学園都市の陰の実力者になりたくて! 作:99!ファンブル!
「おや、どうしましたか? 何か疑問でも?
……いえ、
なんの特異的な反応かと観測してみれば……まさか、あの情報を所持しているとは侮れない。
……さて、
色彩について?Loaについて?オカルトについて?神秘について?はたまた……崇高について?
……貴方は非常に面白い!……なぜあれ程の情報を所持しているのです?
……いえ、気になりますが、それはいいでしょう……貴方は私に何を望みますか?…………幸いな事にマダムとは違って、貴方とは気が合いそうだ!」
黒いスーツを着ているので……黒スーツマンとでも命名しようか?
黒スーツマンは、ククッ、と声らしき物を震わせ、僕に向けていかにも面白そうな顔……モルモットに試薬を加えた時のマッドサイエンティストみたいな感情を顕にしている。
ちなみに窓ガラスを割った事については、気にして無さそうだったので、黙っておく事にする。
気にしてないなら大丈夫だ。
……大丈夫と言ったら大丈夫……の筈だ。きっと、多分、恐らく。
……そんな事より、さっきの黒スーツマンの発言から、僕の頭の中では一つの結論が導き出されていた。
(間違いない、コイツ……
この様なものである。
……まあ、それはそうだ。だって正気だったら、こんな痛いセリフを人前で吐ける訳がない。
なんと言っても、僕の姉さんも絶賛
そして黒スーツマンはおそらく、『全てを理解していて、闇を知り尽くしてるぜ〜』みたいなムーブを行いたいんだろう。
……なかなか乙なジャンルを攻めてくる。
しかし、嫌いではない。……いや、むしろ好きな方だ!
そういうキャラ作りは、僕も意識して行っているけれど……さっきのあの長文の返しは中々出る物ではない。
恐らくそれなりの時間構想を練っていて、今か今かと待ち望んでいたんだろう。
……とはいえ……僕が昔通り過ぎた道ではあるし、別にそれ自体を否定するつもりはない……のだが、
(大人にもなって厨二病は流石にヤバくない?)
そんな考えが、僕の脳内に響く………が、直ぐにそれを切り捨てた。
いや、あの台詞力から考えると恐らく結構ガチな人だ。
恐らく、少年の頃の夢がまだ捨てきれていないんだろう。
とても共感できるし、出来る限り協力してあげたい。
(と、なると僕が行うべきロールは……)
「ああ……確かにお前とは上手くやれそうだ……して、優先するべきは『色彩』……いや、この場なら『崇高』だろう?」
そう言って僕は薄っすらと笑みを浮かべる。
ロールプレイには全力で応えてあげなくちゃね!
そう言うと、黒スーツマン益々口のような裂け目を釣り上げて、口角を上げる。
「……ええ!
と、返してくるが……どうやらアタリの様だ。
それにしても、せっかく考えたロールを行う相手に困っていたのだろう。
ククッ!と笑って、とても面白そうにしている。
「言わば『崇高』とはLoaと近く……されども私達の目的は……」
などと色々話しているが、よほど嬉しいのだろう。興奮した様に僕に時たま意見を求めて来るため、適当に返事を返している。
まあ、こう言うのは付き合ってもらうだけで嬉しいものだ。
なんと言っても、僕の陰の実力者ムーブも汲んで話をしている。
どこから見ていたのか分からないが、いろんな要素を組み込んで自分のロールに必死な姿は高評価だ。
________
……それからもこうして二人で語り明かし、一時間ほど経過した時……
黒スーツマンとのロールプレイがひと段落ついたため、新鮮な空気を取り込もうと深呼吸をする。
興奮冷めやらぬ、といった様子でまだ熱気に飲まれているらしき黒スーツマンは、相変わらずテンションが高い。
「…ふう……ゲマトリアとの会合でもここまで盛り上がった事はありませんでしたね……」
「いや……こちらも中々良い語り合いができた……感謝しよう」
それなりに充実した時間だった。……最後辺りは二人で何かに辿り着いたかの様にすっごい喜んだ。
いやはや、とても楽しかったよ!
……途中からイマイチ意味が分からなかったけど、それでも黒スーツマンが、『つまり貴方の解釈するテクスチャは!』とか、『崇高に至るとは…!』などと、僕の答えに衝撃を受けたかの様に演技してくれたのは僕としても楽しかった。
これぞ陰の実力者!と言った感じで空気感だけでも次第に僕のテンションが上がって来たしね。
そのように満足な話し合いが出来たと、余韻に浸っていると、黒スーツマンが再度口を開いた。
「それは良かった……所で、夢中になり過ぎて私の自己紹介を忘れていましたね。……まあ、別になんと呼んでもらっても構わないのですが……ゲマトリア所属の『黒服』と申します」
良い自己紹介である。よく自分のしたい役が練り上げられており……何より『黒服』という名前にもセンスがある!……ならば僕も名乗るのが『世の情け』と言う物。
「ふむ…それでは此方も名乗ろう……我が名は『シャドウ』……………陰に紛れて陰を狩る者……」
すると、そんな中黒スーツマン………ではなく黒服さんが手を差し出して来た。
握手を行うらしい。
「宜しくお願いします……シャドウ」
「宜しく頼もう……黒服」
僕たちは固い握手をした。
(決まった……!)
この光景に僕は感動に震える。
裏の組織の知られざる邂逅!……と言ったロールプレイは何だかんだでした事がなかった。
元の世界に戻ったら、七陰のみんなに頼んでみても良いかも知れない。
「さて……ここから一日ほど語り明かしたい気分なのですが……生憎この後は実験の予定があります」
本当に残念そうに黒服さんは首を振る。
違いない。ここまで素晴らしいロールプレイができたのに、それをずっと続けられないのは僕も残念だ。
しかし、時間が大切なのも事実。自分のプレイ方法を模索したり、鍛錬したり、鍛錬したり、鍛錬したり。
そのためにもここ辺りが潮時だろう。
「仕方あるまい。自身の探究を行った上で、日を置いて改めて会合を行うとしよう」
「ええ、そうですね。また後日にでもしましょう。……………ああ、それと熱中の余り言い忘れていました。………唐突で申し訳ないのですが、『ゲマトリア』に入るつもりは無いですか?」
すると、いきなり黒服さんが提案をして来た。
………うーん、さっきのロールプレイ中に聞いた感じ、『厨二病の奴らが集まって出来たサークル』みたいな物らしい。
単純に全員でロールプレイとかが出来て面白いだろう。
それに、ここだと『シャドウガーデン』とか組織に所属している訳でもない。わかりやすい所属があると、ロールプレイがやりやすい。
また、二つ名として『ゲマトリア』が付くのは、中々にカッコいい。
よし、決めた!
「……了承した。……我はその席に名を連ねよう」
大仰に頷いて、あくまでも格を落とさない様に振る舞う。
シャドウとして媚び諂うのは中々にカッコ悪いしね。
「それは良かった。我々の仲間になってくれて、私も嬉しいです」
最後に相変わらず黒い、ひび割れた笑顔で黒服さんはその場を後にした。
(………それはそうと、窓ガラス気にしてなくて良かった……)
そう考えて、僕もその場をすぐに後にした。
シド
ロールプレイ楽しい!
ゲマトリア?入る入る!
流れと、面白さでゲマトリアを選んだ。
窓ガラスの弁償はしない。
黒服
研究対象でもあるが、それ以上に有益な協力者。
正体に謎が多いので、面白く感じている。
シャドウの事を『深い智慧を持った人物』と、的外れな考察をする事になる。
窓ガラス割られた人。
今回雑ですいません。