銀河英雄伝説 〜無能なる俗物が勘違いで英雄に祭り上げられ、気づけば貴族連合盟主としてラインハルトと雌雄を決する件について〜 作:斉宮 柴野
宇宙艦隊司令長官:ウィレム・ホーランド元帥
ホーランド直衛艦隊:ロボス元帥より引き継ぎ2万隻
イゼルローン方面軍司令官:ヤン・ウェンリー元帥
ナンバーフリート
第一艦隊(首都防衛)
司令官:クブルスリー中将
第二艦隊(再建完了)
司令官:パエッタ大将
第五艦隊(再建中)
司令官:ビュコック大将
第七艦隊
司令官:ホーウッド中将
第八艦隊(艦隊再編を受けて解隊)
アップルトン大将→後方作戦本部長へ就任
第九艦隊
司令官:アルサレム中将
第十艦隊(再建中)
司令官:ウランフ大将
第十一艦隊(再建中)
司令官:ラップ中将
第十二艦隊(再建完了)
司令官:ボロディン大将
第十三艦隊(再建中)
司令官:アッテンボロー中将
イゼルローン方面軍
第二・十一・十三艦隊
司令官:ヤン・ウェンリー元帥
総参謀長:ドワイト・グリーンヒル大将
副官:フレデリカ・グリーンヒル大尉
方面軍後方作戦本部長:アレックス・キャゼルヌ中将
方面軍陸戦隊総司令官:ワルター・フォン・シェーンコップ中将
ハイネセン 統合作戦本部
捕虜の交換式典から数週間が経過した。自由惑星同盟軍は、物理的な損害(艦艇の喪失)と、精神的な損害(常識の崩壊)の両方を抱えながらも、驚くべき回復力を見せていた。
そんな中、軍の中枢である統合作戦本部では、組織の抜本的な刷新が行われていた。刷新といっても、腐った部分を切除したわけではない。腐った部分と、変な形をした部分と、やる気のない部分を接ぎ木して、最強のキメラを作り上げたのだ。
世に言う、同盟軍「黒い三連星」体制の確立である。
組織図の最上段に鎮座するのは統合作戦本部長、ラザール・ロボス元帥。
入口には「面会謝絶(ただし食事の差し入れは除く)」という札が掲げられ、室内には最高級の防音設備と、キングサイズのベッドが完備されている。彼は、アムリッツァでの「見事な撤退指揮」の功績により、シトレ元帥の後釜として軍のトップに座った。
「いかにして安眠を確保するか」そのために、彼は権力を握った。偉くなればなるほど、現場に出なくて済むからだ。逆転の発想である。
その直下に位置するのが、宇宙艦隊司令長官、ウィレム・ホーランド元帥。
彼は、ロボスが手放した「総司令部直衛艦隊」2万隻を丸ごと譲り受け、率いることになった。猛牛に核兵器を持たせたようなものだ。
そして、もう一角を占めるのが、イゼルローン方面軍司令官、ヤン・ウェンリー元帥。
史上最年少の元帥であり、同盟の守護神。彼は、イゼルローン要塞と、駐留艦隊、さらに3個艦隊(第二、十一、十三)を統括する。本人は「年金生活」を夢見ているのに、現実は「銀河一の激務」を押し付けられた被害者である。
さて、新生・宇宙艦隊司令長官の執務室。そこでは、ホーランドが、目を輝かせていた。
「ガハハハ!見ろ!この壮観なリストを!」
タブレット画面には、彼が指揮することになった艦隊のデータが羅列されている。
「ロボスの旦那、気前がいいぜ!自分が手塩にかけて育てた直衛艦隊2万隻を、ポンと俺にくれるとはな!」
「これで俺の『芸術』はさらにスケールアップだ!キャンバスが足りないくらいだぞ!宇宙の果てまで突撃してやる!」
『うむ。……気に入ったか、ホーランド』
『私の昼寝を守るには……番犬、いや、猛牛が必要だからな』
ロボスの論理は明快だ。敵(帝国軍)が攻めてきた時、自分が戦うのは面倒くさい。だから、代わりに戦ってくれる、一番好戦的で、一番体力のありそうな奴に戦力を集中させたのだ。「俺の代わりに暴れてこい。ただし、俺の安眠を妨害するな」というわけだ。
『好きに使え。……戦術も、編成も、お前の自由だ』
「おお!太っ腹!」
『ただし……私の家の前(ハイネセン周辺)で吠えるなよ。うるさいからな。……敵地(帝国領)で存分に暴れてこい』
「合点承知!任せてください!帝国軍をビビらせて、二度とハイネセンに近づけないようにしてやりますよ!」
