戦況が一変した
そして、主神が送還されて
「状況は悪くなる一方か⋯」
その時、俺の眼の前に黒い全身鎧を身に纏った大男が現れる。
「久しぶりだな、ザルド」
「そうだな、クソガキ。お前にも俺が此処にいる理由を話さないといけないほどに愚鈍だったか」
「いや、必要ない」
互いに
「ほう、あの頃よりは成長したようだ。紙屑のように飛んでいたお前が撫でただけとはいえ俺の一撃を止めるとはな」
「抜かせ、お前こそ
「!!」
俺の言葉にザルドは眉間にシワを寄せる。
「まさか、お前のようなクソガキに察せられるとはな」
「もう時間がないからこそか⋯」
「何を言っているかわからんぞ、俺の分かる言葉で話せクソガキ」
核心を突く言葉を使っても誤魔化そうとするザルド。
「まぁ、いいや。それよりもザルドお前アルフィアの甥っ子を見に行かなかったのか?」
「!? 何故、お前が知っているクソガキ!!」
「知っているだけだ、俺達にも負ける馬鹿とアルフィアの妹との子供は今は確かゼウスと一緒にいるんだったか」
「随分と詳しいようだが⋯その情報どこで手に入れた?」
「前世」
「ほざけ」
その言葉とともに両手剣と大剣が幾度となく激突する。
「済まないザルド、お前達に面倒事を押し付ける」
「何を言っている、貴様訳が分からんぞ!!」
「俺達の踏み台になろうとしているだろ」
「何の事だ、クソガキ。俺は相応の戦場を求めてやって来た、それだけだ!!」
俺の言葉にザルドは否定し叫ぶ。
「【
その瞬間、鐘の音が響き俺の眼の前が爆ぜた。
「ぐはぁっ!? アルフィアか!!」
その言葉とともに建物の壁に激突する俺。
「ザルド、何をしている。この程度の雑音などいくらでも消せよう」
「アルフィア、あのクソガキはお前の妹の子供のことを知っていたぞ」
「なんだと?」
アルフィアがザルドにそう言うと、ザルドはさっきの会話のことを伝える。
それを聞いたアルフィアが眉間にシワを寄せて近づいてくる。
「おい貴様、どうやってあの子のことを掴んだ。言え」
「前世」
そう言った瞬間、俺はアルフィアに踏みつけられる。
「巫山戯ているのか、ちゃんと答えろ!!」
激昂するアルフィアだったが、もう既に俺は足元にはいない。
というか、最初に魔法を食らった時点で俺は霧の死ぬ気の炎で幻覚を作り出して入れ替わっていた。
それもザルドの感覚すらも騙すほどの幻影を⋯。
「逃がしたようだな」
「チッ、必ず仕留める」
ザルドの言葉にアルフィアはそう誓った、大切な妹の忘れ形見である甥を守るために。