目指せ! ギ ロ チ ン マ ス タ ー   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。お待たせいたしました、ホウエンでのジム戦一つ目です!タイトルの元ネタがわかる人とはいい酒が飲める。

まずはキンセツ。テッセンとのバトル。楽しんでいただけると幸いです。


キンセツジムでの近接戦!今のは、キンセツと近接をかけた大変面白いギャグです

「ほあぁ……ヤマブキもすごかったけど、とんでもない都会だなあ……」

 

 

 カイナシティを北上し、キンセツシティにやってきたシーザーとマリー。田舎者であるシーザーは、アーケード街とも言うべき街並みに驚くしかない。

 

 

「ここは、キンセツシティ。ジムリーダーのテッセンさんが率先してお金を出して街の改造を行ったことで、町全体が2層構造のショッピングモールとなり、様々な店だけでなくポケモンの育成に大いに役立つ施設が多い街よ。ここでなら、その捕まえたばかりのクラブの技も整えることができると思うわ」

 

「そうか。よかったな、クラブ!お前を完璧なギロチンマスターにしてやるぞ!」

 

「ちなみに四方を覆う壁はキンセツヒルズというマンションで、私も8号室を借りてホウエンでの拠点にしているわ。シーザーも近くに来たときは遠慮なく使っていいから」

 

「助かる。さすがマリーだ。ところで、テッセンさんとやらは何タイプのジムリーダーなんだ?」

 

「生憎。クラブの苦手なでんきタイプよ。カイロスの独壇場になりそうだけど」

 

「へえ」

 

 

 ロキを後ろに連れたマリーの案内でキンセツシティを歩きながら、クラブの入ったボールを掲げて不敵に笑うシーザー。マリーが不思議そうに首を傾げる。

 

 

「一つ聞く。ジムリーダーとの戦いは「相手を試す場」故に“ほろびのうた”みたいな技は使ってこない。そうだな?」

 

「まあ、いないとは言わないけど、調べた限りはほとんどないわね。それで?」

 

「なら、俺は宣言するぞマリー。クラブだけでテッセンに勝つとな」

 

「ガッハッハ!ほほう!それは大きく出ましたな!」

 

「っ!」

 

 

 横から聞こえた笑い声に、ぎょっとして身構えるシーザー。それに対して、アロハシャツの上にオーバーオールを身に着けた白い髭を蓄えた白髪の爺さんは豪快に笑う。

 

 

「だ、誰だ?」

 

「おや、ご存じでない?では僭越ながら。ごほん!」

 

 

 おっかなびっくりなシーザーに満足そうに笑った爺さんは、どこからともなく法被を取り出して着込んでびしっと決める。

 

法被(・・・)を着ればみんなハッピ(・・・)ー!笑う門には100万ボルト!【あっかるい でんげき オヤジ】テッセンとはわしのことですな!」

 

「……今のはなんだ?」

 

「今のは、法被とハッピーをかけた大変面白くない親父ギャグよ」

 

「ガッハッハ!こりゃまた手厳しいなマリーさん!」

 

 

 マリーと親し気な様子のテッセンに、首を傾げるシーザー。友達が少ないというか自分しかいないマリーと親しげにしているのも気になった。

 

 

「……なによ」

 

「いや、マリー俺の他にも友達がいたんだな……」

 

「失礼ね。大事な取引先なのよ。このキンセツシティ再開発計画にはうち……シルフカンパニーも一枚噛んでるのよ。私がその責任者なの。仲良くしておいて()はないわ」

 

そん(・・)なつれないこと言わんでくれい。わしとマリーさんの仲じゃないか。今だって、君の顔を見かけたからつい声をかけてしまった」

 

「さらっと親父ギャグを入れても面白くないわよ」

 

「やはり手厳しい。それで、クラブ一匹でわしを倒すとは、本気かな?」

 

「本気だ。俺はチャンピオンを超える男だからな」

 

「元気のいい小僧ですな。いいでしょう!挑戦、待っとるぞ!」

 

 

 そう言って去っていくテッセンを見送り、シーザーはため息をついた。

 

 

「……食えない親父だな」

 

「あら。わかるの?テッセンさんはああ見えて全ジムリーダーの中でもベテラン中のベテランよ」

 

「だろうな。それに、さりげない会話で俺の手のうちを探ってきていた。だいぶ、骨が折れるな」

 

「今からでも撤回してもいいのよ?貴方のカイロスなら間違いなく突破はできるわ」

 

「前言撤回なんてするか。タイプ相性を覆せもしないでなにがギロチンマスターだ。なんのためのいちげきひっさつだよ」

 

