深度5に到達できたので初投稿です。
本来ならば交わることのない二つ
創作物の類であれば、意のままに扱えるだろう
一時的に、気分を高める
どこにも無ければ、あるようにすればよい
中身がどうであれ、きっと見てくれるはずだから
ある日のことだった。肌をほぼ覆っている、黒く闇に溶け込む衣装を着た者が浜辺に転がっていた。その人物は海水に濡れてもいなく、砂に汚れてもいない。まるでどこからともなく、時空を超えて出現したみたいに。
「ここは……また別の悪夢なのか?つまり、探索の時間だ……」
その人物は狩人。古都ヤーナムで怪しげな治療を受け、
顔を抑えながらフラフラと立ち上がる。目の前に広がる海は、立ち込める濃霧で遠くは見えない。反対側には崩れかけ、自然に飲み込まれている建物がある。狩人は近くの海から調べだした。
「海底は……何も見えん。ここは底の次元か?うぅむ、困った。とうとうさやいんげんと白い人形の幻覚も見え始めてきたぞ。」
「くくっ。私たちは幻覚だそうだぞ?鉄の…いや、さやいんげん。」
「殴られたいか?」
理由は謎だが円卓に招かれた新参者の様子を見に来た鉄の目と復讐者。遠い場所から来たのか、ここを知らぬようだ。
簡素にこの地の説明をした。
「────把握した。ここはリムベルド、狭間の地と言うのか。隔てられたような深い海もある、ヤーナムからは遠く離れているやもしれんなぁ」
「……で?一体コイツは何故ここに来た?」
「知るか。まぁ、ここにいる以上少なからず夜に関連しているのだろう。」
ギュン、と素早く首を回して復讐者を見た。
「夜ッ!ここもまだ夜なのか!?獣はどこだ!」
「はは離せせせせせせ………」
「おい兄ちゃん、元気なのは良いがとりあえず落ち着きな。」
「獣骨!ブラドーか!?」
「誰だ?」
丁度浜辺で岩トレをしていた無頼漢がその場を納めようとするも、見た目から別人を連想されて混乱を招いてしまった。いよいよ収拾がつかなくなってきた。
「どけぇっ、この先に獣が待っているんだ…!」
「おーい、そこで何してる。ピタパン焼けたが食うか?」
「是非とも頂こう。」
「うわぁ急に落ち着くな!」
ミトンを手にはめた追跡者が声をかけてきた。エプロンに付いた焼きたてのパンの香ばしい匂いが辺りに漂った。
「ふーむ…巫女サマも知らぬ人物となると、招かれざる客かもしれませんね。」
一旦全員を招集して情報の擦り合わせをする事にした。食事を終え、呑気な顔をしている狩人に一同の視線が集まっている。
狩人含め、全員が生まれも、時代も、戦う意味も、何もかもが違う寄せ集め。しかし行動原理はただ一つ。
「何れにせよ、ここ円卓に来たのであれば我々とやる事は同じだ。」
「……夜の王を殺す。」
「夜の王とはな…如何にも元凶らしい名だ。」
「えぇ、仰る通りです。狭間の地を脅威から救うためにも、お力をお貸しして頂きたいのです。」
「夜が明けるなら私の目的とも一致している。」
また一人、夜に挑む者が現れた。
円卓の戦士として、狩人が加わった。
「さて、堅苦しい話はもうやめね。張り付いた空気のままじゃ居づらいでしょう。」
真面目な空気は霧散し、このまま歓迎会でも開かれそうな勢いだ。
「兄上のパンはどうだった?」
「ほう、貴公は追跡者の妹君か。あのパンは素朴ながらもじんわりと甘じょっぱく美味い。良い兄を持ったな。」
「線は細ぇってのに、よく食いやがる。なぁ、酒はイけるクチか?」
無頼漢の問いのアンサーとして匂い立つ血の酒を取り出した。獣を誘き寄せるのではなく、本来の用途として日の目を浴びることだろう。尤も、酔い方は酒のそれとは違うが。
「おお、強烈な酒気だな。どろりとして、まるで血みてぇだ。」
「凄く濃い血の匂い…一つ貰ってもいい?」
「先生も飲むのですか?」
「ううん。触媒に使いたい。」
