僕のヒーローアカデミア 継承の黎明   作:伽華 竜魅

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この間駿河屋行ったら原画展でしか手に入れない色紙コレクション『デク』があって即購入しました。
デク手に居られなかったからマジで嬉しかったです。それだけ。




デク VS マスキュラー

 

 

 

 

「ご機嫌よろしゅう雄英高校!! 我ら(ヴィラン)連合開闢行動隊!!」

 

(ヴィラン)連合…!? 何でここに…!」

 

連合…!職場体験以降、動きはなかったはずなのに!!

 

(合宿が行われるのを待っていたってことか!)

 

「この子の頭、潰しちゃおうかしらどうかしら? ねえどう思う?」

 

「させぬわこのっ……!!」

 

「――待て待て早まるな『マグ姉』! 虎もだ、落ち着け。生殺与奪は全て、ステインの仰る主張に沿うか否かだ!!」

 

ステイン…ヒーロー殺し!

てことは!

 

「奴の思想にあてられた連中か!!」

 

「アァそう! 俺はそうお前、君だよメガネ君! 保須市にてステインの終焉を招いた人物……申し遅れた、俺は――『スピナー』。彼の夢を紡ぐ者だ」

 

刃物を繋ぎ合わせたような大剣…!異形型だから扱えるのか!?

それにステインを紡ぐ…それが連合に集まったってことか!

 

「何でもいいがなあ貴様ら……! その倒れているピクシーボブは、最近婚期を気にし始めててなぁ……女の幸せ掴もうって、いい歳して頑張ってたんだよ……そんな女の顔キズモノにして…――男がヘラヘラ語ってんじゃあないよ!!!

 

「ヒーローが人並みの幸せを夢見るか!!」

 

「虎!! ()()()()()()から他の生徒の安否はラグドールに任せよう。私ら二人はここを抑える!! 皆行って!! いい!? 決して戦闘はしない事、委員長引率!!」

 

「承知致しました! 行こう!!」

 

マンダレイが的確に指示をしているけど、その顔は焦っている。

十中八九洸汰くんのことだ。

マンダレイはきっと、洸汰くんの秘密基地を知らない…知ってるのはきっと僕だけ!!

 

「飯田君、先行ってて!」

 

「ッ!? 緑谷君!?」

 

「マンダレイ!!」

 

「ッ!」

 

「僕! 知ってます!!」

 

そう言えば、マンダレイは言葉の意味を理解して「お願い!」と叫んだ。

僕は飯田くんたちの制止も振り切って『黒鞭』を伸ばして木々を掴み、『フルカウル』を纏いながら片足を屈伸させて『発勁』溜める。

洸汰くんはきっと、秘密基地にいるはずだ!!

 

――『浮遊』『発勁』【エアフォース】…同時発動!!

 

『発勁』の放出と同時に『浮遊』を発動させて【エアフォース】を放つ。

そして『黒鞭』の弾性の効果もあり、一気に洸汰くんのいる秘密基地へと飛んだ。

洸汰くん、無事でいてくれ…!!!

 

 

——◆——

 

 

『洸太聞いてた!? すぐ施設に戻って! ごめんね私知らないの! あなたがいつもどこへ行ってるか…ごめん洸太!! 救けに行けない! すぐ戻って!!』

 

洸太は緑谷の予想通り、秘密基地に来ていた。

そして現在進行形で起きている事態はマンダレイのテレパスが届いたことで理解している。

しかし洸太は、マンダレイの言われた通りすぐに戻ることが出来なかった

 

「見晴らしの良い所を探して来てみれば、どうも資料に無かった顔だな」

 

それは彼の目の前に、正体を隠すようにローブと仮面を纏った(ヴィラン)が立っていたから。

(ヴィラン)は洸太へと向いており、洸太へと話しかけている。

 

「ところでよ、センスの良い帽子だなァ子供。俺のこのダッセェマスクと交換してくれよ。新参は納期がどうとかって、こんなオモチャ付けられてんのなんの」

 

やっとのことで洸太は背を向け逃げようとする。

しかし(ヴィラン)は己の"個性"を発動させる。

するとブーツの上からでもわかるほどに肉の形が歪になり、一瞬にして洸太の前に回り込んだ。

 

「――景気づけに一杯やらせろよ」

 

左腕をローブから出す。

その腕は、足と同じように歪…否、手首から前腕に上腕までの全てを筋繊維で纏っている。

すると先の移動による影響か、(ヴィラン)の素顔が露となる。

 

その顔に見覚えがある洸太は、すぐに(ヴィラン)の正体に気づいた。

 

「パパ…ママ…!」

 

洸太は涙を流し、亡き両親を吹く。

それに気づくことなく、笑みを浮かべながら腕を振り下ろそうとする。

そんな危機的状況に、一つの緑の稲妻が閃光として接近し――

 

【――スマッシュ!!!!!!!!】

 

(ヴィラン)へと迷うことなく蹴りを放ち、もろに受けた(ヴィラン)はそのまま壁へと衝突した。

突然のことで驚くが、やってきたものの正体に気づいた洸太は何でと疑問を抱く。

 

「遅れてごめん! もう大丈夫だよ、僕が必ず――救けるから!!

