原作:魔法少女まどか☆マギカ
タグ:ガールズラブ 残酷な描写 魔法少女まどか☆マギカ ワルプルギスの廻天 アルティメットまどか 悪魔ほむら インキュベーター キュゥべえ 鹿目まどか 暁美ほむら 考察 戦闘 百合
少年漫画風にハッピーエンドな感じになりました。
独自設定盛り込みまくりましたが、本作中にある『ほむらがまどかの〇〇〇。』『インキュベーターは〇〇人。』というのは、個人的にどう考えてもそこに行き着くんですよ。当たったらびっくりしますね、私が。
完結にしたのはもう待てないからです。私ハッピーエンド主義者なんで。
ウロボロスの蛇というものがある。
自分の尻尾を喰い続けている蛇のこと。それは、不老不死の象徴といわれる。でも私には永遠に自分を喰い続ける哀れな蛇にしか見えない。
似たような噂話を聞いた。魔法少女は魔女と戦い続け、やがて魔女になり滅ぼされ、また魔法少女に生まれ変わるんだって。
酷すぎる。あんまりすぎる。その子達はいつになったら解放されるの?
だからね、私、鹿目まどかは向かっていったんだ。
無意識に向かっていったんだ。
絶対的な力を持つ2人の対決に。
私には何も出来ないって思っていたけれど。
私は進んでいった。果てしのない宮殿を。制服を着て。
その中心に彼女がいた。黒い制服を着て。ハープと歪な椅子がくっついた所に座って。隣に古い電話機があって。全てを見下した眼差しをして。
「ごきげんよう、悪魔様。・・・そして、鹿目まどかの紛い物。」
「・・・私にどうして欲しいの?ほむらちゃん。」
「消えて。完全に消滅して。鹿目まどかは普通の少女として生き、普通の大人の女性として生き、普通の老婆としてその一生を終え・・・また鹿目まどかとして生まれ変わる。繰り返し繰り返し。私はそれを見守り続ける女神になる。・・・邪魔なのよ。神を模倣した悪魔。」
「私は全ての魔法少女を救いたかった。魔女にしたくなかった。そのためにこのような存在になった。・・・私の想いはあなたにとって全て余計なことだったんだね。」
「いいえ?あなたがその選択をしなければ、世界はワルプルギスに滅ぼされていたでしょう。感謝しているわ。そしてあなたがその存在になったから、私は模倣をした。私こそ魔法少女を導く女神。あなたは何をしたの?あなたが神のような存在になっても世界には魔女に代わる魔獣が現れた。あなたがしたことはワルプルギスを倒したこと以外何の解決にもなっていないわ、神を模倣した悪魔。私はあなたを滅ぼしてこの世界を永遠に続く円環の輪にする。それが世界にとって最も幸せなこと。必要なモノだけ与えるの。余計なモノは取り除くの。巴マミには自分を含めた長寿の家族の一生を与えるわ。美樹さやかには健康な彼氏との幸せな一生を与えるわ。佐倉杏子には健全な家族を与えるわ。他の魔法少女にも望むモノを。皆その一生を繰り返すの。永遠に永遠に。」
「・・・その輪は未来に行かない。それは狂った願いだよ。ほむらちゃん。」
「未来に何の幸せがあるっていうのよ!どんな選択をしても不幸にしかならない。望むモノを手に入れられない。苦しんで挫折して這いつくばってみっともなく一生を終える・・・。何それ。そんな未来を生きるくらいなら、幸せな過去を作ってしがみついていた方が幸せでしょう?」
「だからあなたは過去にだけ行って未来へ行くことを求めなかったんだね。」
「未来は、あなたが潰すからね、悪魔。あなたはワルプルギスを倒した後、この惑星になる。死の星そのものになる。やり直す直前に私が散々経験したこと。」
「その私も、私が浄化したよ。」
「そう。そしてあなたはこの世界から姿を消す。何で?鹿目まどかをこの世から消して。何で?私にとっては死の星も鹿目まどかがいない世界も同じく意味が無い。・・・本当に話して吐き気がしてきたわ。完全に消えて悪魔。私の理想の世界のために。世界(わたし)はあなたを赦さない。」
ほむらちゃんは受話器を手に取った。それはコードが切れて巨大化しトカゲか蛇の頭がつき、中に骨が入った禍々しいものになった。
「これがあなたを殺す武器。ウロボロスの蛇の半分だけ。あなたを殺して円環の輪を完成させる。そうねぇ、あなたを頭部と脊髄だけにして、あなたの頭部を受話器に括り付け、トカゲだか蛇だかに脊髄を噛ませて、その傷みに泣き叫んで貰おうかしら?永遠に。」
