自認綾小路が行く実力至上主義(笑)の教室   作:Aoi2873

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モチベができたタイミングで更新するので基本的に不定期更新です
今メインで執筆してる方が完結したらこっちを進めます


1.自己紹介とポジション確保

「初めまして。俺は早乙女 葵。よろしく」

 

この一見なんの変哲もないただの自己紹介。だが、俺はこの一文を言うのにとてつもなく緊張していた。背筋には汗がじんわりと流れ、心臓はバクバクと警鐘を鳴らす

 

「オレは綾小路 清隆だ。こちらこそよろしく頼む」

 

ふぅーーーー。とりあえず第一段階はクリア

 

「よろしく〜。あ、清隆ってもう部活何入るかとか決めた?」

 

いきなり名前呼び。入学したての綾小路はかなり純情な一般男子高校生だから、名前呼びがかなり刺さってくれるはず…頼む。刺さってくれ(懇願)

 

「いや、まだ何も決めていない。それより、オレも葵って呼んでもいいか?」

「むしろそう呼んでくれよ。そうだ。先生来るまで時間あるし、一緒に自己紹介考えないか?」

「自己紹介?さっきのじゃだめか?」

「さっきのみたいな簡単なやつじゃなくて、クラスでみんなに言うやつな。大体趣味とかスポーツとか答えてるけど、綾小路はなんか得意なやつとかあるか?」

「そうだな。読書は結構好きだ。ピアノと書道も習っていた経験がある」

 

出ました!ピアノと書道。あの堀北兄とのじゃれ合いの時に口に出していた言葉を本人の口から聞ける時が来るとは…おっといかんいかん。集中しないと

 

「じゃあそれでいい感じだな。最後に「よろしくお願いします」でもつけたら大丈夫だろ」

「そう言う葵の趣味は何だ?」

「そうだな〜。オレも本を読むのは結構好きだし、朝のランニングとかはずっと続けてるかな」

「努力家なんだな」

「そんなことないって。惰性で続けてるだけだよ」

 

ウ ソ で あ る

 

この男、目の前の少年に並び立つために毎日の体力維持及び向上が目的でそこに惰性などと言う要素は一切存在しない

 

「あとは…勉強とかは結構得意だぞ。模試とか全国4位になったことあるし」

 

なんで前世バフがかかっていて、綾小路とか言う超特大の壁を乗り越えるために毎日研鑽をしてきているのに4位なんですかね。やはり純粋な才能には一歩にほ劣ってしまう。まあ、所詮養殖だしな

 

「4位か。すごいな」

 

そう言ってはいるもののこの男無表情である。ちなみに隣の少女は耳をぴくりとさせ、視線をバレないようにこちらに向けていると言えば、この男の驚嘆さが伝わるだろうか

 

「なかなか設備の整った学校じゃないか。噂に違わぬ作りにはなっているようだねえ」

 

この特徴的な口調に声。見なくても分かる。『Mr.ナルシスト』高円寺六助。堂々とした入室だ。横を見るとほんの少し清隆の表情が歪んでいるのがわかる

 

「知り合いか?」

「バスでちょっとな」

 

そのまま眺めていると当然だが、こちらに気づいた様子もなくどっかりと自身の席に腰を下ろし、そのまま両足を机の上に乗せ、鼻歌を歌いながら気ままに爪の手入れを始め出した。周囲の視線や喧騒などは、まるで預かり知らぬかのように自分の世界にどっぷりと浸かっている

 

ここまで、高円寺が入室してからわずか数十秒。この数十秒で、クラスの半数以上をドン引きさせたのが見て取れる。あそこまでナルシストを貫けるのは、日々の鍛錬か、親の権力か、あるいはその両方か

 

「すげえな。あいつ」

「分かるか?」

「いやわかるだろ」

 

そんな他愛無い会話を続けていると、始業を告げるチャイムが鳴る。それと同時に、スーツを着た1人の女性が教室の中に入って来る。キリッとした見た目のいかにも規律を大事にしている雰囲気が出ている女性の名は茶柱。名前が名前なので笑えてくるが、しっかりとこらえ真面目な顔で視線を向ける

