼女の唇が、ほとんど動かずに言葉を紡ぐ。腹話術の達人か。表情筋がミクロン単位でも動けば化粧が崩れるとでも思っているのか、完璧なポーカーフェイスを維持している。
「俺は……そろそろ我慢しなくてもいいか??」
究極の問いかけ。人間としての尊厳を捨てて、野生に還る許可を求めたのだ。
「おしっこなら我慢してください。まだブラウンシュヴァイク公のスピーチ中です」
即答。慈悲のかけらもない。
「『まだ』だと!?嘘だろう!?体感時間では3年くらい経ってるぞ!」
「現実時間では2時間15分です。……もう少しの辛抱です」
「これがなんなんだ!拷問か!?俺は何か悪いことをしたか!?……いや、心当たりは山ほどあるが、それにしても刑罰が重すぎる!」
思考が暴走する。怒りと尿意が混ざり合って、脳内物質がカクテル状態だ。
ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯のスピーチはいいさ、百歩譲って許そう。義理の父親になる人たちだ。娘を嫁がせる父親の感傷と思えば、多少の長話も我慢できる。だが、この長さは異常だ。常軌を逸している。
まず、式の最初に登壇したのが、うちの親父だ。侯爵家の先代当主。彼が家系図を取り出して、初代からの歴史を朗読し始めた時点で、嫌な予感はしていた。2時間だ。たっぷり2時間、死んだ先祖の名前を聞かされた。
次に、爺様だ。隠居している先々代当主。彼が出てきて、「わしが若かった頃はのぉ」と武勇伝(半分以上は創作)を語り始めた。これも2時間。「昔の敵をビームサーベル一本でなぎ倒した」とかいう嘘八百を、直立不動で聞かされた。
そして、アナの爺様。ラルフ・ヴァン・ホーテン子爵。彼が「孫娘がいかに可愛いか」「おむつを替えた時の感動」について、涙ながらに語った。2時間。アナの幼少期の恥ずかしいエピソード(おねしょ事情など)が暴露され、アナの表情がさらに氷点下になった時間帯だ。
続いて、リッテンハイム侯。サビーネの父親だ。彼は、ライバルであるブラウンシュヴァイク家への対抗心から、「うちの家系も凄いぞ」「領地の特産品はこれだ」「サビーネのドレスは特注だ」と、マウント合戦を繰り広げた。2時間。内容は通販番組のようだった。
そして今。大トリを務めるブラウンシュヴァイク公。エリザベートの父親であり、帝国の最大実力者。彼が、これまでの4人のスピーチを総括しつつ、さらに自分の自慢話を上乗せしている。現在、2時間15分経過。
「合計10時間超えだぞ!?半日だぞ!?労働基準法はどうなっているんだ!」
心の中で絶叫する。10時間、立ちっぱなし。トイレ休憩なし。水飲み休憩なし。これは結婚式ではない。新手の耐久訓練だ。帝国軍のレンジャー訓練でも、もう少し人道的な配慮があるはずだ。
「膀胱が破裂するわ!物理的に限界だ!そして普通に立ってるのが辛い!足の裏がジンジンする!エコノミークラス症候群になりそうだ!」
「戦場では半日くらい立っているのはよくあることではありませんか。……ブリュンヒルトの艦橋で、ラインハルト様はずっと立っておられますよ。元帥閣下ともあろうお方が情けない」
アナの指摘は鋭い。だが、反論させてもらう。
「ここは戦場か!?ここは平和な宮殿だろうが!それに戦場なら、適当に座ったり、トイレに行ったりできるだろう!『ちょっと作戦考えてくる』と言って個室に籠もれるだろう!」
戦場には自由がある。だが、結婚式には自由がない。衆人環視の檻の中だ。数千の貴族たちが、俺の一挙手一投足を見つめている。もしここで、股間を押さえてモジモジし始めたら?翌日の新聞の一面は決まりだ。『英雄ファルケンハイン、尿意に敗北』帝国の歴史に汚点を残すことになる。