そう言いながらほむらちゃんは黒い翼と黒いドレスを着けた女神になった。悪魔のような女神。
私もピンクのドレスに赤い鳥の羽、白い華、赤い植物の蔓がついた弓でもあり槍でもある武器を左手に持って対峙した。
ほむらちゃんが言った。
「これは夢の幕開け。あなたという宵闇を滅ぼして、私達は永遠に幸せな夢を見るのよ。」
大きな爆音が次々轟いた。都市が崩壊していく。
・・・段々思い出してきた。あそこで戦っている1人は私だ。鹿目まどかだ。
どうしてこうなったのかは思い出せないけど、行かないわけにはいかなかった。
弓槍と受話器をぶつけ合って私達は戦った。魔法を出し合って戦った。機械信号のような表示、大きい口だけの存在。それらをぶつけ合って。あぁ私達の魔法は何て歪んでいるんだろう。
ビルが、高速道路が破壊されていく。人々が死んでいく。
「ねぇ悪魔。あなたは危険と責任を引き受けられる?この世の呪いと戦える?」
「引き受けるよ。戦うよ。守るよ。私の力はそのためにあるんだから。」
「嘘をつくな!私達の戦いで人々が死んでいく。お前のせいで人々が死んでいく。お前自体が危険なんだよ。お前自体が呪いなんだよ!過ぎたる力を持った神様ごっこは楽しかった?お前が責任を取らずに逃げた世界で私は戦った。呪いと言える魔獣と戦った。危険な存在の魔法少女達と戦った。・・・そしてお前がノコノコと現れてくれたよ。私はお前から鹿目まどかを引きちぎった。でも、私はお前のような存在になってしまったから、まどかと親しくなれない、何だか分からない距離があるのよ・・・。忌々しいよお前。本当に早く消えて無くなれよ・・・。」
「人々は私が生き返らせるよ・・・。それと、そんなに私が嫌いなんだね。・・・鹿目まどかが好きなんだね。」
「そう。私はまどかと楽しく過ごしたかった。一緒に学校へ行って、勉強を教え合って、放課後は2人でダンスを踊るの。そんなささやかな夢すら、お前は叶えてくれなかった。全ての魔女を救う?全ての魔法少女を救う?私はどうなんだよ!・・・他の魔法少女はかつて死んだ人も元通りに過ごしているわ。幸せそうにね。何で私だけこんななんだよ・・・。私だけに不幸を押しつけたのか?あぁ?!」
「あなたが、鹿目まどかが好きな事は分かるよ。知ってたよ。」
「じゃあ私にまどかとの生活を返せよ!まだ、ワルプルギスの未来に怯えていた頃の方が、救いがあった。まどかと親しく過ごせていたから。」
「・・・いい、ほむらちゃん。覚悟して聞いてね。私はこれから残酷なことを言ってあなたを追い詰める。」
「何?」
「・・・あなたの両親はどこにいるの?」
「・・・わからない。」
「・・・あなたは私の学校に転校するまで、どこで何をしていたの?」
「・・・私は・・・心臓病で・・・。」
「・・・本当?どこに入院していたの?」
「五月蠅い!五月蠅い!五月蠅い!私の心を掻き乱すな!」
「・・・教えてあげる。あなたは作られた存在。私がワルプルギスに殺された場合の、代用品。誰がそんなことを仕組んだのかは、もう分かるよね?」
「私は・・・。」
私は武器を弓矢だけの形態に変えてほむらちゃんを射った。
ほむらちゃんは羽根を散らせながら落ちていった。
私の目の前に羽の生えた女の子が落ちてきた。
私は駆け寄った。
「暁美・・・ほむらさん?」
「・・・何であなたがここにいるの?」
「やれやれだ。所詮スペアはスペアだねぇ。何の役にも立ちゃしない。」
そこには無機質な感じのする白い小動物がいた。
「・・・インキュベーター。・・・あなたは力を失ったはずだ。」
「ははは。そんなわけ無い。ボクは君たちより遙かに高度な存在だよ?でなければ、まどかや君を概念の存在になんて出来るわけないじゃないか。」
「何が目的なの?」
「そうだね、いつもみたいにお願いしようか。これは契約じゃなくて命令。『ほむら。まどかの代わりに魔女になってくれ。』」
「魔女?」
「そう、魔女。君が魔女になれば、まどかの代わりになるくらいの巨大な存在となってこの星を覆い尽くすはずだ。」
「・・・お断りよ。」
「拒否権はな」