 

「えー新入生諸君。私は…」

 

さて、ここで重要となるのがズバリ原作ブレイクをするか否かである。と言うより既にこの状況が原作ブレイクなのではと思うかもしれんが、それはそれだ。ここでできる原作ブレイクは『Sシステムについて』と『ポイントでどこまで買えるか』の2つである

 

1つ目の『Sシステムについて』これは来月からのポイントにも関わってくるため、メリットも大きいのだが当然否である。理由としては

・他クラスに気付かれる可能性が高い

・それによってオレに対する他クラスからの注目度が上がる

・(他のクラスメイトもそうだが)山内、池、須藤が従う可能性が低い

・ちゃば先に目をつけられる(ほぼ確定)

が挙げられる

 

2つ目の『ポイントでどこまで買えるか』は今後明らかになるし、この時点で一ノ瀬クラスが実践しているクラス内貯金などはメンツ的にできそうにない。またドラゴンボーイにヒントを与えてしまう可能性もある。メリットは小さくデメリットは大きいので、こちらも当然却下だ

 

なんて考えていると、前の席から見覚えのある資料が回ってくるので、後ろの堀北にも回す

 

「今から配る学生証カード。それを使い…」

 

これがSシステムで最も重要になる学生証カード。ポイントと言ってはいるが、普通に現金だと考えてもいい。なんなら現金より使い勝手がいい。金銭トラブルなんかも未然に防げるし、学校から無償で提供されると言う点が最高だ

 

「施設では機械にこの学生証を通すか、提示することで使用可能だ。使い方はシンプルだから迷うことはないだろう。それからポイントは毎日1日に自動的に振り込まれることになっている。お前たち全員、平等に10万ポイントが既に支給されているはずだ。なお、1ポイントにつき1円の価値がある。それ以上の説明は不要だろう」

 

うん。ちゃんと毎月1日に10万ポイントが振り込まれるなんてことは言ってないな。この学校は非常にドブカスなシステムをしており、態度点などでクラスポイントという1000ポイントスタートのものが減点される。そして減点されたクラスポイント×100ポイントが我々のポイントとして実際に振り込まれるというシステムになっているのだ。最初の一月はクラスポイントが増えることは(恐らく)ないというのもミソである

 

「ポイントの支給額が多いことに驚いたか?この学校は実力で生徒を測る。そのことに対する評価みたいなものだ。遠慮することなく使え。ただし、このポイントは卒業後にはすべて学校側が回収することになっている。現金化したりなんてことはできないから、ポイントを貯めても得は無いぞ。振り込まれた後、ポイントをどう使おうがお前たちの自由だ。好きに使ってくれ。仮にポイントを使う必要がないと思ったものは誰かに譲渡してくれても構わない。だが、無理やりカツアゲするようような真似だけはするなよ?学校はいじめ問題にだけは敏感だからな」

 

実力で生徒を測る。つまり授業中の居眠りや、会話は減点となりそれだけポイントが減る。しかし茶柱先生の発言は最高に詐欺師だなぁ。ポイントを貯めても得は無い(卒業後には得がないだけで2000万ポイントを貯めれば在籍クラスを別のクラスにできる機能もある)し、いじめ問題にだけは敏感(軽井沢は普通にいじめられていた)だからな

 

「質問は無いようだな。では良い学生ライフを送ってくれたまえ」

 

さーてと、ここからどういうふうに動きますかね

 

「思ったよりも堅苦しくはなさそうだな」

 

振り向くと綾小路がそんなことを呟く。ここは乗っておいた方がいいだろう

 

「確かに。国立でも蓋を開けてみればって感じの緩さだな」

 

寮生活や敷地内から出ることはできない、外部との連絡ができないなどの制限はあるが、無償で提供されるポイントや、周辺施設には不満はなく、考え方によっては楽園とも取れるほど生徒たちは優遇されていると表面だけ見ればそう思えるだろう。まあ、初見じゃ気づけなかった俺が言うのもなんだが

 

「優遇されすぎて少し怖いわね」

 