ホーランドは胸を叩く。彼は、ロボスの「怠惰」を「深い信頼」だと勘違いしている。この勘違いこそが、同盟軍のパワーの源泉だ。
『頼んだぞ。……ムニャムニャ』
プツン。通信が切れる。ロボスは再び夢の世界へと旅立ったようだ。
「よし!全艦隊に通達!これより猛特訓を開始する!俺の『ミサイル・ダンシング・オールナイト』戦法を叩き込むぞ!」
◆
イゼルローン要塞
ヤンは、真新しい元帥の制服に身を包んでいる。だが、その着こなしは酷い。襟元はすでに緩んでいるし、ベレー帽の位置も決まっていない。彼は、デスクの向こう側に立っている人物の威圧感に、物理的に押し潰されそうになっていた。
その人物は、直立不動の姿勢で敬礼している。背筋は定規で測ったように真っ直ぐで、軍服には皺ひとつない。
ドワイト・グリーンヒル大将。前回の戦いまでは総参謀長としてヤンの上官だった人物だ。
そして何より、ヤンの有能すぎる副官、フレデリカ・グリーンヒル大尉の実父である。
「イゼルローン方面軍総参謀長、ドワイト・グリーンヒル大将。……本日付で着任しました、元帥閣下」
「え、ええと……」
ヤンは椅子から立ち上がり、おろおろと敬礼を返す。元帥が部下の大将に敬礼を返す図だが、どう見てもヤンの方が「先生に怒られた生徒」に見える。
「歓迎します。……グリーンヒル大将。……その、かつての上官に敬礼されるというのは、どうも背中が痒くて……」
「軍の序列は絶対です」
「貴官は元帥であり、方面軍司令官。私は大将であり、その幕僚。……過去の関係など、軍務においては無意味です。気に病まれる必要はありません」
あまりにも正論すぎて、ヤンの逃げ道を塞いでいく。この人は、真面目すぎるのだ。
「は、はい……。頼りにしています」
ヤンはハンカチで額の汗を拭う。冷房は効いているはずなのに、暑い。
グリーンヒルは、報告を終えると、ふっと表情を緩めた。軍人の顔から、父親の顔になる。
「……ところで元帥」
「は、はい?」
「娘は……フレデリカは、役に立っているかね?」
グリーンヒルの視線が、ヤンの後ろに控えるフレデリカに向けられる。フレデリカは、嬉しそうに微笑んでいる。久しぶりの父娘の再会だ。
「も、もちろんです!」
「彼女がいなければ、私のデスクは書類の雪崩で埋没しています。……いや、私自身が埋没して発見されなくなるでしょう。……記憶力も、事務処理能力も、紅茶を淹れるタイミングも完璧です。非常に優秀な副官です」
「そうか。……それは重畳」
グリーンヒルは満足げに頷く。そして、ヤンの目をじっと見つめる。その眼光の奥に、「もし娘を泣かせるようなことがあれば、元帥だろうと容赦はせんぞ」という無言の圧力が込められているのを、ヤンは敏感に察知した。
「……娘をよろしく頼む」
「は、はい……(胃が痛い)」
意味深だ。言葉の裏に、色々な意味が含まれている気がする。「上官としてよろしく頼む」なのか、「将来の婿としてよろしく頼む」なのか。後者だとしたら、ヤンの平穏な老後は消滅する。
「父さん、お仕事の話に戻りましょう?」
フレデリカが助け舟を出す。彼女は、父と上官のこの微妙な空気を楽しんでいるようだ。
「そうだな。……では閣下、当面の防衛計画についてですが……」
◆
第13艦隊 旗艦《トリグラフ》
第13艦隊の新たな旗艦《トリグラフ》。三つの艦首を持つ、独特な形状の大型戦艦である。
その艦橋で、一人の男が、真新しい指揮官席に座り、足を組んでいた。ダスティ・アッテンボロー中将である。彼は、ヤンの昇進に伴い、第13艦隊の指揮を任されることになったのだ。いわゆる、玉突き人事による出世である。
「へっへっへ。……俺もとうとう艦隊司令官か」
アッテンボローは、真新しいシートの感触を確かめるようにお尻を振る。悪くない。座り心地は最高だ。
「ヤン先輩が偉くなりすぎて、現場指揮を俺に丸投げ……いや、委譲してくれたおかげだな。……玉突き人事とはいえ、悪くない気分だ」
「よし!これからは俺の時代だ!」
「ヤン先輩は慎重すぎるからな。……俺ならもっと派手にやるぞ。『伊達と酔狂』ここに極まれり!……かな」
気分は、海賊船の船長だ。自由だ。俺の艦隊だ。好き勝手に動かしてやる。
ゴホン!