天から少女が振ってきてインキュベーターの頭部を槍のような弓で串刺しにした。
・・・全て思い出した。私達は同じ存在、鹿目まどかだと。
・・・どこからかインキュベーターがやってきた。
「おいおい、スペアに似ちゃったのかい?いきなり攻撃なんて物騒な。」
「・・・ほむらちゃんをスペアと呼ぶな。あなただけには言わせない。」
「だって本当のことじゃないか。暁美ほむらは、ボク達が鹿目まどかのスペアとして作った存在。あぁほむらは時間を巻き戻す度にまどかに力を与えていたから、それ以上の価値かな。スペア&燃料タンク?あははは。」
私は、自分自身があんなに怒った顔をするのを初めて見た。
「それ以上喋るな、インキュベーター。」
「いいや、喋るね。じゃなきゃ、そこのスペアが真相を知らずに遮二無二頑張ってくれたのが報われないじゃないか。」
「・・・あなたは何が目的なの?」
「そうだねぇ。ボクは色々嘘をついてきた。魔女を倒してグリーフシードを回収して宇宙のエントロピー減少を行う?嘘だよ。その程度のエネルギーで宇宙の熱力学第二法則が止められるわけ無いじゃないか。」
「じゃあ何で魔法少女を作って、戦わせたの?」
「鹿目まどかのスペアが多い方がいいから。おかげで新しい魔法少女を多く発見できたよ。いつか利用しようかな。」
「・・・もう一つ嘘ついてるよね。」
「おや、君はまどかの削り屑。記憶が戻ったのかな?」
「あなたが宇宙の存在って事。それも嘘。あなたは、地球外のことなんてほとんど知らない。私は全ての魔女・魔法少女を救う存在になって、いろんな場所・時代を巡った。・・・全て地球だった。私はその後宇宙を巡った。あなた達の文明の痕跡なんてどこにもなかった。あなたは、おそらく地球最後に生まれた文明の生命体。要するに、同じ地球人。」
「そうだよ。ボクは地球人。君たち人間が地球を汚しまくってヨレヨレの老人にしてから最後に生まれた存在。もうすぐ宇宙がビッククランチで滅びそうになる寸前に出来た最後の生命体。同情して欲しいなぁ。ボク達は生まれてすぐ『もうすぐお前達は死ぬ』って事実を突きつけられたんだよ。」
「散々私達を、魔法少女を利用して、その言い草は何よ!」
「ボクが魔法少女に叶えてやった低レベルなくだらない願いより、遙かに深刻な状況なんだよボク達は。愛?ははは。知ってるよそんなこと。群体が共依存するための詭弁だろう?どうでもいい。そんなことより、ボク達は、星を覆うほどの力を、それ以上に拡大して銀河を覆う程の力を持って、地球を永遠に維持する必要があった。その力を持っていたのが鹿目まどか、君だよ。」
「・・・。」
「癌細胞は自然死しないって知ってるかな?癌は不老不死で永遠に活性化するんだよ。ボク達はまどかの魔女の力で地球全てを癌細胞化するんだ。それとボク達の技術を併せればエントロピーなんてどうでもよくなる。ビッククランチ、宇宙の終焉にも耐えられる。その後にビッグバン、宇宙の誕生も起きるだろう。それにも耐えられる。地球は永遠に残り続けるんだ。ボク達と共に。地球は茶色くなるだろう。そんなことは些細なこと。ボク達は地球が青かろうが赤かろうが茶色だろうが死の星だろうが、ただ生き残ってくれれば良いんだからね。」
「あなたを殺したいよ、インキュベーター。」
「無理だよ、スペア。現に君はまどかに負けたじゃないか。さて、まどかかスペア。どっちが魔女になる?両方でも構わないよ。早く地球を覆い尽くしてくれよ。ボク達の理想郷を作って欲しい。」
「・・・ごめん、ほむらちゃん。私達元に戻るね。」
「え?」
私達、鹿目まどかは1つになった。長い髪の毛、白と桃色のドレス、翼を生やして。
・・・そしてインキュベーターに向かっていき、頭を掴んだ。インキュベーターの身体がブレていく。
「今のあなたは端末。でも、必ず本体がいるはずだよね?恐らくあなたは複数いる種族じゃない。たった1つの生命体。それを引きずり出す。」
インキュベーターの中から何かが出てきた。・・・毛も皮も無い肉がむき出しのインキュベーターだった。
「ウェヒヒヒヒヒヒ。」
インキュベーターは怪しく笑った。
「いやぁまさか『総体』を引きずり出されるとは思わなかったよ。力を与えすぎたかな?」