ともあれ、円卓が掲げる目標に肯定的なことから、狩人は排除されることなく無事に群れ入りを果たした。
ならば宴だ、と酒瓶に手を伸ばしたところで、レディの声がかかる。
「水を差すようで悪いけど、狩人にも夜に出て貰う。」
「む、早速か。」
「挑むは深き夜だ。用心しろよ。」
「深き夜?」
「深度は3、地変は無しで夜の王は不明だ。」
「これは貴方の実力を試す試金石でもある。」
深度3であれば追加儀式も精々二つくらいだろう。たかをくくった訳では無いが、少し甘く見ている。
「因みに、夜の王とはどんな奴だ?」
「悪いが悠長に教えている暇は無い。とにかく着いてくれば分かる。」
同じく出撃者である鉄の目と復讐者は全速力で崖に走り出した。
「おおっ、おいおいおい!自殺行為だぞ────」
崖から飛び降りたかと思いきや、どこからともなく現れた霊鳥の脚を掴んだ。
「くっ、迷えばなんとやら……ならば私も!」
意を決して飛び降り、寄り添うように飛んできた霊鳥の脚を鷲掴みにした。怖いのか足が上がっている。
DAY 1
深い霧が晴れ、リムベルドの全容が見え出してくる。
「ここがリムベルド…なんと広大な…ぬおっ!?」
霊鳥が消え、宙に放り出される。
「おわァーッ!」
落下死を覚悟した狩人はギュッと目を瞑るも、体は自然と受け身を取った。不思議と怪我ひとつ負っていない。
「……獣のカレルは付けていないぞ…?いやしかしこの高さは疑いようも無く死亡圏内のハズ…」
「つべこべ言わずとにかく倒せ。ヤーナムとやらでもそうしてきたのだろう?」
目の前の野営地に屯していた、猿のように喚く小人を弓で倒しだした。
少々出遅れてしまったが、訓練所から借りてきたショートソードで参戦する。
「そっち行ったぞ。」
「かあっ!」
復讐者が背後から被弾してしまい、青い血が飛び散る。その様に狩人は目を見開いた。
「その青ざめた血は……貴公……上位者か!」
「上位者ぁ?私はダフネ、人形だ。」
「とぼけるな、どいつの赤子だ?忌まわしきビルゲンワースめ……遠く離れた地に秘匿していたのか…!」
復讐者とはなんの関係もない。
「お前ら…」
つまらない諍いで時間を潰す訳にはいかない。ため息をついた鉄の目は仕方なしに狩人の首にダガーを食い込ませ、警告する。
「含むところがあるなら終わってからにしろ。置いてくぞ。」
そう言って駆け出し、ピョンピョン跳ねて自身の背丈以上の岩壁を素早く登っている。その器用さに狩人は面食らったものの、負けじと同じように登っていく。しかしもたついている。
「あの遺跡だ。毒脂があれば俺にくれ。」
苔むした石の遺跡には人大のコウモリや、それよりも大きい花が複数咲いている。それらを無視するように走って進む2人に着いていく。
「
「それは私のファミリーだ!み・か・た!」
ややあって堕落した調香師を撃破。青く光る潜在する力がドロップした。とりあえず触れてみる。
毒の積石の槌
毒の脇差
魔法/祈祷の効果時間延長+100%
「おお、欲しい武器やカレル文字を選び己を強化していくのか。」
「カレル文字とやらはよく分からんがそうだ。吟味して選べよ。」
毒の積石の槌を手に取り、しげしげと眺める。満足のいく付帯効果は得られなかったが、初めからそうでは面白くない。教会の石槌と同じ振り方でいけるな、と両手に装備した。
次の拠点に向かう途中、通りがかった封牢で止まった。
「お前封牢バフの遺物付けてたか?」
「別に。運試しだ。」
いつ拾ったのか、石でできた小さな鍵を渡してきた。鍵を納めるらしいオブジェクトはすぐ側にある。
「この石像に刺せば良いのか?」
インプ像の額に石剣の鍵を刺すと靄が複数現れ、牢に囚われていた者達が実態化した。
「げ、ファルムアズラの獣人かよ」
「おっほ、獣がこんなにも!匂い立ってえずくッ!」
