「悠人や、そろそろ実戦してみても良いのではないかな?」
「へ?」
発を造り、それを合わせた戦いかた等を夢仙人と共に模索していた悠人は、夢仙人からそういわれた
「……後少なくとも現実で5ヶ月は様子を見て決めようと言ってませんでした?」
「うむ……確かに言ったな?」
ほっほ、っと多賀城バナナを食べながら言う夢仙人……
髭に粉が付いているが、一切気にしないで食べている……
「あの時は、お主の発を作る前の実力を鑑みていたんじゃが……思った以上に強くなったからのぉ……」
発を使った組手のことを思い出しながらそう言う夢仙人
「丁度良いから、卒業試験もどきでもしようと考えての?」
「ゴホッ!!……そ、卒業ですか……?」
食べていた多賀城バナナの粉が気管に入ってしまったのか噎せてしまった悠人がそう聞き返し、大丈夫か?っと言いながら夢仙人が麦茶を渡してくれながら続ける
「うむ……現実で約3、4ヶ月位……夢の中だと五年くらい修行しとったろ?……そろそろ一人立ちさせても良いと思っての?」
ー数度実戦して、大丈夫だと思ったら卒業……いわばこの修行も終わりということじゃな?
そういう夢仙人に悠人はポカンとしていた
「?どうしたんじゃ?」
「……いえ、ここって卒業試験あったんだなぁ……っと思って……」
「いや、そりゃああるじゃろて……?でなかったらこの道場人で溢れ返っとるぞ?」
ーお主の現実で魔女の使い魔と戦ってみること…倒せそうなら倒して、無理そうなら全力で逃げ切ること、これが最初の試験じゃ
そう言って多賀城バナナを食べ終えると、組手を再開するのであった
____________
「って、言ってたけど……」
修行後の放課後……
悠人は一人ブラブラと街中を歩いて試験するための相手……
使い魔を探していた
「……どうやって見つければ良いんだ、使い魔って……?」
途中で買ったソフトクリームを食べながら、そう愚痴る悠人……
使い魔とはなにか?……根本的にそう考えてしまう人も読者にいると思うので説明すると、魔女の手下……つまり戦闘員や駒のことを指し、魔女の自己実現をサポートするとともに、魔女を魔法少女達から守る存在であると共に、人を食らうことで魔女に成長する……
つまり、魔女の子供……といえる存在である
これが魔法少女なら、魔力を感知して見つけることも出来るが、悠人は念能力を身につけた
魔女どころか使い魔を探すことも至難の技なのだ
「……"凝"なら見えるかな……?」
そう考えた悠人は、眼にオーラを凝めて辺りを見渡す……
"凝"とは、念を身体の一部に特に集中させる技術で、目に施すと他人のオーラを視認できるようになる。狭義では目に施す凝のことのみを指すが、腕や脚などに施すことで腕力や脚力を高めることも可能である……
いわば、捜索や物色に向いている技術とも言える
その為、魔女等も見つけられると思った悠人だが……
「……見付からないな……」
そう上手く行くはずがなかった……
それもそのはず、「凝」はあくまで**「オーラ(生命エネルギー)」を視認・感知するための技術だ
対して、魔女や使い魔が纏っているのは、絶望や呪いから生じる「魔力」……念の定義で言えば「怨」と呼ばれる念と対極に位置するものに近い性質だ……
異なる質のエネルギーである以上、魔法と言う形で顕現している状態でなければ単純に目にオーラを集めただけでは、ハッキリとした形として捉えることは難しい……
「……冷静に考えたら、念と魔女の力って別物なんじゃね……?」
ソフトクリームのコーンを齧りながら、悠人はふと当たり前の疑問にぶち当たった
夢仙人は「行けばわかる」と言わんばかりに適当に送り出してきたが、捜索手段のチュートリアルくらい受けておけばよかったと今更ながら後悔する……
ー……いや、待てよ? 夢仙人が『実戦してみろ』って言ったってことは、絶対に見つける手段か、接触する接点はあるはずだ……
悠人は思考を切り替える
魔女や使い魔そのものの魔力が見えなくても、それらが
例えば――人が不可解な行動をとっている場所。あるいは、空間そのものが不自然に歪んでいる違和感……
それなら感知することは出来るのではないか?
