ベル君のエロ本を書くのは間違っているだろうか? 作:リーグロード
今のオラリオで知らぬ者は、幼子かそれと同レベルのベルぐらいだと言われるほど有名な、とある女性が描いた薄い本。
それを手に取る多くの者にとっては娯楽だが、一部の当事者にとっては怒り心頭ものの内容である。
そしてそれは、エルフにとっては憤死級の代物であり、当然ながら確認せざるを得ない、つまり……。
「か、買ってしまいました……」
震える手で先ほど買ったばかりの本を睨みつけるのはレフィーヤ・ウィリディス。また自分とベル・クラネルのエロ本がまた売られていると聞き、条件反射で歓楽街へ駆け込んだ結果、肝心の犯人である作家は捕まえられず、この本の販売を委託されていた商人にうまく言いくるめられて買わされてしまったのだ。
もちろん最初はブチ切れて魔法をぶっ放そうとしたが、そこは商人の巧みな話術、「まさかこの本は史実なのか?」や「ラビットフットとのファミリアを超えた愛?」など、理性を吹き飛ばさないギリギリのラインを突く言葉で丸め込まれ、結局レフィーヤは売り言葉に買い言葉で本を手にしてしまった。
そんな怒り心頭だったレフィーヤだが、歓楽街から出る頃には頭もだいぶ冷えており、衝動で高潔(笑)なエルフである自分がこんなハレンチな本を買ってしまったことに自己嫌悪に陥っていた。
「うう……私なんて事を……」
誰か知り合いに見られる前に急いで自分の部屋に戻って読もう──ではなくて、検分!そう、この本に勝手に描かれている私には、検分する権利というか、必要があるのだ。決してやましい気持ちで読むわけじゃない。そう理屈をつけて、本の入った紙袋を胸元に隠し、早足で帰路を急いだ。
それが結果的に裏目に出ることになってしまった。
「きゃっ!?」
「なっ!?」
歓楽街を抜けて表通りへ続く道を駆けていたレフィーヤは、横から現れた誰かと不意にぶつかってしまった。胸元に隠し持った物が気になって注意が散り、さらに急いでいたせいで、本来なら避けられたはずの事態を避けきれなかったのだ。
「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか!?……って!!」
「い、いえこちらこそ……あ」
慌てて謝罪するレフィーヤだが、相手の顔を見て言葉を失う。
だがそれは相手も同じで、レフィーヤの顔を見て驚きを隠せないでいた。
「あなたは、ロキファミリアの……」
レフィーヤにぶつかったのは、豊穣の女主人で働くエルフで、先日のフレイヤファミリアとヘスティアファミリアの連合軍による戦争遊戯で活躍したリュー・リオンだった。お互い顔は知っているものの、それほど親しいわけでもなく、気まずい空気が流れる。
レフィーヤは「どうしてこんなところに?」と聞きたい気持ちはあったが、自分も答えにくい理由でこの辺りに来ているため口にできず、長い沈黙が場を支配する。そんな中、その沈黙を破る声が響いた。
「ん?なんだこれ?誰かの落とし物か?……って、これ兎の裏本じゃねえか!?一体誰がこんなもんを?」
すぐ近くの表通りから、通行人の声が聞こえてきた。
その通行人は、紙袋から出ている本を見て興奮したように声を荒げて辺りを見回した。
兎の裏本とは、オラリオにてベル・クラネルの薄い本の別称であり、歓楽街以外の本屋で店主に兎の裏本と言えば、裏からお取り寄せしてくれるのだ。
「あ、あれは……!?」
さっきぶつかった拍子に抱えていた紙袋が表通りまですっ飛んでいったのだろう。
それに気が付いたレフィーヤは顔を真っ赤に染めて、咄嗟に言い訳の言葉を口にする。
「「あれは違うんです!!私はただ確認の為に買っただけで、決して邪な考えで買ったわけでは……へ?」」
何故か2人は同時に言い訳を発し、先程とは別の謎の沈黙が場を支配する。
どういうことだと疑問に感じていると、表通りの方とは別のところにもう1つの紙袋が落ちているのが見えた。
そこでようやく今がどういう状況にあるのかがお互いに理解できた。
「どうやら我々は……」
「ええ、同じ理由でここに来て、同じ理由でぶつかっちゃったみたいですね」
あの本を買ったのを知られるのとはまた別の羞恥心が2人を襲うなか、両者共に無言で表通りに落ちてしまったのとは別の紙袋を拾い上げに向かう。
「これは私が買ったやつだと思うのだが?」
「いえいえ、これは私があの憎きベル・クラネルの破廉恥さを証明する証拠物品として購入したものでして……」
互いが互いにこっちこそが自分の物だと譲らない。
もう一度歓楽街に戻ってまた買い直す度胸もなければ、表通りに行ってあの通行人に自ら自分の物だと名乗り出る勇気もない。
そうして、お互いに譲ることが出来なくなった結果、妥協案としてあの本を2人で確認するということになった。
