完璧な僕の嘘を、嫌われ者の君だけが「正論」で壊した 作:テレサ二号
どうもこんばんは!テレサ二号です!
いつもご愛読いただきありがとうございます!
ココ最近では一番筆が乗ったので、前回の投稿から比較的短い期間で最新話をあげられました!
では早速本編です!
「それでは秀知院文化祭、奉心祭のスタートです!」
文化祭実行委員長の子安つばめのアナウンスで、様々な思いが交差する奉心祭がスタートする。
その中で耀は生徒会広報として1年で最も忙しい日ともいえる奉心祭当日を迎えた。
奉心祭の来賓は他校では比べ物にならないレベルのVIPが訪れ、今後の寄付の有無や寄付金についても相談を受ける。
ここで寄付金の金額が下がれば生徒会の予算が減り、校内活動を縮小せざるを得ない。
校内活動が縮小すれば寄付金が減るという悪循環に繋がるおそれがある。
この奉心祭は歴代生徒会広報の積み重ねて来た信頼と実績の上に成り立っていると言っても過言ではない。
奉心祭当日の耀のスケジュールは正に分単位で決まっている。
今日だけは杉原耀が日本一忙しい高校生と名乗ってもいいだろう。
耀は生徒会室で白銀に本日からの2日間のスケジュールを共有していた。
「本日対応させていただく来賓については以上です」
「了解した。それで?ホントに同席しなくて大丈夫なのか?来賓にとって失礼に当たらないか?」
「奉心祭の来賓対応については広報が対応するのが伝統です。会長が同席することで恥をかくのは僕なんですから、グッと我慢してください。心配していただけるお気持ちだけ受け取っておきますね」
耀は余裕そうな笑みを浮かべると紅茶を自らの口に注ぐ。
今はかぐやが不在のため、耀が紅茶を淹れている。
「...杉原、紅茶淹れるの上手くなったな」
「そうですか?四宮先輩に比べればまだまだですが、お口に合ったのであれば嬉しいです」
「…なぁ杉原」
「???」
「杉原から見て男として俺はどう見える?」
「僕を口説いてるんですか?」
「そういうのじゃない!!」
耀は少し冗談を言うと優しく微笑む。
もちろん耀は白銀の言葉の意図を正しく理解している。
「...僕は会長は素敵な男性だと思います。『僕が人生で出会った人の中で一番カッコイイと思った人は?』と聞かれたら、迷わず白銀御行と答えるくらい素敵だと思います」
耀は今度は少しも茶化す事なく、本心を白銀に向けて語った。
「そ、そうかっ...杉原にそう言って貰えるなんて光栄だよ」
耀は腕時計を見ると『そろそろ時間かな』と言って立ち上がり、生徒会室の出入口に向けて歩き出す。
「もし会長が自身の容姿や言動に自信が持てないのであれば、僕の言葉を信じてください。あなたは世界トップクラスのいい男だと、この杉原耀が保証します。...会長も頑張ってください」
耀は頭を下げると生徒会室を後にした。
白銀は窓の外の活気に目を向け、『今日から2日間頑張るか』と呟いてから自分の持ち場に戻った。
午前中の来賓対応を終え、耀はつかの間の暇にクラス出し物の進捗確認をしようとクラスに向かっていた。
そんな耀を見かけた眞妃が耀に声をかける。
「あら、耀じゃない」
「眞妃さん、こんにちわ」
「こんなところで何してるの?今日は生徒会の広報が忙しいことくらい、一般生徒の私でも知ってるわよ?」
「午前中の対応が20分程前倒しにできたので、クラスの出し物の進捗確認に行こうと思いまして」
「ジー」
眞妃は耀の顔をジッと観察する。
「僕の顔に何かついてます?」
「ソイっ」
「んぐぁ!?」
眞妃は手に握っていたチョコレート味のチュリトスを耀の口にぶっ刺した。
「......はい、噛んで。......咀嚼して。......飲み込んで。......はい、コレ持って。.....どう美味しい?」
「はい、美味しいです」
「ネズミーランドで修行したらしいわよ?ホントかは知らないけどねフフフ」
眞妃が耀に微笑む。
「それはあなたにあげるわ。また少し痩せたでしょ?ちゃんと栄養取らないと頭も回らないし倒れちゃうわよ?」
「......ありがとうございます...」
「分かればよろしい!あなたのことだから、止めてもクラスに行くだろうから止めないけど、進捗確認が終わったら少しくらいは休みなさい?メンタルや体力に余力を持たせることは大事なんだから」
『それじゃあ私は自分のクラスに戻るから』と言って2人は別れた。
そんな2人をマスメディア部である妃かれんは口を『アワアワ』とさせながら眺め、見送っていた。
