俺のガンプラが擬人化した。何を言ってるかわか(ry   作:高坂ミチル

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ほんとにすみません就活とかで忙しかったんですいい訳ですすいません!!

遅れに遅れた最新話、どうぞ!!


俺のガンプラが電波を受信した。何を言ってるかわか(ry

「……いま、確認できてるだけですが、この周辺に私達以外にも、擬人化したガンダムが、います」

 

「……マジで?」

 

嘘だろ、と言ったふうに呟いた俺の言葉にユニコーンは、頷くことで否定を顕にした。

この周辺、つまり俺の住んでいるこの街に、ユニコーンやバンシィ以外にも何体かガンプラが擬人化した、ということだ。

 

「私達の他にも擬人化した奴らがいるのはわかってたけど、別にいいんじゃないのか、白いの」

 

「……わからない。……中には、好戦的なやつもいるかも、しれないし」

 

好戦的……つまり、戦闘。戦い。擬人化したガンプラ同士の、だ。

その戦いが何の利益になるのかもわからないし、そもそも何故ユニコーンやバンシィ、そしてこの街にいると言われているガンプラたちが擬人化したのも含めて、わからないことだらけ。……だが、しかし。

 

 

ーーーもしも擬人化したガンプラ同士が戦えば、ただでは済まない。これだけはわかる。

 

 

なにしろ、人を超越した力、武器、能力などがあるのだ。それらを持つ者同士がお互いと戦えば、無事ではないということくらい、想像がつく。

 

「……なぁ、ユニコーン、バンシィ。お前らはどうやって擬人化したガンプラ達がいるってわかったんだ?」

 

「電波さ、マスター」

 

「電波?」

 

「……電波、です。……私達は、特有の電波を、発していて、それらを、受信しているんです」

 

電波、ね。なるほど。つまりユニコーンやバンシィは、近くに擬人化したガンプラ……いや、もうガンダムでいいか。とにかく、ガンダムがいるかがわかる、ということか。

 

「まあ、と言っても、危害を加えられるわけでも、ここら辺で暴れ回ってるわけでもないから、白いのが考えてるほどじゃないと思うぞマスター」

 

……いや、わからない。バンシィはこう言ってはいるし、実際何も耳よりな情報なんて何も入ってきてないし、不可思議な現象も、ガンプラが擬人化した事以外何も起きていない。……が。

 

俺のところで擬人化したガンプラの、ユニコーンやバンシィのように、他の誰かのところでも、擬人化現象は起きている。だとすると、そう。

 

ーーー擬人化したガンプラ……いや、ガンダムを、悪用するマスターも現れるんじゃないか。

 

そう考えても何ら不思議はない。そもそも、どういった理屈で、どういった理由で擬人化するのかもわからないが、人には様々な者がいる。例えば、悪い心を持っている人のところに、何らかの拍子にガンプラが擬人化した、となると、果たしてその人は何もしないのであろうか。

 

 

ガンダムを『使って』。

 

 

「なぁ、ユニコーン、バンシィ。お前らは、人だ。俺は、少なくとも俺は、そう考えてる」

 

「ど、どうしたんだマスター。こそばゆいぞ」

 

「……はい、マイ、マスター」

 

「だから俺は、そんなお前たち人間を道具みたいに使うやつが、もしも現れたとしたら、俺はそいつを許せない。だから、ユニコーン、バンシィ。……その時は、戦ってくれるか?」

 

これは、ただの俺のエゴだ。自分勝手な考えだ。こんな考えをユニコーンやバンシィに押し付けて、ましてや戦ってほしいだなんて。……でも、それでも彼女たちは。

 

「戦わせてくれ、マスター。私も同意見さ。マスターに命令かれたって、背いてでもそいつぶん殴ってやりたいくらいさ」

 

「……それが、マスターの願いとあれば、当然のことです。……その時は、一緒に、戦いましょう」

 