近くの密会目的にも使われる酒場の一室を借り、レフィーヤとリューは残った一冊を一緒に眺めていた。
本来なら顔から火が噴き出る程の恥ずかしさだが、ここに来るまでに散々恥をかいてきたうえ、レフィーヤはロキファミリアの仲間と、リューは酒場の同僚と共に見た経験があり、2人とももうどうにでもなれという気持ちだった。
『私たちは酔ってましぇん!!!』
開幕早々の1ページ目に、明らかに酔ったサンタコスのレフィーヤ、リュー、フィルヴィスの3人の姿が堂々と描かれていた。
「「ガフッ!!!」」
見覚えのある衣装とメンバーとシチュエーションに、お互いのトラウマという名の黒歴史が蘇る。
レフィーヤとリューは同時に吐血した。共に机に突っ伏すなか、それでも脳裏に浮かぶ過去の恥辱を抑え込み、次のページへ手を伸ばす。
『そんじゃ、みんな!!ソーマの新しい酒は持ったな?なら、杯を乾すと書いて──乾杯と読む!!!』
『かんぱーい!!!!』
この場にはロキファミリアだけでなく、デュオニュソスファミリアのフィルヴィス、そして何故かヘスティアファミリアが揃っていた。
そんな中で、ロキがソーマが作った新しい神酒であるオラリオメリーを片手に、豊穣の女主人で宴会の始まりを告げる音頭を取った。
まあ、当然のことながら、オラリオメリーは上級冒険者ですら浴びるだけで酔い潰れてしまう劇物だ。その次のページでは酔った者たちの乱痴気騒ぎが勃発する。
ロキが一緒に飲んでいたヘスティアの胸を揉みしだいていたり、フィンが泣きながら酔って怒り上戸となったリリに説教されていたり、アイズが酔って乱闘騒ぎを起こして、それを止める為にリヴェリアとガレス、他のロキファミリア幹部らが総出で止めに入るという珍事が起こっていた。
『うわ~、凄い騒ぎになっちゃったな……』
オラリオメリーを片手に、まだ一口も飲んでいないシラフのベルが豊穣の女主人の惨状に顔を引き攣らせていた。
そんなベルの背中に強い衝撃が走る。
『──いったぁ!?』
何事かと後ろを振り向くと、そこにはサンタコスの酔ったフィルヴィスがベルを睨みつけていた。
『──デュオニュソスしゃま』
『へ……?』
『──デュオニュソスしゃま!!なんれ私の傍にいないんれふか!?』
『い……痛い!痛い!ひ、人違い──っていうか、神違いです!!』
酔ってしまったせいか、ベルとデュオニュソスを間違えているフィルヴィスがベルをタコ殴りにする。そんな彼女の醜態を本越しとはいえ見たレフィーヤの反応はというと。
「いやぁぁぁ!!かつての私の過ちがフィルヴィスさんにぃぃぃ!!?」
かつてオラリオメリーで酔ったレフィーヤもまた、神ソーマをベル・クラネルと間違えて不敬を働いたことがあった。
その記憶が鮮明に蘇り、再び机に突っ伏して吐血するレフィーヤ。
『なんれ私をちゃんと見てくれないんれふか?私は、そんなにダメな眷族なんれふか?』
『お、落ち着いてください。僕はデュオニュソス様じゃないですし、フィルヴィスさんはダメな眷族なんかじゃないですよ!』
涙目で縋りつくエルフの美女にタジタジとなるベルは慌ててフォローするが、タチの悪い酔っ払いにそれは逆効果になった。
『私はダメじゃない。ダメな眷族じゃない。ふへへへへ……、デュオニュソスしゃま、もっと言ってぇ~』
『おわっ!?』
都合のいい部分しか聞こえていないフィルヴィスは、そのままベルを押し倒し、甘えるように顔をベルの胸に埋めた。
そこから先の展開は今や親の顔よりも見たテンプレなものとなった。酔ったフィルヴィスがベルの服を乱暴に破り捨て、馬乗りになって裸になったベルに舌舐めずりをする。
「おのれぇ、ベル・クラネル!!!!甘い言葉でフィルヴィスさんを誘惑するとは生意気なぁぁぁ!!!」
「えっ、そうでしょうか?私の目には彼は普通に慰めただけのような?」
酔っているわけでもないのに、完全に主観で物事を見ているレフィーヤの発言に、リューは冷静にツッコミを入れる。だが、レフィーヤの暴走は一向に収まらない。
『もはやしゅでに汚れてしまったこの身、デュオニュソス様の手でもっとぐちょぐちょに汚して穢して染めあげてぇぇぇ~~~!』
『うっへぇ~~~!!?』
サンタコスをはだけさせたフィルヴィスは、素肌を見せつけながらベルの胸元に胸を押し当てて誘惑する。
「この淫乱ド変態すけこまし兎めぇ~!!穢れてしまったフィルヴィスさんの弱みに付け込んで破廉恥なことを~~!!」
「どちらかと言えば、彼の方が破廉恥な目を受けている気がするのですが?」
レフィーヤは暴走して、フィルヴィスの痴態から目を逸らしてベルだけを悪人に仕立て上げる。
隣で聞いているリューは何とも言えない表情になる。
『わらしをねぎらってぇぇ!ちゃんと優しくしてくれないんにゃらぁぁ!それがむりにゃら……せめて愛してくらひゃい♡』
