自称何処にでもいる高校生が転生したそうです   作:呪壊 赤城

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 どうも皆様お久しぶりです。遅くなってすいません。原作DS版をやって記憶をこじ開けながら連載していくので、投稿スピードは基本的に遅いです。


 今回はカイトが魔法を覚えます。後カイトとケルベロスの苦手な物が発覚しちゃいます。



第4話 怖いモノは

 

 ―おい!カイ!てめぇ馬鹿か!?馬鹿なのか!?何俺を助けに来てんだよ!!言ったろ?俺は大丈夫だからてめぇは気にすんなって!

 

 ―"       "。

 

 ―だ!か!ら!俺はお前なんか居なくたってコイツら仕留める位は朝飯前なんだよ!!なのに・・・なんで!"       "!

 

 ・・・あれ。アイツ。あの時、何て言ったんだっけ?思い出せないな。確か、あの時はアイツが不良に連れ去られて・・・。って、どっかから声が聞こえてくるし。カイト?いや、俺は寿藤海樹なんだけど・・・ん?カイ・・・ト?

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「・・・ト。カイト!カイトしっかり!」

 

「アゥ。クゥーン。・・・キャン!」

 

 子供と犬?・・・あ。

 

「カイト!良かったぁ。気が付いたのね!」

 

「あ、まだおきあがっちゃだめだよ!」

 

「え。っつ!」

 

 そうだ。俺はおばけねずみの痛恨の一撃を食らって、もともと傷だらけで血が流れてたのもあってそのまま意識が飛んだんだよな。って、魔物は?

 

『そうだ。ったく、心配させんじゃねぇよ。ああ、そういや魔物はビアンカとリュカだったか?アイツらと俺でなんとか倒したぞ。ビアンカもリュカも後お前も、さっきの戦いでレベル8まで上がったからな。』

 

 ・・・そうか。なら良いんだけどよ。でも、レベル8?早くないか?

 

『危機的状況に陥ったせいもあるだろ?それに何だかんだでメラリザードとか西にいるはずの魔物はここら辺よりは経験値が多くもらえるせいもあるだろ。』

 

 ・・・そうか。なら良いんだ。

 

『それより、今は恐ろしい説教が待ってるぞ?』

 

 え?

 

「・・・もう!!カイトったら!最初に自分で言ってた事忘れてるんじゃないわよ!!何が死んだら元も子もない。よ!そのままそっくり返しておくからね!」

 

 ・・・怖っ!いや、うん。俺が悪いんだけど、ビアンカサンコワスギマセンカ?

 

「カイト!返事は!」

 

「はい!」

 

「・・・はぁ。本当に心配したんだからね?私も、リュカも、カイトが死んじゃうんじゃないかって、返事もしないし、どんどん、冷たくなっちゃうから、もう、やめてよ?」

 

 そう言いながら、目元にうっすらと涙が溜まっているビアンカ。リュカに目を向けると安心したようにニッコリと笑っていた。それを見て俺は自分が馬鹿だったと気付いた。

 

『そうだな。お前本当に馬鹿だな。精神年齢じゃあ確かにお前は保護者的な立場かもしんねーけど、身体の歳はビアンカの嬢ちゃんが一番上なんだぞ?心配とか、責任とかもお嬢ちゃんはお前と同じ、いや、子供な分お前よりあるはずなんだぞ?もう、止めろよ?」

 

 ・・・まぁ、出来る限り止めとくよ。

 

「でも、カイトがぶじでよかったぁ。・・・でも、どうするの?おばけたいじ。」

 

「カイトは帰る?私達は行くつもりだけど。」

 

「いや、おれもいくよ。もうこんどはむちゃしないからさ。」

 

「・・・約束だからね!じゃあ行きましょう。」

 

 そう言って、進み始めるビアンカとリュカ。時々俺を心配そうに見てくるが、まぁ、ホイミで完全に治療されたお陰か俺はもう普通に動けるようになっていた。

 

『そういや、お前新しい技とか魔法覚えてないのか?』

 

 ・・・うーん。どうなんだろうな?なんか覚えた気もするけど俺も良くわかんねぇ。

 

『あ、じゃあアイツらに試してみりゃあ良いじゃねぇか。』

 

 そう言ったケルベロスの言葉の先には魔物に囲まれたリュカとビアンカが。って、数を見たら先程と同じくらいの数がいた。

 

 えーっと、ドラキー×20 おおねずみ×10 グリーンワーム×10 プリズニャン×10 くびながイタチ×10 ・・・いや、さっきも思ったんだけどさぁ。何、俺等なんかした?