 

緑谷が笑いながらやってきていた。

そして安心させるために洸太へ呼びかけている。

すると吹き飛ばされた(ヴィラン)が、瓦礫を退かしながら這い上がる。

 

「痛ってェ…!! 不意打ちとはいえ俺を吹き飛ばすなんてやるじゃねぇか……!! それに必ず救ける? ハハハッ!! さすがヒーロー希望者って感じだな! どこにでも現れて正義面しやがる!!」

 

ローブを投げ捨て、タンクトップの姿をしながら(ヴィラン)は――『血狂いマスキュラー』は吼えた。

 

 

——◆——

 

 

洸太くんは予想通り秘密基地にいたけど、まさかピンポイントで(ヴィラン)がいるなんて!!

 

「お前は…あぁリストにあったな」

 

リスト…?てことは僕たちのことは向こうは把握してるのか!?

 

(USJの時といい、どうやってこいつらは情報を? 生徒に関しては今となっては体育祭のもあるからまだわかるが……)

 

リストってことから、狙いは生徒に当たるのか?とりあえずスマホでみんなに位置情報だけでも報告を――ッ!

 

「洸太くん!!」

 

「うわっ!」

 

『危機感知』が鳴り出して、咄嗟に洸太くんを抱えて飛び上がれば、(ヴィラン)が攻撃してきた。

 

「ハッ! いい反応じゃねぇか!!」

 

空中なら奴も届かないはず!今のうちに連絡して離れないと……って、あれ?スマホがない!?

ッ!いや、さっきの動きでスマホがポケットから飛び出て落ちたのか!?

戦闘服(コスチューム)だったらポーチにしまってたからそうはならなかったけど、私服なのが仇になった!!

 

地面に着地して洸太くんを守るように立ちながら警戒する。

 

「本当は殺し合いたいが一応確認だ。お前緑谷って名前の奴だろ? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……けどよ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『次会う時は――殺すと決めた時だろうから』

 

やっぱり死柄木の指示か!!

いや、それよりも今僕を拉致するって言ったのか?

つまり連合の狙いは僕?殺すって言ったのに拉致?どういうことだ!?

 

いや、僕のことは後回しだ!!安全のためにも『黒鞭』で洸太くんを離れた位置に移動させる!

コイツを振り払って逃げるのもできるけど、それだと他の皆がやられる可能性が高い。

だったら今――僕がここで止める!!

 

(本気か九代目!? アイツの言ったことが正しいなら、狙いは君だぞ!?)

 

分かってます…あの速度は下手すれば振り切るのも難しいかもしれない。

それどころか暴れながら森を突き進む恐れもあります。だけど狙いが僕なら、ここで足止めだってできるはずです。

 

そして…何よりもこいつは…この(ヴィラン)は……!!

 

「――血狂い…マスキュラーだな?」

 

「俺のこと知ってるのか! いいねェ嬉しいぜ!! んじゃあ、お前の方は生きてたらそれでいいって言われてるから、こっからはじっくりいたぶって、やられて――」

 

『危機感知』が鳴った!くる!!

 

「――俺に血を見せろォ!!」

 

腕をクロスして防ぐ!!

重い…!!オールマイトや脳無とはまた別で重い!!

 

「耐えるか!! いいね最高じゃねぇかよお前よォ!! ほらもう一発!!」

 

さらに逆の腕での追撃が来て、押し負けてしまい、地面を抉りながら後方へと押された。

吹っ飛ばされずに済んだけど、実力は本物だ…!!

 

「っと、いけねぇ。なぁついでに知ってたら教えてくれよ…――爆豪ってガキはどこにいる?

 

ッ!?かっちゃん!?

ッ!また来る!!

 

「一応仕事はしなくちゃァ~――よォ!!!!!

 

跳躍して躱す!

(ヴィラン)の目的は僕だけじゃない!?

かっちゃんもなのか!?僕はともかく何でかっちゃんもなんだ!?なんで!?

