【トリコ夢】赤い宇宙へ   作:らぴ=どらみ

60 / 65
書いてて「そうなの???」ってワイのがなってるんやが・・・。さすが部長、恋物語(ロマンス)マイスターなだけある。


57精魂を注ぐ

恋物語(ロマンス)の伝道者ヨハネス・・・今後は彼に教えを請(こ)おう。

ワイでは想像もしなかった・・・いやワイが書いとるんやけれども。

 

まさかここで39話の捏造(ねつぞう)設定が、生きてくるとは夢にも思わなかった・・・。

 

脅(おど)しの内容については、45話『翻弄』を参照の程。

 

書いていて38話『悶着』同様、小松とリンの愉快(ゆかい)なかけ合いが好きだなと思った次第。

 

精魂(せいこん)を注(そそ)ぐ・・・精神や気力をある対象へ惜しみなく注ぎ込む。気持ちやエネルギーを一つの事に集中させる。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ココの口から聞かされた真実は、リンとヨハネスにとって想定外の大失態だった。

「・・・・・・ココ・・・」

ココの至(いた)らなさにリンは青い顔で言葉を失い、普段淡々と話すヨハネスですら、言葉に濁(にご)す始末。

「・・・っ、ココさん。それは、あまりにも・・・」

こうして第三者の反応を改めて示されると、挽回(ばんかい)の仕様(しよう)がないのかもしれないと、小松は目を伏(ふ)せる。

 

「っ、うっかり・・・口を滑らせたとかいう次元じゃないし。~~~なんでそんなウソ言っちゃうの!」

取り返しがつかないと悲痛な面持ちで訴えるリンに、ココも釣られてどんよりと重たいものが圧(の)しかかるようだった。

「~~~・・・本当にね・・・」

羞恥(しゅうち)を堪(こら)えるように、ココは鼻梁(びりょう)にギュッとしわを刻(きざ)む。

 

「なに?なにがココをそうさせちゃったわけ?」

信じられないものを見る目で圧をかけながら迫(せま)るリンを、居たたまれないであろうココを不憫(ふびん)に思った小松が止めに入る。

「リンさんっ。信じられない気持ちは察(さっ)するに余(あま)りあるのですが、少しばかり手心(てごころ)をですね」

「ぅぐ・・・っ」

だが庇(かば)う小松の言葉にもダメージを追うココ。

「小松くん、更にココさんの傷口を深く抉(えぐ)っているぞ」

 

指摘を挟(はさ)んだヨハネスは、改めて気になった点を3人に訊(たず)ねる。

「・・・記憶が混乱していた状態のココさんに、ユキさんはどんな様子だったんでしょう?」

「えっ?それは・・・―――」

リンは小松と視線を交(か)わし、ユキの様子についてヨハネスに伝えた。

 

*********

 

「話を聞くに・・・ココさんは、ユキさんに自分という存在を気にして欲しかった。もっと自分を見て欲しい、気にかけて欲しいという思いが、根底にあったのではないでしょうか」

「えっ・・・!」

予期せぬヨハネスの見解に、ギョッとしたココは瞬時に頬に熱が集まる。

 

「ユキさんからも接触が減り、他人行儀(ぎょうぎ)だったのなら・・・脅(おど)しは、ココさんからの必死のアピール・・・っ!!―――とも考えられます」

熱弁を揮(ふる)うヨハネスは、最後に熱量を落としてみせる事で、各自に考える猶予(ゆうよ)を与えていた。

 

「・・・―――ハッ!悲痛な・・・魂の叫び的な・・・?!」

「ココさんに興味ない感じに映ったユキさんの態度に、躍起(やっき)になって振り向かせようと・・・!?」

ヨハネスの解釈にリンと小松も独自の気付きを得て、そうだったのかと表情を険しくさせる。

 

「~~~待って・・・待って!」

ココは今すぐ走り出したい衝動と、3人を止めたい気持ちがせめぎ合う。

「まあ、そうだったら心が潤(うるお)うなという私の願望もこもっていますが」

平然とした口調の裏で、色恋話に心弾(はず)ませていたヨハネスが打ち明けた。

 

「ボクがテンパっていたのは事実だし・・・ユキちゃんに危険区である事を自覚して欲しかったから、だと思うんだけど」

少し早口で説明するココは、心情について分析したヨハネスの言葉に自身を振り返る。

(人と距離を詰めることを敬遠(けいえん)しているんだと思ってたけど・・・記憶を失くしたボクは、ユキちゃんにもっと意識して欲しいと願っていたのか・・・?)

 

*********

 

「ところでリンさん。本を貸す見返りを求めても構いませんか?」

「見返り??」

ヨハネスにしては滅多に見せない貪欲(どんよく)な姿勢に、リンは不思議そうに構える。

 

照れと期待を紛(まぎ)らわせるように、ヨハネスは咳払いした。

「―――んん。身近でリアルな恋模様の進展を・・・聞かせて欲しいのです」

見返りに提示された内容を聞いたリンが驚喜(きょうき)に目を輝かせた時、サニーらが戻ってきた。

「っ!―――それなら・・・あっ。お兄ちゃ~~ん!!」

 

サニーは、元気に呼びかけてくるリンと一緒に居た小松、ヨハネス。

その傍(かたわ)らで、思い悩むような形相で長考しているココに怪(あや)しむような目を向ける。

「ん?珍しい組み合わせだな・・・」

 

「お兄ちゃんがユキと距離縮(ちぢ)まった経緯について、詳しく教えて欲しいんだけどっ」

兄の引っかかりになど微塵(みじん)も気付かず、妹は聞きたかった理由を知ることに精魂(せいこん)を注(そそ)いでいた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。