我先にとザシュザシュ獣人をどこからともなく取り出したノコギリ鉈で斬っていく。狩人を狙うものもそうでないものも、お構い無しに
「終わりか。所詮は獣……」
「やけに速かったな。」
「この仕掛け武器には獣特攻があるのでな。さてさて、今回の潜在は如何程か……」
強敵を倒し、ランダムな報酬を得る。
10000ルーンを得る
HP+10%
「良い潜在だな。要するに右回りの変態か。」
「は?????」
谷合を走り、道中にいた黄金カバをしばいて一行は砦に向かう。各所に屯している失地騎士や流刑兵を倒し、夜が来るまでにルーンと潜在を稼ぐ。
「あぁああぁああっ!」
回復の隙を突かれて鉄の目が倒れた。盾持ちの失地騎士を積石の槌で倒しつつ、声をかける。
「おっ。鉄の目とやらよ、大事無いか?」
「ふん!ふん!」
「何をしている!?」
走って駆け寄り、グレートクラブで鉄の目を叩き潰している復讐者がいた。焦って止めようにも、鉄の目はその場から動かずじっと攻撃を喰らっている。コイツは途方もないマゾなのか?と狩人は認識を改めた。
「……なんだその憐憫垂れ腐った目は。」
「いや……その……余計な詮索だった、すまぬ。」
「勘違いするなよ?叩き起こすのがここでの基本だ。」
鉄の目だけでなく、円卓に居た奴らが全体的にマゾヒストなのかもしれない。やたらとパンを頬張っていたレディも、堅物そうな鳥の守護者も皆頭リムベルドなのか?
「……あ、それが基本なら私もそうなるのか?」
「嫌なら倒れるなよ。」
「私の脳は痛みを快楽に変換できないのでな。そうするつもりだ。」
「おい誰か鈴玉狩りか死儀礼の鳥連れてこい。頼むから1回死んでくれ。」
広場の老獅子を片付け、正門の失地騎士たちに狙いを移す。標的は狩人のようだ。戦技、嵐呼びを繰り出し畳みかけた。
斧槍を振りかぶった寸前、バン!と銃声が響いた。嵐を纏った剣戟を弾かれ、体勢が崩れる。
「斧槍の騎士よ、銃は初めてか!?」
大きく振りかぶった貫手は鎧をぞぶりと容易く貫き、内臓ごとカッ捌いた。
「うぅむ……やはり堪らぬ…」
「やはり左手のは銃か!後で見せてくれ…!」
「雨が迫っている。取るもん取ったら急ぐぞ。」
対岸は青い雨に濡れている。雨は徐々に狭まっており、うかうかしていると濡れそうだ。
土地勘のない狩人は、とにかく味方に着いて走る。やがて収縮する雨は狭い範囲に夜渡りを閉じ込めた。一日目の脅威が現れる。
「死に生きる者か…どいつだ?」*1
「絞れるがまだ確定はできないぞ。」
「なんであれ倒せば良いのだろう?」
数体の骸骨共を倒すと、ティビアの呼び船と死に生きる者たちが出現した。
「聖律共有!」
「最初からやれ。」
鉄の目が有効打を与える戦技を
DAY 2
「2日目は余していた教会と強敵巡りだ。災域も寄って行くぞ。」
先ずはと砦を指さした。霧が晴れる前に走って向かう。雨に濡れた身体がじわじわと痛むが、直ぐに止んだ。
地下にいた接木の貴公子を下し、狩人は有翼剣の徽章を取得。
城壁が崩れた場所から登り、縁へりを伝って屋上に向かう。
砦の上にいたのは赤黒く変色し強化されたツリーガード。こちらを視認し黄金のハルバードを掲げ、騎馬は嘶いた。
「機動力を削ぐべきか?」
「残念ながら人馬一体だ。」
全身を鎧で固めており、見るからに堅牢だ。銃は通用しないだろう。
潜在から取得していた蟻棘のレイピアを取り出す。戦技『毒の霧』を撒き、ツリーガードの側面からひたすら突く。
毒と腐敗に蝕ませ、何十回馬の尻をつついたか忘れた頃、ようやくツリーガードを撃破した。赤い潜在の中身は強さに見合った報酬ばかりだ。
「ふぅ…馬鹿みたいにタフで硬かったな。旧主の番犬とてここまでではなかったぞ…」
砦の攻略を完了し、近くの大野営地に移動した。上空には竜巻が渦巻いており、近寄れば重苦しい空気が場を包んだ。
他世界の罪人に侵入された!
