超常黎明期を生きた吸血種の話
虞美人っぽい誰か

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思いついたので書いてみました。
文量が少ない上に続くかわかりません。


モノローグ

 えーっと、なによ。超常黎明期について?

 語るようなものでもないわよ。

 ただ欲望と暴力が曝け出された時代だったってだけ。

 それでも聞きたいの?

 

 

 

 異能が発覚したのは、車に轢かれた時だったか。

 当時、まだ幼かった体はグチャグチャに潰されたわ。そこで再生したのが発覚のきっかけ。場所は中国の何処か。物心ついたばかりだったから、よく覚えていないのよね。

 

 

 でも、その後はよく覚えているわ。

 その時まだ辛うじて残っていた政府当局は、私を確保して研究所送りにしたわ。致命傷から復活した秘密を知りたかったんですって。治安が崩壊しつつあるのに御大層なことだわ。こういう所は独裁国家の特徴よね。トップの意見が何より優先される。

 

 散々切り刻まれて、それでも分かったのは血が重要ってことだけ。血を消費して肉体を再生していることは分かっても、なんでそうなるのかは最後までわからなかったらしいわ。調べ尽くす前に研究所も崩壊したから。

 

 

 どの組織が襲撃犯だったかは知らないわ。

 なんせ、世間知らずの箱入り娘だったから。ここ笑うとこよ。その混乱に乗じて逃げ出したってわけ。異能を使えばそう難しいものでもなかったわよ。

 自分の異能については切り刻まれてる内に嫌でも理解したわ。

 

 

 血こそが生命。骨も、筋肉も、臓器も全てが血が擬態したものってわけ。今の分類だと異形型って言うらしいわね。

 究極的には血以外は要らなかったから、世間知らずが生きていけたのよ。

 

 

 治安の崩壊した社会は酷かったわ。

 崩壊前を知ってるからこそかしら。急に下がった生活レベルに耐えられない人間が多かったのよ。

 未だ暴力さえも支配の手を伸ばしていない混沌の時期。足りないと叫び、個々人で暴力を振るい合う。国民性もあったのでしょうけど、秩序のちの字もなかったわね。

 

 

 いわゆる吸血鬼みたいな弱点がなかったのも良かったわ。血はその辺に散らかってる死体とか動物とかから吸えば良かったし、怪我で動けなくなるとかもないもの。別に血以外でも栄養は得られるし。

 

 

 でも、流石にうんざりしたのよね。飛び交う怒号。絶えない腐敗臭。たまに来る襲撃。その頃は裏社会が力を伸ばして来た頃だったから、多分研究所の資料でも手に入れて私を狙ったんでしょう。

 何処か遠くへ行けば何かが変わるって考えたのよ。

 

 それで単身海を渡って日本に来たってわけ。

 苦労したのは覚えてるけど、詳しくは思い出したくないわ。これ、長生きするコツね。無駄に回想なんてするものじゃないわよ。今させられてる訳だけど。

 

 結局日本も同じような状況だったわ。当たり前よね。

 世界で示し合わせたかのように超常が現れて、社会が崩壊したんだから。隣の国に移ったところで変わるわけもないわ。

 

 ん?本題はまだかって?

 今から話すとこなのよ!黙って聞いてなさい!


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