「それでこそシーザーよ」

 

『マリー様。お顔が緩んでますよ』

 

 

 臆さないシーザーに、満足げに微笑むマリー。それをずっと後ろから見ていたロキがツッコんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、キンセツジム。バトルコートを挟んで並び立つはシーザーとテッセン。観客席にはマリーとロキを含めた十数人が見物している。

 

 

「ようこそチャレンジャー!観客のために最初の確認だが、クラブ一匹で勝つ!それが目標でいいんですな?」

 

「二言はないさ。もし万が一にでもクラブが負けても二匹目は出さないと約束する」

 

「ジムバッジの確認をしてもよろしいかな?」

 

「(ホウエンのは)ゼロだ」

 

「……では、こちらは二体で行きましょう。そう言う配信者かなにかですかな?」

 

「生憎、配信はやってないな」

 

「それは結構。生半可な遊び半分の覚悟で来られてもこちらが困るだけですからな。では!」

 

 

▽ジムリーダーの テッセンが 勝負を しかけてきた!

 

 

「初陣だ、クラブ!」

 

「速攻で仕留めますぞ!ビリリダマ!」

 

 

 シーザーが繰り出したのはもちろんクラブ。対してテッセンはボールポケモンのビリリダマ。ビリリダマは繰り出されるなり稲妻を纏い、光り輝きながら弧を描いて高速でクラブに迫る。

 

 

「速攻必殺いきますぞ!“スパーク”!」

 

「ビリリダマの相手は、カントーでもしている!横歩きだクラブ!」

 

「なんと!?」

 

 

 しかし、足の速さ……特に横歩きの速度なら、シーザーと追いかけっこしたクラブも負けてはいない。余裕とばかりにシャカシャカ脚を動かして避けて見せる。ビリリダマは速度はあっても、それは直線の話。真っ直ぐ飛び込むビリリダマと、横歩きが得意なクラブは対照的だった。

 

 

「ならば、“ほうでん”!」

 

「対策済みだ!“どろあそび”!」

 

 

 ならばとダブルバトルでは味方すら巻き込む全方位への放電を叩き込むビリリダマだったが、クラブは水を滴らせた鋏と足でじたばた暴れて泥を生み出して被り、防御。

 

 

「マイナーではあるが、でんきタイプのわざの威力を半減にする技だ!」

 

「厄介ですな……ならば攻め立てるのみ!“ころがる”!」

 

「避け続けろクラブ!」

 

 

 縦回転して突撃してくるビリリダマを、シャカシャカシャカ!と足を動かして避けるクラブ。しかし外れても連続で“ころがる”を発動して突撃してくるビリリダマ。このままでは平行線だ、と結論付けたテッセンは勝負に出る。

 

 

「埒があきませんな!懐に飛び込んで、そこで“スパーク”!」

 

「そいつを、待っていた!“ハサミギロチン”!」

 

 

 しかし、それこそシーザーの狙い。焦らせて、確実に当てに来るタイミングを狙っての、自分から近づいた故に避けようがない“ハサミギロチン”が炸裂。真っ二つにするんじゃないかってぐらいクラブの鋏に挟み込まれたビリリダマは戦闘不能となってゴムボールかの如く吹き飛ばされた。

 

 

「“ハサミギロチン”!?まさか、シーザーさん。あんたは……カントーで暴れたという“ギロチンマスター”…!?しかしジムバッジはゼロ個と……!?」

 

「ホウエンのはゼロだ。カントーのジムバッジは置いてきたし、このクラブは捕まえたばかりの正真正銘の初心者だ。“ギロチンマスター”……チャンピオンに勝ててないんだからそうとは言わない。だが、そうなりたいとここまで来た。騙し討ちはここまでだ。潰してみろよ、ジムリーダー!」

 

「……本当ならラクライで行くつもりだったが、真面(・・)目に本気(マジ)で行かせてもらいますぞ!ゆくぞ、ライボルト!メガシンカ!」

 

 

 邪悪に嗤うシーザーに対し、不敵に笑んだテッセンは繰り出したほうでんポケモン ライボルトに、取り出したメガバングルをはめてエネルギーを送り、メガシンカ。メガライボルトが咆哮を上げる。これにはクラブもおっかなびっくりな反応で、振り返ってシーザーに「え、これとやるんすか?」と言いたげな視線を向けた。

 

 

「やれるさ、お前と俺なら!“つるぎのまい”!」

 

「ク、クラァ!」

 

「“でんこうせっか”!」

 

 

