サブタイトルのルビ内は言うまでもないかもしれませんが高成の本音となります。
さて、大晦日と正月の前後三日間は石田家の血縁者は人妖関係なくケマモト村の石田別邸に行き、過ごさなければならないのだ。
なので、デートをするなら
高成「なんで人間と妖怪の交わりを禁ずるお触れが出てるんだ・・・!」
そう・・・今日、即日施行のお触れとして、人間と妖怪の交わりを断つ掟がエンマ大王名義で発表されたのだ。ぶっちゃけ人間融和派のエンマ大王がこんな掟を出すのは怪しい以外の何物でもないが。
高成「なにッ!?貞成の爺様と今代のエンマ大王がか!?」
これは十中八九クロだな。重要な地位にいる大妖怪をその妖怪に近しい他の妖怪が拘束監禁し、その者が望む声明を発表する。妖魔界に何例も事例が確認された
しかし、マズイな・・・大抵の妖怪を黙らせることができる数少ない
たとえどこかからバレたとしても、彼ならばその情報を容易く握り潰せるだろう。
なぜぬらりひょんがこんなことをしたかなど俺は知らないし、知れるほどの情報源もない。
しかし、ただ一つだけ確実に言えることがあるとすれば───
言うまでもなく、今日のデートは中止せざるを得ないということだ。
・・・
さて、俺たちは直談判の為に妖魔界でもトップランクの富豪であるヒキコウモリに飛行機を手配してもらい、エンマ大王の別荘、エンマ別荘地のあるワイハーリゾートに来ていた。
今回は神妖怪に匹敵する妖怪を相手するので、ユキノ、くさなぎ、かぶと無双、クワガ大将、アニ鬼、ジバニャンに加え、妖怪王側近の中で唯一動けたフユニャンというアゲランク試験で言うところのSランク上位妖怪以上かつ打たれ強い妖怪たちだけととあるスパイ活動の為にウィスパーとカゲローを引き連れてやってきた。
黒鬼とつられたろう丸は足止めを受けているらしく、親父を初めとした石田家親族もぬらりひょんから圧力をかけられており、動けない状況にあるようで動けるのは俺たちだけとのことだった。
だが、エンマ大王は言わずもがな妖魔界の要人である為、警備の者たちがいる。
事前にアポイントを取ろうとしたが取り次いでもらえなかったことから察するに、恐らくそれすら「侵入すると予告染みたものが来た」と嘘を言って警備を強化したのだろう。
アニ鬼「・・・どうする、あの警備たち。」
高成「どうするったって・・・俺たちはあくまでも直談判に来たんだぞ。」
くさなぎ「だが、退いてもらわねば入れませんぞ高成殿。ここは拙者が警備の者たちを斬り伏せてきましょう。」
ヒキコウモリ「いえ、ここは私に任せてください。」
そう言うと彼はユキノのアタッシュケースを片手に警備員の妖怪に接触した。
そして、彼らの前で徐ろに開けたそれには大量の金の延べ棒らしき代物が発しているであろう光が・・・
ウィスパー「・・・なんかあの人、途轍もなく悪どいことをしていませんか?」
『・・・』
そのウィスパーの声に俺たちは否定することができなかった。何故なら事実として賄賂で買収しているのだから・・・
交渉は成立したようで、ヒキコウモリは何食わぬ顔で戻ってきた。
ヒキコウモリ「警備は引き上げるらしいのであとは好きなようにとの事です。それでは私は戻りますので・・・」
そう言うと微妙な空気だけを残し、ヒキコウモリは妖魔界式のリムジンに乗って去っていった。
フユニャン「兎に角、見張りや警備の者たちが居なくなったのは重畳だ。・・・あとで貞成としなければならない話が増えてしまったが。」
ジバニャン「フユニャン、ドンマイニャン・・・」
兎に角、警備が薄くなった今、突入した。カゲローとウィスパーとフユニャンには、先にエンマ大王の部屋に向かってもらい俺たちはぬらりひょんを真正面に抗議することとした。