 

(落ち着け九代目! 真意は分からないが、奴らの目的が君と君の幼馴染であることは分かったんだ!!)

 

六代目…!

 

(早くこの状況を打破して、救けに行けばいい!! そうだろ!?)

 

そうだ……はい!!

 

「答えは『知らない』でいいか? いいな? よし、じゃあ死なねぇ程度に遊ぼうぜェ!!」

 

来る!!【エアフォース】で躱す!!

 

「おいおい何で逃げるんだよ!? オッカシイぜお前!! 何だっけ? 必ず救けるんだろ!?」

 

『黒鞭』で地面を掴み方向を調整して足を構える!

脳天一撃――

 

【――マンチェスター スマッシュ!!】

 

踵落としによる【マンチェスター】を放つ。

だけどマスキュラーは片腕で受け止めて、そのまま地面に衝突する形で止めた。

 

「速さに力とどっちも申し分ない…! けどまだ足りないねェ!!」

 

『フルカウル10%』じゃ足りないか!!

だったら出力を上げて『発勁』も!!

そのために時間を稼げ!!

 

「『黒鞭』ィ!!」

 

「うおっ!?」

 

一度離れて『黒鞭』を展開し、マスキュラーを拘束する!

 

「んな小細工せず真っ直ぐぶつかろうぜ!! お前複数持ちなんだろ!? なァおい!!」

 

やっぱり僕の複数持ちのことも共有されてるか!!

 

「俺の"個性"は『筋肉増強』、皮下に収まんねえ程の筋繊維で底上げされる速さ!! 力ァ!!」

 

なっ!?『黒鞭』の拘束を無理やり破った!?

それにあの繊維は筋繊維…純粋に肉体の速さや筋力などを底上げする強化系の"個性"…!!

 

(純粋な戦闘力で言えばプロ…それもトップ10内には入りそうだぞ…!?)

 

(出久くんの『フルカウル』とは異なる、肉体を直接補強などをする……『黒鞭』で肉体を補強するような"個性"ってことか!?)

 

「お前のその小細工な拘束も俺の"個性"なら解くことができる!! 何が言いたいかって!? 自慢だよ!!」

 

マスキュラーが左腕を振りかざしている。

隙を見て強化捕縛コンボの【黒鎖】を――

 

「――あ?」

 

「ッ!?」

 

左腕が振り下ろされそうなところでマスキュラーの動きが不意に止まった。

それに小さい音が…えっ?小石が転がって……なっ、洸汰くん!?

 

「――ウォーターホース……パパ…ママも…そんな風にいたぶって、殺したのか……!?」

 

「ッ…!」

 

洸汰くん、マスキュラーが犯人だってこと知ってて…!?

 

「あぁ? おいマジかよ…あのヒーローの子どもかよ、運命的じゃねぇの……ウォーターホース、あぁ覚えてるよ。この俺の左眼を義眼にした二人だ」

 

マスキュラーが洸汰くんに向き直る。

洸汰くんがウォーターホースの子どもだったのは予想外だったのか。

 

「お前のせいで……お前みたいな奴のせいで、いつもいつもこうなるんだ!!」

 

洸汰くん……!

 

(……ッ)

 

「ガキはそうやってすぐ責任転嫁する。よくないぜ? 俺だって別にこの眼のこと恨んでねぇぞ? 俺は『殺す(やりたい)』ことやって、あの二人はそれを止めやがった。お互いやりてぇ事やった結果さ。悪いのは出来もしねぇ事をやりたがってた――」

 

 

「――テメェのパパとママさァ!!!!!!」

 

 

「…ッッ!!!!!!!」

 

悪いのは…!

 

「ッ! っとなったら、そうくるよなァ!!」

 

悪いのは!!

 

「悪いのは――お前だろ!!!!!!!!」

 

『黒鞭』でマスキュラーを拘束と同時に奥の崖の壁や木々を『黒鞭』で掴む!!

同時に足の筋肉を伸縮させて『発勁』を溜めながら、『フルカウル』を45%に引き上げる!!

 

「ンな小細工無意味だって言ってんだろうがァ!!!!!!」

 

『黒鞭』の拘束をまた破いた。

それぐらい強い"個性"だってことはもう分かった!

けどこっちだって!!

 

「できるできないじゃないんだッ! ヒーローは!!」

 

「(ッ! さっきまでと様子が…?)」

 

「命を賭して――きれい事実践するお仕事だァ!!!!!!

 

――『黒鞭の弾性』+『OFA限界ギリギリ45%』+『発勁』!!

