神の舌? いいえ、贅沢舌です 作:斗鬼派金成
私生活及び仕事環境の著しい変化及び引継ぎ等、社会人としての役目に没頭せざるを得ない状態でした。重ね重ね申し訳ない。
これから徐々に投稿していければなー、と。
遠月茶寮料理學園、略して遠月学園。
東京都内にある日本屈指の名門という料理学校、こんなに広くて東京設定で大丈夫かと心配になる位には規模がデカい。中等部と高等部の各3年制で、本格的に『篩落とし』が始まるのは高等部から。
超が付くほどに厳しい少数精鋭教育で、基準に達しなければ容赦なく退学処分となる。一応、それでも在籍していた実績で料理人としての箔は担保されるものの、卒業生には到底及ばない程度。
料理の腕で総てが決まり、成長速度も加味しない。派閥に入っていない生徒を私情で潰して追い出すといった行為も肯定されるなど、教育機関として相当に杜撰な面もある。
そんな環境だからこそ、卒業まで到達した者たちの栄達は凄まじい。海外で目ざましい活躍をしている料理人も大勢いる、
どれだけ素晴らしい事実だと誉め揚やそうと、その業界に骨を埋める気概も覚悟もない第三者からしてすれば興味ない。
野球選手にサッカーの試合でどういうプレイが最も素晴らしいかを語り聞かせようとも、へーそうなんだという感想しか浮かばない。一定以上の距離を保って、深く係わらずに事を収めたい。
それが大多数の人間の反応で、自分とそちら側の関係性でもある。
だからさぁ、良いじゃんもう。今回の事は水に流して、間違いだったで済ませば。追い出してくれれば特に問題も起こさず消えるし、闇に葬るつもりなら全力で逃走するだけ。
神の舌? 御大層な事で、小市民にはとてもとても。は? お前もそうなんだろって?
違いますゥ、神の舌? いいえ、贅沢舌です(タイトル回収)
えっ、認めないのならこのまま抱き枕として一夜を明かすって!?
やめろォー、○○○カー!……ぶっ飛ばすぞおぉおおおおおおおおおおおお!!! あぁああぁあぁぁあぁ、せめて! せめて拘束なら縄とか拘束衣とかにして!?
逃げないから、自分絶対逃げないからぁあああああああああああああ!!
えっ、何そのおくるみ!? 抱きしめ、アッ!!!!!(性癖が壊れる音)
「んで? そんな料理学園の支配者様が、こんな下賤な小僧に何の御用で?」
全身を縄で縛られた状態でせせら笑う、年端も行かぬ少年。先刻まで真凪に抱きしめられ、狂乱していたとは思えぬほどに落ち着いており、その眼孔は凡てを見透かさんばかりに大きく、強く見開かれている。
嘘も誤魔化しも許さないと、その瞳は雄弁に告げていた。
「君の実力を測りたい、少年」
「得体の知れないクソガキよりも、優秀な料理人はごまんといるのでは?
周りを囲む
言いたい事ははっきり言え、長引かせるなと言わんばかりに。
「先程、娘である真凪と話をした。君の事について」
「それで? 解放はいつ頃に?」
「急くな。確かに真凪が君に仕出かした事については改めて謝罪する、すまなかった」
退屈そうに欠伸を噛み殺しながらも、視線はこちらを捉えて離さないままだ。
続きを進めろと、言外に告げているようにも見えた。
「その上で聞きたい、真凪に何をした? 否――何を食べさせた?」
「さぁ? その口振りでは、何を食べたかまでは聞き出せてはいないようで」
「この世の物ではない美味、とは聞いている。だが、それがどんな料理とまでは聞き出せなかった」
「当人からそのまま聞き出せばよろしい、並行して自分も解放すれば万事解決だ」
「真凪には薊が付いている、心配はいらん」
ほう、と腹の底から安堵の息を漏らす。その様子からは先程まで見せていた剣呑さは消え、こちらが素なのだろう穏やかな表情が浮かぶ。
それも一時の事で、すぐに元の状態に戻る。表情が和らいだ刹那の間も、視線までは消えていなかった。
このまま問答を続けても、話は平行線のままだ。こちらから進ませてもらおう。
「真凪が食べた料理を作ってほしい、今すぐに」
吐息が漏れる、先程の安堵ではない別の色。面倒、或いは予想していた悪い事が現実になった故の逃避か。
逃げられないよう出入口は塞いである、調理の準備も万全だ。足りない食材があればすぐに用意できる状態も整っている。
さて、どう出る。真凪が『神の両腕』と認めた料理人よ。
「……条件が、ある」
逃げられないと悟ったのか、若しくは諦めたのか。少年は目をまっすぐ見据えて話し始める。
「先ず、場所。此処では狭い、息苦しい。広い調理場を用意してもらう」
「では何処に?」
「
本来なら、十傑同士の食戟でのみ使用が許される大会場。秋の選抜といった遠月学園伝統の美食の祭典を除いては、侵入すら許されない聖地でもある。
確かにそこなら存分に腕を披露出来るだろうし、監視の目も緩み逃走もしやすいだろう。追加の条件を吞むならば、問題にはならない。
「次に、人員。調理中は危ないから絶対にお姉さんを自分に近づけないで」
「う、うむ。当然だ」
震えながら呟く少年の姿に、深く考えず同意する。相当参っているが、やはり当初予定していた条件ではマズいか。
「最後に、料理。お姉さんが食べた料理は特殊すぎて、すぐに作れない。だから別の物を作る」
「それを真凪が認めず吐き出せば、君はどう責任を取るつもりだ? 少年」
「
一寸の淀みも、迷う素振りすらなく少年は料理人としての将来、命、人生のすべてを
「よかろう」
儂を食の魔王と揶揄し、話してもいない月天の間の情報を知っていた。その上で交渉し、賭け金を提示した。
ならば之は、儂と君の食戟と言い換えても他言ではあるまい。
すべての条件を呑んだ上で、逃げられないよう追加の条件を提示した。
「但し、君が逃げないよう条件を追加で出す。それは――」
「それ位なら別にいい、でも衣服は変えさせてくれない?」
流石におくるみの上から縄で縛られたままでは何も出来ない、と。赦せ、
あまりにも男として憐れな姿に、同情を禁じえなかった。
Q.話の構成ってどうなってんの?
A.先ずポンコツ主人公の独白、及び性癖崩壊。
次に仙左衛門殿の独白、もとい交渉(笑)。
Q.ポンコツ転生者くんキャラ違くない?
A.つよつよ真凪さんに迫られて狼狽えたりしない、『彼女いない歴=年齢』の童貞だけ石を投げなさい(暴論)
Q.おくるみ姿で草ァ!!
A.ポンコツ転生者くんがカッコつける度に、「コイツおくるみ着てカッコつけてたよねw」と哂われて可哀想、草。
いない間にお気に入り登録された方が1700人超えている件について(震え声)
何があったし、ありがとうございます。