「あれは…私か…!?あ痛!貴公、獣に呑まれたかッ!」
「我慢比べといくか、夜の破壊者!」
大野営地に侵入してきた罪人の自分自身を撃破し、ボスからドロップした潜在を漁る。一つ狩人から何かが零れた。いい潜在を持った武器を寄越してくれたのかと復讐者はほくそ笑む。
「祈祷強化か?それとも消費FP軽減か?」
少しは見直してやるかと落としたものを拾う。
べちゃ。………べちゃ?
サイズから聖印と思われる手の中の何かを、目を細めて見る。
呪われた脈動する濡血晶【5】
ランク 17
形状 円
血晶効果
HP持続回復(+5)
武器耐久度を減算する(-56.3)
気持ち悪い斑点の浮き出た血の結晶はじゅくじゅくと脈動している。
「があぁっ!!」
不快感のあまり地面に思いっきり叩きつけた。隣で潜在を選んでいた鉄の目は少し驚いた。
「なんだ、要らないのか?貴公は
「要るかッ!というかコレ潜在ではないだろう!?」
「欲しかったら言え、在庫は沢山あるのでな」
狩人が元から持っていた自前のものだったらしい。手のひらに生暖かく気持ち悪い感触が残った。近くで転がっている雑兵の裾で拭う。
「俺黄金律の聖印あるぞ。堪え切れぬ狂い火付きの。いるか?」
「いる!崖上にミランダフラワーが居たはずだ、八つ当たりに行く」
すったか走って狂い火を前方に発射。小ミランダも次々と燃えて倒れていく。
「うらーっ!」
更に自身の周囲に火を零した。弱点を突かれ、あっという間にミランダフラワーは瀕死に追いやられた。
「なぁ、強そうなのは分かるが…あれは技としてアリなのか?見たところ制御できぬ火を撒き散らしているだけであろう。」
「……本来は目を灼く痛みに堪え切れぬ者があぁなるそうだ。隙だらけな点に目を潰れば、範囲攻撃としてはそこそこ優秀だな。」
「失禁?」
「言葉を選べよ貴様。使う私の身にもなれ。」
雨が迫り、夜が訪れる
リムベルドのあちこちを忙しなく駆け回ったおかげでレベルも武器も潤沢。手持ち無沙汰に亜人やさまよう貴人を倒ながら収縮先に走る。
「鬼が出るか蛇が出るか…」
「あ……タコ?この場合は何だ?」
「さてな、パターンがフッ飛んだ。もう知らん。」
現れたタフな大小の陸ダコやアグレッシブな大ザリガニたちを倒すと、やせ細った複腕の大きな化け物が現れた。
「おお、アメンドーズッ!アメンドーズじゃないか!」
「初めて見るな。
「キモ。」
「脚と胴は通りが悪い。狙うなら手、頭が弱点だ。」
動きは機敏ではないものの、長い腕を伸ばした攻撃、飛び上がってボディプレスや多量の吐瀉物のばら撒きなど、巨体を存分に活かして高範囲攻撃を次々と仕掛けてくる。
「自分の腕を捥いだ!?」
「攻撃範囲が更に広まる、用心しろよ。」
追い詰めると、更に形態が変化。神秘を伴った衝撃波が捥いだ腕からも発生するようになり、見た目からも分かるように範囲も増大。
