響凱が現代に生まれていたらこんな感じかなと妄想しました。キメツ学園とはまた違う感じで。
響凱のキャラが崩壊気味なので、響凱ファンの方は閲覧注意です。
同内容をpixivに投稿しています。

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もしも響凱が現代に生まれていたら

光の中

終焉の始まりを告げる音色

哀しくて、何処か優しい

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

まばゆいスポットライトを浴びて、ドラムスティックを振り上げる。

 

小生の名は響凱。

 

狂骸という名で、インディーズロックバンド『下弦の月』に在籍し、ドラムを叩いている。だが、それも今宵で終焉を迎える。

 

下弦の月は解体、いや解散する事になってしまった。

 

 

 

 

『お前もプロにならないか? 聴けば解る。その歌声、練り上げられている。至高の領域に近い』

 

数週間前、大手レコード会社の幹部が、直々にメジャーデビューを打診に来た。ただし、ボーカルの零余子(こぼれあまこ)ちゃんにのみ。

 

「このバンドも解散だね。俺、JRの入社試験受けようと思っていたから丁度良いよ」

 

ベースの淫夢がそんな事を宣う。

 

「ruiは良いのか? 『僕たちは家族だ』と言っていたではないか」

 

小生はギターのruiに尋ねた。

 

「偽物だったのだろう、僕たちの絆は」

 

何と悲しい事を云うのだ。

 

小生とてバンドが解散する事は辛い。だが、小生は仲間の門出を祝福せぬほど、狭量な人間ではないつもりだ。

 

「零余子ちゃんなら、プロでも立派にやっていけるだろう」

 

「え、えへへ、そうかな」

 

自分だけスカウトされた事に、引け目を感じていたのだろう。おどおどしていた零余子ちゃんは、小生の言葉で少し元気が出た様だ。

 

 

 

 

解散ライブを終え、帰宅した小生は、いつものように小説投稿サイトを閲覧していた。

 

むむっ、小生の投稿した小説にコメントが付いている。

 

『つまらないよ、君の小説は。趣味のドラムでも叩いていたら良いんだ。それも講師になれるほどの腕前ではないが』

 

こいつは何と酷いコメントを付けるのだ。荒らしか?

 

いや、待て。小生のドラムの腕前まで知っているとは、もしかした小生の事が大好きなのかも知れない。

 

おっ、相互フォロワーである獪岳さんの新作がアップされている。読んでみなければ。

 

 

 

 

う~む、今回は今一つといった処か。

 

小生は『いいね』をしない事とした。義理でしても、本人のためにならぬであろう。

 

翌朝、獪岳さんからDMが届いていた。

 

『俺は、俺を評価しない奴なんざ相手にしない』

 

うわぁ、獪岳さんって危ない人だったのだな。

 

粛々と獪岳さんをブロックした小生は、筋トレを始める。この筋肉を維持するには厳しいトレーニングは欠かせない。

 

いや、それだけではない、食事も重要だ。筋トレの日は、ブロッコリー、ササミ、茹で卵を大量に食す事としている。

 

そして、当然今日も喰うのだが――

 

「うっ!」

 

段々と喰えなくなって来た。

 

勿論継続して喰わねばならぬのだが、以前程の量を受けつけなくなっているのだ。

 

飽きてきたのだ。特にササミに。何か一食で大量に蛋白質が摂れる食材があれば良いのだが。

 

食事も程々に、ツイッターで神絵師である玉壺(たまつぼ)先生の新作18禁絵を拝見させて頂く。

 

何というシコリティの高さだ。小生は感動すら覚えた。

 

「めちゃくちゃシコいです、と」

 

小生はそうリプライし、二次元叡智フォルダに画像を保存した。

 

気持ち悪いと評される事もある玉壺先生の絵だが、小生の好みには合うのだ。いつか、小生の小説に玉壺先生が挿絵を描いてくれたら、などと恐れ多い空想をする事もある。

 

しかし、バンドは解散、小説も芽が出ず、これからどうしよう?

 

小生は己の将来を憂い、少し泣いた後、眠りに付いた。

 

 

 

 

その後、小生は大手レコード会社に就職する事が出来た。バンド経験を活かせる職場と言えよう。

 

小生の活躍は目覚ましく、幹部の末席に加えて頂く事と成った。

 

だが、それも長くは続かなかった。社長に小生は伸びしろが無いと判断され、降格してしまったのだ。

 

現在は返り咲くために大口契約を狙っている。

 

明日はきっと晴れるだろう。

 


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