 

 

【――疑似100% スマッシュ!!!!!!!!!】

 

 

——◆——

 

 

疑似100%と言えど、その衝撃は凄まじく、洸汰はその衝撃波に吹き飛ばされて崖から落ちかける。

しかしすぐに背後から緑谷が飛び出し、左手で洸汰の服を掴んで落下を防いだ。

 

「ごめん、吹き飛ばして!!!」

 

そのままゆっくりと引き上げる。

洸汰はお礼を言おうとするが、疑似とはいえ100%による衝突の余波で多少なりと衣服がボロボロになった緑谷を見て、口が止まった。

洸汰は何でと、強く疑問を抱いた。

 

「怪我は…大丈夫そうだね。とりあえず施設に行こう。『浮遊』と『黒鞭』でなら一瞬で――」

 

瞬間、二人の耳に瓦礫の崩れる音が響く。

緑谷はゆっくりとマスキュラーが埋もれている方へと振り向き、驚愕した。

 

「嘘…だろ……!?」

 

(マジか!?)

 

歴代すらも驚愕する。

土煙と瓦礫の中から出た筋繊維の塊。

そこからマスキュラーが姿を現した。

 

「(疑似とはいえ100%だぞ!? どうやって…!?)」

 

(あの一瞬で防御に移したのかアイツは!?)

 

マスキュラーは緑谷を見て、彼の疑問に答えた。

 

「【テレフォンパンチ】だ。お前がさっき構えてたアレはいかにも何かしてくるってわかったからなァ…だけどやるなァ緑谷ァ!!!!!」

 

マスキュラーはそのまま緑谷たちの方へと歩み寄り、緑谷は洸汰を庇うように前に出て構える。

 

「何が、何がしたいんだよ!! (ヴィラン)連合は!!!」

 

「知るかよ。俺ァただ暴れてェだけだ。羽伸ばして"個性"ぶっ放せれば何でも良いんだ」

 

そう言いながらマスキュラーはポケットに手を入れ、何かを取り出す。

その際に多く入れてたのか、様々何か……否、義眼が地に落ちる。

マスキュラーはそれを気にすることなく、手に持った義眼を、元々はめていた義眼から取り換える。

 

「覚えてるか? さっきまでのは遊びだって、俺言ってたよな!? 遊ぼうって!! なァ!? 言ってたんだよ! やめるよ…遊びは終いだ。お前強いもん……こっからは――本気の義眼()

 

赤い、朱い、紅い、赫い義眼。

それは義眼であるが、とても義眼として言い難いデザイン。

まさに悪が暴走した恐怖を現すようなデザイン。

 

瞬間、『危機感知』が鳴り出し、緑谷は声を出す間もなく背面から『黒鞭』を放出し、洸汰を巻き上げて一緒に飛び上がる。

その僅か数秒後、二人が先ほどいたところには筋繊維を鎧のように全身に纏わせたマスキュラーがおり、崖の一部を一撃で破壊していた。

 

「(さっきまでと比べ物にならない…! 速さも力も…!! 遊びだったんだ…! 本当に遊び感覚で――ッ!!)」

 

改めてマスキュラーの本気を知った緑谷だが、『危機感知』はすぐさま警告する。

同時にマスキュラーは緑谷たちへと振り向きながら追撃する。

緑谷は【エアフォース】と『浮遊』で空中回避をした。

 

マスキュラーはそのまま壁に衝突し、周囲に一瞬で亀裂を入れる。

 

「あクッソ! 勢い余った!!」

 

しかしあまりにも力み過ぎた故か、拳が壁にめり込み、抜け出せなくなった。

その隙に緑谷は着地後すぐに洸汰を離れた位置に降ろして離す。

 

「(どうする!? あのスピードにパワーを無力化するには!? 施設にいる相澤先生の元まで行って封じてもらっても隙を突かれたら終わりだ! 『黒鞭』の捕縛を破るから拘束は難しい! 【黒鎖】による強化捕縛なら…!!)」

 

(拘束なら今のうちだぞ九代目!!)

