「毎日生命線を彫刻刀で延ばしてる俺が死ぬわけないだろ」「手相以外の知識を捨てて来たのは分かりました」   作:遺書の切れ端

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寺神社塩氷レイシスト

 

 へるへるへるすー♪へるへるへるぷー♪心は使い捨て消耗品ー♪と心の中で鼻歌を歌いながら俺は一人と後輩で帰宅している。

 

「今の俺の気持ちを答えよ、かっこ80点」

 

「平均20点ですね」

 

「俺も答えられてないじゃん」

 

「先輩のことを一番知らないのが先輩です」

 

「それは『私が一番知っている』と言いたい感じか……」

 

「私はエントリーしてませんので」

 

 いつもの下校ルートに寄り添いながら家の方向で別れる分岐点まで我慢しようと強く思う。

 見慣れた公園を通り過ぎようとした時に、

 

「ふへへ、皆殺してやるのです、私をハブるとどうなるか目にもの見せてやるのです……へへ」

 

 変なやつも横切った、少し時間差を置いてから柊に聞いてみる。

 

「妹か?」

 

「違います」

 

 この辺の治安はスラム以下だと言われるだけは有るな。

 知っている中学校の制服だったが、これ以上知らない人と関わりたくない。友達を100人作るより、1人の友達を100倍以上に大切するのを依存と言う。預金(よきん)(しか)り、リスクは分散するべきだ。

 友達を大切にするより自分を大切にしてろ。

 

「それよりアイスが美味しい季節になってきましたね」

 

 後輩が手を伸ばしてきて、こちらに手の平を差し出してくる。

 乞食だろうか? キャッシュレス決済の影響でシステム障害を教育されたので小銭を5円渡す。

 ご縁が切れますようにと意味を込めた。

 

「あと320円足りません」

 

「残念だな」

 

「先輩、後輩にアイスを奢れるのも貴重な経験だと思います、今だけですよ」

 

「そういうのは別の後輩にやってるからいいや」

 

「はぁ……レイシストですか…………」

 

 溜め息をつきながら差別主義者に認定された、肩書きばかり増えていく。

 

「氷と塩から作るか?」

 

「財布をこっちに寄越してください」

 

 手をぶんぶんと伸ばしてくるが届いていない。

 

(今日は学生に嬉しい金曜日だ、ゆっくりと休もう)

 

 俺の目玉にエレキネットでもしようかな。前後にやっていたヤギを連れて歩く番組が終わってしまった、あのぐらい心を(なぎ)にして見れる番組は貴重だったのに、終了したということはそこまで必要とされてなかったのだろう、残念。

 

《紙を欲しがってる生き物は連れて歩けてるよ?》

 

 そうか、今終わった理由が分かった。

 

「身体的特徴を利用して遠ざけるなんて生物として恥ずかしくないんですかっ!!」

 

「お前よりはな……」

 

 見苦しく跳ねて手を伸ばす後輩を横目に財布を自由の女神像のように掲げてランウェイ。

 

「ずっとなんか憑いてるからお(はら)いに行っとけば良かった*1

 

「お祓いに行ったらまず先輩が消滅しますよ?」

 

「勝つよ俺は寺に」

 

「神社と寺の違いの違いが気になりました、無駄知識ゴミ先輩*2の解説をどうぞ」

 

「厄除けが寺、厄祓いが神社。ノット無駄知識、ただ宗教にだけは詳しい。選択教科だからな!! 教師め!!!」

 

「その理屈だと先輩を祓う場合は神社になりますよね?」

 

 いつの間にか俺を祓う話になってない?

 

「だから寺には勝つと言ってるだろ」

 

「神社には負けるんですか……」

 

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