「……いや、ある意味戦場以上だが……!ここは地獄の最前線だ!」
視線を彷徨わせる。助けを求めたい。誰でもいい。この状況を打開してくれる救世主はいないのか。
会場でミッターマイヤーとロイエンタールは、直立したまま魂を飛ばす瞑想の境地に達しているようだ。誰も助けてくれない。
ふと、会場の隅に目が留まる。警備責任者として控えている、リューネブルクだ。「白銀の狼」の異名を持つ彼は、鋭い視線で周囲を警戒している……ように見える。
「……見ろ!警備責任者のリューネブルクを!」
彼が、部下の憲兵に何か耳打ちをしている。深刻な顔で頷き合うと、彼は颯爽と会場の扉を開けて出ていくではないか。
「『定期的に外部の警備を確認してくる』とかもっともらしい顔をして……あいつ、絶対トイレに行ってるぞ!」
確信がある。さっきから1時間に1回、あのペースで出て行っている。そして戻ってくるたびに、顔がスッキリしている。肌艶が良くなっている。極め付けに、さっき俺と目が合った時、ほんの一瞬だけ口元を歪めてニヤリとしやがった。
あれは「閣下、お先に失礼」という挑発の笑みだ。許せない。処刑してやる。後で軍法会議にかけて、トイレ禁止の刑に処してやる。
「あいつ1時間に1回トイレに行ってるぞ!しかもタバコ休憩まで挟んでるに違いない!俺と目が合うとニヤリとしやがった!」
「彼はプロですから。……長丁場の警備において、自身のコンディション維持も仕事のうちです。生理現象をコントロールできてこそ、一流の兵士です」
「俺のコンディションは崩壊寸前なんだが!?一流の元帥でも生理現象には勝てないんだが!?」
人間だもの。元帥である前に、哺乳類だもの。
その時。ブラウンシュヴァイク公の声が、一段と高くなる。
「……というわけで!この若き二人、いや三人の門出を祝し、私のささやかな挨拶と代えさせていただきたい!帝国に栄光あれ!」
終わった。ついに終わった。会場から、割れんばかりの拍手が巻き起こる。それは、スピーチへの称賛ではない。「やっと終わった」「解放された」という、魂の歓喜の拍手だ。涙を流している者さえいる。分かるぞ、その気持ち。
「……ありがとうございました。ブラウンシュヴァイク公爵閣下でした」
司会者がマイクを引き継ぐ。彼も疲れているのか、声が少し枯れている。
「続きまして、新郎のアルブレヒト・フォン・ファルケンハイン侯爵閣下の紹介です!」
「(ビクッ)お、やっと俺の番か」
ビクリと体が反応する。新郎紹介。つまり、俺の経歴や人柄が紹介されるコーナーだ。通常なら、ここで司会者が長々とプロフィールを読み上げ、その間に少しだけ座ったり、水を飲んだりする時間が稼げるはずだ。
「少し座れるか?……椅子、椅子はどこだ?」
後ろを振り返る。ない。椅子がない。なぜだ。新郎新婦用の椅子が撤去されている。立ちっぱなしスタイル継続かよ。
まあいい。紹介の間、少しリラックスして、筋肉の緊張をほぐそう。俺の輝かしい経歴が読み上げられるのを、ドヤ顔で聞いていればいいのだ。30分くらいはかかるだろう。その間に、精神統一をして尿意を散らすのだ。
司会者が、台本を広げる。そして、高らかに宣言する。
「帝国が誇る不滅の伏龍です!……以上!」
シーン……。
静寂。拍手すら起きない。会場の空気が凍りつく。時が止まる。全員が「え?続きは?」という顔で司会者を見ている。
「短いわ!!!」
心の中で、いや、喉元まで出かかった声でツッコミを入れる。伏龍?それだけ?もっとあるだろう。「イゼルローンの英雄」とか、「最年少元帥」とか、「慈悲深き名将」とか。あるいは、「趣味は昼寝」「好物はスイーツ」といった人間味あふれるエピソードとか。