「そういえばお姉ちゃん?今日は杉原先輩っていないの?」
「杉原くんですか?」
奉心祭を見ていた藤原家の三女の萌葉が姉である二女の千花に訊ねる。
「萌葉もしかして、会長だけじゃなくて杉原くんも狙ってるんですかー?」
千花がジト目で萌葉を見る。
「ううん?杉原先輩は整いすぎてるというか隙が無さすぎるというか、ぶっちゃけ私のタイプじゃないんだよねぇ」
「じゃあどうして?」
「圭ちゃんの推しが杉原先輩なの。『あの容姿、あの頭脳、あの所作に人当たり。全てが最高水準!最高の王子様!』とかいつも言ってるの。だから一緒に写真でも撮って自慢しようかなって」
「なるほどー。でも今日の杉原くんを捕まえるのは私たちでもちょっと骨が折れるかもですねぇ」
「高等部の広報は奉心祭が一番忙しいって噂だもんねぇ。会えなくて残念だなぁ。せっかく媚び売っておこうと思ったのに」
「杉原くんに媚びを売ってどーするんです?」
「私が高等部に入学したら、杉原先輩たちが3年生でしょ?その時、生徒会長筆頭と言えば杉原先輩かなぁって」
「なるほど〜」
千花は少しだけ考えてから萌葉を諭す。
「媚びを売っても無駄かもしれませんよ〜?」
「どうしてー?」
「きっと杉原くんは会長には立候補しませんから」
「そうなの?」
「前に言ってたんですよ、会長に興味が無いし広報の仕事が好きだって」
萌葉は『ふーん』と言いながら窓の外を見る。
「そういえばさ?お姉ちゃんから見て杉原先輩ってどんな印象?」
「そーですねぇ」
千花は少し考えてから自分の中の耀の印象を伝える。
「生徒会に入りたての頃はどこか壁を感じてました。何を話しかけてもいつも95点の答えが返ってくる感じと言うか、マニュアルチックに感じたんですよね」
「今は?」
「...今は印象がガラッと変わりました。ある時を境に生まれ変わったみたいに言動が変わったんです。コミュニケーションも壁を感じなくなったし、いい笑顔で笑うようになったんですよねぇ。誠実だし誰かのために頑張れる素敵な人だと思います。ただもう少しだけ自分に優しくできたらいいなと思います。彼は自分に厳しすぎるので」
それを聞いた萌葉がニヤニヤしながら千花を見ている。
「もしかしてお姉ちゃん、杉原先輩のこと好きなの?付き合っちゃえば?」
「......無いですね。彼と付き合うくらいならラーメン屋の店長と付き合います」
千花がなんとも言えない空気を醸し出した。
いよいよ夜を迎え、各クラスの代表がパフォーマンスを披露する『秀知院キングダム』の時間を迎える。
耀は各クラスの代表者の中に藤原千花がいないことを確認して胸を撫で下ろした。
耀とミコはクラス代表として控え室で衣装に着替えていた。
耀は金髪のウィッグを被り、淡いピンクとスカイブルーのダイアモンド柄が特徴的なハーフコートを袖に腕を通さずに肩に羽織っている。
胸元が大きくV字に開いた白シャツに黒のスラックを着用。
ミコは首元に小さなフリルが付いたスタンドカラーの長袖ロングワンピースに、赤いリボンが巻かれたつばの広いシンプルな麦わら帽子を着用している。
どちらも某動く城をイメージしたコスプレだ。
「僕はもう十分逃げた。ようやく守らなきゃいけないものができたんだ。.......君だ」
耀は某アニメの名言を石上に向けて語る。
「はいはい、カッコイイカッコイイ。守るのは自分の貞操でも守っててください」
「スッゴイ流した!?」
耀と石上の会話を聞いていたクラスメイトもクスクス笑い出す。
体育祭以降クラスでの石上の印象も変わりつつあった。
「さてと...」
耀はガチガチに緊張しているミコに視線を向ける。
「大丈夫かい?」
「だ、だ、だ、大丈夫よっ!」
強がってはいるが視線は右往左往している。
「ちゃんと練習はした?」
「したわよっ!」
「楽譜はちゃんと覚えてる?」
「覚えてるっ!」
「なら大丈夫」
耀はミコに微笑む。
そんな耀に石上が耳打ちする。
「ホントに大丈夫です?伊井野ガチガチに緊張してますけど」
「大丈夫だよ。伊井野さんなら乗り越えられるって。それに......」
「???」
「今日の僕は魔法使いだからね」
耀は石上にウインクするとミコに『さぁ行こう』と声をかけた。
「...童〇って意味ですかね...」
ステージに向かう耀を見て思わず石上はつっこんだ。
耀はステージに上がりザッと客席を見渡す。
その中に白銀とかぐやはいなかった。
(やはり2人はいないかぁ...)