 覚悟を決めて鋏同士を打ち付け合い、振り回すクラブ。本来は攻撃力をぐーんと上げる変化技。しかし、“ハサミギロチン”しか攻撃手段がないクラブは意味がない……わけではない。その動きは攻撃力こそないが、牽制にはなる。メガライボルトの“でんこうせっか”とぶつかり合い、何とか弾き飛ばす。“攻撃力”とはすなわち膂力。シンプルにパワーを上げた状態のクラブならギリギリ弾き飛ばせる。

 

 

「打ち砕け!“かみなりのキバ”!」

 

「“かたくなる”だ!」

 

 

 未だ効果が残る“どろあそび”で半減+“かたくなる”で防御を上げて、硬質化した鋏でメガライボルトの稲妻迸る牙を受け止めるクラブ。踏ん張り切れず持ち上げられて振り回される。

 

 

「“ハサミギロチン”!」

 

「そう簡単に使わせませんぞ!“たたきつける”!」

 

 

 零距離ならばと“ハサミギロチン”を指示するシーザーだったが、発動する前にフィールドに噛みつかれたまま後頭部から叩きつけられ、クラブは目を回して解放され転がっていく。そんな無防備な背中に、メガライボルトは容赦なく全身に稲妻を迸らせた。

 

 

「“ワイルドボルト”!」

 

「今だ!とっておきの……“どろあそび”!」

 

 

 稲妻を迸らせながら突撃してくるメガライボルトに、何とか立ち上がったクラブ。シーザーの特別な意味を持つ指示に頷き、泡を迸らせた鋏を地面に叩きつけ、温泉でも噴き出たかの如く泥の津波を発生させた。

 

 

「なんと!?」

 

「ガウ!?」

 

 

 これには面食らうテッセンとメガライボルト。メガライボルトはなすすべなく泥の津波に飲み込まれ、身動きが取れない。そして、メガライボルトからはクラブが見えず、慌てて右、左と確認する。

 

 

「ライボルト!上ですぞ!」

 

「ガウ!?」

 

 

 テッセンが警告するが、メガライボルトからは見えない。それもそのはず。クラブは泥の津波に紛れて、メガライボルトの頭上に鎮座し、その鋏を振り上げていた。参考までに、クラブは0.4m。メガライボルトは1.8m。大きさの差が明暗を分けた。

 

 

「ギロチンってのはな、上から振り下ろすものだ!“ハサミギロチン”!」

 

 

 シーザーの指示と共に、大きく限界まで開かれた鋏が首筋に振り下ろされ、閉じられた。

 

 

 

クラブの“ハサミギロチン”

 

 

いちげきひっさつ!!

 

 

 

 メガシンカが解け、泥に埋もれたまま力なく倒れ伏すライボルトに、信じられないとばかりに口をあんぐり開けるテッセン。観客たちもざわめいている中、マリーは一人、ロキの淹れてくれた紅茶を嗜みながら当然とばかりに笑う。そしてクラブはストッと地面に着地、横歩きで戻ってきてシーザーの前に仁王立ちした。

 

 

「俺達の、勝ちだ!」

 

「これは、完敗ですな……いいでしょう!ダイナモバッジを差し上げますな!」

 

 

 ライボルトをボールに戻したテッセンからダイナモバッジを受け取り、ふと息を吐くシーザー。そこで、自分が緊張していた事実に今更気づく。勢いだけで勝ち進んだカントーの時と違うのは、敗北を知ったからこその不安。しかしそれでも、“格上にも通用する”それこそが、自分の憧れたものの神髄だと思い直して。

 

 

「ギロチンマスターに、俺はなる」

 

 

 そう改めて覚悟を決めたのだった。




※オメガルビー・アルファサファイアにおけるキンセツヒルズ8号室は空き室です。

このテッセンはゲームとアニメとポケスペをリミックスしたものとなってます。あとジムバッジ制度については、アニメのサトシを参考にリセット式に。実際どうなんでしょうね?金銀みたいにジムバッジ8つ持ってるから最初から本気モードのジムリーダーとかでもいい気もしますが。


・クラブ♂
とくせい:シェルアーマー
わざ:ハサミギロチン
   どろあそび
   つるぎのまい
   かたくなる
もちもの:しんかのきせき
備考:おくびょうな性格。逃げるのがはやい。スピードと防御に秀でた、動ける要塞。泡を技関係なく出すことができ、それを利用して色んなことができる。


次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

旅の始まり。その先が期待できるのは?

  • シーザー
  • マリー
  • シーザーのカイロス
  • シーザーのクラブ
  • ロキ(マリーのメタモン)
  • ワタル
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