 

『まぁ、今度は問題ないぞ。ちょっくら待ってな。』

 

 そう言ってさっさと群れに突っ込むケルベロス。いや、アイツ考えないの?そう思っていると、なんとおおねずみとドラキーは逃げていった。

 

「うわぁ、あのまものたち逃げていっちゃったわね。」

 

 とはいえ、他の魔物は残っている。そう思っているとケルベロスがグリーンワームの群れを何処かに追いたてていった。まぁ、残った奴等くらいなら問題ないだろう。そう思っていると、ビアンカが俺に釘を刺してきた。

 

「いい、カイト。くれぐれもさっきみたいな無理はしないでよね!」

 

「わかってるって!」

 

 それだけ言うと、先程感じていた感覚に乗って取り合えず体を動かして、出てきた言葉を言ってみる。

 

「・・・イオ!」

 

 イオ・・・だと?しかも何故に回し蹴りをしながらイオ!?

 

 そんな俺を余所に、魔物の回りには無情な程の爆発が起きる。そして、その後に何故か俺の回し蹴りが。・・・いや、我ながら容赦が無さすぎるオーバーキルじゃないか?それよか、え?なに?イオと蹴りで1つの動作なわけ?

 

 そして、俺の番だけで全ての魔物が撃沈していた。

 

 ・・・いや、え?は?

 

「・・・え。すごい!カイト、今のどうやったの?」

 

「うん。バアーンってなってからえいってなってた!どうやったの?」

 

「うーん。おれもよくわかんない。それより、はやくレヌールじょうにいこうぜ!はやくいかないとあさになっちまうからな!」

 

「・・・それもそうね。じゃあ早く行きましょうか!」

 

 そう言ってビアンカとリュカの質問をうまく避けた俺は(ビアンカは不満そうだったが)歩きながらケルベロスが早く戻ってこないのかと見回していた。

 

『いや・・・驚いたぞおい。お前イオって。』

 

 そう言いながら、ヒョイとか言う音が出そうな登場の仕方をしたケルベロスにビアンカは思わず。

 

「きゃあ!ってケルちゃんじゃないの!もう!ビックリしちゃったわ!」

 

「うん。ビックリした。」

 

 そんな2人を尻目に俺はケルベロスに聞いていた。

 

 でも、イオの後に回し蹴りが放たれてたんだけど。どう言うことだよこれ。

 

『俺が知るか。』

 

 だよなぁ。ま、いいか。

 

『・・・いいのかよ。』

 

 いや、だってわかんねー事でいちいち悩んでても仕方ねーだろ?こういうときはわかるときまで先送りしておくのが一番なんだよ。

 

『・・・いや、それなら良いんだけどな?』

 

 そうして、ケルベロスと話しているうちに、件のレヌール城に辿り着いていたようで、ビアンカが辺りをキョロキョロと見回しながらリュカに話していた。

 

「ようやくレヌール城に着いたわね。・・・それにしても、なんだかくらいし、ぶきみな感じ・・・今にもお化けが出てきそうだし・・・。でも、ネコさんのためにがんばらなくっちゃ!さぁ、リュカ、カイト、行こうよ。」

 

「うん!おしろのなかたんけんしよう!」

 

 いや、リュカお前は少しビビろ。何を楽しそうにしてるんだよお前。

 

「まぁ、ここまできたらいくしかないだろ。」

 

 そう言って、正面の扉から入ろうとするが、正面の扉は錆び付いているためか開く様子はない。まぁ、開かないのは仕方ないけど、それよりも城の入り口にこれだけの数の墓あるのは流石にどうなんだよ。

 

 ビアンカも同じことを思ったのか溜め息を吐きながら扉が開かないか試している。何度かガチャガチャやって漸く諦めた様子のビアンカはこっちを向きながら話し掛けてきた。

 

「こまったわね。ここはさびついて入れないわ。どこかほかのところから中にはいれないのかしら・・・。それにしても、どうしてお城の入り口にこんなにいっぱいおはかがあるの?なんだか嫌な感じ・・・。」

 

 確か、ここって魔物に襲われて城の人が全滅したとかそんな感じだった気がするぞ。前世でアイツが散々言ってたからドラクエVだけはなんとか覚えてるしな。

 

『まぁ、確かにそんな感じだな。』

 

 ・・・って、そろそろ裏に向かった方が良くないか?