耀は再びミコに視線を向ける。
緊張で鍵盤しか見れないような状態である。
(さて、上手く行くかは5割といったところかな)
耀が手を高く掲げ指を鳴らす。
その瞬間、全校中の照明が消えた。
突然の消灯に全校中がざわめくが続いて耀が2度目の指を鳴らした。
その瞬間、全校中に星空のプロジェクションマッピングが浮かび、ステージの2人にだけ月光のようなスポットライトで照らし出される。
「っつ.....」
ミコは言葉を飲んだ。
プロジェクションマッピングで描かれた星空とステージ上とのコントラストによりステージ上からは、周りに誰もいないような感覚に陥るほど客席の人が見えない。
まるで世界中で伊井野ミコと杉原耀しかいないような感覚に陥る。
耀はミコの緊張の理由を知っている。
それは他人からの視線に弱いからだ。
ならば物理的にそれを遮断すれば、ミコの緊張を取り除くことができると思っていた。
今はステージ上のマイクで拾った音がスピーカーを通じて全校中に届く状態になっている。
耀は愛機を担ぐとミコに視線を送る。
(さぁ僕たちの演奏を全校生徒に見せつけようじゃないか!)
「タイスの瞑想曲」
ミコが静かに最初の和音を叩く。
深々と澄み渡るピアノの音色が夜の星空へ溶け込んでいく。
その波に乗るようにして、耀がゆっくりと弓を滑らせた。
繊細で、どこまでも高く澄み切った第一音が夜空へ響いた瞬間。
周りの喧騒が嘘のように掻き消え、その場の空気が一変した。
息をのむような美しさと揺るぎない気品。
耀が奏でる旋律はただ甘いだけではない。
静けさに包まれた星空へ吸い込まれていくような豊かな高音の中に、胸を締め付けるほど切ない優雅さを秘めている。
ミコは鍵盤に指を走らせながら、思わず横目で耀の横顔を仰ぎ見た。
照明が生み出す光と陰影が彼の彫刻のように美しい輪郭を鮮やかに浮かび上がらせている。
(なんて……綺麗なんだろう……)
音と音の間のわずかな静寂すらも、甘美な緊張感となって空気が揺れる。
ロマンチックな奉心祭の夜に、ミコの心臓はうるさいほど高鳴っていた。
やがて曲がクライマックスを迎え、深く長い音色が漆黒の夜空へ消え入るように解けていく。
耀が優雅に弓を上げ最後の余韻を切り落とした時、会場は一瞬の静寂に包まれ、直後に割れんばかりの拍手と歓声が夜のホールに響き渡った。
拍手がある程度収まるとプロジェクションマッピングは消え、照明は元の状態に戻った。
耀はピアノの前に歩み寄るとミコに手を差し伸べた。
「大変よくできました。伊井野さんに頼んで良かったよ」
耀は満面の笑みでミコを称賛する。
そしてそのままミコの手を引いて舞台袖まで移動する。
舞台袖から控え室までの通路には誰もいない。
そこまでは2人きりの状態である。
「...ねぇ」
「??」
ミコが耀の衣装の袖を掴み、耀を呼び止めた
「...なんでこの舞台に立とうと思ったの?」
耀は思考を巡らせる。
耀がこの舞台に上がった理由は主に2つある。
1つ目は来期の会長選に向けてミコに人前での成功体験を経験してもらい、自信をつけてもらうこと。
2つ目はただの耀自身が描く絵空事である。
1つ目の理由を話すのは少し気恥しいし、そもそもミコに頼まれたことではないので耀は敢えて口にしない。
耀は2つ目の理由だけ話すことにした。
「笑わない?」
「笑わないわよ」
「知ってる?秀知院学園の全カップルのうち3割はこの奉心祭期間中に結ばれるらしいんだ」
「へぇ、そうなんだ?それとこの舞台に立つこととどんな関係があるの?」
「......つまりさ?今この時間も結果の良否は別にして、誰かが想いを告げるために勇気を出してるってことだ」
耀は少し照れくさそうに明後日の方向を向く。
「その勇気の少しでも背中を押したかった。...いいじゃないか、少しくらい告白の成功率が上がる魔法をかけたって。なんたって今日の僕は魔法使いだからね」
耀が照れ隠しにはにかむ。
ミコにはその笑顔がとても美しく、とても眩しく見えた。
それによってミコは顔を赤らめる。