『ああ、可愛い。……じゃなくて!あの僕はデュオニュソス様じゃなくて、ベル・クラネルですよ。フィルヴィスさん!』
『むぅ~!そうやって言い訳して逃げようとして!そんにゃお口はこうらぁ~~!!』
『んむぅ!?』
無理矢理ベルの顔を自分の方へ向けさせ、そのまま唇を重ねるフィルヴィス。清廉潔白なエルフが絶対にしなさそうなそれはもう濃厚でディープなキスを3コマに跨って繰り広げた。なんなら最後のコマでは舌を使って唾液をベルの口の中に流し込んですらいた。
ようやくフィルヴィスが口を放した時には、フィルヴィスの酒気と酒が混じった唾液で酔ったのか、顔を赤らめてトロンとした目でフィルヴィスを見つめる酔いどれ兎のベルが完成していた。
『あ~う~?頭がポぉ~っとして、いい気分のようにゃ~?』
『にゅふふふふ!デュオニュソス様もわらひと一緒でよってるぅ~~』
酔っ払って抵抗力を失ったベルは上機嫌なフィルヴィスによって全裸に剝かれてしまう。
『ぬ~ぎ~!ぬ~ぎ~!』
『らぁめぇ~。にゅがしゃないれぇ~』
まるで親に着替えさせられるかのようなノリで脱がされていくベルに、ちょっとショタっぽさを感じて、地味に癖に刺さったリューがピクピクとエルフ耳を無意識に動かす。
そして、ベルが全裸に剝かれたところでフィルヴィスはサンタコスの下半身の一部分を横にズラして、何処のとはここでは詳細に説明できないが、綺麗な割れ目をベルの前に差し出す。
シラフであれば絶対にしない行為だが、今のフィルヴィスは酔っているため何の躊躇いもなくそれを実行した。そしてそれはベルも同様で、目の前に差し出されたフィルヴィスの秘所を見て、性欲からくる衝動のままにソレを受け入れる。
『んあっ♡』
生娘のフィルビスにとって初めての感覚に、思わず声を震わせて漏らしてしまう。酔っていても恥ずかしさはあるのか、目をつむって必死に口を押さえて声を押し殺す。
ただやられっぱなしという訳ではない。フィルヴィスもまたベルの戦闘態勢に突入したゼウス棒をたどたどしい動きで優しく握ったり、ペロペロしたりする。
「ああ、フィルヴィスさんがベル・クラネルに魔の手にぃぃ!!?こうなったら、あの兎を抹殺、滅殺、殴殺、撲殺してやりゅ~!!」
「だから、どちらかと言えば彼の方が襲われている立場では?」
殺意の波動を漲らせたレフィーヤの暴走に、リューは再度冷静にツッコミを入れる。
さて、色々と準備万端になったフィルヴィスが馬乗り状態のまま、そのまま本番へと突入する。
が、そこでフィルヴィスの動きが止まる。
『…………やはりダメらぁ』
『?フィルヴィスさん?』
『こんな汚れてしまった私なんか、デュオニュソスしゃまに愛してもらえる資格なんてないんだぁ……』
急にフィルヴィスはポロポロと涙をこぼし、その雫がベルの顔に落ちた。
ベル・クラネルはフィルヴィス・シャリアの過去も、彼女が抱えている想いも知らない。ただ、目の前で泣いている女性がいたら、どう行動すべきかだけはわかっていた。
『フィルヴィスさん。あなたは汚れてなんかいません。とても白くて、儚げで、清純だ』
『……清純?こんな私が……』
『ええ、あなたはレフィーヤさんと同じで、誇り高くて高潔なエルフです。だから、汚れているだなんて言わないでください。僕の目から見えるあなたはとても綺麗だ』
ベルはそっと優しく涙を指で拭い、まっすぐフィルヴィスの瞳を見つめて微笑んだ。
そんなベルの言葉を聞いたフィルヴィスが口を震わせながら、「わたしが……レフィーヤと同じ?」なんて歓喜したように肩を震わせていた。
「ぐぬぬぬ……!ベル・クラネルのくせに生意気なことを!!でもでも、フィルヴィスさんが私と同じと言われて嬉しそうにしてくれるのは。むぅ~!!?」
「あなたも難儀な方ですね」
唸り声を上げるレフィーヤに、リューは憐憫の眼差しを向けながら、本のページをめくる。
『こうれしょうか、デュオニュソスしゃま♡ちゃんっと、はいっらぁ~♡』
最初はフィルヴィスが気合十分ながらも、性に疎いエルフだからか、初々しくベルのモノを受け入れていく。
そうしてフィルヴィスが主導権を握る形で始まり、徐々に体の動かし方を分かってきた彼女の腰使いにベルは翻弄されていく。
だが次第にベルの方もこの状況に慣れてきた様子を見せ始め、段々と主導権を握り返してくる描写が差し込まれる。
『あっ、そこ……!♡』
『ここですか?あっ、腰がビクッってしたってことは、ここがフィルヴィスさんの弱点ですね♡』
不意に漏らしたフィルヴィスの声から弱点を発見したベルはここぞとばかりに責め立て始めた。
そこからはもうフィルヴィスのペースではなく、ベルが主導権を握り始める。
「潰す。切り刻んで、捻じ切って、燃やして、凍らせて、ミンチになるまで徹底的に、い~っひっひっひ……!!」