乾いた、そして冷ややかな咳払いが、背後から響く。
「!!??」
恐る恐る振り返る。そこには、幽霊のように音もなく立っている男がいた。ムライ中将である。かつてヤン艦隊の参謀長を務め、「歩く秩序」「喋る軍規」と呼ばれた堅物だ。彼もまた、アッテンボローの補佐(お目付け役)として、この艦に乗っていたのだ。
「……中将」
「『伊達と酔狂』も結構ですが……」
「まずは定時報告と、補給計画の確認が先です。……弾薬の在庫管理、燃料の消費予測、乗員の勤務シフト表……。これら全てに目を通し、承認印をいただかねばなりません」
「司令官としての自覚を持っていただきたい。……艦隊を動かすのは『ノリ』ではありません。『数字』と『手続き』です」
「……うう」
アッテンボローはガックリと項垂れる。帽子の角度が、哀愁を帯びて下がる。
「……お目付け役(ムライ参謀長)は健在か……。俺の自由はどこにあるんだ」
「自由とは、義務を果たした後にのみ存在するものです。……さあ、ハンコを押してください。あと300枚あります」
「300枚!?」
司令官になったからといって、自由になれるわけではない。むしろ、責任という鎖に繋がれただけだった。
◆
第11艦隊 旗艦《レオニダスⅡ》
ラップは、手元の端末に映し出された写真を見つめている。ジェシカ・エドワーズ。彼の愛する婚約者であり、彼の生きる理由そのものだ。彼女が笑っている。その笑顔を見るだけで、ラップの精神力(SAN値)は回復する。
「やれやれ。……ヤンのやつ、とんでもない出世をしたもんだ」
ラップは、モニターの片隅に表示されているニュースフィードを見る。『ヤン・ウェンリー元帥、イゼルローン方面軍司令官に就任!同盟の守護神!』そんな見出しが踊っている。同期の友人が、雲の上の存在になってしまった。嫉妬?いや、そんな感情はない。
「俺も負けていられないな。……ジェシカとの結婚式を挙げるまでは、意地でも生き残るし、そこそこ出世して給料も上げないといけない」
愛には金がかかる。幸せな家庭には、安定した収入が必要だ。そのためには、この中将という地位は悪くない。
視線を艦橋のクルーたちに向ける。彼らは、前任者ホーランドの「教育」によって、筋肉と声量が異常に発達した猛者たちだ。全員、首が太い。そして、常に目が血走っている。「いつ突撃命令が出てもいいように」という臨戦態勢らしいが、今は停泊中だ。落ち着いてほしい。
「……ま、ヤンの苦労に比べればマシか」
ヤンは今頃、巨大なイゼルローン要塞で、数百万人の部下と、トリューニヒトという妖怪と、そしてグリーンヒル大将という「怖いお義父さん」に囲まれて胃を痛めているはずだ。それに比べれば、この筋肉ダルマたちを手懐ける方が、まだ可愛げがある。
「司令官!」
「本日の訓練メニューはどうしますか!やはり『小惑星帯への全速突入』ですか!それとも『重力ターンによるG耐久我慢大会』ですか!我々の筋肉が唸っております!」
副官が上腕二頭筋を見せつけてくる。いらない。そのアピールは求めていない。