 

(急げ!! うまくアイツの力を利用すれば逆転も――)

 

「(いやダメだ!! 疑似とはいえ100%にも耐えるんだ。【黒鎖】での拘束も破ってくる可能性はある!!)」

 

――だったら。

 

「(勝つしか、道はない!!)」

 

緑谷は『フルカウル』の出力を15%から30%へ引き上げる。

そして右腕にのみ、流れる熱を、出力の限界を今だけ超えて――65%まで引き上げた。

 

「――下がってて洸汰くん!」

 

「えっ? ……う、嘘だろお前! バカやめろって!!」

 

「大丈夫――」

 

洸汰は緑谷が迎え撃とうとすることに気づきとめようと叫ぶ。

しかし緑谷は洸汰へと顔を向けて笑い、ハッキリと伝えた。

 

「――君を、必ず救けるから!!」

 

マスキュラーが腕を抜き、緑谷へと狂気に塗れた笑みを浮かべながら、さらに多く…顔から足先まで筋繊維を覆っていく。

緑谷もまた右腕の内側と外側全てに『黒鞭』を巡らせ、反動でダメにならないように補強していく。

 

――『ワン・フォー・オール65%』+『発勁』ィ!!!

 

そして互いに飛び出し、衝突した。

 

「――緑谷ァァァアアア!!!!!!!!!」

 

【――疑似100% デトロイトスマッシュ!!!!!!!!!!】

 

衝突は二人を中心に衝撃波を発生し、軽い瓦礫は吹き飛び、草木と土煙は吹き荒れる。

緑谷の後方にいる洸汰は吹き飛ばされないようにもがいていた。

 

「もう拉致とかそんなの知らねぇ!!! こんなもんじゃねぇだろ緑谷ァ!!!!! もっと本気だしやがれェ!!!!!!!!」

 

マスキュラーはまだ余裕があるように、そしてもう仕事を放棄してただ緑谷を殺そうとしている。

一方で緑谷は一歩も引かず、地を砕こうとも必死に力んでいた。

 

(ッ! 緑谷くん!! 右腕が!!)

 

「ぐぅ!!!」

 

『黒鞭』で腕の内と外、両方を補強することで反動を最大限抑えながら『発勁』を+した疑似100%。

しかしマスキュラーとの衝突の衝撃が加わったせいか、僅かながらに彼の右腕は肉が裂け血が噴き出ていた。

いくら"個性"を、歴代の力と『OFA』を扱えるようになっても、まだ肉体は完成していない。

 

故に疑似…それでも他者からの更なる攻撃による反動まで耐えられるほど万能でもない。

それでも、それでも緑谷は耐え、勝とうとしている。

 

何よりも彼はただ真正面からぶつかり合っただけではない。

仮にまだ歴代の力がなく、『OFA』単体なら真正面から迎え撃って、足止めをするだけしかなかっただろう。

否、断じて否!!

 

これは勝利を得るために行った、作戦の一つ!

 

「――『黒鞭』ィ!!!!!!」

 

その叫びと共に、補強するために『黒鞭』を巡らせていた右腕から、別で新たな『黒鞭』が放出され、マスキュラーの筋繊維の中へと絡むように巡っていく。

 

「なっ!? テメェこんな時にでも小細工を――」

 

そして『黒鞭』は鎖のように変異しながら筋繊維を絡めさせていき、『発勁』を付与させる。

やがて【黒鎖】となり、マスキュラーを完全に内側から外側まで拘束し動けなくした。

よってマスキュラーも、力むことが出来ずに困惑する。

 

その隙に、緑谷はマスキュラーから右腕を離し、今一度拳を握りしめ、今度はその出力を純粋な100%として巡らせる。

歴代もあって、『OFA』も充分に扱えてる今、もっとやりようが、すぐに終わる術が、反動を食らわずに済む方法が、歴代にも聞けばあったのだろう。

だが今の彼にはこれしか浮かばなかった。

 

必ず勝って、洸汰を救けるための方法が、今はこの方法しか思い浮かばなかった。

だけど、それでも彼は――

 

 

――デトロイトォォスマァァッシュゥッ!!!!!!!!!

 

 

マスキュラーに最大の一撃を解き放ち、突き破り、ぶん殴る。

そしてマスキュラーは壁へと吹き飛ばされ衝突し、完全に意識を手放した。

 

 

 

 





Q.マスキュラー戦、普通に勝てたんじゃないの?脱獄の時にはあっさり勝ってたんだから。
A.ごもっともです。ですがダツゴク時、真堂の最大出力で放った"個性"『震動』によって筋繊維にダメージが蓄積されており、筋繊維の張り替えに失敗して無防備になる弱点を突かれたことがあっさり勝てた理由にもなっています。
ですがここではまだ真堂も出ておらず、筋繊維にダメージが蓄積されていない状態でもあるためこうなりました。
何度も合宿襲撃時とダツゴクの時を見比べ、いろいろと調べた結果でもありますので、ご理解、ご了承してくださると幸いです。

Q.緑谷これ無傷?
A.ある程度ダメージは受けていますし、右腕は壊れていませんが痛みをずっと感じてる状態です。原作程酷くはないです。


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