悠人はそう考えた
「……試してみるか」
悠人は立ち止まり、残りのソフトクリームを一口で口に放り込むと、今度は目だけでなく、全身の感覚を研ぎ澄ませた
「凝」を目に維持しつつ、肌表面を覆う「纏」の精度を上げ、周囲のわずかな空気の揺らぎや違和感を拾おうと試みる。HUNTER×HUNTERの技術で言えば、広範囲を探る「円」の超極小版、あるいは直感の強化……
すると――街頭の喧噪の中に、一箇所だけ
視覚的にはただの暗い路地。しかし、「凝」を通した視界の端で、空間の境界線がまるで油絵の具を水に溶かしたかのように、かすかにブレていた……
さらに、その路地裏に向かって、ぼんやりとした目で吸い込まれるように歩いていく女子校生の姿が見えた……
彼女の首筋には、不気味な黒い紋様――『魔女の接吻』が浮かび上がっている……
「……あそこか!」
悠人は女子高生を当て身で寝かせながら口に残る冷たさを飲み込み、視線を引き締めた
「念が見えなくても、空間の変な歪みとターゲットの動きを追えば辿り着ける……! 行くぞ……ッ!」
オーラを足元に集中させ、脚力を強化(凝)。
悠人は静かに、しかし素早く、異界へと繋がる路地裏の闇の中へと踏み込んでいった――……
____________
砂丘のような床に木を模したかのような黒い柱が立ち並び、フォークやキューブや遊具が散乱している。遠くには城や旗が見える
「……ここが魔女の結界……思っていたより子供の遊び場感があるな……」
魔女の結界に降り立った悠人は、そう言って辺りを見渡す……
ー一応、"円"をしておくか……
敵の縄張りに入ったことを理解している悠人は、即座にオーラを辺りに広げることで感知出来るようにする技……円を行った
その時だった
「っ!?」
オーラから感じた、何かがこちらに飛んできたことを感知した悠人は咄嗟に自身の身体からオーラを吹き出す練で強化すると同時に飛び退く
それと悠人がいたところに何かが落ちてきたのは同時だった
「あっぶな!?……組手で不意打ちとかされてなかったら死んでた!?」
夢仙人の理不尽組手のお陰で、間一髪助かった彼の眼に映ったのは、複数の色とりどりの玉だった……
その玉は、プルプルと動きながら繋がっていき、蟻のような姿となる……
巻貝が触覚のように、そして顔らしき部分には花が彩られている……
「□▽★※◎◆♯ポッー!!」
蒸気機関車の汽笛のような鳴き声を上げ、悠人の方にゆっくりと向かう……
「……あの使い魔、見たことあるな……」
ゲームで何度か見たことある、それを見た悠人は呟く……確か……
「……砂場の魔女の手下……」
確か、へたった姿がかわいいと評判だったことをこんな時に思い出してしまう悠人……
「って、んなこと思い出してる場合じゃなかった……」
そう気を取り直した悠人は、即座にオーラの出力を半分に落としながら、そのオーラを己の身体にとどめる……
"堅"……"練"により溢れるオーラを己の身体にとどめる、いわば全身で"凝"を行うような技術……
本来は"練"の出力を落とさずに行うものだが、悠人の場合は出力を落とすことで自分に適した強化を施すと共に長時間の運用を目的としている……
いわば、"僕のヒーローアカデミア"の"ワンフォーオール:フルカウル"である
さらに、ここから悠人は一手間を加える……
「……"染(せん)"」
残り半分からやく⅔程のオーラを内部に行き渡らせる……
"染"……悠人の考え付いた、周と呼ばれる自分以外の物にオーラを纏わせて強化させる技の応用技術で、自身の細胞……っと言うより分子にオーラを"染"み込ませる様にして強化させるさせる技である……
夢仙人もこの技には感心しており、他の弟子達にも教えても良いか聞いた程である……
そして、そこから更に進化させていく
「……少しじゃ千切れる心の繊維(グラス·ファイバー)……」
纏っていたオーラを全て線維状に形状変化
さらに、その形状変化した線維状のオーラを自身の筋肉に沿って配置……
更に、染で染み込んでいたオーラも筋繊維に沿って線維状になることで擬似的に筋肉の密度が倍になった
「脳筋繊維(バーサーク)!!」
変化系でありながら、擬似的な強化系能力者と変わらなくなった悠人は、手をグッパッと動かしながら調子を確認し、それが終わると使い魔に向かって行った
悠人の発
少しじゃ千切れる心の繊維(グラス·ファイバー)
オーラを線維状に変化させ、束ねることを前提としたことで距離による強度の低下を抑えた発
強度は消費するオーラの量とテンション(やる気)、繊維の量、束ねた数に比例する
複数束ねて擬似的に筋繊維化して筋肉の性質変化にしたり、三つ編みにすることで縄や鞭としての使うことが可能
自身が直接使うことが前提のため、切り離して使うことが出来ない
制約
①テンション(やる気)が低いと強度が下がる
②束ねた数が多いほど硬くなるがしなやかさもなくなっていく
③術者のからだから切り離す、または離されると強制的に解除される
誓約
①この能力は触れる事は出来るがこの発単体でダメージを与えることは出来ない