快眠した僕らは宿の1階にて朝食を食べていた。するとアクアさんが
「この街、危険が危ないみたいなのよ!」
そう言ってきた、そんな頭痛が痛いみたいな…
「どうしてそう思ったのですか?」
ミツルギくんが詳しく聞くとアクアさんはは説明する。どうやらアクアさんが温泉に入るとその温泉を浄化したらしく、温泉の管理人に怒られたらしい。だがその浄化に時間がかかったらしく、温泉に何かされたのではないかと勘ぐったようだ
「なるほど、流石はアクア様」
「考えすぎじゃねぇのか?それにもしそれが本当だとして、誰が何のためにやるんだよ」
カズマくんの疑問は最もだ、確かにアクシズ教団は敵を作りやすい集団だとしても、温泉に不純物を混ぜるようなこと普通ならしないだろう
「これは私の推測だけれど、私の可愛い信者たちを恐れた魔王軍が真っ向から勝てないと踏んで大事な財源を奪いに来たのよ!」
アクアさんの推理に興味を示さないめぐみんにダクネスさん、呆れるカズマくん。
「とにかく!私はこの街の為に立ち上がるわ!当然みんなも手伝ってくれるわよね!?」
「えと…」
「私とレンはパスです。今日も街を見て回るので」
「俺も街適当にブラブラすっか」
「すみませんアクア様…自分も今日は街を見て回ります」
僕ら4人に断られ若干涙目になるアクアさん
「ダ、ダクネスは来てくれるわよね!?」
そう言ってアクアさんはダクネスさんの方を見る。ダクネスさんは断りたそうにしている
「え、えっと…」
「お願いよぉぉおお!!お願いぃぃいい!!」
「わ、わかった!わかったから!私のグレープジュースを浄化しないでくれ!」
アクアさんに泣きつかれついて行くことになったダクネスさん。ちなみにウィズさんは昨日アクアさんに泣きつかれた影響で消えかけていた
-このすば-
「全く……アクアの我儘には困ったものです」
そういうめぐみんと一緒に僕は街を散歩していた
「まぁまぁ、アクアさんも心配なんじゃないかな」
「まるで自分の街のような心配のしようでしたけどね」
ちなみに言うとめぐみんとダクネスさんはアクアさんが本当の女神だとは信じていない。まぁそりゃそう(普段の態度参照)
「とりあえず、今日はどこ見て回ろっか」
「そうですね…ああは言ったものの、特に見回る予定を立ててませんでした」
それならばと僕は適当に屋台を探して食べようと提案しようとする、しかしその時僕の予感がここにいてはいけないと警報を鳴らしている気がした
「めぐみん、今すぐ離れよう」
「え?」
僕はめぐみんの手を取りその場を離れる、すると先程まで立っていた場所に何かが降ってくる
「な、なんですか!?」
土煙が晴れるとそこには、背丈がデカイ狼男がいた
「……」
その狼男は僕のオムニトリックスを見ているような気がした。恐らくバニルが言っていた狼というのはこいつのことなのか
「めぐみん!直ぐにこの場を離れて!やつの狙いはおそらく僕だ!」
僕はめぐみんを避難させ、フォーアームズに変身する
「こんな街中で!」
僕は先手で殴り掛かるが、狼男は飛び上がり僕の後ろに飛ぶ
「すばしっこいな…!」
僕は狼男の攻撃に身構えるが、なんと狼男の口が裂け、超音波を発射してくる
「マ、ジ…!?」
あまりのグロさに絶句しながらも超音波を避けて腹に向けて拳を叩き込む
「……!」
しかしそれを読んでいたのか、狼男は僕の腕をがっしりと掴む
「しまっ…!」
至近距離の超音波を発射されようとしたその時、狼男に魔法の攻撃が飛んでくる
「大丈夫ですかレンさん!」
それはウィズさんで、その援護のお陰で腕の拘束が緩んだので、思いっきりアッパーを叩き込む
「ダァァアア!!」
「!?」
そのまま吹き飛び地面に倒れる狼男、追撃をしようとしたが、男が乱入してくる
「おいおいしっかりしてくれよ…こちとらわざわざ要らねぇ石鹸洗剤押し付けられたってのに」
その男は狼男を支え、何処かへと走っていく
「なっ、おい!」
追いかけようとしたが変身が解けてしまったので、追いかけるすべが無くなってしまった
「くっ………」
「大丈夫ですか、レンさん」
「ええはい、大丈夫です…ありがとうございますウィズさん、でもどうしてここに?」
「回復したので街を見て回ろうかと思いまして、そうしたらめぐみんさんと会って」
「たまたまウィズが居て良かったです」
どうやらめぐみんがここに連れてきてくれたみたいだ
「ありがとうめぐみん」
「当然のことをしたまでです!それにしても先程の狼…それに男も、何者なのでしょうか」