「一体誰のどこをですか、サウザンドエルフ!?というか、笑い声が悪い魔女みたいになっていませんか!?」
何か闇のオーラともいえる得体の知れないものを放出し始めたレフィーヤに、リューが慌てて止めに入る。
もしここでリューが動いていなければ、何の罪もないベルが出会い頭にレア・ラーヴァテインをぶちかまされていたか、包丁を握りしめたレフィーヤによる「ごめん」からの「さよなら」になっていた可能性が高かっただろう。
『──えひゅひゅひゅ!デュオニュソスしゃま~』
『ふぅ~。……寝ちゃった?』
やる事やって満足して寝落ちしてしまったフィルヴィスを横目に、ベルは頭をフラフラさせながら自身の白い体液で汚してしまった彼女の髪をそっと掬う。
酔っ払っていながらも、女性を大切に扱うベルの優しさが垣間見えるシーンだったが、その直後、後頭部に強い衝撃が走り、ベルの頭上に星が瞬いた。
『うぼぉ──!!?』
『こんにょ!破廉恥ドスケベ淫獣ウサギぃぃぃ!!!』
『れ……れ……レフィーヤさん!!!』
怒気を顕わにしたサンタコスのレフィーヤの登場に、酔いも一時的に醒めたベルが恐怖に顔を青くする。
「ぐふふふ……!そうデス!やるのデス!罪深き兎に正義の鉄槌を下すのデス!!」
「ああ……。同胞ながら、私情に駆られたエルフの暴走は見ていられない」
本を握りしめながら、登場した本の中の自分に対して呪詛のような殺人教唆をしているレフィーヤに、リューは呆れと憐れみの籠った目を向ける。
そうして、酔って絡んだレフィーヤは全裸のベルを押し倒し、起き上がれないよう腹を踏みつけた。
『ぐふっ!』
『しゃて、この淫乱兎はどうしてくれまひょうか~?』
踏みつけられているベルの態勢の関係上、踏みつけているレフィーヤを見上げる形となっているので、当然のことながら、サンタコスのミニスカからレフィーヤのパンツがバッチリと見えてしまう。
そんなベルの視線というか、パンチラをモロに見て興奮で回復したゼウス棒を見て、レフィーヤが「キャー!」と悲鳴を上げて飛び退いた。
「最低!変態!全ての女の敵!やはり、この世にベル・クラネルは存在してはならない!!!」
「だから落ち着け同胞!!これは本の中の出来事であり、あの女の妄想!そもそも、彼はなにも悪いことはしていない。ただの偶然で生理現象だろうに!?」
エルフがしてはいけない顔になっていくレフィーヤを、色々と面倒になったリューが声を大にして抑えようとする。
未だに暴走の気配は収まってはいないが、それでも一旦冷静になったレフィーヤは息を荒げながらアイスティーを飲んで心を落ち着かせる。
「申し訳ありませんでした。ついベル・クラネルのことになると我を忘れてしまうというか」
「まあ、落ち着いてくれたのであれば幸いです。そもそもの原因はこのような本を描いて広めるあの女が悪いのですから、あなたはお気になさらずに……」
落ち着いた結果、部屋の中に若干気まずい空気が流れるが、他にすることもなく2人は本の続きを読み始める。
そこから先が地獄に続いていると知っていながら。
『どうしてあなたはこっちを見てくれないんれふか……?』
『へぇっ……?』
『あなたがアイズさんに夢中になってるのはわかります。れも、私だってあなたのライバルなんれふよぉ』
ベルに顔を近づけながら、恥じらう乙女のような顔で口をとがらせる。
『いきなりありゃわれたぽっと出のくしぇに、アイズさんを追ってどんどん私の後ろに追いついてきて。だから、こっちも意識するしかないじゃないれひゅか……。それなのに、あなたは知らにゃい女の人ばっかり追いかけて。しまいにはモンスターを庇ったかと思ったら、黒いミノタウロスと戦って……。もっとこっちを見てよぉ……』
嫉妬と呼ぶにはあまりにも可愛らしい、ほとんど独占欲に近い感情からのレフィーヤの言葉に、ベルは嬉しさと恥ずかしさが入り混じった複雑な気持ちが顔に出る。
『なんれふぅか、その気持ちの悪い顔は?いえ、気持ちが悪いというか、不気味?』
『ひどぉっ!?』
ベルは急なレフィーヤからの素直な罵倒にショックを受ける。だが、そんな反応も今のレフィーヤには過剰だったらしく、彼女はさらにヒートアップする。
『しょうやって、いっちいち大袈裟にリアクションを取って、女の子を誘惑するスケコマシ兎がぁ!』
『あだだだだぁぁぁ!!!』
怒りのエルフパンチラッシュがベルに炸裂する。
さて、ここで状況をおさらいしておこう。酔ったフィルヴィスによって全裸に剝かれたベルを普段よりも露出の高いミニスカサンタのコスプレをしたレフィーヤが叩く。
これを第三者目線である読者が見ればそれはもうSMプレイの一環かバカップルのイチャラブでしかなかった。というか、そういう方面の本であるからして、作者的にそういう意図で描いたのだろう。