「回転薙ぎ払いだと!」
「なんとかなったな…」
「私が慣れていたのでな、良かった良かった。」
各々潜在を取得し、中心に湧き出た雫に体を預けた。
DAY 3
遙か高く聳えた白い巨樹の上、祝福が置かれた白い道の先には大きな扉がある。
「…行くぞ。」
「我らに血の祝福を、血の加護がありますように。」
準備を済ませてくぐった扉の向こうは広く、何も無い。遠くにはポツンと人大の何かが佇んでいる。
「うわ、こいつかぁ……狂い火の祈祷持ってて良かったな。」
「布の塊が夜の王?拍子抜けだな。」
『
「おぉ?」
秤を持った商人の頭上に天秤の紋章が浮かび、鍍金術による選択肢が提示された。
秤を持った商人
筋力に優れた体になりたい
強力な武器が欲しい
悪魔の力が欲しい
取引はしない
立ち去る
「おぉ!筋力はどれくらい上がるんだ?」
『
「悪魔の力とはなんだ?」
「全力で戦おう。」
「は!?貴様!」
取引は成立してしまった。交わした後の取り消しは受け付けていない。
「ふーむ……私は武器が欲しい!」
『
デンッ
トリーナの灯火
ガード強度上昇 +20%
紫色の火が灯っている松明を渡された。ついでにレベルが2つ低下した。
「………これのどこが強力な武器だと?」
「はっ、逆に当たりだな。」
この紫炎には睡眠属性が付与されているようだ。付帯効果も盾に関するもの。盾をまともに装備したことがない狩人は商人に向かって投げ捨てた。
『
「この期に及んで松明を渡す貴様の方が愚かよ……」
「選び終えたか?」
手持ち無沙汰に商人を踏んづけてジャンプしている鉄の目がそう言う。待ったの声はでない、全員選び終えたようだ。
『
商人はムクムクと膨れ上がり、杖を持った奇怪な山羊が現れた。捻れた角には目が浮いており、葦の国で盛んなスモウでも習っていたのか蹲踞の姿勢をとっている。
それは公平と称し理不尽を押し付ける、調律の魔物。万象を高次元へと推し上げるためにばら撒かれる黄金の鍍金は、狂気を伴う富の紛い物。誰であろうと平等に狂わせ、狂う。
夜の魔、リブラ
「獣ォア!」
真っ先に狩人が飛びかかった。
狩人の攻撃をリブラは気にせず手をかざし、空中に回転する方陣を設置。鍍金の礫が射出された。まさか飛び道具だと思っていなかった狩人は被弾してしまう。
「グアッ…ック、目が灼けそうだ!」
当たり前だが、何度も被弾するのは自身にとっても味方にとっても良くない。ぶるぶると目を溶かす痛みから逃げるように頭を振り冷静になる。
獣に有るまじき、理性を感じさせる攻撃。喋れるだけはある。似たような敵はおそらくルドウイーク……よりも厄介さは上。あいつと違ってこいつは気高き信念など持ち合わせていない。あるのは思想の押し付けだ。
卑劣な獣、しかし、夜明けの時間だ
がんばれ!
