最終回を想定した独自解釈の二次創作です。
原作とは異なる結末・救いのない展開を含みます。
ナザリック地下大神殿の最奥――宝物殿へと続く通路。モモンガはその前に、一人立っていた。
そこに並ぶのは、四十体の像。四十一人のギルドメンバー。その一つだけが、空白のままだった。
「・・・結局、ここに並ばずに済んだな」
モモンガは像を一つひとつ見渡す。
笑い合った日々。無意味な冗談。目的もなく語り合った時間。それらは劣化せず残っていた。
――シュイーン。
不意に、内部で何かが作動する感覚が走る。感情抑制。もはや慣れきったはずのそれに、モモンガは舌打ちする。
「ちっ・・・この抑制からは、結局逃げられないのか」
感情が沈静化していくのを、他人事のように認識する。
『アインズ様、お時間です』
頭の内に、アルベドの声が響いた。
「分かった。すぐ向かう」
短く応じ、モモンガは踵を返す。
玉座の間には、魔族、人間、亜人――あらゆる存在が整然と並んでいた。
眼下に広がるその光景を見下ろしながら、モモンガは、ふと、考えてしまった。
(いつまで続けりゃいいんだよ、これーーー!)
ーーーエピローグ
「どうだ? 間に合いそうか?」
「何とかなりそうっす」
モニターが並ぶ開発室で、軽い口調のやり取りが交わされる。
「PVはどうだ?」
「見ます?」
「ああ、見せてくれ」
画面が切り替わる。
――初心者のあなたも村人救出で即英雄体験!
――国を攻め取る攻防戦! 謀略戦から大規模戦闘まであなたの思うまま!
――国の滅亡をかけたレイド戦! 君は守りきれるか!
――そしてその先に待つ、死のダンジョン!
――これは全プレイヤーへの挑戦状である!
「いいじゃん」
「まぁ、AIにキャラを動かさせてますからね」
「AI様々だな」
「えぇ、本当に。プレイヤー思考を蓄積してキャラに反映させるって言われたとき、正直無理だと思ってましたよ」
「そうだな。で、広告バナーは?」
「こちらです」
「やっぱ髑髏はインパクトあるな」
「映えますよ」
「動画バナーもいいねー」
「動くと目を引きますからね」
「モンスター軍にダークエルフの双子入れてるのも効いてるな」
「えぇ、デザイナーさんに感謝ですね」
上司は満足げに頷いた。
「発売まで、あと一週間。GMシステムとの連携と、18禁行動周りの最終制御、忘れるなよ」
「分かりましたー」
ーーー数週間後
隣の席の新入社員が、課長の叱責から解放された顔で椅子に腰を下ろした。
「遅刻してくるなんて珍しいね」
「あ、さとる先輩、おはようございます。ちょっとゲームやりすぎちゃいまして・・・」
「分かるよ。俺も昔そうだったからさ」
「何をやってたんです?」
「もうサ終したけどさ。ユグドラシルってゲーム」
一瞬の沈黙が走る。
「え? 私、今、その続編のユグドラシルⅡやってるんですよ」
「・・・え?」
「もう、アインズウールなんちゃらっていうボス軍団が強すぎて・・・」
「・・・ふぁ?」
「未だに三層突破したプレイヤー、居ないみたいなんですよ! 勝たせる気ないだろって、皆ムキになってて。まぁ、私もですけど」
そう言うと、後輩はゲーム画像をバーチャルモニターに転送してきた。
「ほら、コイツですよ」
画面には――玉座に座す骸骨の魔王。
(えーーーー!)