「え?終わり?マジで?10秒?」
司会者が、次のプログラムへ進もうとしている。間違いなく終わりだ。1行で終わった。
「さっきまでの10時間は何だったんだ?ホーテン子爵の『幼少期のお漏らしエピソード』に2時間かけたのに、俺の紹介は『伏龍です』の6文字だけか!?」
バランスがおかしい。構成作家を呼べ。これは放送事故だ。
「素晴らしい紹介でした。……無駄がありません」
アナが、涼しい顔で評価する。
「無駄がなさすぎるだろう!もう少し尺を使えよ!俺の休憩時間は!?」
「元帥閣下の功績は、言葉で語り尽くせるものではありませんから。……『伏龍』の一言で全てを表現する、洗練された演出です」
「洗練されすぎて存在感が空気になってるぞ!」
俺は、主役なのにモブキャラ以下の扱いを受けたことに愕然とする。だが、嘆いている暇はない。
「次は……新婦紹介です!」
司会者の声が響く。そうだ。まだ花嫁たちがいる。エリザベートとサビーネ。彼女たちの紹介で時間を稼げばいい。女の子の紹介だ、きっと丁寧やるはずだ。生い立ちから、趣味、好きな花言葉まで、たっぷりと語られるはずだ。そこで俺は、立ったまま仮眠をとる。
そう希望を抱いた、次の瞬間。会場の扉がバーン!と開き、信じられない光景が飛び込んでくる。
「新婦入場……ですが、少々お待ちください!」
司会者が慌てる。何だ?何が起きた?
扉の向こうから、怒号と悲鳴、そして何かが破壊される音が聞こえてくる。
「どきなさい!私が先よ!」
「なんですって!私が右側に立つと決まっているのよ!」
エリザベートとサビーネの声だ。彼女たちは、まだ入場していなかったのか。というか、これから入場なのか。さっきまで横にいたのはアナだけだったが、いよいよ本命の二人が来るのか。
「……嫌な予感がする」
俺の野生の勘が警鐘を鳴らす。尿意とは別の、もっと根源的な恐怖。この結婚式、ただ長くて退屈なだけでは終わらない気がする。10時間のスピーチ地獄は、ほんの序章に過ぎなかったのだ。
「アナ、逃げる準備をしておいた方がいいか?」
「逃げ場はありません。……覚悟を決めてください」
◆
「ではこれより、銀河帝国第……いえ、初の『共同女帝』として、エリザベート様、サビーネ様の戴冠式を行います!」
会場がざわめく気力すら残っていない。「へー」「そうなんだ」「早くして」という無言の圧力が会場を支配している。
本来なら、皇帝の即位式というのは、別の日に改めてやるものだ。だが、俺は考えた。「面倒くさいから結婚式と一緒にやっちゃえばいいんじゃ?」と。「ハッピーセットみたいにお得感があるだろう?」と。アナは呆れていたが、予算削減と時間短縮という大義名分で押し切った。結果、このカオスな状況が生まれたわけだ。
厳かな音楽が流れる。パイプオルガンの重低音が、俺の限界寸前の膀胱に響く。やめてくれ。その振動は今の俺には凶器だ。
壇上には、二人の少女。エリザベート。サビーネ。二人とも、まだ10代半ば。お人形さんのように可愛い。純白のドレスに身を包み、緊張した面持ちで向かい合っている。
彼女たちの手には、それぞれ王冠が握られている。通常なら、大司教とかが被せるものだ。だが、今回は「共同女帝」。前例がない。だから儀式も適当に作った。
「サビーネ、これを貴女に」
「エリザベート、これを貴女に」
二人が、互いの頭に王冠を乗せ合う。身長が足りなくて、少し背伸びをしているのが微笑ましい。まるで学芸会だ。だが、これが銀河帝国の最高権力の移譲の瞬間なのだ。
歴史学者が見たら泡を吹いて倒れるかもしれないが、ここにいる貴族たちは「可愛いからヨシ!」という顔をしている。思考停止ここに極まれり。