高成「ぬらりひょん妖怪評議会議長!どういうおつもりですか!」
ぬらりひょん「貴様らこそ!なぜここにいる!」
高成「何しに来たと言われましても、私たちがエンマ大王名義の『妖怪と人間の交わりを禁ずる』という掟に不審を持った我が妖怪王一族を代表して直談判に来ただけです!」
ぬらりひょん「ッチィ、
嗚呼、完全にクロだな。分かりきっていたことではあるが・・・
高成「妖怪と人間の交わりとて良き事ばかりではないのは我等一族も重々理解してはいますが、あまりにもやり方が一方的かつ強引すぎるでしょう!このようなやり方など、余計に反発を生み妖魔界と人間界の秩序を悪化させるでしょう!」
ぬらりひょん「黙れッ!人間は貴様たちを含めて愚かだ!戦争により多くの命を奪い、そうでなくとも些細なことでいがみ合う!だというのに妖怪と積極的に関わり、妖怪を穢す貴様らの存在は度し難い!!」
───なるほどな、そういう
妖魔界には昔からある説が存在した。その名も【人妖交流汚染説】と言い、その名の通り妖怪が人間と関わっていると人間の愚かしい部分が移ってしまうという思想的な説だ。
実際、愚かしい人間も存在するし、その影響を受けてしまい罪を犯す妖怪がいることも事実だ。実例として、かつて存在したイカカモネ議長配下の白い妖怪たちがその代表例とも言える。ぬらりひょんは勿論、先代のエンマ大王も支持していた考え方だ。
しかし、よく調べてみるとその妖怪たちの多くは元から素行不良があったりするなど問題のある者が殆どだった。
つまり、交流を断絶すれば済むような話でもないのだ。
高成「・・・ぬらりひょん妖怪評議会議長、貴方の言い分は理解できました。───
ぬらりひょん「貴様ァッ!!偉大なる先代の大王様の志を、短絡的な逃避と言うかッ!!犬まろ、猫きよ、来い!!」
『はっ!』
犬まろデ「下がれ下がれ!デロ〜ン!」
猫きよ「ここは貴様らが来れる所ではないニャ!ペロ〜ン!」
そして、青い犬妖怪、犬まろと黄色い猫妖怪、猫きよが強力な姿に変化し、それぞれ襲いかかってきた。そこに割って入ったのは・・・
かぶと無双「ドッセイ!!」
クワガ大将「ドォリャア!!」
高成「かぶと無双!クワガ大将!」
かぶと無双「高成!こやつらは我等に任せよ!」
クワガ大将「お前はユキノたちを連れてぬらりひょんを倒してこい!」
高成「任せたぞ!ユキノ!みんな!」
『わかった!!』
そう言って俺はユキノたちと共にぬらりひょんに向かっていった。
犬まろ「そこを退くワン!」
かぶと無双「はっ!貴様らの相手は我等だ!」
クワガ大将「貴様らこそそこを退くがいい!」
猫きよ「おのれェ!」
・・・
ぬらりひょん「先代エンマ大王様を侮辱した罪、命を以て償うがいい!!」
そう言うとぬらりひょんは魔弾を発射してきたが、当然この程度では死なないし、掠り傷だって負わない。だが、俺とユキノ以外が攻撃を受ければ並々ならぬダメージは避けられないだろう。
なので俺は魔弾を斬ることに専念した。
そして、肝心の攻撃は頼もしい仲間たちに託すことにしたのだった。
ジバニャン「食らうニャン!!」
アニ鬼「オリャアッ!!」
くさなぎ「セイッ!!ハァッ!!」
ぬらりひょん「ぐっ・・・!!貴様ら・・・!おおおおおおおおお!!」
流石に今のままでは分が悪いと判断したのか、タコのような触手だらけの姿へと変化した。
そして、触手によるなぎ払い攻撃を仕掛けてきた。
ぬらりひょん「これでヤツらも・・・何っ!?」
高成「この程度の軟弱な攻撃が、通ると思っていたのか!?」
ぬらりひょん「ぬおおおお!?」
俺が触手に対して切り返し、そのまま巨体を弾き飛ばした。
高成「ぬらり!いい加減諦めよ!その様な物事の一片しか見ていない考えが通じるほど、この世の中は甘くないのだ!!」