やはり自分は自分の利より、他人を優先してしまう彼のこういう所が好きなのだと実感する。
いっそこの場で想いを告げてしまおうかという衝動が彼女を飲み込む。
「......あのさ...」
「杉原くんっ!」
ミコの言葉を遮るように遠くから石上の声が聞こえる。
石上は2人に駆け寄ってくる。
「杉原くんも伊井野もお疲れ!凄く良かったよ!」
ミコが石上のあまりの間の悪さに睨む。
「な、なんだよっ...」
「別にっ!!」
ミコは2人を置いて控え室に1人で戻って行った。
「なんだよあいつ...。何か分かります?」
「フッ...」
耀はドヤ顔を見せる。
「僕に分かるわけ無いだろ?」
「.......」
石上は言葉を失った。
奉心祭の1日目の全行程を終え、耀は生徒会準備室にて1日目の議事録と寄付金の流れについて纏めていた。
不意に準備室の扉がノックされ、耀は『どうぞ』と応え入室を促した。
「失礼します...」
準備室を訪れたのは意外にも子安つばめであった。
「子安先輩こんばんわ、何か奉心祭でのトラブルか何かの相談ですか?」
「ち、ちが、違うのっ!そういうのじゃなくて...」
つばめはどこか言葉を濁している。
耀は言葉が纏まるのを待つが話題が話題なのか終始落ち着かない様子だ。
「場所を変えましょうか?」
耀はつばめに微笑むと、水筒セットを持って準備室を出る。
つばめもそれに続いて準備室を出た。
生徒会室のある棟を出て、耀は人目につきにくい体育館裏につばめを案内した。
周囲は外灯に照らされているので、暗くは無いが幸い誰もいなかったので会話するには持ってこいの環境と言える。
「どうぞ」
耀は自身のタオルハンカチを体育館の入口ステップの最上段に敷き、そこへ座るように誘った。
「少し夜になると冷えますね」
耀は自身の上着を脱いでつばめの背中にかける。
耀は水筒を開くと紙コップに水筒の紅茶を注ぎつばめに手渡した。
「この紅茶、すっごく美味しいっ!!」
「お口に合うようで良かったです。最近淹れ方を教わったばかりなので」
「そういえば舞台観たよ!星空のプロジェクションマッピングなんて、凄いこと考えるね!?」
「あれは、僕のコミュニティの中でプロジェクションマッピングを推進したい会社にデモプレイの一環として依頼したので無料で行っていただけました。ただ秀知院学園自体が宣伝に使うことになったので、予め校長には許可をいただいていました」
「こ、コミュニティ...。やっぱり杉原くんって凄いんだね」
「そんなことはありませんよ。そうだ、こちらのお菓子なんてどうです?」
「あ、食べたい!食べたい!いただきまーす!」
耀は紅茶を飲みながら他愛ない会話でつばめの緊張をほぐす。
しばらくするとつばめの方から耀に本題を話し始めた。
「実は優くんから告白されちゃって...」
「ゲホゲホッ!!」
思わぬ展開に耀は盛大にむせる。
耀は『大丈夫です。続けてください』と言って会話の続きを促した。
「優くんはいい人なんだけど、今までそういう目で見た事無かったから、正直どうしたらいいのかなって思って。杉原くんから見た優くんを聞きたいなと思ったの。2人はお友達でしょ?」
耀は思考を巡らせた。
この回答次第では石上がフラれるのは火を見るより明らかであり、良く言った所で付き合うことになるかと言えばそれは別問題なのだろう。
ただつばめとしてはどう答えを出すにしろ、自分が納得できる物差しが必要で、その物差しを整える上で耀の意見も参考にしたいのだと悟った。
その上で耀は自分の思いの丈をそのまま伝えることにした。
「そうですね...、彼は正直いい所も悪い所もある人です。どちらから聞きたいですか?」
「じゃ、じゃあ悪い所から...」
「彼の悪い所はいつも自分に自信が無く、何をやるにも『自分にはきっとできない』と言う自己暗示とできなくても仕方ないと保険をかけてしまう所です。そのために自分から何かをすること、行動を起こす時に1歩出遅れてしまいます」