「これは破廉恥なのか?いや、ただの酔っ払いの絡み酒?しかし、あの女ならばこの展開に不純な意図を仕組んでいる可能性が大きい」
純粋無垢なリューは、痛めつけて快楽を得るという発想や、恋人同士特有の理解しがたいノリについて知識がない。だから、SMプレイやバカップルの行動なんて知らないのだが、見た光景だけで判断すると、これは単なる暴力ではなく、もしかすると破廉恥な場面なのでは?と思う。
そこで、この場にいるもう1人のエルフに意見を聞こうと、さっきから黙りっぱなしのレフィーヤに視線を向ける。
「これはどっちなのだろうか、同……胞……」
「────~~~ッ///」
そこには漫画の中と変わらないレベルで顔を真っ赤に染め、両手でそれを隠すレフィーヤの姿があった。
「まさか、先程から妙に静かだったのは?」
「っ、ええ、そうですよ!恥ずかしかったから顔を伏せていたんです!」
一から十まで噓偽りの捏造本だったならレフィーヤもここまで取り乱さなかっただろう。
だが、これを描いている作者はダンまち読者。心の中の声である地の文まで読んでキャラの心情を知る彼女であれば、レフィーヤがベルにしか告げていない想いを漫画の中で語らせることなど造作もない。
そんな自身の秘めた想い勝手に語る漫画の中の自分の言葉を読んでしまった今のレフィーヤの心中は羞恥と焦燥が入り乱れ、もう何がなんだか分からなかった。
「ううぅぅ、なんで私がこんな恥辱の極みを味合わなければならないんですか!?」
「それは……、ご愁傷様です」
「せめてもっとちゃんと慰めてください」
掛ける言葉が見つからなかったのか、先程までの暴走も含めて面倒になったからなのかは定かではないが、リューのおざなりな慰めはレフィーヤの心の傷を癒すことは出来なかった。
なにはともあれ、リューに対してツッコミを入れられる程度にはメンタルが回復したレフィーヤは本の続きを読み進める。
酔った状態でパンチを放ちながら、「こっちをちゃんと見ろ!」と文句を浴びせかけるレフィーヤの拳を受け止めたベルが真っ直ぐな目でレフィーヤを見つめる。
『……見てますよ』
『ふぇっ!?』
『そりゃ、アイズさんばかり見てるのは否定しません。でも、それと同じくらい、僕はレフィーヤのことも見てるんですよ』
『しょうやって、女の子の気を引くセリフばかり口にひて、私は騙シャレませんからね!』
レフィーヤはベルの手を振り払い、再び拳を叩き込む。が、その一撃はペチッという効果音で描かれ、先程よりも威力が弱かったのが見て取れる。
そして、そんな攻撃に構わず、ベルはレフィーヤを抱きしめる。そしてそのまま、抱きしめられたことに動揺して揺れるエルフ耳にそっと息を吹きつけるように、ベルは自身の心根を吐露する。
『噓じゃありませんよ。だって、いつも僕のことを嫌って、文句ばかり口にして。それでも、僕のことをライバルだって認めてくれる貴方を無視なんてしません』
苦笑を浮かべたその笑顔に、レフィーヤの動揺は静まり、彼女は続くベルの言葉に耳を傾けた。
『それに、例えどんなに辛く厳しくて、もう立てないって僕自身が諦めても、最後には僕が立てるって信じ抜いてくれる。世界で一番僕に厳しくて甘くない女性が!僕がこの世で誰よりも弱いところも情けないところを見せても、諦めるところだけは見せたくない女性がレフィーヤさんなんです!!』
『──ッ!!?……なんですかそれ。わらひを口説いてるんれひゅか?』
その目尻には涙が浮かんでいて、レフィーヤの頬も酔いとは違う理由で少し赤らめながら、堪えきれない喜色の笑みを浮かべて、抱きしめてくるベルをゆっくりと抱きしめ返す。
そして、ベルがレフィーヤを抱きしめる力が強まり、彼女の体がよりベルと密着していく。
『かもしれません。だって、レフィーヤさんは怖い人かもしれないけど、本当はとても可愛くて、優しくて、もしかしたら出会いの順番さえ違っていれば、貴方に恋していたかもしれない』
『────ッ!?♡』
『さっきの僕に見てほしいだなんて態度も、思わず可憐で、魅力的で、ドキッとなんてしてしまった!』
『ベル……』
『レフィーヤさん……』
それ以上の言葉は必要ないとばかりに、互いの唇が重なり合う。
初めは静かに、次に唇を離して呼吸を整えると、今度は舌を絡ませるように、ちゅっ♡ちゅっ♡という効果音付きのキスをこれでもかと言うほど長々と繰り広げる。
やがて、満足したのか、2人の唇が銀色の橋を残して離される。そこでレフィーヤはベルに向かってこんなことを言いだした。
『わらひ、いますっごく酔っちゃってまふけど、ベルはぁ~?こんなわらひをどうするつもり何れひゅか?』
『……それは僕を誘ってるんですか?』
『んふふふ!さあ、どっちでしょう?』
返事の代わりにキスで気持ちを伝えるレフィーヤに、ベルの目つきも変化する。