「……普通でいいよ。普通の航行訓練だ」
「えっ?普通……ですか?」
「普通」という概念が、この艦隊では絶滅危惧種らしい。
「そうだ。隊列を組み、通信を確認し、規定の速度で航行する。……それが今日からの『第11艦隊』のやり方だ」
「俺たちは、死ぬために戦うんじゃない。……生きて帰って、愛する人と飯を食うために戦うんだ。そのためには、筋肉よりも脳みそを使え」
「は、はあ……。脳みそ……ですか」
ラップは諦めない。彼は、この野獣の群れに「理性」という名の種を撒き、育て上げるつもりだ。ヤンが「魔術」で勝つのなら、俺は「理詰め」と「生存本能」で勝つ。それが、ジャン・ロベール・ラップの戦い方だ。
「よし、まずは座学だ。……全員、教科書を開け。5ページ目、『なぜ補給は大事なのか』から始めるぞ」
「ええーっ!勉強ですかあ!?」
筋肉痛よりも座学の方が辛いらしい。ラップの生存は、ヤンの精神衛生にとって、そして同盟軍の良心にとって、数少ない救いであった。彼がまともでいてくれる限り、同盟軍はまだ「軍隊」としての体を保っていられるのだから。
◆
司令官室 秘密回線
先ほどグリーンヒル大将との面談を終え、ようやく一息つけるかと思った矢先だ。デスクの奥に設置された、真っ赤な通信機が鳴り響いたのである。
それは最高評議会議長直通の、超極秘ホットラインだ。通称「悪魔のベル」。
画面にノイズが走り、次の瞬間、世界一見たくない笑顔がアップで映し出される。
『やあ、ヤン元帥。……仕事の調子はどうかな?方面軍の居心地は?』
「……広すぎますよ、議長」
「第二、第十一、第十三艦隊を直轄とし、さらに空戦隊、陸戦隊、後方支援、要塞守備隊……。合計で正規艦隊4個分、補助艦艇を含めれば6万隻近い。……ひとつの国家並みの戦力です。私の手には余ります」
愚痴ではない。事実だ。一人の指揮官が運用できる規模を超えている。これは「軍団」ではない。「国家」だ。
『ハハハ。……謙遜するなよ。君なら10万隻でも指揮できるだろう?』
『頼もしい限りだ。……言っておくがね、予算も物資も、イゼルローン方面軍には特別に『最優先』で回しているんだよ』
「……は?」
「最優先、とは?」
『言葉通りさ。……最新鋭の戦艦、士官学校を優秀な成績で卒業した新人、希少なレアメタル、そして……兵士たちの食卓に並ぶステーキ肉に至るまで、すべて最高級のものを君のところに集中させた』
トリューニヒトは軽やかに笑う。彼は、ヤンの困惑を楽しんでいる。
『他の艦隊……特にビュコック爺さんの第5艦隊あたりからは、「なんでヤンのところだけ!」と叱咤されることは多いだろうがね。……そこはほら、『必要経費』として自分でなんとかしたまえ』
「し、しかし……!そんなことをすれば、軍内部に亀裂が走ります!」
軍隊において、待遇の格差は士気の低下に直結する。ヤンのところだけ給料が良くて飯が美味ければ、他の部隊は面白くない。必ず不満が出る。ヤンという個人の人気を下げるための、巧妙な嫌がらせか?
