冬美誘拐事件から一週間が過ぎたが、用心を重ねて俺達は公園ではなく轟家で隠れんぼ鬼ごっこをしている。
とはいっても、人の家なので隠れる場所は限られてくるし冷さんの邪魔をしないようにしなければならないので結構逃げ道が限られてくる。
これは俺の思考処理の修行にもなっている。
ヒーローになったらヴィランとの戦闘も視野に入ってくる、その時に一般人に被害を出さないようにしなければならない。
あえて、見聞色の覇気を使わずに俺は隠れんぼ鬼ごっこをして鍛えることにした。
「くそっ、俺の家なのに捕まえられねぇ・・・」
「しょーくんのお母さんの邪魔もしちゃダメだからそれも気をつけないと・・・」
「一体如何すれば良いんでしょうか・・・?」
「僕に良い考えがある!!」
そうやって出久達が悩んでいると、焦凍がそう言った。
「どんなのだ?」
「皆はケンマを誘き出して欲しい」
「「「了解」」」
そうして、本日最後の鬼ごっこが始まった。
「見つけたぞオラァッ!!」
「師匠待ってーー!!」
「ケンマ君早いです!!」
「頑張れ頑張れ!!」
俺は三人に追いかけられつつも周囲の警戒をしていた。
どこから焦凍が飛び出してきても躱せるようにだ。
その時、茂みから焦凍が飛び出してくるのを躱して移動しようとした矢先、叫ぶ。
「待ってよ、ケンマ義兄!!」
衝撃的なことを口走る焦凍に俺は身体を硬直させてしまう。
そして、硬直をしてしまった結果三つの弾丸が向かってきていることに反応が遅れてしまう。
「「「捕まえたーーーーー!!」」」
「ドゲバッ!?」
硬直していた俺の身体は前へと飛んでいき、前に置いてあった岩に頭をぶつけるのだった。
ぶつかった瞬間、岩が割れた。
「「「「え・・・・・・」」」」
その光景に四人はドン引きしていた。
「今、凄い音がしたけど皆どう・・・きゃあああああああああああああっ!?」
様子を見に来た冷さんが悲鳴を上げる事態になった。
「いやぁ、お騒がせして申し訳ない」
「いや、こちらこそ君に大けがを為かねないことをしてしまって申し訳ない・・・」
あの後、俺を除く四人が親に怒られている。
この時ばかりはシルもヒミコを叱っていた。
正直なところ、他のことに気を取られていた俺が悪いとは思うが岩が割れるくらいの勢いでぶつかったともなればそうなるかと思ったが、確実に力と耐久のアビリティが原因だと俺は思う。
が、今回の事を教訓に事態の把握なんかも意識してくれるとありがたい。
だが、俺には問いたださないといけない事がある。
それは・・・。
「おい、焦凍」
「な、なに?」
先ほどまで怒られていたからかちょっとビクつく焦凍。
「お前、あの時俺の事なんて言った?」
「え、「ケンマ義兄」だよ」
その瞬間、場には四つの空気が産まれた。
ほのぼのとした空間(緑谷家、爆豪家、エンデヴァー、冷さん)
面白くなってきた(・∀・)(シル、燈矢、夏雄)
ピリッとした(ヒミコ)
デレデレ(冬美)
「それは誰から教えて貰った?」
俺の問いに二名ほど焦った空気を感じた。
「燈矢兄と夏兄」
「そうか、教えてくれてありがとうな。さて、お二人さん少し話しましょうか」
「「はい」」
そうして、三十分ほど話をした後エンデヴァーのおごりで回転寿司に行きました。