それはまるで獲物を見つけた狼のような鋭い目つきで、レフィーヤのサンタコスに隠された胸や腰をじっくりと舐めまわすように見据えている。
やがて、レフィーヤのサンタコスに指をかけ、ゆっくりとそれを脱がしにかかる。
「本性を現しましたね。やはりベル・クラネルは淫獣の畜生!即刻、あの男の息の根を止めるしかありません」
「……もうガネーシャファミリアに通報してた方がいい気がしてきました」
もはや数えるのも面倒になるくらいのレフィーヤの暴走に、本格的な事件になる前にシャクティへ相談すべきか真剣に悩むリューは、頭痛が痛いとばかしに頭を抱えていた。
『んっ、あぁ♡』
『痛くないですか?』
『大丈夫ですから、もっと……♡』
ベルのいやらしい手つきがレフィーヤの成長途上の胸をまさぐっている。熱い吐息を吐きながら、より強く触って欲しいと催促するレフィーヤに、ベルもまた応える。
「胸……」
スレンダーな体型のエルフらしからぬ体になっているレフィーヤに、リューがこっそりと現実のレフィーヤの胸元を盗み見ると、服の上からでも確かに出てきている膨らみに、自身の慎ましやかな胸とを比べる。
その差は歴然で、もしベルが大きい方が好みと言えば、リューは敗北感でその場で膝をついて倒れるだろう。
「いえ、以前の私の本では成長してましたし、子供が出来れば大きくなるとも聞いたことがあります」
以前に発売されていたバニーコスの本では、2児の母になった自分の胸が豊満に描かれていたことから、希望はまだ死んではいないとリューは自分を奮い立たせる。
そうして、密かに落ち込んでいたリューが自力で復活し、残り半分となった本の続きに目を通す。
『やあ、トン♡トン♡らめぇ──♡』
『無理です♡これでも我慢して優しくしてるんですから!♡』
既に本番に入った2人が床の上で絡み合う。
レフィーヤのサンタコスはもう半分ほど脱がされており、全裸のベルに後ろから襲われている絵は、どこからどう見ても酔ってお持ち帰りされたエルフが、そのまま美味しく頂かれるという光景だ。
そしてベルの腰使いにレフィーヤは何度も軽く達し、そのたびに彼女の口から甘い嬌声が奏でられる。
先程のフィルビスに襲われていた時もそうだが、最初は兎の顔を見せながらも、途中からヤリ男も顔負けなテクで女を喰らう、まさにゼウスの系譜の真骨頂が発揮されている。
そして、レフィーヤもそんなベルに抵抗するどころか、むしろ積極的に腰を動かし、より深くまでベルと繋がろうと淫らに動いている。
『う゛お゛おおぉぉぉっっっ!!?♡♡』
『いいんですか?そんなに自分から動いて?敗けちゃいますよ♡』
『敗けたくないのにぃ!!♡無理!敗北しちゃう!!イケメンチ〇ポ強すぎて敗けひゃいますッ♡♡♡』
床が透明な液体で水浸しになってることから、レフィーヤがベルに何度も敗北ア〇メを決められたことがわかる。更には耳元で追い打ちをかけるベルの囁きと、敏感な耳をはみはみ♡と甘嚙みのダブルコンボを決められる。
そんな無慈悲なテクに大しゅきホールドでベルにしがみつく。それと同時に、何度目かも分からないベルの白濁汁がブチ撒かれる。
もはや妊婦かと見間違うほどに注がれたミルクで腹を膨らませたレフィーヤは白目を向きかけながらも、かろうじて意識を保っている。
『これで最後にしますから』
『……ひぃっ!無理!無理でしゅから!!♡これ以上は……♡』
最後の最後、先っぽだけ繋がった状態で、腰を浮かしたベルが何をするつもりなのかを察したレフィーヤは首を振って拒絶するが、コォー!!っと白い息を吐いてトドメの一撃を決める準備を完了しているベルは止まらない。
せめてもの抵抗でベルを押し退けようと腕の力だけで押し返そうとするが、後衛職の筋力が前衛職に勝てる筈もなく、パイルバンカーの要領で、レフィーヤの赤ちゃん部屋をベルのゼウス棒が貫いた。
『イ゛ッッグゥぅぅ~~~~!!!??♡♡♡』
ページの半分を埋める汚い声で叫ぶレフィーヤ。完全に目をひっくり返して、噴水のように溜め込んだベルのミルクを噴き出しながら、鼻水を垂らして潰れたカエルのような体勢で気絶するレフィーヤの構図が出来上がる。
もしこの場に下品な品性のカケラもない神がいたならば、雑〇マンエルフやメ〇堕ち、ア〇メエルフなどという品のない言葉を並べ立てて騒ぎまくっていただろう。
「これは、エゲつない……!?」
もはや性の暴力とも表現できるベルの攻めに、リューは口元を抑えながら戦慄する。
もしも自分がベルにこんな目にあったのならと、思わず下腹部に刺激が走る淫猥な妄想をしてしまうようなリューは、チラリとレフィーヤの様子を見る。
「…………………………ふぇっ?」
「いかん!あまりにも現実離れした内容を前にフリーズしている。というか、脳が焼けてしまっている!?」
リューは急いでレフィーヤの肩を揺らして、現実に引き戻す。