「もうあなたは端末じゃない。あなたを倒せば終わる。」
「ウェヒヒヒ。さっきも言っただろう?『ボクより強い力は与えられない』と。でもまぁご褒美に戦ってあげようかなぁ!」
上空に突如巨大物体が出現した。舞台装置の魔女、ワルプルギスの夜だった。
ワルプルギスの夜が半回転し正位置になった。その上にいつの間にかインキュベーターが乗っていた。インキュベーターの肉が溶けていき、ワルプルギスの夜を覆った。それは肉と毛皮が混ざった塊。更にボコボコと身体の各箇所から触手が生えてきた。インキュベーターの頭部も身体の各箇所から生えてきた。目玉が異様に大きいインキュベーターの顔、口がやたらと大きいインキュベーターの顔、目の代わりに耳がついているインキュベーターの顔。耳が巨大な舌になっているインキュベーターの顔、まともな顔は1つも無かった。ワルプルギスの腕がインキュベーターの腕を禍々しく変形させたものに変わった。ワルプルギスの夜の頭部が変形して、インキュベーターの顔に不気味な唇がついた姿に変わった。さらに頭部以外の顔の各箇所は大便や吐瀉物をまき散らし続けていた。
・・・吐き気が込み上げてくる。魔女のデザインは恐ろしかったが、何処か芸術性があった。これはただ不快なだけだ。不快感と嫌悪感しか与えない邪悪な存在、それがインキュベーターの総体だった。
「何・・・これ・・・。」
ほむらちゃんも吐き気を堪えるので必死らしい。
私はほむらちゃんの手を握った。
「大丈夫だよ、ほむらちゃん。私が守るから。」
「まどか・・・。ごめんなさい。・・・私、あなたに酷いことばかり・・・。」
「いいんだよ。ほむらちゃん。あなたは今まで私を、必死になって守ってくれていた。今度は私があなたを助ける番。私があなたに素敵な未来を見せてあげる!」
「ウェヒヒヒヒ。友情ごっこかい?美しいねぇ。でもさ、なまじ友情があると失ったときの反動が凄いんだよ。すぐ魔女になってしまう。ウェヒヒヒヒ。さぁどっちが死んでどっちが魔女になるのかなぁ!」
インキュベーターが衝撃波を全方向に放った。都市が壊滅した。
私達は上空に逃げた。そして2人とも弓矢を構えて射った。
それはかつて魔女になった私を滅ぼした一撃と同じ威力のはずだった。2つとも。
「ウェヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!!全然効かないよー。何故か分かる?ボク達の細胞は全てが癌細胞なんだ。不老不死。すぐに再生。さらにボク達の技術で強化してある。要するに殺す術がない。さぁてビルでも動かそうと思ったけど、全て吹き飛ばしてしまったよ。・・・竜巻でも大量に起こそうかなぁ!」
巨大な竜巻が幾つも発生した。私達は飲み込まれないように堪えるのに必死だった。
「ううっ!」「ぐっ!」
「止まっていると落雷に当たっちゃうよー。」
幾つもの落雷が私達の全身を焼き尽くした。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」「ぐうっ!ああぁっ!」
「隕石でも大量に落とそうか。」
幾つもの隕石が落ちてきた。堪えるだけで私達の体力が削られていく。
・・・隕石の落下が終わった。辺り一面何もなかった。
その中で私達は地面に立っているのが精一杯だった。
「あっれー?全ての魔女や魔法少女を救う存在と、その紛い物じゃなかったっけー?その程度なの?ウェヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!!!あぁ面白い。ウェヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!!」
「悔しい・・・。これじゃワルプルギスに勝てなかった時と同じじゃない!」
「諦めちゃ駄目だよ、ほむらちゃん。・・・勝てるチャンスがある筈なんだ。」
「勝てる?そんなの無いよ。なぜだか分かる?ボクは運命を見れる。でも見ることは欠点があって、どうしても見たい未来が見れない。『君たちどちらかが魔女になる』未来が見えない。『君たち2人とも死ぬ』未来しか見えない。あぁ残念だ。君たちとは長い付き合いだったのに、これでお別れとは。じゃあ、今度は巴マミか美樹さやかか佐倉杏子か。どれを育成して、まどかレベルの魔女に仕立て上げようかなぁ!」