「新皇帝陛下、万歳!!」
それを合図に、死にかけていた参列者たちが、最後の力を振り絞って叫ぶ。
「万歳!エリザベート女帝万歳!サビーネ女帝万歳!」
「ファルケンハイン元帥万歳!ついでに帝国万歳!」
万歳の嵐。怒号のような歓声がホールを揺るがす。
俺も反射的に手を叩きながら、ふと我に返る。あれ?ちょっと待てよ。
「(拍手しながら)……あれ?俺は……?」
隣のアナスタシアに小声で尋ねる。
「(何ですか?)」
彼女は拍手を止めずに、腹話術で答える。
「いや、確かに俺が『エルウィン・ヨーゼフに対抗するには、残る二人をセットにして即位させれば数で勝てる』って考えたけど……。単純計算で1対2ならこっちが有利だろっていう脳筋理論で押し通したけど……」
自分の立ち位置を確認する。新郎であり、二人の女帝の夫。つまり、皇帝の配偶者だ。
「俺の立ち位置はどうなるんだ?摂政とか、国父とか、なんかあるだろ?『ファルケンハイン大公』とか、かっこいい称号が」
普通なら、ここで俺の役職も発表されるはずだ。だって、俺が実権を握るための茶番なんだから。
「アル様」
アナが、冷徹な瞳で俺を見る。その目は、「そんなことより大事なことがあるでしょう」と語っている。
「皆が万歳をしている今がチャンスです。……今のうちにトイレへ」
「!!!!」
天啓だ。そうだ。権力とか名誉とか、そんなものはどうでもいい。今の俺に必要なのは、生理的な尊厳の回復だ。
この「万歳三唱」のどさくさに紛れれば、主役である俺が席を外してもバレないかもしれない。全員、天井に向かって両手を挙げているから、視線が上に行っている。今だ。この瞬間しかない。
「あ、はい……行ってきます!」
脱兎のごとく駆け出した。「万歳!」の声に紛れて、身を低くし、忍者のような足取りで舞台袖へと移動する。元帥のマントが邪魔だが、そんなことは構っていられない。目指すは一点。男子トイレの個室だ。
数分後。俺は、生まれ変わったような顔で戻ってきた。スッキリした。世界が輝いて見える。シャンデリアの光も、さっきまでは拷問器具の輝きに見えていたが、今は希望の光に見える。人間、出すものを出せば、これほどまでに寛大になれるのだ。
何食わぬ顔で新郎席に戻り、アナの隣に座った。(いつの間にか椅子が用意されていた。ナイスだ、リューネブルク)襟を正し、咳払いをする。
さあ、来い。身も心も軽くなった今、俺はあらゆる栄誉を受け入れる準備ができているぞ。
◆
玉座には、二人の幼い女帝が並んで座っている。エリザベートとサビーネ。二人はマイクを握りしめ、緊張した面持ちで口を開く。まずはエリザベートからだ。
「……みなのもの。余……じゃなくて、私たちが即位できたのは、ひとえに尽力してくれた方のおかげです」
彼女の声は、まだあどけない。だが、その言葉には、ブラウンシュヴァイク公に叩き込まれた貴族としてのプライドが滲んでいる。
椅子に深く座り直し、余裕の笑みを浮かべる。
「(よし、ここで俺の名前が出るはずだ。そして俺の権威は盤石に……)」
尽力してくれた方。それは間違いなく俺だ。この面倒な調整を行い、結婚式を強行し、二人を即位させた黒幕。
アルブレヒト。さあ、呼ぶがいい。そして、「国父」として崇めるがいい。そうすれば、俺は明日から「皇帝の夫」という肩書きだけで、働かずに生きていける。
「この場を借りて、感謝の意を表し、新たな地位を授けます」
(うむうむ。遠慮はいらんぞ。一番給料が高くて、一番仕事がないポストを頼む)
心の準備をする。やはり「摂政」か?それとも「帝国軍最高司令官」か?あるいは、新設の「銀河大公」とか?