ぬらりひょん「黙れッ!!先代のエンマ大王を一度たりとも見たことの無い貴様に、何がわかる!!」
ぬらりひょんはそう言い、更に暴れようとするがそこに俺が鉄拳を叩き込む。
ぬらりひょん「ガッ!?」
高成「わからねえよ・・・俺は先代のエンマ大王が崩御した当時、俺は妖怪の存在すら知らなかったからな。───けどな、俺たちは共に在り続けることを望んだんだ!その選択まで否定するってんなら、俺達の絆をお前に見せつけるまでだ!やってやるぞみんな!!」
『応ッ!!』
そして、俺たちはぬらりひょんに攻撃を仕掛ける。
かぶと無双「暴走角ブレイク!!」
犬まろ「でろおおおん!?」
クワガ大将「地獄バサミ!!」
猫きよ「ぺろおおおん!?」
高成「奥義、蓮月ッ!!」
ジバニャン「ひゃくれつ肉球!!」
アニ鬼「地獄のケツバット!!」
くさなぎ「神剣・くさなぎ!!」
ぬらりひょん「ぐおおおおおお!?」
そして、吹っ飛ばされた三人はまだ抵抗の意を示してくる・・・
ぬらりひょん「まだだ・・・ッ!」
ジバニャン「なんて諦めの悪いヤツニャン!?」
ぬらりひょん「妖怪と人間の交わりを断たねば妖魔界に災いが・・・!」
「そこまでだぬらり!」
ぬらりひょん「貴方は・・・!」
エンマ大王「応!出る大義名分をくれて助かったぜ、高成。」
高成「ああ。ウィスパー、首尾よくいったようだな。」
カゲロー「うん・・・!」
フユニャン「なんとかな・・・」
ウィスパー「はい!この妖怪執事に万事おまかせを!」
ぬらりひょん「エンマ大王!なぜここに・・・!あなたには、妖魔結界の中で人間の愚かしさを教えたはず!!」
エンマ大王「そうだな、色々と教えられた。お前程度の結界で俺がどうこうできると本気で思ったのか?俺を封印したり倒すつもりなら、高成くらいの実力を持ってから出直してこい!」
そう、エンマ大王は最初から拘禁されていた部屋から出ていけたのだ。
それを知ったのはアポイントを取った後に、エンマ大王から念話で今回の経緯を知らされた時だった。エンマ大王曰く、ぬらりひょんに囚われ、自分でも思うところがあったので俺たちを含めた人間と妖怪で実際の人間はどうなのかを見てきたらしい。
その結論は人間も満更悪くはなかったとのことだった。
そして、ぬらりひょんを一度懲らしめて欲しいと依頼されたので、ここまで来たのが今回の全容だった。
その後は、エンマ大王の説得によってぬらりひょんが改心し、無事に掟が撤回されたのだった。
・・・
さて、帰路に着いたその時、スマホで今からでもデート出来るかと時間を見た時、俺は石化しかけた。
色々あって一日跨いだ今日はクリスマスだ。しかも、日本時間でクリスマス終了まであと1時間しか残っていない午後十一時だ。当然、大抵の店は閉まっている。
高成「クリスマスデート、無くなっちまった・・・」
『あっ・・・』
俺とユキノのクリスマスデートを返してくれ・・・
前回のあとがきに書き忘れましたが、Sランク神妖怪クラスは他のSランクと隔絶した力をもっており、数多のビッグボスを一撃で倒しうるレベルの実力を持っています。ちなみにこのレベルの妖怪は妖怪の歴史全体を見ても上位の王族の一部と古代の■■■族、そしてどんどろとあやとりさまに坐・だるま師匠、そして前回加わったユキノが該当します。ちなみに白銀のかみどめは届いていませんが、ユキノ自身の妖力が強くなりすぎた結果、付けて進化した方が何故か弱体化するという謎の逆転現象が起きたので必要に駆られなければ白銀の髪留めはつけていません。
また、神妖怪クラス更新時に必殺技がゆきんこシャーベットからゆきんこブリザードに進化しました。
次回から、妖怪ウォッチ3に該当する《第六章 日米武者修行編》が開始します。
それでは、また次回お会いしましょう。