『あと校則で禁止されているゲーム機を持参している事もありますが、そちらは一旦置いておきます』と耀が冗談を交えるとつばめはクスクス笑った。
「じゃあいい所は?」
「彼のいい所は誰かのために一生懸命になることを厭わない所です。1歩が出遅れる反面、やると決めた事は最後までやり抜きます。それに彼はお人好しだから、誰かのせいで自分に実害があってもそれを受け入れてしまうような懐の深さも持っています。僕が女の子だったら、彼氏は彼みたいな不器用だけどお人好しで誠実な人がいいですね」
「...そっか」
耀の包み隠さない言葉につばめは微笑み、その言葉を自分の中に受け入れた。
昼間に石上から告白(石上の無自覚)を受けて、かぐやに相談してみたが納得の行く答えが得られなかったつばめにとって耀の言葉は暖かく、とても有難かった。
「杉原くんは私が優くんと付き合った方がいいと思うの?」
「その答えは僕が出すことはできません。ただ彼の1人の友人として、子安先輩の1人の後輩としてお願いがあります」
つばめと耀の視線が重なる。
先程までの冗談を交えるような空気ではなく、真剣な面持ちとなっている。
「お願いって?」
「告白の答えはちゃんと彼を子安先輩の目で見て、考えて決めて欲しいんです」
「私の目で?」
「はい。彼は周りの人から『暴力で停学になった怖いやつ』や『ストーカーのような異常者』と言ったレッテルを貼られています。確かに暴力で停学になったことは事実ですが、それが彼の本質ではありません」
耀は立ち上がり、つばめに頭を下げる。
「彼の世間的な評価では無く、子安つばめと向き合う石上優を見て判断してください。その結末が石上くんが望む結果で無かったとしても、僕は子安先輩が出した結論を尊重します」
「……うん、わかったよ。ありがとう、ちゃんと話を聞いてくれて」
「...こちらこそありがとうごさいます」
耀が顔を上げ、2人が笑顔で向き合う。
つばめが立ち上がると、耀はタオルハンカチを含めて片付けをして生徒会準備室に戻るのだった。
「ねぇ眞妃さん?眞妃さんは今、杉原さんがお好きなの?」
1日目の夜が更け、帰路につこうとする眞妃にマスメディア部の妃かれんが問いただす。
「ハァ!?なんで私があんなちんちくりんを!」
「今日見てしまったんです...」
「何を?」
「眞妃さんが杉原さんにアーンしている所を...」
かれんのカメラの画面に写っていたのは、今日眞妃が耀の口にチュリトスを突っ込んでいた所だ。
「こっ、これは違っ!!」
眞妃は慌てて顔を真っ赤にして否定する。
「これは耀が痩せこけてたから食べさせていただけで...」
「耀っ!?眞妃さん、杉原さんを耀とお呼びしているのですか!?」
「だから違うってばっ!!」
「なーんだつまらないの。せっかく学園トップクラスのビッグカップルの誕生かと思ったのにー」
「だーかーらーっ!!」
その瞬間、眞妃のスマホのメッセージの通知音が鳴る。
メッセージの相手は眞妃の父親である、四条グループの会長からであった。
「お父様?」
眞妃がスマホのメッセージを読むと信じられないメッセージが書かれていた。
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眞妃へ
秀知院学園に通う、杉原耀という生徒と
接点はあるかい?
あるのであればどんな手段を使ってもいい、
彼を必ず四条家側に引き入れなさい。
必要な手札があれば私に相談してくれ。
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「どういうこと?どうしてお父様が耀の事を知っているの?」
もうすぐ奉心祭2日目を迎えようとしている。
同時に何か大きな出来事が近づいているような感覚に眞妃は襲われた。
いかがでしょうか?
いよいよ少しずつ物語が大きく動き出しました!!
この後の展開などを含めて乞うご期待です!!
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ではまた次回!(。・ω・)ノ゙