『構わんよ』
『金も、人事権も、作戦立案の独自裁量権も……すべて君に与えるように、昨日、法改正をしておいた』
「法改正!?」
『君の意思一つで……イゼルローンは、同盟政府の干渉を受けない『独立国家』のように動けるはずさ。……関税もかけ放題だ』
「……議長。……貴方は、何をさせたいのですか?」
これは、ただの優遇ではない。毒だ。権力という名の、甘くて致死性の高い毒薬だ。
『もし、同盟の政治が気に入らなくなって……独裁者になりたくなったら、いつでもクーデターを起こすと良い』
「!?」
『今の君の戦力と、国民的人気なら……私を倒すことなど造作もないだろう?ハイネセンまでひとっ飛びだ。……私が君なら、そうするね』
クーデターの推奨。国家元首が、軍の司令官に反乱を唆している。狂っている。この状況で正気でいられる自信がない。
「ぜ、絶対に起こしません!冗談でもやめてください!」
冗談じゃない。なんで私が、面倒な独裁者にならなきゃいけないんだ。独裁者になったら、年金どころか、死ぬまで仕事だぞ。
『ハハハ!冗談だよ、冗談。……顔色が悪いぞ、元帥』
『だが、力を持つということはそういうことだ。……人は、強大な力を手にすると、それを使いたくなる生き物だ。君は清廉潔白な『民主主義の守護者』でいられるかな?』
彼は、ヤンを試している。過剰なまでの戦力と金を与え、ヤンが腐敗するかどうかを観察しているのだ。もしヤンが野心を持てば、それはそれで利用する。もしヤンが清廉なままなら、最強の番犬として使う。どちらに転んでも、トリューニヒトには損がない。
『健闘を祈るよ、未来の独裁者殿。……せいぜい、美味しい紅茶でも飲んでくれたまえ』
「…………なんてことだ……」
「あの男、私を『飼い殺し』にするどころか、あえて肥え太らせて『魔王』に仕立て上げようとしている……。勇者を育てるのではなく、ラスボスを育ててどうするんだ……」
自分の意思とは無関係に、自分が「同盟最大の脅威」になりつつある。このままでは、帝国軍よりも先に、同盟軍内部から「ヤンを倒せ」という声が上がりかねない。
「おーい、ヤン。……また予算が増額されたぞ」
「今度は『福利厚生費』の名目で、とんでもない額が振り込まれている。……使い道がないから、兵士の給料を倍にしてやろうか?それとも、要塞の通路を金箔張りにでもするか?」
「やめろ……。これ以上、私を成金趣味の独裁者にしないでくれ……」
「ほう、それはいい。……金が余っているなら、傭兵でも雇いますか?」
シェーンコップはヤンのデスクに腰掛ける。不敬だ。
「これだけ兵力が充実していると、いっそハイネセンまで『お散歩』に行きたくなりますな?……トリューニヒトの首をすげ替えて、ヤン元帥が終身独裁官になる。……悪くないシナリオですぞ」
彼は、本気で言っているのか、冗談なのか分からないトーンで囁く。
「お前たち……!」
「私の味方はいないのか……!私はただ、平和に昼寝をして、美味しい紅茶が飲みたいだけなんだ!銀河の覇権なんていらないんだよ!」
「まあまあ、そう言わずに。……力があるのに使わないのは、宝の持ち腐れですよ」
「とりあえず、高級マッサージチェアを1万台発注しておいたぞ。全兵士に配給だ」
ヤン・ウェンリーは、同盟軍最強の武力と、国家予算並みの資金を手に入れた。しかしそれは、トリューニヒトが仕掛けた「ヤンを権力という毒で汚染する」ための、極めて悪質で、そして逃げ場のない罠でもあった。
彼が清廉でいればいるほど、周囲との格差は広がり、孤立していく。彼が力を使えば、独裁者への道が開ける。どちらに進んでも、ヤンの望む「静かな年金生活」は、光の速さで遠ざかっていくのだ。
今回の章では、同盟側の権力の構造と、ヤンがそれに巻き込まれていく姿を描きました。
トリューニヒトの策略、ホーランドの危険性、グリーンヒル父の圧、ラップの良心……それぞれのキャラをどう感じていただけたでしょうか。
特に、読者の皆さまにお聞きしたいのは
ヤンが力を与えられすぎていく怖さが伝わったか?
トリューニヒトのキャラは魅力的に描けていたか?
ホーランド・ラップ・アッテンボローの新しい役職は自然に感じたか?
同盟側のギャグと政治シリアスのバランスはちょうどよかったか?
あなたの感想は、次の章の描写の方向性を決める重要なヒントになります。
一言でも構いません。ぜひ感じたことを教えてください。
帝国と同盟の内乱どちらから見たいですか?
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銀河帝国
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自由惑星同盟