 

『ああ、だな。』

 

 裏口がないか調べてみようぜ?と言おうとすると、リュカが手を此方に振りながら何か叫んでいた。

 

「ねーぇ!!なんか、こっちにいけそうだよー!!」

 

「もう、リュカもカイトもちゃんと調べてよね!?まぁリュカが何か見つけたみたいだからまぁいいわ。じゃあ行きましょう!」

 

 そう言って裏口に向かう俺達。5分くらいで城の裏口に辿り着いた。裏手は前とは違い、煉瓦が所々崩れ梯子が剥き出しになっていた。

 

 ・・・これ、登ってバキッてならないよな?

 

『普通の金属とは違う少し特殊な類いの物だ。お前の世界と違ってそう簡単に朽ちたりしないだろ。』

 

 ・・・いや、うん。そ、それなら、良いんだけどさぁ。登るんだよな?

 

『おま、まさか。』

 

 うん。高所恐怖症。

 

『・・・いいか。絶対に下見るな。』

 

 うん。分かってる。分かってるけど。

 

 それでも見ちゃうんだよなぁ。そうケルベロスに言う前にビアンカの声が聞こえてきた。

 

「カイトー!早くー!」

 

「いまいくよー!」

 

 そう言いながら、ロープを出してケルベロスを俺の背中にくくりつける。

 

『いや、いくら怖いからって、これはどうなんだ!人権、いや、犬権を無視しすぎじゃあないか!?おい。どうなんだよ。と言うか下ろせよこの野郎!』

 

 明らかにビクビクしているケルベロスを見ながら気付いた。

 

 ああ、お前も同類か。

 

『・・・いや、違うぞ?高い場所からの眺めとか、俺大好きだし?絶景だなぁって思うし?だから、うん。怖いとかそういう訳じゃ全然無いし?だから―うわっ、ストップストップストップストップストップ!!ごめんなさい俺も高所恐怖症です偉そうな事言ってマジですいませんだから本当下ろしてくださいお願いします。』

 

 それを聞いて、ちょっとばかし怒りが湧いた俺はケルベロスのその言葉を完全に無視して上がっていくことにした。

 

『ちょっ!!いま頼んだよな!?誠心誠意込めてお願いしたよな?なぁ!一緒に待とう!?待ってください!ほら、怖いのに無理して上がるわけにも行かないじゃないか?なぁ?いやおい無視か!?ちょっ!!ちょぉ!!!!』

 

 いや、もう着いたけど。と言うか帰ったら色々言いたいことがあるからな?覚悟しとけよ?

 

 まぁあれだ。転生するときにぶん投げた事とかぶん投げた事とかぶん投げた事とかぶん投げた事だ。大事なことだから4回は言っておく。そんな俺とケルベロスに気付かずビアンカは先にドアを調べてきていたのか上に行こう的な事を言ってきた。

 

 ・・・マジか。

 

「うーん。後は上しかないわね。・・・ってあら?カイト、もしかしてこわいの?」

 

「・・・いや、おれがこわいのはたかいとこ。」

 

「ふぅん。意外とかわいいところあるのね。さてと、じゃあ行きましょう!」

 

「うん!」

 

 ビアンカとリュカが行った後に続いて俺とケルベロスも上がっていく。まぁ、上がっている間ケルベロスがギャーギャー騒いでいたお蔭でそんなに怖くはなかったが。あ、今度から高いとこ行くときはケルベロス連れてくか。

 

 そして、何て言えばいいんだ?門?的な奴が俺が入ったと同時にガッシャァーン!と言う音を立てて閉まってしまった。ついでに、雷も大きな音を立てて居たりしていてまぁ、気分は最悪な状態だ。俺はケルベロスを取り合えず下ろして、辺りを見回した。辺りを調べていると薄暗く、埃だらけで人が長い間住んでいないことは一目瞭然だった。しかもなんか、棺桶が綺麗に並んでいるし。

 

 うわぁ・・・。あれから出て来るのか。

 

 この後の展開が分かっているが故に何も言えない俺を余所に何も知らないビアンカはリュカと俺達を励まそうとしていた。

 

「・・・ここからは出られなくなっちゃったわね・・・。で、でもとにかく進めば大丈夫よ!さぁ、悪いお化けはどこかしらね。」

 

 とはいえ、この状況。実のところ俺もリュカもあんまり怖いとは思っていない。と言うかリュカはたんけん!たんけん!とはしゃいでいる。・・・多分怖がってるのってビアンカだけだよな?