「分からない、でもあの狼男は少なくともエイリアンだろうね……男の方は…分からないけど」
「んー……ですけどあの人、どこかで見たことがあるような気が…」
「え、そうなんですか?」
もしかしたら魔王軍幹部なのだろうか、だとしたらアクアさんの説も現実味を帯びてきた
「悪魔倒すべし!魔王しばくべし!」
そんな声が聞こえてきた
「ん?この声アクアさん?」
「…嫌な予感がしますね……」
「広場でしょうか、行ってみましょう」
先程の問題を一旦後回しにし、ひとまず声が聞こえた方へと向かった
-このすば!-
「悪魔倒すべし!魔王しばくべし!我が親愛なるアクシズ教徒たちよ!この街では現在、魔王軍による破壊活動が行われています!」
「………ます……」
広場では大勢の人が集まっており、噴水前にてアクアさんが演説を行っていた。その横にはダクネスさんがおり、とても恥ずかしそうにしている
「何が行われているかと言うと、この街の温泉に毒が混ぜこまれています!既に多くの温泉で破壊工作が行われていたことを確認しました!」
「………しました……」
「アクアは何をしているのでしょうか……」
「あれは……なんだろうね」
恐らくアクアさんなりに自分の信者たちを思っての行動なのだろう、その行動力は尊敬できるのだが…そう考えてるうちにもアクアさんの演説は続く
「_ですが安心できません!そこで皆さんにお願いです!しばらくの間温泉には入らないでほしいのです!」
「ここは温泉街だぜプリーストの姉ちゃん、温泉街なのに温泉に入るなだなんて言われたら、この街が干上がっちまうよ」
「それに何の目的で魔王軍が?」
アクアさんは普通のプリーストでなく水の女神の力を持ったプリーストなのでそんな推測にたどり着けるが、この街の人達からしてみればそんな推測にたどり着けないため、アクアさんの言ってることは荒唐無稽だと思われても仕方がない
「それは、アクシズ教団の収入源を潰すためです!魔王軍は、あなたがたアクシズ教団を恐れているのです。これは、私だけ温泉に入れずズルいと思って意地悪している訳ではありません。さぁ、敬虔なるアクシズ教徒の皆さん_」
「こんな所にいやがった!!」
アクアさんの演説を遮り、男が声を荒らげる
「そいつは街中の温泉をお湯に変えるというタチの悪い嫌がらせをする女だ!」
まさかこうなるとは思ってはいなかったが、アクアさんは大勢の皆さんから非難の嵐を受けることになる
「アクア様そろそろ泣きそうですよ…?」
「って言ってもどうしたらいいか……」
「あそこに助けに入るのは自殺行為です」
僕らは分かっている。あの場でもしアクアさんの仲間を主張してしまえば袋叩き確定である。仕方ないが知らないフリをしなければならなかった
「ねぇダクネス!さっきから固まってないでちゃんと打ち合わせどうりちゃんと言って!アクシズ教を!アクシズ教をお願いしますって言って!照れてないで早く!!」
「ァ……アクシズ教をおねがいじまじゅ……」
ダクネスさんが涙目になりながら小さく呟くが、他の人達にはよく聞こえず収まる気配はない
「うわぁ……気の毒にダクネス……」
めぐみんが死んだ目でダクネスに同情する。あれはさすがに可哀想だ
「ああんもう!なら、私の正体を明かします!」
それはさすがにまずいのではないか?止めようと思った時には遅かった
「お集まりの敬虔なるアクシズ教徒よ、私の名はアクア…そう、あなた達が崇める存在水の女神アクアよ!あなた達を助けるために、私自らこうしてやってきたの!」
騒がしかった人達がシン、と静まり返る。まさか上手くいったのか?
「ふざけるなぁ!」
「ん?」
「お前ごときがアクア様を語るだなんてバチが当たるよ!」
それを皮切りにまたアクアさんに罵詈雑言が投げかけられる、それはそうだ信じられるわけがないからね
「さてはお前、この温泉街を壊滅させるために来た魔王軍の手先だろ!」
「カハ…!?」
まさかの真逆の存在である魔王軍の手先と疑われ驚愕するアクアさん
「流石に可哀想だ…めぐみん、ウィズさん、2人は先に宿に帰っていてくれ、僕はエクセラレートでアクアさんとダクネスさんを回収するよ」
「分かりました、バレないよう別方向から遠回りをお願いしますね」
「ああ任せて」
僕は路地裏にてXLR8(エクセラレート)に変身し、アクアさんとダクネスさんを回収する
「うわぁあぁああああん!!わぁあああああん!!」
大声で泣きわめくアクアさんに、僕はため息をつきながら宿へ戻るのだった