「クソっ!余計なマネを…!」
背後から狂い火を浴びせていた復讐者にヘイトが向き、技を放っている途中で倒された。
「今助けよう!」
走り寄って復讐者へノコギリ鉈を振りかざした。リブラが左手で虚空を握る。狩人の足元に方陣が出現し、狂い火の光が噴出した。
「ヌゥッ!まず────」
避けきれず狩人は食らってしまう。追撃を恐れたお願いローリングの起き上がりに合わせて杖が振り下ろされる瞬間、何にも阻まれない一撃が復讐者を起こしリブラを怯ませ、窮地を救った。
「助かった!」
「やるな!弓で獣に挑むなどと思って悪かった。」
「死んどけ。」
リブラは座りだし、杖を天に向かって何度も突く。突く度に発狂が蓄積していく。
周囲に落ちている鍍金の欠片を集めるのが対処法なのだが、知らない狩人は逃げ惑い発狂してしまう。
「マズい狂っ…あ゙あ゙あっ!」
眼窩から狂い火が漏れ出る。瞳孔が蕩けるなんてレベルでは無い痛みが狩人を襲った。
手癖で輸血液を注入しようとするも、取り出した聖杯瓶を一回分大腿にぶっかけてしまう。
「……まぁいいか!」
多分回復したと思うし、攻撃に当たらなきゃ良いだけの話だろう!狩人はダッシュでリブラの元に駆けていった。
強化状態が解けたリブラは暫く通常状態で暴れた後、おもむろに胡座をかいた。堅牢な球体のバリアに包まれている。
「なんだ、常夜じゃなくて良かった。」
「どう砕くのだ?」
「周りの方陣を壊すか、強力な一撃で直接割るかだな。」
「なるほど!」
体当たりで方陣を3つ破壊。バリアが砕け、邪魔をされたリブラは赫怒した。暫くは狩人を集中的に狙うだろう。
「獣らしく怒りに任せて我を忘れた動き…それは私の
爆発を伴うアームハンマーが何度も狩人を襲うも難なく躱し、液状化した狂い火を広範囲に噴出させる攻撃もリブラの頭を蹴って飛び上がる事で回避。
「やるな、最高効率だ。獣々と叫び宣う阿呆かと思えば素晴らしいセンスだ。」
「いいからマーキングしに行け。仮にも深き夜なのだぞ?」
セバスチャンを喚びつつ小言も欠かさない。狩人の動作に見入って攻撃を忘れていたとばかりに、背中をダガーで斬りつけUターン。再び弓での遠距離攻撃に勤しむ。
「ウヒ、ヒャハハァッ!この全身の毛が粟立つ殺気!やはり強く恐ろしい獣は良い!もっと来い!」
一人で淡々とリブラを追い詰める狩人。マスク越しでも分かるくらいに深く嗤っている。既に返り血で真っ赤っか。
『
徐々に必死さが増していくリブラ。狩人に集中して繰り出す攻撃が掠りもせず、逆に傷が増えていく一方。戦いに公平など無い。
「本当に凄まじいな。いや本当に。これ俺らいるか?」
両手持ちした弓は地面を向き、すっかり見入って傍観をキメる鉄の目。狩人を追う視線だけは一丁前に鋭い。第二回脳内戦杯の開催も近いようだ。
「……胡座やめろ、働けさやいんげん。」
堪え切れぬ狂い火の最中にやられるのが怖くて腑抜けた立ち回りをしている復讐者。低燃費な光輪を投げ続けているが、実は星光の欠片を買い忘れている。大竜爪はある。
為す術もなく追い詰められたリブラはもう一度バリアに閉じこもり、再度自身の強化を計る。
「おいアーツ。」
「さっきお前を起こすのに使ったからまだ撃てない。」
「アーツ?なんだそれは、秘儀か?」
なんか苦戦しているぞ、今回は阻止されず上手くいくと見た。ニタリ、とバリアの中でリブラがほくそ笑んだ。
リブラの傍でうおぉ出ろ出ろ!と屈んで力んで叫んでいる。その時、狩人から青白い光が生じ、星雲のような宇宙色を伴った爆発が起こった。
「出た!」
『|GRAAAAAGHHHH!!!《ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙─────ッ!!