 

 そして、下に降りようとすると、お約束の骸骨の群れが襲い掛かってきて気が付いた時には残されていたのは俺とリュカだけだった。

 

「・・・ビアンカさがそう?」

 

 流石に今のを見てから幾らか怖くなったのか、はたまた落ち着いたらしいリュカと取り合えず下に降りる事にした。下に降りると、石像がずらっと並んでいた。なかなか壮観だ。そう思っていると、リュカが1体の像を注視していた。・・・ヤバイな。そう思い、石像が動く前に、中庭?屋上庭園?的な感じの場所に出た。外に出た途端に何処からか声が聞こえてきた。

 

「ねぇ、カイトあのいしうなってるよ?おもしろいねー。」

 

 うん。お前が面白いと言ってるあの中にビアンカとケルベロスがいるんだぞ?そう思って、墓石を調べる。

 

「なになに、リュカとカイトのはか?じゃあこっちか。リュカてつだうぜ。」

 

「うん。ありがとう。」

 

「せぇーの!!」

 

 そして、2人で力を合わせて墓石を押すと中からビアンカとケルベロスが出てきた。

 

「ああ苦しかった!リュカとカイトったら今までなにしてたのよ!?でも助けてくれたからまぁいいわ。さぁ行きましょう!・・・まったく、さっきまではちょっと、ちょっとはこわかったけど、こんなのただのこけおどしばっかりじゃない!もうなにが起こったっておどろかないんだから!」

 

「ビアンカ、だいじょうぶかな?」

 

「リュカ、みてみろ、どうみてもあれはだいじょうぶなかんじだぞ?」

 

「ちょっと!どういう意味よカイト!あ、リュカは心配してくれてありがとうね。」

 

「うん。どういたしまして。」

 

「そのままのいみにきまってるだろ?そこまでもんくいったりできるならたいじょうぶいがいのなにものでもないだろうしな。」

 

「まったく!カイトったら失礼しちゃうわ!とにかく、先に進んじゃいましょ!」

 

『お前、女心が全く分かってないんだな。』

 

 うるさいなぁ。あれだろ、俺の好感度上がっても仕方ないだろ?

 

『え・・・。じゃあお前リュカとビアンカくっつけるつもりか?』

 

 当たり前だ。ビアンカとリュカは随分お似合いだろ?

 

『へぇー。意外だな。お前ならビアンカと喧嘩しちゃうほど好きな仲とかになると思ってたのに。』

 

 いや、流石に子供が青髪とか違和感ありすぎだしな。

 

『いや、そんな理由か!!』

 

 まぁ、それにガキの頃に思い出作ってた2人がくっつかないのはそれはそれで見ててやだしな。

 

『なら、お前が結婚すれば良いんじゃねーか?』

 

 これは先送りだ。結局それを決めるのはあいつ等だろ?

 

『それもそうか。』

 

「カイトー!ケルー!おうひさまがほんだなどけてすすめるようにしてくれたよー!はやくいこうよー!ビアンカもまってるよー?」

 

「おう!いまいく!」

 

 そして、2人の後を慌てて追い掛ける、俺とケルベロス。下に降りていくとカラスが3羽飛び立っていった。

 

「・・・それにしても、どうしてお化けはこのお城に住み着いちゃったかしら?このお城にはなにかあるのかな?」

 

「なにかあるの?」

 

「いや、たんじゅんにすみやすそうだったからじゃねーの?」

 

「そんなものなの?」

 

「・・・さぁ?」

 

「もう!カイトに聞いた私がバカだったわ!早く行きましょうリュカ。」

 

「うん。カイトとケルもいこう。」

 

 なんだかんだ言いながらも、ドアを通って大きな扉を抜けると、幽霊王妃が椅子に座っていた。ベッドもあることから、ここは生前の王妃と王の寝室だったのが分かる。まぁ、そんなことより、王妃の話を聞きにいく。ちなみにリュカとビアンカは話をすぐに聞きに行っていたようだ。

 

「十数年程前・・・。城の者は皆、魔物達に襲われ殺されたのです。何故あんなことになったのでしょう?噂では邪悪な手の者が世界中から身分のある子供を拐っているとか。しかし、私とエリック王には子供がいませんでした。子供拐いの魔物達はその腹いせに皆を襲ったのかもしれません。しかし、今となっては嘆いても仕方のないこと。ですが、ですがせめて・・・。私達は静かに眠りたいのです。どうかお願いです・・・。この城に住み着いたゴースト達を追い出してください。そうでなければ城の者達はいつまでも呪われた舞踏会で永遠に踊らされたままなのです。」

 