そう綾小路の横で独り言を漏らした彼女は堀北 鈴音。黒髪ロングで口調は強く高飛車。孤高と孤独を履き違えた哀れな少女だ。まあ、ここは話を合わせるか

 

「そうだな。10万ポイントを4クラス3学年に毎月出すとして、月4800万、年5億7600万。いい話には裏があるって言うし、警戒しとくに越したもんはないかもな」

 

「ねぇねぇ、帰りに色んなお店見て行かない?買い物しようよ」

「うんっ。これだけあれば、何でも買えるし。私この学校に入学できてよかった〜」

 

先生がいなくなり、10万円という普通の高校生ではほとんど見ることもないようなお金をもらって浮き足立ち始めたクラスメイト

 

「皆、少し話を聞いて貰ってもいいか?」

 

ここで、手を挙げるのは俺。クラスの雰囲気を悪くしないため、そして序盤である程度の指揮権を確保しておくためにも、ここは俺が壇上に立たせてもらおう

 

「今日から同じクラスで過ごすわけだが、自己紹介だけでも済ませておこうと思ってな。入学式まで時間もあるし。嫌なら自分の名前だけでもいい。どうだ?」

 

「賛成ー!私たち、まだみんなの名前とか、全然分からないし」

 

1人が口火を切ったことで、迷っていた生徒たちが後に続く

 

「そうだなぁ。そこの赤髪のお前。名前は?」

 

「あ゛?くだらねえ。勝手にやってろ」

「まあ、待てって。その赤髪。スラムダンクの桜木に憧れた口だろ?となるとガタイもいいし、やっぱバスケか?」

「やっぱ分かるか?」

 

最初の一言はあんなに嫌悪感に塗れていたというのに少し刺激すればこれである。やっぱりこの頃のみんなは誘導しやすくていいな

 

「やっぱ夢はNBAか?」

「当たり前だ。ここを卒業して俺はプロのバスケ選手になるんだよ」

「そうかそうか。でも、バスケ選手を目指すなら仲間との連携のためにも、ちょっとぐらいコミュニケーションの練習はしておいた方がいいんじゃね?」

「…須藤 鍵だ」

「ん。ありがとさん。面倒だって思ったらみんなも須藤と同じでいいからな。先に言っときたい奴は居るか?」

 

流石にここで手を挙げる勇気がある人などはおらず、そのまま俺の自己紹介に移る

 

「俺は早乙女 葵。趣味は読書とランニング。得意なことは勉強だ。これでも模試で全国4位になったことがあるから分からんとこがあったら遠慮せずに聞きに来いよ。じゃあ順番で、そこの君」

「わ、私は、井の頭、こ、こーっ」

「あっ、いきなりですまん。落ち着いて。ほら吸って吐いてー。吸って吐いてー」

 

最初の好感度は重要だ。声をかける、背中をさするなどの些細な動作で、クラス内のリーダー的ポジションは形成されていく。青ざめていた表情にも血色が通い、呼吸も整い始めたところで

 

「がんばれ〜」

「慌てなくても大丈夫だよ〜」

 

そんなクラスメイトの優しさも飛び始める。が、これは逆効果。緊張状態の子に「頑張れ」や「大丈夫」と言った言葉は同調圧力を高めてしまう。と言うことで

 

「ゆっくりでいい。慌てないようにして行けるか?」

「はい…できます」

 

櫛田はやっぱりいい女。こう言う時の対処法は彼女が一番熟知しているので、後はそれを流用すればいいだけの簡単なお仕事だ

 

「私は、井の頭……心と言います。えと、趣味は裁縫とか、編み物が得意です。よ、よろしくお願いします」

「よろしく。カバンにつけてるそれも自作?」

「はい。…こう言うのが好きで」

「そっか。ありがとう。それじゃあ次」

 

「俺は山内 春樹。小学生の時は卓球で全国に、中学時代は野球部でエースで背番号は4番だった。けどインターハイで怪我をして今はリハビリ中だ。よろしくう」

「中学校の大会にインターハイは無いから、せめてもっと分かりづらい嘘をつこうな。よろしく」

 