頭を揺らされて正気に戻ったのか、レフィーヤが目をパチクリさせながら周囲を見渡して状況を確認する。そして、本の内容を思い出して涙を浮かべていた。
「うわぁぁぁん!こんなのあんまりです。私がベル・クラネルなんかに敗けただけじゃなくて、こんなエルフらしからぬ姿を描かれるなんてぇぇぇ!!!」
ガチ泣きである。だがそれも無理からぬこと。不俱戴天の仇レベルで
しかも、ベルのテクで何度も敗北アヘ顔を晒した上に、最後には気絶する始末。もはやこれはレフィーヤ・ウィリディスというエルフの尊厳が傷つけられたと言っても過言ではなく、レフィーヤは大声を上げて泣き叫ぶ。
「はぁ、これはしばらくそっとしておいた方がよさそうですね」
泣き崩れるレフィーヤを放置して、残りのページを読もうと本を手に取るリュー。
正直、もう別にここで閉じてしまってもいいと思いながらも、オラリオメリーという酒の名前。そして、この本に登場するフィルヴィスとレフィーヤ、そこから連想するのはかつてのクリスマスの日に起こしてしまった恥辱の行為。
まだページの厚みからもう1人分の痴態が描かれているのは明白。問題は、その痴態の標的にされているのが誰かという事だ。
「確かあの日酔ったのはマイナデスとサウザンドエルフ、そして自分とアルシャーだった。知名度で言えば、自分よりもロキファミリアのアルシャーですが、彼女はまだ一度もこの薄い本に描かれてはいない」
だとすれば、まさか……。
嫌な予感を感じつつも、その真相を確かめるためにリューは本の続きを読んだ。
『ベルはぁ~、わらひのことを置いてぇ~、誰とイチャイチャラブラブしてりゅんですかぁ~?』
「ぶふォッ!!?」
明らかベロベロに酔った自分がベルに背中から抱きついてくるシーン。ただそれだけならば吹き出したりなんかしない。
もう既にこの薄い本で頭や精神がだいぶ汚染されているリューにとって、その程度のことは大したことではない。
そう、問題なのは抱きついている自分の格好だ。先の彼女たちは以前のクリスマスで着ていた催し物だったが、自分だけ何故か多少露出の多いサンタコスとかではなく、サンタコスのマントだけ羽織ったクリスマス仕様のマイクロビキニという、季節感がバグり散らかしている衣装を着ていたのだ。
『リューさん!?なんて格好してるんですか?』
『これでしゅか?これはぁ~、ベルしゃんを誘惑する為の特別衣装なんれふよ!えっへん!!』
胸を反らして自慢げにするリューに、ベルはほっこりしたような目を向けると同時に、胸が反ったことでマイクロビキニがズレて見えてはいけない部分がチラリと顔をのぞかせているのが視界に入る。
それは神々が言うところのチラリズムというものであるが、それを知ってるにせよ、知らないにせよ、リューの頭の中でこれを描いたあの女は大戦犯であると決定づけられた。
「このようなただ裸になるよりも恥ずかしい屈辱的な仕打ちをしてこようとは。あの女は決して許すまじ!!」
修羅のオーラを燃え上がらせ、ギリッと奥歯を噛みしめる。その姿は、ブチ切れた静寂のアルフィアを思わせるほどで、もしかするとリューの怒りに呼応して降霊しているのかもしれない。しかし、怒りをぶつける元凶がここにはいないため、深呼吸で一時的に怒りを鎮めると、荒ぶる魂は静かに天界へと還っていった。
「なんでしょうか?今もの凄く懐かしい気配がしたような?」
不思議に思いつつも、リューは次のページをめくった。
『あなたは、本当にズルいひとだぁ~。私はあなたにだけは恋してはいけにゃいと思っていたのに、親友の想い人である貴方に恋してしまった……』
『リューさん……』
『純粋で、正義感が強く、時折見せる子供っぽい仕草も、逆にいざという時に見せる英雄のような雄々しい姿も、私は全てが好きで愛おしく思うようになってしまった』
1つ1つ丁寧にベルの心惹かれる部分を語るリューは、酔っているのか、照れているのか、もうどっちか判別できないぐらいに顔が赤い。
ベルの頬に手を添えて、そのまま顔を近づけるリューは目をつぶってゆっくりと唇を重ねた。そして、2人は舌を絡ませながら濃厚なキスを始める。
「はわわわ!?」
今この瞬間になってようやく分かった。レフィーヤが自身の心根を赤裸々に語るシーンで、思わず身悶えた時の心情を。
先程の衣装による羞恥心とはまた別の恥ずかしさが襲ってくるなか、冒険者であるリューは更にその先へ踏み出した。
『えへへ……。ちゅ~しちゃった♡』
「ゴハッ!!」
花咲く乙女のような笑顔でキスに喜び浮かれる自分の姿を見て、リューは思わず口から血を吐いた。
まだ序盤でこの破壊力。やはり他人と自分の痴態では心の傷の大きさは違うのだと実感する。
「しかし、もうここまで来てしまえば後には引けません。こうなったら、行くところまで行く覚悟で──!!」