・・・自然に涙が出てきた。『諦めちゃ駄目』と言ったのは私なのに、悔しすぎて。
「さて、とどめだ。」
「がはっ!」「ごふっ!」
「ウェヒヒヒヒヒ!!!!君たちの全身に癌の腫瘍を発生させた。末期癌。さぞ苦しいだろうね。残念ながらモルヒネはないよ。さぁのたうち回って苦しんで死ぬ姿を見せてくれよ!」
私達は崩れ落ちた。息が出来ない。全身が痛い。目が霞む。嫌だ。こんな絶望のまま死ぬのは嫌だ。
・・・私は変身を解いた。正確には『力を捨てた』。
「・・・まどか?」
「ねぇ、インキュベーター。・・・私、魔女になってあげる。その代わり願いを叶えてくれないかな?」
「まどか・・・やめて・・・。」
「ん?なんだい?どんな願いかな?もちろんボク達を上回る力なんてのは無理だよ。『神様になる。』それでも勝てないのさ。ボク達は神様より強いからねぇ!ウェヒヒヒヒ!!」
「『インキュベーターが理解できない力が欲しい。』」
「はぁ?」
「まどか・・・どういうこと?」
「それとね、ほむらちゃんにお願いがあるの。・・・私と1つになって欲しい。」
・・・私はほむらちゃんを抱きしめてキスをした。2人が1つになっていくのを感じた。
私達はピンクと黒の髪の毛が混ざった長髪になった。それを2つの赤と白のリボンでツーサイドアップに結んだ。白と黒が混ざったドレス。黒と白が混ざった翼。紫と白のストッキング。両腕を前にして何かを囲む格好をした。新体操のフープを作り上げた。それに華と赤いリボン、ティーカップのミニチュア、フォルティッシモの髪飾り、様々なお菓子のレプリカで装飾した。
「ウェヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!合体?子供らしい発想だねぇ!あれかな、1と1を足して10や20になるとか勘違いしているのかな?それと何?そのフープ?それが武器になるとでも?ウェヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!」
「これは『終点』だよ。『裁き』ともいう。」
私達はフープを空中に置いた。内部は闇だ。
・・・次の瞬間、私達はインキュベーターの背後にいた。
「あれ?」
やっぱり身体の顔は飾りらしい。インキュベーターは振り向いた。私達は振りかぶって、振り向いたインキュベーターの顔目掛けて思いっきりパンチした。
「がぁぁぁぁ!!?????」
インキュベーターの巨体が大きく揺らいだ。私達は次の攻撃をした。単純に殴る蹴るを続けるだけ。しかしそれだけで、インキュベーターの身体は徐々に崩壊していった。
「わけがわからない!わけがわからないよ!何でこんな事になっている?」
「・・・私はインキュベーターが理解できない力が欲しいと言った。それがこれ。」
「おかしいおかしいおかしいおかしい!ボク達が理解できない力でもボク達より強い力にはならないはずだ!」
「・・・だからまどかは、私と合体したの。概念の力。極めてあなたに近い力。それが合わさればあなたを超えられる。」
「わけのわからないこと言ってんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!!」
インキュベーターが巨大な両腕で掴むように攻撃してきた。2つとも思いっきり殴ってはじき返した。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
攻撃の手を緩めない。私達はヒーローのように高い地点からインキュベーターの胴体目掛けてキックした。
「ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
・・・インキュベーターがフープに近づいた。フープから巨大な黒い手が無数に飛び出してきた。その手はワルプルギスの台座の箇所から順番に千切っては飲み込んでいく。
「・・・何だこれ・・・。わけがわからないよ!ブラックホール?違う!何なんだこれは!」