エリザベートが、大きく息を吸い込む。そして、高らかに宣言する。
「アナスタシア上級大将!」
「……は?」
俺の思考が停止する。アナ?なぜそこでアナの名前が?俺は?
隣で、アナが静かに立ち上がる。ドレスの裾を優雅に翻し、一歩前へ出る。その姿は、凛として美しい。
「はっ!」
(……え?ちょっと待って。アナ?俺の副官だよね?俺の妻その1だよね?)
俺の動揺をよそに、エリザベートは続ける。
「貴女を……帝国軍の最高位……」
ごくり。会場が固唾を飲む。
「『帝国元帥』に任じます!!」
ドガァァァァァーン!!(雷鳴のような衝撃音)
「今後も私のそばで、忠勤に励みなさい!軍の統帥権は、全て貴女に委ねます!」
「(優雅に跪く)謹んで拝命いたします、陛下」
どよめき。会場が揺れる。
「ファルケンハイン元帥より上か?」
「実質的な軍のトップは奥方様ということか……」
ひそひそ話が、俺の鼓膜を叩く。
(俺の部下だったはずの妻が、俺と同格の称号をもらった……)
アナがチラリとこちらを見る。その目は笑っていない。「計画通りです」と語っている。やられた。俺がトイレに行っている間に、あるいはもっと前から、このシナリオは出来上がっていたのだ。俺を神輿として担ぎ上げつつ、実権はアナが握る。完璧な傀儡政権の完成だ。
◆
俺がショックで灰になっていると、エリザベートが急に表情を崩した。先ほどまでの威厳ある女帝の顔から、年相応の少女の顔に戻る。
「……と、公的な話はここまでですわ!」
彼女はマイクを両手で握りしめ、もじもじとする。
「とは言え、アナスタシア様は同じアルブレヒトの妻という関係……言うなれば家族です!お姉様です!」
お姉様。その響きに、エリザベートの頬が薔薇色に染まる。
「ですから……アナお姉様~♡」
彼女は玉座から駆け下りてくる。そして、アナスタシアに抱きつく。
「今夜は私を可愛がってくださいね~♡一緒にお風呂に入りましょう!背中流してあげます!」
おい。待て。ここは公の場だぞ。全銀河に中継されているんだぞ。新皇帝が、同性の配偶者に「一緒にお風呂に入ろう」とねだる映像が流れていいのか?帝国情報省の検閲はどうなっているんだ。
アナは、抱きついてくるエリザベートを優しく受け止める。その表情は、俺には一度も見せたことのないような、慈愛に満ちた聖母のそれだ。なんだその温度差は。
すると、もう一人の女帝、サビーネが黙っていない。
「ずるいですわ!リズ(エリザベート)だけ!」
彼女も玉座から飛び降りてくる。サビーネは、エリザベートよりも少し幼く、天真爛漫な性格だ。彼女のターゲットは、アナスタシアではなく、俺だった。
「じゃあ私は、アルお兄様!」
ドスン!
