「毎日生命線を彫刻刀で延ばしてる俺が死ぬわけないだろ」「手相以外の知識を捨てて来たのは分かりました」   作:遺書の切れ端

44 / 44
寺神社塩氷レイシスト

 

 へるへるへるすー♪へるへるへるぷー♪心は使い捨て消耗品ー♪と心の中で鼻歌を歌いながら俺は一人と後輩で帰宅している。

 

「今の俺の気持ちを答えよ、かっこ80点」

 

「平均20点ですね」

 

「俺も答えられてないじゃん」

 

「先輩のことを一番知らないのが先輩です」

 

「それは『私が一番知っている』と言いたい感じか……」

 

「私はエントリーしてませんので」

 

 いつもの下校ルートに寄り添いながら家の方向で別れる分岐点まで我慢しようと強く思う。

 見慣れた公園を通り過ぎようとした時に、

 

「ふへへ、皆殺してやるのです、私をハブるとどうなるか目にもの見せてやるのです……へへ」

 

 変なやつも横切った、少し時間差を置いてから柊に聞いてみる。

 

「妹か?」

 

「違います」

 

 この辺の治安はスラム以下だと言われるだけは有るな。

 知っている中学校の制服だったが、これ以上知らない人と関わりたくない。友達を100人作るより、1人の友達を100倍以上に大切するのを依存と言う。預金(よきん)(しか)り、リスクは分散するべきだ。

 友達を大切にするより自分を大切にしてろ。

 

「それよりアイスが美味しい季節になってきましたね」

 

 後輩が手を伸ばしてきて、こちらに手の平を差し出してくる。

 乞食だろうか? キャッシュレス決済の影響でシステム障害を教育されたので小銭を5円渡す。

 ご縁が切れますようにと意味を込めた。

 

「あと320円足りません」

 

「残念だな」

 

「先輩、後輩にアイスを奢れるのも貴重な経験だと思います、今だけですよ」

 

「そういうのは別の後輩にやってるからいいや」

 

「はぁ……レイシストですか…………」

 

 溜め息をつきながら差別主義者に認定された、肩書きばかり増えていく。

 

「氷と塩から作るか?」

 

「財布をこっちに寄越してください」

 

 手をぶんぶんと伸ばしてくるが届いていない。

 

(今日は学生に嬉しい金曜日だ、ゆっくりと休もう)

 

 俺の目玉にエレキネットでもしようかな。前後にやっていたヤギを連れて歩く番組が終わってしまった、あのぐらい心を(なぎ)にして見れる番組は貴重だったのに、終了したということはそこまで必要とされてなかったのだろう、残念。

 

《紙を欲しがってる生き物は連れて歩けてるよ?》

 

 そうか、今終わった理由が分かった。

 

「身体的特徴を利用して遠ざけるなんて生物として恥ずかしくないんですかっ!!」

 

「お前よりはな……」

 

 見苦しく跳ねて手を伸ばす後輩を横目に財布を自由の女神像のように掲げてランウェイ。

 

「ずっとなんか憑いてるからお(はら)いに行っとけば良かった*1

 

「お祓いに行ったらまず先輩が消滅しますよ?」

 

「勝つよ俺は寺に」

 

「神社と寺の違いの違いが気になりました、無駄知識ゴミ先輩*2の解説をどうぞ」

 

「厄除けが寺、厄祓いが神社。ノット無駄知識、ただ宗教にだけは詳しい。選択教科だからな!! 教師め!!!」

 

「その理屈だと先輩を祓う場合は神社になりますよね?」

 

 いつの間にか俺を祓う話になってない?

 

「だから寺には勝つと言ってるだろ」

 

「神社には負けるんですか……」

 

*1
7/4

*2
6/6

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ネブカドネザル号乗組員消失事案に関する資料(作者:統合惑星連盟特務調査局)(オリジナルSF/ホラー)

恒星間移民調査船ネブカドネザル号は、西暦3000年に外縁宙域への航行中に乗員1,000名全員が消失した。船体および艦内設備に損傷は認められず、緊急脱出ポッドは全基未使用のまま残されていた。しかし復元された航行ログおよび乗員の私的記録には、現行の科学的知見では説明不能な現象が複数記録されていた。▼本書は、事案の真相究明を目的として特務調査局Ω班が収集・編纂した…


総合評価:1509/評価:8.81/完結:15話/更新日時:2026年03月17日(火) 21:16 小説情報

僕のくせにボクの邪魔しないでよ! ~全員同一人物ハーレム(※同一人物ではない)~(作者:破れ綴じ)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

『完全に無意識で人の手袋の匂い嗅いでたんだけど……待ってよ、あれが僕なの?』▼ 魂を分裂させてTS転生した元勇者シエルが『剣士エスクリ』と『聖剣エペ』になって旅をして、超ドタイプな次世代の青年に脳を焼かれるお話です。特に深い意味はありませんが、転生した自分は複数いるし、全員自分なので好みのタイプも同じです。▼ 2日に1話以上の頻度で更新しようと思います。要は…


総合評価:1014/評価:8.78/連載:99話/更新日時:2026年05月23日(土) 09:15 小説情報

【完結】鶴が恩返ししないんだが(作者:エタリオウ)(オリジナル現代/コメディ)

激重ヒロインたちによる、恩返しの押し売りサバイバル・ラブコメ!


総合評価:3927/評価:8.85/完結:14話/更新日時:2026年05月24日(日) 12:20 小説情報

転生だ!追放だ!売国だァ~!(作者:丸米)(オリジナルファンタジー/コメディ)

許せねぇ....!許せねぇよ...!騎士団の連中、この俺を追放しやがって....!たかだか、王子の婚約者を寝取っただけで....!▼わたくしの商会も潰されましたわ!騎士団の兵装を裏社会に横流しにしただけで....血も涙もありませんわ....!▼救いは....ボク等に救いはないのか⁉このまま王宮から追放されて....死、死んで....!▼――魔王誕生の予言がな…


総合評価:9878/評価:8.79/連載:19話/更新日時:2026年05月01日(金) 11:00 小説情報

愛するNPCが現実化したら勝手にギスギスし始めた挙句バカ重い責任が生えてきた話(作者:フォン・デ・ペギラパギラ)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

犬耳を可愛らしく傾ける忠臣は、いつでも俺の隣にすり寄ってきてくれる。▼龍の少女の参謀は俺を宝と称して、愛らしく腕を取ってくる。▼俺のことを神とさえ慕ってくれる子もいる。▼ ▼愛していたキャラクターたちが、創り上げた組織が、すべて本物になった。▼みんなデレデレで、可愛らしく甘えてくれる。▼もちろん舞い上がった。▼ ▼でも、配信者も、攻略サイトでも言ってなかった…


総合評価:3132/評価:8.48/連載:55話/更新日時:2026年05月07日(木) 22:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>