「・・・それは『宇宙の外』だよ、インキュベーター。宇宙にも意思がある。それがあなたを拒絶して排除しようとしているんだよ。・・・癌を手術で切除するように。」
「痛い痛い痛い痛い痛い!この中は痛い!やめてくれ!ボク達は不死だ!永久にこの痛みを味わうのか!」
「・・・そうだよ。私達はあなたを救わない。それが、あなたが魔法少女を、魔女を苦しめてきた罰なんだ。」
「わけがわからないよ!ボク達の願いでどれだけの魔法少女が救われてきたと思ってる?代償に命を差し出すぐらい、当然の行為じゃないか!」
「・・・そんな考えだから、あなたは永遠に救われないんだよ・・・。」
インキュベーターの全身のほとんどが吸い込まれていった。私達は思いっきり振りかぶった。
「・・・助けて・・・。」
「世界は、私達は、あなたを赦さない。」
インキュベーターの顔面を思いっきり殴った。
断末魔をあげてインキュベーターはフープの中に消え、この宇宙から完全に消滅した。
私達は命を蘇らせた。都市を修復した。
・・・私達は2人に戻った。さらに人間に戻った。
ほむらちゃんが私を抱きしめて泣いていた。私もほむらちゃんを抱きしめた。
「まどか・・・。私はこれからどう生きれば良いの?私はあなたの代用品。スペア。人間ですらない。・・・どうすれば良いのかもう分からない・・・。」
「大丈夫だよ、私が、みんなが何とかしてくれる。・・・それにほむらちゃんは人間だよ。悪魔でも代用品でもスペアでもない。作られた存在?ほむらちゃんには心があるじゃない。心がある存在はね、誰でも人間なんだよ。」
ほむらちゃんは泣き続けた。街の人々が見つめている。当然だ。何も起きなかった頃に戻したんだから。だけど私は、ほむらちゃんを抱きしめ続けた。いつまでも抱きしめ続けた。
私達は中学三年生になった。
マミさんは高校生になって受験勉強を教えに来てくれる。
さやかは恭介さんに告白して付き合い始めたらしい。
杏子ちゃんはろくに勉強をしない。一緒の高校に行こうって言ってるのに。マミさんに一番怒られて反抗している。
ほむらちゃんは私のいとこに『した』。魔法少女の力で。もうソウルジェムも存在しない。魔女も存在しない。魔法少女の負の要素はインキュベーターと共に宇宙の外へ消え去ったと思っている。
これを『ずるい』『理不尽』とは思わない。私は逆に、こういうインチキでも現実という不条理に逆らうことが正しいと思っている。現実という不条理に押しつぶされた歴史を繰り返した結果生まれた存在、それがインキュベーターとも思っている。
マミさんの放課後の授業の後、私とほむらちゃんは一緒に帰った。家が一緒なんだから当然だ。
・・・ほむらちゃんが話しかけてきた。
「まどか、大切なこと話していい?」
「何?」
「・・・私はあなたが好き。」
「・・・それはライクの意味で?それともラブの意味で?」
「ラブ。」
「うーん。どうしようかなぁ?」
私は悩んだ末、ほむらちゃんの両肩に手を置いた。
「暁美ほむらさん!」
「はい!」
「返事を10年待って頂けないでしょうか!10年間私に好きな人が出来なければOKします!」
「・・・はい。」
「その代わり、私に好きな人が出来ても邪魔しないでよ?」
「しないわよ・・・多分。」
「そこは断定してよ!」
「だって・・・10年って長すぎるんだもの・・・。」
「だって、その10年間ずっと一緒にいるよ?その後も、ずっと一緒にいるよ?」
「うん・・・わかってる・・・。」
気のせいかもしれないけどね?私達の物語は、ずっと同じ事を繰り返していた気がするんだ。
繰り返し繰り返し。そして、どんどん最悪な方に。ウロボロスの蛇のように。円環の理とかいう似たような言葉も聞いたような気がする。
でもね、ようやくそれを断ち切った気がするんだ。
もちろんこれからも挫折はするよ。立ち止まると思うよ。やり直しを要求されると思うよ。3歩進んで2歩下がると思うよ。でもね、その進み方は廻天なんだ。螺旋なんだ。廻天はね、勢いをもり返すって意味なんだ。逆転ホームランなんだ。螺旋はね、前に進んでいくんだ。力強く進んでいくんだ。
だから私は、前に進んでいくんだ。挫折してもいつか逆転ホームラン打ってやるんだ。
私は、ほむらちゃんと共に進んでいくんだ。一歩ずつ。力強く。