 そう言いながら、涙を流す王妃。それを見たビアンカは言った。

 

「王妃さまかわいそう・・・。死んでしまったあともひどい目にあうなんて・・・。リュカ、カイトがんばろう!どうせお化け退治に来たんだしいいよね?」

 

「うん!」

 

「もちろんだ。」

 

 そう言って、お化け退治が結局ゴーストを追い払うということになるとはこの2人は思ってないよな。なんて思いつつ、ビアンカとリュカは先に進んでいく。それを少し後ろで眺めながら歩いていると、ケルベロスが話し掛けてきた。

 

『そういや、お前、前世で誰か想い人でも残してきたりしてんのか?』

 

 んー。アイツが想い人なわけないと思うけど。まぁ、リュカとビアンカと似たような関係だったかな。っていっても、アイツに女らしさなんて欠片も無かったんだけどな。

 

『へぇー。女、ねぇ。』

 

 ニヤニヤした声色で意味ありげに言うケルベロス。

 

 大体、アイツはもう死んでるよ。

 

 俺がそういうと、ケルベロスはピタッと止まりながら慌てて後を付いてきた。

 

『なら先に言えよ。てっきり遺してきたのかと思ったじゃねぇか。』

 

 いや、前から過去形で話してただろ?

 

『じゃあ、俺と似てるっつったのは、その死んだ幼馴染みって事か?』

 

 そういうこと。他に遺して来た奴は誰もいないよ。って、2人とも下に行こうとしてるな。追い掛けるか。

 

『あ、ああ。』

 

 そして、下に降りると辺りは真っ暗で一寸先も見えない、近くにリュカとビアンカが居るのも分からないほどな暗さだった。

 時折、ピカッとなる雷の明かりを頼りに俺達は離れないようにして進むことになった。

 

「これだけ暗いと、あぶないわね。リュカもカイトも壁に鼻をぶつけないでね。」

 

「このゆーれいたちなんだろ?」

 

「リュカ、あんまり近づかない方がいいわ。っていっても、あのゆうれいたち、なんにもしてこないのね。」

 

「ああ、だけど、みちをふさいでるな。これじゃあとおりたくても、とおれないな。」

 

「あ!あそこの階段はふさいでないんじゃない?あそこから行きましょう。」

 

「うん!」

 

「ああ。そうだな。」

 

 そう言って、下に降りていく俺達3人。下に降りていくと、豪華な衣装に身を包んだ男性が何も言わずに扉を通り抜けていった。

 

「今消えたのってこのお城の王さまだった人かな?王妃さまも王さまも、なんで言いたいことをすぐに言わないで消えちゃうのかしら?」

 

 ビアンカに同感だな。まぁ、リュカは取り合えず追いかけたそうだけど。

 

「おうさま!おいかけよう!」

 

「あ、こら!リュカ待ってよ!カイト、ケルちゃん、追いかけましょう。」

 

 そう言って、吹き抜け?的な感じの通路を通って大きな扉が勝手に開いていくのを追いかけて上にいく階段と下にいく階段のある部屋に着くと、豪華な衣装に身を包んだ男性基エリック王が居た。リュカが話し掛けようとしに行くと、エリック王はまたドアの外に消えていった。

 

「もう!なんでまた消えちゃうのよ!」

 

「ああ、もうしかたねーからおいかけるぞ。」

 

「うん!」

 

 ちなみにここのメンバーでイライラしていないのはリュカだけどろうな。そして、ドアを通ると外に出た。多分というか絶対、さっき入ろうとして錆び付いていた裏口のドアだろう。そして、下と上に行くための通路を塞ぐようにして立っていたのは、ソフィアとか言ってた幽霊王妃の夫のエリック王だろう。

 

「こんばんは!」

 

 リュカが無邪気に挨拶をすると、エリック王は嬉しそうな顔をして語り始めた。

 

「おお!ここまで来る勇気のあった者はそなた達が初めてじゃ。何年か前から―。」

 

 えっと、思ったんだけど・・・。これ、言ってること同じだから聞き流していいか?

 




mission 本を借りよう!

カイト「そういや、レヌールじょうにあるほんもらっていってもいいですか?」

ソフィア「え?ええ。私達は既に死んだ身。使われぬよりは読まれた方が良いでしょうが、読めるのですか?」

カイト「ん?あー、まぁ、あるていどならよめるかな。」

ソフィア「そうですか。幼いながらに賢いのですね。好きなだけ持っていくと良いでしょう。」

カイト「よしっ!」

mission成功?

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