それでも彼女たちは、わかってくれる。俺の気持ちを。俺の考えを。だから俺は、そんな彼女たちのことを、出会ってそんなに経ってないはずなのに、信じているのだ。そこには確かに、『絆』が生まれていた。そしてそれこそが、彼女たちが人間だという、確かな証拠なのだ。

 

「……と、言ってもまあ。そんなやつが現れたら、の話だけどねマスター!」

 

「確かにそうだな。今はまだ、そこまで危惧することでもないかな。お前たちと同じように、擬人化してみんな時間は経ってないはずだし」

 

「……そうですね、マスター。……では、マスター、ご飯を作ってまいります」

 

「お、白いの!今日のご飯はーー「……あなたは、残飯で、十分です」ーーむっかぁ!!なんだと白いのぉ!?」

 

「おいおい、喧嘩はやめろよなー?」

 

 

 

 

ーーーこの時の俺たちは、まだ、知らなかったんだ。

 

 

 

 

 

 

「あれが、ユニコーンとバンシィのマスター、か……こちらのマスターの、言った通りだな」

 

 

 

 

 

ーーー既に俺たちは、戦いの渦に巻き込まれていたということに。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

「ふふーん。明日は久しぶりに薫君に会えるなぁ!楽しみ楽しみ!」

 

ある家の風呂場で、湯船に浸かりながらルンルンと、ひと目で上機嫌とわかるほどの鼻声を上げ、彼女は旅行で疲れた体を癒していた。そして思い浮かべるのは、明日には会うであろう自分の幼なじみのこと。

 

「ふっふっふーん。さぁて、明日こそ薫君のガンプラ癖を治してみせるんだから!」

 

一人意気揚々と声を荒らげる、ナゾのテンションの彼女。それほど幼なじみに久しぶりに会えるのが嬉しいのだ。そして、そんな彼女の幼なじみは、彼女がそう呼んでいるだけであるが、ガンプラ癖を持っている。これを彼女は治したいのだ。……理由は、とても簡単で明白なもの。

 

 

ーーー彼女が、その幼なじみに恋をしているからだ。

 

 

ガンプラが好きなあまり、ガンプラばかりを見て自分をあまり見てくれない幼なじみに彼女は、要は、ガンプラに嫉妬しているのだ。そんな彼女が考えたのは、そのガンプラ癖を治して、改めて自分を見てもらおう、という作戦だ。

 

「無機物なんかより、人間の方がいいに絶対決まってるよ」

 

そんな独り言を呟きながら、彼女は浴槽から上がり、洗面所へと場所を移す。

タオルで濡れた体を拭き上げ、予め用意してあった下着を履き、そのうえに寝間着をきる時、ふと、思い出す。

 

「……でも、薫君からもらったガンプラは、憎めないなぁ」

 

そう。幼い頃に、幼なじみが彼女にガンプラの魅力を教えるために、ガンプラを買ってあげたのだ。その頃から幼なじみに惹かれていた彼女は、ガンプラを理解することで幼なじみの気を引けるのでは、と考え、本気でガンプラの制作に当たった。

 

結果として理解はできなかったし、気も引けなかったが、それでもその時彼から言われた言葉、『すっげぇ!多恵って才能あるぞ!』という褒め言葉で、終わりよければ全て良し、としているのだ。良くも悪くも、恋する乙女は単純というわけだった。

 

「さーてさて、寝る前に、明日の服でも選ぼー」

 

想いビトに会える明日に心躍らせながら、彼女は自分の部屋へ行くための階段を登っていく。

一段、また一段と、着実に上へと登っていき、ついに一番上までたどり着いた多恵は、自分の部屋の扉を開ける。

 

……そして、そんな彼女の目に真っ先に移りこんだものは。

 

 

 

 

 

 

「ーーーむ。やっと会えたな、マスター。この姿では、お初にお目にかかる。私の名はシナンジュ。これからもよろしく頼む」

 

 

 

 

 

 

「ーーーへ?」

 

 

 

 

 

机の上に飾っていたはずの、UC好きの彼から貰ったシナンジュというガンプラが、擬人化した姿だった。

 

 




久しぶりなので、拙い文ですが、面白ければ幸いです。

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