1年前に書いて頓挫した作品でもある
あと原作名はソードアート・オンラインと書かれてるけれど実際これだけじゃ東方の方が正しいかな?
良かったら見ていってくださいね
1月1日、世間では元旦や正月などと呼ばれている日である。
特に学生にはおとしだまが貰える日としても大人気である。かく言う俺も今日の朝に親から貰ったおとしだまは今年の大事な軍事資金である。
さらに言うならば今日の深夜にログインして手に入れた今ハマっているMMOの運営からのおとしだまパックもとても美味しかった。5000円と中学生には少し高い金額だったが、中身はかなりのボリュームでとても良い初夢が見れたと思う。寝てないけど。
そして、もう一つこの正月には学生のMMOプレイヤーに超難題試練を与えてくる一面もある。
それは、初詣である。
賽銭箱に金を投げ入れその神社にいる神に願いを祈るという正に神主だけが得をするこのイベント。
そもそも神なんてものは存在するはずが無いのに、というのが俺の自論でもあるがそんな意見は多分求めていないのだと思われる。
ゲームで言えば乱数調整に等しい行為だろうと思う。神社に行って賽銭をし、願いを捧げるという行動で自分の願いが叶う確立を上げようとし
てるのだ。
特に俗世間では高い金額を捧げる程に願いが叶う確立が上がるという、確証の無い謎の方程式が出来上がっており、更にこの迷信がなぜか有名ゲームの裏技の如く音速で広まってしまっていて最早誰も手出し出来ない。
そのせいで俺まで被害を被っているから勘弁してほしい。
まあつまり、俺は今何をしてるかというと、初詣をしに車で1時間掛かる少し遠い神社へ四人家族全員で来ているのである。
しかし車内での状況(会話)は最悪、俺と妹である直葉は後部座席に居るのだが全くの無言、前に座る両親までその空気が及んでいるのか何か気まずい雰囲気が漂っている。
…これはもう瘴気というレベルに達してるんじゃないか?あるいは毒霧とか。
そんな空気を吸ってHPを減らしつつ神社に辿り着いたのは午前10時過ぎ、この時間になるともうかなりの人混みになっているようだった。
車を降りると風に乗って祭りのような騒ぎ声が聞こえてくる。正直喧しいのだが、空気がとても綺麗で淀んでない。
車内とここ、どちらがいいかと言われたら間違いなくここを選ぶ。
てか誰が好んであんな瘴気に満ちた車内に戻るっていうんだ。
車内と同じく俺と直葉は無言、母さんと父さんはちょいちょいと会話を交わしつつ境内を歩くこと数分、神社の大通りのような道に出た。
どうやら本殿に繋がってるらしく、人が長蛇の列をなしている。ここに並ぶのかと思うと本当に気が滅入る。
…うん?てか俺が並ぶ必要あるのか?
俺は完全な無宗教であって、別に初詣をしたい訳ではない。
むしろ早く俺の行きつけのゲーム屋でお年玉袋を買いたい。
…まあそれは置いといて、初詣をしたいのは俺の両親だ。直葉は知らんけど、俺にはそんな気持ちは無い。
ーーーなら俺は別に賽銭入れる必要ないんじゃないか?他の場所で待ってれば何の問題もないんじゃないのか?
…この列に並ぶ前に思いついた俺天才。
そんな自画自賛をしつつ、俺は両親にそれを話す。
「父さん、母さん」
「どうしたの和人?」
「俺別の所で待ってて良い?」
「だけどな、はぐれたらどうするんだ?」
父さんがそう問いかける。だが、こんな事ぐらい簡単に論破できる。
「その為の携帯じゃん。だから大丈夫でしょ」
この前初めて手に入れたのだ。電話帳はまだ寂しいが、これを使えば色んなことが出来るから意外と重宝している。流石現代の携帯(スマフォ)と言う所だろうか。
「うーん、なら良いわ」
「良いのか?」
「和人は賢いし、大丈夫だとおもうわよ?それにこの列にこの子を並ばせるのも酷な話だしね」
待って母さん、それって俺がひ弱とかそう言う意味か?
………まあ事実何だけど。
「…そうだな、じゃあ和人は近くの店とかで休んでてくれ」
その父さんの言葉を聞いて軽く返事を返した俺は弾かれたように家族の元から離れ、逆方向へ歩き始めた。
にしても金持って来て良かった、8000円もある。両親からのお年玉の一部である。
これだけあればファミレスに入っても全然大丈夫だ。オーケー、まずはファミレスを探そう。
そう思い、俺は行動に移す。まずは神社の境内から遠ざかろうとハイペースで歩く。段々に正月特有の人ざかりが無くなり、遂には1人も居ないほどになっていた。
だがあの騒がしさから逃れたかった俺としては好都合だ。困ることは何もない。
寧ろ有りのままの自然が俺の気持ちを清々しくしてくれるじゃないか。
そうして歩いて10分、そこで俺はこの妙に静かな神社に疑問を持った。
……変だ。この神社はこんなに広かったか?
車で神社の駐車場に入った時はそんな感じはしなかった。
それに人が居ないのもそうだが、何よりも生活音が一切しない。
普通なら余程の田舎でない限りは車や電車やその他諸々の音があるはずなのに、耳を済ましても聴こえるのは鳥のさえずりや風が吹く音だけだ。
そこで俺は自分が携帯を持っていたのに思い至る。てかこの状況になった時点で気付け俺。
携帯をポケットから取り出してロックを解除、地図アプリを起動する。
「……電波が通じない⁉︎」
おい嘘だろ?
