あそこが1メートルあるのが当たり前の国に行けば、わたしたちは全員が障害者です。
ハンデキャップや平等について考えることができる寓話です。

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あそこが1メートルあるのが当たり前の国に行けば、わたしたちは全員が障害者です。
ハンデキャップや平等について考えることができる寓話です。


アソコが1メートルの国

むかしむかし、あるところに、男性のアソコの大きさが1メートルあるのが当たり前の国がありました。

 

1メートルない男性は全体の約0.3%でした。

 

1メートルない男性は、ゲル族と呼ばれ、黒か紺色の服しか着てはいけず、食事は犬と同じものを食べて暮らしていました。

 

ゲル族の多くは家を持たず、路上で暮らしており、「お前、あそこのデカさ、何メートルだ?」と聞かれた時に、ゲル族は「れーてん、、、」と答え、その瞬間にゲラゲラ笑われ、それでお金をもらうという生活をしていました。

 

支配階級は、彼らのあそこが1メートルないことが、とても面白く、特に支配階級の子供たちは、1メートルない人たちが集まるサーカスを楽しみにしていました。

 

今日は待ちに待ったサーカスの日です。

 

子供たちが、客席でキラキラした目で見ています。

 

舞台上に現れたピエロたちに子供たちが口々に叫びます。

 

「お前のアソコは、何メートルだ!」

 

ピエロたちは口々に答えます。

 

「れーてん、、、」

 

会場は大爆笑。来てよかった。来てよかった。あなたと結婚して良かった。僕もだよ。子供もこんなに喜んでいるわね。

 

あちらこちらでそんな会話が、飛び交います。。

 

綱渡りをしているピエロ、ジャグリングをしているピエロ、ゾウに乗っているピエロ、どのピエロにも口々に客席からヤジが、飛びます。

 

「そんなんせんでええねん!質問に答えろ!!お前のアソコは何メートルだ!」

 

「れーてん、、、」

 

また爆笑が会場を、包み込みます。そうなのです。ゾウに乗るとかジャグリングとか、全てはどうでもいいのです。

 

その時です。

 

新人らしきピエロが、「れーてん、きゅー…」と言った瞬間、空気が凍りました。

 

「パパ、“れーてん”の時点で笑いが起こって、最後まで言わせないのが面白いのに、これでは台無しだね。きゅー、とか、ちょっと言いたい感じとかが、プライドが高くて、イヤだよね」とエスカレーター式の中学校に通う子どもが言いました。

 

我が子の成長に父親と母親は、もうウットリです。

 

新人のピエロは「れーてん、きゅーにぃ、さんはち、よんろく、5683023…」とスベっているのに、数字を羅列し続けました。

 

会場はすごい空気になりました。

 

支配人が慌てて飛んできました。

 

「申し訳ございません!お客様、本当に申し訳ございません!!!こ、こら、ひっこめ!!」

 

そう、言い終わるか言い終わらないかの時に、ピエロは支配人の喉元をナイフでかっ切りました。

 

ピエロは、マシンガンを衣装の内側から取り出し、威嚇の乱射を、始めました。

 

会場はパニックです。

 

ゲル族たちの我慢の限界が、来たのです。

 

他のピエロたちもいつのまにかマシンガンを、持っています。

 

「お前たち、会場は全てふさいでいるぞ。逃げても無駄だ」

 

テロ組織のリーダーは客の一人に聞きました。

 

「おい!!!お前のアソコは何キロメートルだ?」「へっ、え、15メート、、」

 

そう答えようとした瞬間、リーダーのソチンのマシンガンが、火を吹きました。

 

「お前たち!!よく聞け!キロメートルで答えない奴は、こうなる!」

 

ソチンたちは次々と客たちに聞きました。

 

「おい、お前のアソコは何キロメートルだ!?」

 

みんなは口々に「れーてん、」と答えました。

 

ピエロたちはゲラゲラ笑い、手を叩き、大喜びです。。

 

会場の男性客は、「れーてん、」と答えるたびに、ゲラゲラ笑われ、“済”と書いた焼き印を押されていきました。

 

最後の一人の客となりました。

 

テロ組織のリーダーソチンは聞きました。

 

「おい!お前のアソコは何キロメートルだ!」「オレのアソコは、14キロメートルだ!」「なに?単位を間違えているのか?14キロメートルだと?今なら言い直すチャンスをやろう!れーてん、と言えばいいんだ。命は助けてやろう」

 

男は平然と答えました。「14キロメートルだ」

 

ソチンは仲間に指示を出しました。

 

「調べろ」

 

男のアソコはすぐさま図られました。

 

27キロメートルでした。、

 

ソチンは男に聞きました。

 

「貴様、名前は?」

 

男は答えました。

 

「ハクション中西だ。もうこんなことはやめるんだ。俺からしたら、みんな、同じようなもんだ。争いは今日で終わりだ」

 

そう言うと、ハクション中西は、“これからデートかなんかあるんかな”とみんなが思うぐらい丁寧に歯を磨き始めました。

 

ピエロたちも、観客たちも、歯を磨きはじめました。

 

歯磨きは、“これからなんかあると思って生きていいんだ”という証で、なんとも、幸せな空気感が会場中を包みましたとさ。

 

すべての差別が世の中からなくなりますように。

 

 




お笑い芸人、短編小説家、朗読家のハクション中西のポッドキャストです。作業用BGMとしてもお使いくださいませ。Twitter、noteなどもやっております。

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