やっぱ山内は山内だったか。書籍と同じような口の軽さと軽薄さだな

 

「じゃあ次は私だねっ」

 

そう元気よく立ち上がったのは、艶のある金髪ショートのかわいらしい少女。そう

 

「私は櫛田桔梗と言います、中学からの友達は1人もこの学校に進学してないので一人ぼっちです。だから早く顔と名前を覚えて、友達になりたいって思ってます」

 

ここで止まらないのが櫛田クオリティ。中学でクラス中の情報を掌握していた手腕は伊達じゃない

 

「私の最初の目標として、ここにいる全員と仲良くなりたいです。みんなの自己紹介が終わったら、ぜひ私と連絡先を交換してください」

 

これが櫛田 桔梗。綾小路の機械化を進めた忌むべき人物だ

 

「それから放課後や休日はいろんな人とたくさん遊んで、たくさん思い出を作りたいので、どんどん誘ってください。ちょっと長くなりましたが、以上で自己紹介を終わりますっ」

 

櫛田は堀北が同じ中学ということもあって、基本的にDクラスにとって悪い状況しかもたらさないが、その情報網は異常だ。櫛田に並び立つレベルの情報網を有しているのが一之瀬のみと言われればよく分かるだろう。この情報網を活用しない手はない。が、今現時点で櫛田を掌握することは難しい

 

「よろしく〜。櫛田さんならすぐに全員と仲良くなれると思うよ」

「ありがとうっ。そう言ってもらえると嬉しいな」

「じゃあ次は、須藤…は最初に言ったし、その後ろ」

 

「俺は池 寛治。好きなものは女の子で、嫌いなものはイケメンだ。彼女は随時募集中なんで、よろしくっ!もちろん可愛い子か美人を期待!」

「よろしく。突然だが池」

「ん?なんだ?」

「逆で考えて見ようか。女子が「好きなものは男の子で、嫌いなものは美人。彼氏は随時募集中で、かっこいい人かイケメンじゃないと絶対に無理!」なんて言ったらどう思う?」

「…好きになれねえかも」

「そう言うことだ。それじゃ次は、次期社長さん行けるか?」

「フッ。いいだろう」

 

長めの前髪を手鏡で見ながらクシを使い整え終えた高円寺が、まるでアニメの貴公子のように微笑むが、どこと無く不遜な態度が見え隠れしている。机の上に乗せられた足が下ろされるなんてことがあるはずもなく、まるでそれが当たり前かのように自己紹介を始める

 

「私の名前は高円寺 六助。高円寺コンツェルンの一人息子にして、いずれはこの日本社会を背負って立つ男となる人間となる男だ。以後お見知りおきを、小さなレディーたち」

 

うん。まあ、言いたいことは分かる。これはクラスに向けたもの、と言うより異性に向けた自己紹介だ。ま、らしいと言えばらしいな

 

「それから私は不愉快と感じる行為を行った者には、容赦無く制裁を加えていくことになるだろう。その点には十分配慮してくれたまえ」

「ふーん。例えば?」

「言葉通りの意味だよ。しかし1つ例を出すならー私は醜いものが嫌いだ。そのようなものを目にしたら、果たしてどうなってしまうのやら」

「醜いものねぇ。ま、気をつけるよ」

 

そんな調子で自己紹介は進みいよいよ最後。清隆に順番が回ってきた

 

「えー、綾小路 清隆です。趣味は読書で、ピアノと書道を習っていました。よろしくお願いします」

「清隆はここに来てからできた初めての友達なんだ。みんなも仲良くしてやってくれ。ってこれじゃ口うるさい母親みたいだな」

 

そう言うと、みんなから小さい笑い声が漏れ出る。ひとまず空気は上々。須藤に対するヘイトもかなり下げられたし、リーダーポジも取れた。点数としては90点は硬いな。さて次は…




前話の修正点を活動報告に載せました
これからも修正点はそこに追記していく形になるのでそのつもりで
あと、ここに書かれてはいませんが、平田くんもしっかり自己紹介して、原作-2くらいの評価を得てます
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