》』
バリアが砕け、突如リブラが仰け反り頭を抱えた。同時にブシュウと全身から血が吹き出した。
「発狂…とは違うな、出血か?」
「いいや、
「貴様額が暗黒の落とし子みたいになってるぞ!?」
自身の外見は見れないからよく分からんが、リブラは頭を垂れて崩れている。狩人は慣れた手付きで頭部に腕をぶっ込み、力任せに引き摺り抜いた。
素手だが威力は他の武器に引けを取らない。それどころかどの武器よりも優れていると言えよう。
なぜなら
致命に脳を支配された狩人が放つ致命の一撃はとてつもなく重く、多量の出血により限界を迎えたリブラは膝を着いて塵となって消えた。
「まさか本当に一人で倒し切るとはな。戦力は十二分、但し言動は要注意…と。巫女にはそう伝えておこう。」
「ふむ…妥当だな。」
「評価された本人が言ってどうする。」
つい先程まで死闘をしていたとは思えないような軽口を言い合っているが勝利は勝利。求めていた結果には変わりない。
新参者の思いもよらぬ活躍により、円卓の戦士は更なる深度の入口へと歩を進める。
時刻は少し遡る。
狩人らが深き夜に出撃している間、庭で執行者はただ寡黙にぺたぺたと筆を走らせていた。
筆は素早く、一寸の迷いもない。会心の出来を予見した執行者は軽く笑みを浮かべた。
黄金樹が描かれたキャンバスは横に立てかけられていることから、珍しく別の作品を描いているようだ。
「お、いつもの絵じゃねぇな。どら……なんだそりゃあ、真っ黒いイカか?」
(執行者は首を横に振り、浜辺の方向を指さしている)
「……ん?このイカが狩人だぁ?じゃあ俺はトドか?絵描きってのは面白い発想をするもんだな。ワハハハ。」
(執行者は無頼漢の解釈に釈然としていないようだ)
狩人=イカで合っている筈なんだけどなぁ…
と首を傾げた。しかし狩人の絵は完成したのでイーゼルから取り外し、また黄金樹の制作に勤しむ。
(執行者は空に着手し始めた。宇宙は空にあるようだ)
ふと脳がすっきりと拡張されるような、ぶるりとした違和感を覚えた。ふとノクラテオの暗黒の落し子が過ぎった。
(執行者は背筋を震わせ、顰め面で空を見上げた)
危うく変な思想にの先触れに染まるところだった。至って真面目かつ神妙な顔付きで訓練所に行き、切腹の戦技を付与した打刀を取り出し躊躇いもなく
後で帰還した狩人に見せると、「よくできた自画像」と良い評価を貰った。やがて執行者は絵を薪人形に括り付け、竜炎で焼却処分した。
円卓の戦士として、狩人が加わった
他のキャラクターと同様に
出撃キャラクターから変更できる
狩人は
獣に対して特攻を持つなど
スピーディな狩りを行えるキャラクターである
狩人
古都ヤーナムから来る男
ずっと明けない夜に、獣狩りを全うする「狩人」
幾度も繰り返す悪夢は、別の夜に目覚めさせた
近接戦闘に関するステータスに優れる
独特のステップで、影を縫い敵を翻弄する
得意武器:なし
HP:C
FP:D
スタミナ:B
筋力:B
技量:A
知力:D
信仰:D
神秘:B
アビリティ【後天の才】
獣と相対した時
狩人としての真価を発揮する
獣の類へのダメージが大きくなる
敵ロックオン時に、回避行動は素早いステップとなる
スキル【正装】
右手に変形する仕掛け武器『ノコギリ鉈』と
左手に獣狩りの銃器『獣狩りの短銃』を装備する
ノコギリ鉈は、一物二様の扱いができる
獣狩りの短銃は、銃撃で遠間より致命が取れる
アーツ【無知蒙昧】
脳に宿した瞳を一時覚醒させ
しばらくの間、武器に『啓蒙発狂』を付与する
長押しにより、叫声と共に『啓蒙発狂』の爆発を起こす
・『啓蒙発狂』
最大HPに比例した大ダメージを与える
続かない。