そおれ!アバダケダブラ!   作:味噌カツ伝説

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色々改変要素はありますが、全部スネイプ校長が何とかしてくれるはずです。


58:開戦

『ハリーを差し出せ。そうすれば、危害は加えない。1時間待つ……』

 

大広間に響くヴォルデモートの声は、まさにオレにとっての天啓だった。

ただ……

 

良いじゃん!

連れて行こうぜ!

 

なんて言えるはずはない。

何故かと言えば今まさにそれを言ったスリザリン生たちが地下牢に連れて行かれたからである。

 

「城を守る準備を!エリエザー、今度こそ貴方には役に立ってもらいますよ。」

 

マクゴナガル先生にも釘を刺されてしまったので、大人しく従うことにする。

大丈夫。

きっとスネイプ校長が全部何とかしてくれるはずだ。

 

「オレは城の頂上から仕掛けます。ハグリッド!これを。」

 

ポケットから極小のトランクを取り出し、手をちょちょいと振って元の大きさへと戻していく。

そうしていつもの大きさになったトランクの口から独りでに飛び出してきた木箱をハグリッドに押し付ける。

 

「フィグ先生!これはなんですかい?」

 

「『幸運の液体』です。三ダース、上手く使ってください!」

 

パチン。

指を鳴らす。

 

/

 

城の中で姿くらましできるのがこんなにも快適だとは。

屋敷しもべ式ってホントに便利。

 

という訳で城の頂上に来た。

鋭く尖った屋根に足をかけ、天へと伸びる金属部分によりかかり、バランスを保つ。

 

風は寒いし、想像以上に屋根の傾斜が急で、既にここを選んだことを若干後悔していたが、ここなら()がよく見える。

 

「すごい数だな。デカいのも、小さいのもいる──()()()()も。」

 

クソが。

 

 

 

 

 

 

「プロテゴ・マキシマ。レペロ・イニミカム。」

 

ホラス・スラグホーンを筆頭として、各教師や特に魔法に優れた者たちが、ホグワーツ城に巨大なバリアを張っていく。

空に打ち上げられた呪文は、ドーム状の屋根を形成し、それにうっかり触れた者を消し炭にした。

 

 

 

「ピエルトータム・ロコモーター!ホグワーツに眠る番人よ、目覚めなさい!今、ホグワーツには危機が迫って居ます!お前たちの役目を果たすのです!」

 

ミネルバ・マクゴナガルの呪文により、今までホグワーツ入口の壁の装飾でしかなかった石像たちに命が宿り、意思をもって橋の上へと整列し始める。

 

この呪文、一度使ってみたかったんです、と魔女として密かに興奮するマクゴナガルの言葉は、隣にいたモリー・ウィーズリーにだけ届いていた。

 

 

 

「ネビル、こっちは終わったわ!」

 

ホグワーツ城内部では、生徒によるバリケード作りが行われていた。

各教室の窓を塞ぎ、机を運び出す。

特に、戦えない下級生がいる教室の周りは厳重にされた。

襲われても最低限時間が稼げるよう、上級生を護衛に付け、大人の到着を待てるように。

 

 

 

「ハリー!また後で!」

 

「うん、二人も気をつけて!」

 

ロン、ハーマイオニーの二人は秘密の部屋へと向かっていく。

分霊箱を破壊することのできる、バジリスクの牙を片っ端から集め、ヴォルデモートに近づくチャンスのありそうな人──教師や騎士団の特に優れた魔法使い──に渡すためである。

一方でハリーは、騎士団のメンバーと共に戦闘準備を進めていた。

自分のせいで、また人が死ぬかもしれない。

そんな思いを内に秘めて。

 

 

 

 

 

 

始まった。

遠くに見える草原や丘から、白い閃光が弧を描いてやってくる。

とんでもない数だ。

 

これなら尚更集中しなくては。

大規模な呪文なんて、久しぶりだから。

 

──息を深く吸って、吐く。

 

──息を吸って、口から吐く。

 

「始めよう。」

 

ニワトコの杖を、握る。

見せてくれ、死の秘宝の力を。

 

「プロテゴ・ディアボリカ。」

 

()()()()()()()()()

 

かつて。

ゲラード・グリンデルバルドが使った呪文だ。

闇の魔術でありながら、誰かを護る呪文。

オレは、ホグワーツを護る。

 

青い炎はホグワーツの周りを包んでいく。

本当は炎を外周に軽く這わせるだけのつもりだったが……

これは、あまりにも、強すぎる。

 

長くは保たない。

だが、強力だ。

 

もはやホグワーツと同じ高さまで立ち上ろうかという高さまで巻き上がったその炎は、死喰い人の攻撃も、そして死喰い人自身も、()()()()()

 

外がどうなっているかはもう分からない。

中から見えるのはもはや天井部分から見える夜空だけだ。

だが、分かる。

術者だからこそ、感覚的に。

 

炎は、奴らの攻撃を呑み込み、逆流し、術者へと延びている。

そして術者とその周囲を喰って回っているんだ。

これが、ニワトコの杖の力か。

 

……いや、こんなんだったか?

昔使った時より強くなってないか──

 

 

──突如、地響きが起こる。

思わず落ちそうになって、補助に回していた左手で屋根の金属部分に掴まる。

 

今、一瞬何かが視界の端を横切らなかったか。

 

そう思って振り返れば、ホグワーツの塔の一つが、真ん中から崩壊していくのが見えた。

 

「なっ……!レヴィオーソ!」

 

何とか塔そのものが落ちるのは防げたが、今のは一体……

 

──正面のバリアに巨大な穴が開いていた。

あまりのダメージに、盾呪文はバラバラと崩壊していく。

 

青い炎は、その穴の周囲だけ無くなったみたいに、不自然に消滅していた。

呪文は解いていないが、どんどん全体の勢いが弱まっていく。

 

「ヴォルデモートか?いや、でも……」

 

アイツは分霊箱の破壊のせいで弱っているはず。

それに、ニワトコの杖だってオレがもってるんだ。

 

何か。

オレの知らない何かがある。

 

 

そのとき、死喰い人がいる丘の方から、青い光が見えた気がした。

目を凝らし、呪文を使ってよく見ると、そこには──

 

 

──成長した、トム・リドルその人がいた。




サロウ家の秘宝の話は、レガ主くんが取っちゃったニワトコの杖の代わりの強化要素になります。
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