まるで深層でサバイバルしていた時と同じ気迫を滾らせるリューはページを進ませていった。
『言っておきますきれどぉ~。私はベルよりもお姉ちゃんなのです。だから!キスでコウノトリが赤ちゃんを運んで来たり、キャベツ畑から生まれないという事も知っているんです!ふふん!!』
「いっそ殺してくれぇ!!!」
今度は別のベクトルで自身を辱しめにかかるこの本に殺意を超えたナニカを膨らませながら、リューはページをめくった。
『……ベルはぁ~、赤ちゃんが欲しいですか?』
『えっと、それは、将来的には欲しいかもですけれども……』
『赤ちゃんの作り方は、しょにょ……。ここのお腹の中に男性のエッチな棒を入れて、ビュ~♡ってすれば出来るんですよ♡』
『────!!』
その一言と自身のお腹の上から手で♡マークを作って位置を教える仕草は、フィルヴィスとレフィーヤの相手で力尽きていたベルのゼウス棒を復活させるのに十分な破壊力を持っていた。
しかも──
『もしかして、ベルはハーフエルフの子供は嫌いですか?』
『嫌いじゃないです!』
完全に自分がベルの子供を産む宣言に、ベルのゼウス棒が血管が浮き出るくらいにバリバリ元気になっていた。
もはや武器としても使えそうなぐらいに大きく硬くなったソレは、リューの視線を釘付けにさせる。
「べ、べ、べ、ベルとの子供!?いや、前の本で確かに産んではいましたが、やはりそれ目的でするシーンを見るのは──!?」
葛藤しながらも、それでも好奇心やや興味心が勝ってしまい、リューは続きを読み進めてしまった。
そして、それからはリューの想像通りの展開となる。
完全に受け入れる態勢になったリューを優しくしながらも、超絶テクで的確に女性のウィークポイントを探り当て、母体として堕としにかかっていた。
『本気でママにさせますけど、覚悟してくださいね♡』
『ひゃ、ひゃい──♡』
その言葉に噓偽りはなく、リューの秘部だけでなく、全身の神経を呼び起こすように触り、あっという間に本の中のリューは快楽に堕とされてしまった。
ここから先の展開はR18タグが付いていない本作では書けない過激な描写が多数描かれており、かなり割愛させてもらうことになる。
っとまあ、とてもここでは詳細を語れないプレイを受ける自分を見て驚愕と動揺を見せるリューは脳内で激しい妄想を働かせる。
「もしベルと結婚したら、こんな激しいのを毎夜するというのですか……?それも、あんな恥ずかしい衣装を着て?」
両手で口元を押さえながらも、リューの心臓とその下の赤ちゃんを作る部分は期待しているかのように、ドクンドクンあるいはキュンキュンと鼓動を速めていく。
そして最後の場面。エルフ3人を相手して寝落ちしていたベルの顔に何かの液体が振り注がれる。
何事かと飛び起きたベルが見上げた視線の先に立っていたのは、鼻を摘まんでベルを見下ろすベートだった。
『ようやく酔いは醒めたかよ、兎野郎』
『あれ、僕は一体何を……。──ぁぁぁぁああああああ!!!!』
『どうやら、酔いが醒めて自分がしたことを思い出したみてぇだな』
ベートがベルにぶっかけたのは酔い覚ましのメリーウコン。それを浴びて酔っていた性欲兎のベルは顔を青褪めて床に裸で寝転がっているフィルヴィス、レフィーヤ、リューを順番に見渡していく。
そして最後には、縋りつくようにベートへ助けを求める視線を投げつけるが、あっさりと一蹴されて断られる。
『ど、ど、ど、どうしましょう、ベートさん!?僕どうすれば!!?』
『知るかぁ!?こっちはアイズのやらかしの後始末があるんだ。文字通りテメェで蒔いた種だ、テメェでどうにかしやがれ!』
そういって3人分のメリーウコンを置いてその場から消えるベート。後には涙目で狼狽えるベルと、気持ちよさそうに床で寝顔を晒す3人のエルフで締められる。
「ようやく、読み終わった……」
「そう、ですか……。なら、もう店を出ましょうか……」
こうして色々とひどい今回の本を読み終えたリューと、ようやく精神が回復したレフィーヤは店を出た。
店を出るときも、帰り道を歩いているときも、互いに無言のまま重苦しい空気が漂っていた。
そしてようやく、帰路が別になったところで2人が口を開く。
「「あの、この本はどうぞ貴方が……」」
今日出会った際に言い訳を口にした時と同様に、2人の声が重なり合う。そして互いにバツが悪い表情を浮かべて、再び黙り込んでしまう。
その後、長い間本の譲り合いならぬ押し付け合いが続いたが、最終的にこの本は「封印」という名のもと破棄されることになった。
この日、疾風と千の妖精はこの本を生み出した邪悪の権化を滅すると固く誓い合ったのだった。
リューさんの妄想話はここでは書けませんってぐらいの内容でした。
また誰かこの小説の三次小説を書いてくれる人が読んで内容を書いてくれれば嬉しいですね。