ここは仮にも関東圏の平地だぞ?
このスマフォの携帯会社は広範囲で電波が入るってネットのクチコミで見たからここにしたのに、ガセだったのか?
………携帯会社の選択ミスったな、こりゃ…。
そんな酷くどうでもいい考察をしつつも前へ進む。
…というか今まで来た道を戻ればさっきの所に戻れるんじゃないか?
再度なぜ今まで気づかなかったのかという疑問を持ちつつ、俺は行動に移そうとした。
しかし、なぜか後ろを振り向くと木々と雑草で俺の来た道が獣道になっているのだ。
あり得ない。俺確かに先ほどまで神社の境内からの道をずっと歩いてきたし、何より道はコンクリで舗装されていた。…いつから俺は土の道を歩いてたんだ。それに人々の新年を祝う声も聞こえないし…。
…もう考えても分かんねえ!考えれば考えるほどこんがらがる!
そうして俺は溜め息をはきつつまた前に向かって歩き始める。流石にあの雑木林の先に俺が歩いて来た道があるとは思えない。
携帯も電波が無いんじゃただの暇つぶし機能付き目覚まし時計だ。一応携帯型充電器はあるが、電源は落としておこう。もしかしたら必要な時が来るかもしれない。
そう思って電源ボタンを押しつつ俺は着々と見知らぬ一本道を進む。
未だに人気は無い。
そうして歩いて俺の目の前には神社の様な物が広がっていた。鳥居が目の前にそびえ立つ。
見た目は普通そうだ。
ーーーただし、さっきの所とは比べ物にならない程に寂しい、と言う修飾語が付くが。
もはやこのレベルまでになると、祀られてる神なんて貧乏神位ではないのかと邪推してしまう程だ。
そう、何と言うか人の気配がしないのだ。それどころか生物の気配すら感じない。
今は冬とはいえこれは余りにも酷い。
鳥居をくぐると直ぐに賽銭箱が見える。これだけで小さな神社と言うことが分かる。
まあ、この人気の無さから気付いてはいたけど。
周囲を見渡すに境内はしっかり掃除されている様で、枯れ葉は殆ど見当たらない。
それにさっきから自然が作る音しか聞こえてこない。
………まさか現代社会にこんな場所があるとは夢にも思わなかった。
…というか、鳥居をくぐって境内に入った挙句に目の前に賽銭箱となると、何かこう、逃げれないと言うか、賽銭をしなければならないという脅迫観念に囚われてしまうのだが………。
…この脅迫に勝てなかった俺は仕方なしに財布を取り出し、中身を探る。
そこで俺は小銭が1枚も入ってない事に気付いた。
…そうだった、小銭の入った何時もの財布はあんまり札が入んないから置いて来たんだった。
つまり今あるのは五千円札が1枚と千円札が3枚、賽銭をするとなると必然的に千円札を入れなければならなくなる。
勿論神社に両替機などあるはずもなく、心の中の抵抗も虚しく俺は自分でも不思議に思うほど自然な流れで千円札を賽銭箱に奉納する。
千円札がヒラヒラと舞う様を俺はただ見つめる。多分今の俺の目を誰かに見られたら目が死んでいるだとか腐っているだとか言われるであろう。
貴重な千円を犠牲に俺はうろ覚えの賽銭する時の作法をしつつ、この神社に祀られてる神が貧乏神でない事を願う。千円払ったのに厄が付くとかゴメンだしな。
その時、少女の声が後ろの鳥居の方から聞こえてきた。
「あ、あんた!ちゃんと賽銭いれたんでしょうね!」
心外だ。シッカリと入れた。内心では入れる気は全くなかったが。
…つかこの声、誰だ?
俺はそう思って振り向くと、少女が居た。と言っても多分俺より年上なのだろう。どこか不思議な香りを出している。
容姿もまるでどこかの漫画やゲームに出てくるような、絵に書いたような美少女だ。
ただ、紅白柄の巫女姿というのはとても強烈的な印象を与えられる。
確かに紅白はめでたい時に使われる色としては有名だが、それを巫女服で再現するなんて言うのはあまり聞いたことはない。
さらに振り袖、もはや実用性皆無のファッションで着てるとしか思えない。
そんな彼女に俺は少々の緊張を持ちつつも返事を返す。
「ちゃんと入れましたよ。」
ダメだ、俺のパッシブスキルの敬語が発動してしまった。
俺には初対面の相手へ挨拶をするにはレベルが足りないらしい。
まるで英語のような返答になってしまった。
そんな事を考えていると、巫女(?)さんが俺の方へドンドン近寄り、遂には通り過ぎて賽銭箱の中身を覗いた。
「……⁉︎千円札‼︎こんな大金入れてくれたの⁉︎」
「………へっ?」
巫女さんの声が意外過ぎた俺は少し腑抜けた声を上げてしまう。
でも仕方ないだろ、千円を大金扱いって……。
巫女さんは早速とばかりに賽銭箱から千円札を拾い上げて自分の振り袖の中にしまっていた。そこ収納出来るのかよ…。
そうして巫女さんは俺に嬉々とした表情をしつつ俺にこう言ってきた。
「こうしちゃいられないわ!さ、着いて来て!中でお茶くらいなら出して上げるわ!」
……さっきの願い、多分叶わないんだろうなー…。
そんな事を思いつつ、取り敢えず巫女さんにひょこひょこと俺は着いていった。
続かない(今のところは)