彼女は、座っている俺の膝の上にダイブしてくる。重くはないが、衝撃が凄い。ドレスのフリルが顔に当たって前が見えない。
「私も可愛がって~♡膝枕してあげる!それとも、私が膝枕してもらう方がいい?」
彼女は俺の首に腕を回し、甘ったるい声で囁く。上目遣いだ。小悪魔だ。これが門閥貴族の英才教育か。
「……おい。サビーネ、降りなさい。重くはないが、社会的立場が重い」
周囲の視線が痛い。「ロリコン元帥」というレッテルをまた貼られそうだ。
「威厳もクソもないぞ。全銀河に放送されてるんだぞ?リッテンハイム侯が卒倒しそうだぞ?」
チラリと客席を見ると、リッテンハイム侯は「うちの娘が一番積極的だ!勝った!」とガッツポーズをしている。ダメだこの親バカ。
「あらあら。サビーネ様も甘えん坊ですね」
アナが、エリザベートをあやしながら、こちらを見る。その瞬間。彼女の瞳から「聖母の慈愛」が消え失せ、「絶対零度の検閲官」の光が宿る。
「アル様」
「ひっ、はい!」
反射的に背筋を伸ばす。サビーネが膝に乗ったままだが、直立不動の精神状態だ。
「サビーネ様が甘えておられますが……」
アナの声は低い。マイクを通していないのに、会場の隅々まで届きそうな通り具合だ。
「鼻の下を伸ばさないでくださいね」
ギクリ。伸ばしてない。断じて伸ばしてない。ただ、柔らかい感触に戸惑っているだけだ。
「(眼光が光る)浮気は許しません」
「いや、これは浮気ではないだろう!!」
これは正当な抗議だ。
「全員と結婚したんだぞ!?夫婦なんだし!サビーネも俺の妻だぞ!?妻とイチャイチャして何が悪い!」
一夫多妻制だ。それなのに、なぜ俺は怒られているんだ。
アナは、エリザベートを抱き寄せながら、冷ややかに宣言する。
「法的にはそうかもしれません。……ですが」
彼女は、俺の目を真っ直ぐに見つめる。
「心が私以外に向くのは浮気です」
「理不尽!!」
ジャイアンか。お前のものは私のもの、私のものは私のものか。
「サビーネ様やエリザベート様は、まだお若いです。教育が必要です。……アル様のようなだらしない大人の手つきで触れられるのは、教育上よろしくありません」
「俺の手つきはだらしないのか!?」
「ええ。マンゴーシェイクを飲む時のように、だらけています」
「よって……寝室のスケジュール管理は、私が厳格に行います」
アナが、懐から手帳を取り出す。そこには、分刻みのスケジュールが書き込まれている。
「当面、アル様の自由時間はトイレ休憩のみです。それ以外の時間は、政務、式典、そして私との『家族会議(という名の補習)』に充てていただきます」
「そんな殺生な……」
サビーネを膝に乗せたまま、項垂れる。新婚生活。それは甘い蜜月ではなく、帝国元帥アナスタシアによる、地獄の管理社会の始まりだった。
「やったー!アナお姉様とずっと一緒!」
「えー?アルお兄様とは遊べないの?じゃあ、こっそり夜這いに行くね♡」
「サビーネ様。夜の廊下はリューネブルクが巡回しております。撃たれますよ」
「ひえっ」
カオスだ。帝国の頂点は、今、完全にカオスと化している。だが、奇妙なことに、このやり取りを見ていた貴族たちは、安心したような顔をしている。
「仲が良さそうだ」
「これなら内乱は起きないな」
「ファルケンハイン家は安泰だ」
彼らの基準はどこにあるんだ。
ただ一つ、誤算だったのは。俺の家庭内ヒエラルキーが、最下層(ペット以下)に確定したことだけである。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
今回は、
皇帝崩御
結婚式
戴冠式
帝国元帥任命
女帝たちの暴走
アルの膀胱崩壊危機
……という、銀河帝国史でも例のない混沌を詰め込んだ回になりました。
シリアスとギャグの落差が激しい展開でしたが、
読者の皆さまは、
どの場面が一番衝撃的だったか
誰の発言が光っていたか
アナスタシアの“帝国元帥就任”をどう感じたか
アルの不遇をどこまで同情したか
女帝ふたりの破壊力をどう見たか
など、思うところが多いのではないかと思います。
ぜひ、皆さまの「一言感想」を聞かせてください。
今回は特に、読者それぞれの“お気に入りシーン”が違うはずです。
あなたの感想が、次の混沌を書くエネルギーになります。
帝国と同盟の内乱どちらから見たいですか?
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