東方人狼録   作:地軸


原作:東方Project
タグ:オリ主 人狼
東方人狼異変みたいなもの、労力がひどいので続きの構想はあるけド…。

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東方人狼異変

ある日の幻想郷。

 

人里では、

眠りについたまま目を覚まさない人が、

ぽつぽつと増えはじめていた。

 

山でも同じだった。

妖怪でさえ、

眠りから戻らぬ者が現れはじめる。

 

異変は、静かに、

しかし確実に広がっていた。

 

永遠亭での診察の結果、

それは病ではないと判明する。

 

原因不明。

薬も効かず、

症状の進行も見られない。

 

ただ、眠っている。

 

永琳の口から出たのは、

「呪いに近い何か」という、

曖昧でいて重い結論だった。

 

博麗の巫女である霊夢が、

お祓いを試みても変化はない。

 

解けない。

祓えない。

それでも、増えていく。

 

永眠者たち。

 

縁側で空を見上げながら、

霊夢はぽつりと呟いた。

 

「……異変ね」

 

 

 

 

レギュレーションを説明します。

 

人狼二名。

狂人一名。

占い師一名。

霊能者一名。

身代わり騎士一名。

村人三名。

 

狼とは、

呪いとしてプレイヤーの人格に潜み、

村を欺き、亡ぼす存在です。

 

村人陣営の目的は、

狼二名にお札を使用すること。

 

お札は、一日に一枚だけ使えます。

 

襲撃された者、

あるいはお札を使われた者は、

仮永眠となります。

 

人狼と村人の数が同数になった時、

人狼陣営の勝利です。

 

その時、生き残っていた村人も、

すべて仮永眠となります。

 

人狼勝利の場合、

永眠は解除されません。

 

一方、

すべての人狼をお札で仮永眠させた場合、

村人陣営の勝利となります。

 

仮永眠は解除され、

現実の世界で目を覚ますことができます。

 

身代わり騎士は、

毎晩一人を守ることができます。

 

守った相手が襲撃された場合、

自身が仮永眠となる代わりに、

守り先の仮永眠を防ぎます。

 

ただし、

同一人物を連続して守ることはできません。

 

毎日、夕方。

 

お札の使用先を、

投票によって決定します。

 

同数となった場合は、

決戦弁明の後、再投票。

 

それでも同数の場合、

その日のお札の使用は無効となります。

 

能力、霊力、それに準ずる幻想の力は使えません。

 

占い師は、

毎晩一人を選び、

その者が人狼か否かを知ることができます。

 

結果は、

「人狼」

もしくは

「人狼ではない」

の、いずれかです。

 

結果は、占い師本人にのみ伝えられます。

 

尚初日の占い結果はランダムで人狼でない人物を一人告げられます。

 

霊能者は、

前日にお札を使われ、

仮永眠となった者が

人狼だったか否かを知ることができます。

 

霊能の結果も、

霊能者本人にのみ伝えられます。

 

人狼は、

互いに仲間を認識しています。

 

夜の時間、

人狼同士は内通することができ、

相談の上で

襲撃する相手を一人選びます。

 

選ばれた者は、

仮永眠となります。

 

ただし、

身代わり騎士に守られていた場合、

騎士自身が仮永眠となり、

守られた者の仮永眠は防がれます。

 

狂人は、

人狼陣営に属しますが、

人狼同士の内通には参加できません。

 

また、

狂人は

自分が人狼でないこと、

そして

村人陣営でないことを

自覚しています。

 

夜の時間に行われる行動は、

すべて非公開です。

 

朝になると、

誰が仮永眠となったかのみが知らされます。

 

理由や経緯は、

明かされません。

 

以上が、

この村におけるルールです。

 

貴方の役職は――

 

『村人』です。

 

その声を聞いた瞬間、

目が覚めた。

 

声の調子も、

感情も、

姿も思い出せない。

 

それでも、その言葉だけは、

頭にこびりついて離れない。

 

忘れようとしても、

忘れられない。

 

――いつでも、

思い出せてしまいそうだった。

 

 

洋館の一室。

 

寝心地のいいベッド。

明かり。

小さなテーブルと椅子。

 

質素ではあるが、

不便は感じない。

“泊まるための部屋”として、必要なものは揃っていた。

 

ベッドから起き上がり、

ドアノブを握る。

 

――開けた。

 

その先に広がっていたのは、

大きな円形の部屋だった。

 

自分の部屋を含め、

等間隔に並ぶ九つの扉。

 

中央には、

白いテーブルクロスのかかった円卓。

 

円卓の奥、

壁に古い柱時計が据え付けられている。

 

長針と短針が、

無言で時間を刻んでいた。

 

その円卓を囲むように、

椅子が九脚。

 

それぞれの席には、

名前らしき文字が書かれたプレートが置かれている。

 

さらに中央には、

 

「投票箱」

 

と書かれた箱。

紙と筆。

そして――

 

「人狼解除」と記された札が、一枚。

 

「……ここは、いったい」

 

見たことのない光景に、

思わず声が漏れた。

 

その時。

 

ガチャ。

ガチャ。

 

各部屋の扉が、次々と開く。

 

現れたのは、人影。

知っている顔。

知らない顔。

 

自分の手元のプレートと、

彼女たちの名を照らし合わせる。

 

――これは、名前だ。

 

霧雨魔理沙。

アリス・マーガトロイド。

十六夜咲夜。

チルノ。

パチュリー・ノーレッジ。

東風谷早苗。

古明地さとり。

 

そして――

 

博麗霊夢。

 

博麗の巫女が、そこにいた。

 

「れ、霊夢さん……ここはいったい――」

 

声をかけると、

霊夢は一瞬こちらを見る。

 

「ああ、人里の……」

 

言いかけて、

ちらりと視線が下がった。

 

俺の前に置かれた、ネームプレート。

 

「……黒崎さん、ね」

 

ああ。

名前、覚えてもらってなかったんだな。

 

「異変よ」

 

霊夢は、あっさりと言った。

 

「最近、永眠者が増えてるの、知ってるでしょう?」

 

「……異変、か」

 

確かに噂は耳にしていた。

隣の家の奴が目を覚まさない、だとか。

山でも似た話がある、と。

 

「おあつらえ向きに席があるんだ。座ろうぜ。

 皆、ルールはもう理解してるんだろ?」

 

霧雨魔理沙――魔理沙が椅子に腰を下ろす。

それにつられるように、他の面々も席につき、

俺も遅れて円卓に座った。

 

――その瞬間。

 

『議論時間は、夕方まで。

 話し合いによって、人狼を探し出してください。

 

 選ばれなかった場合、

 お札は使用されません。

 

 それでは――

 議論時間を開始します』

 

沈黙が落ちた。

 

魔理沙が眉をひそめる。

 

「……始まっちまったな」

 

「これって……人狼ゲームよね」

 

そう口にしたのは、

里で見かけたことのある人形遣い――アリスだった。

 

人狼ゲーム。

確かに、その通りだ。

少々変則ではあるが、骨組みはほとんど同じ。

 

「俺は、あんた達のことをあまり知らないんだが……

 知り合い同士なら、見分けがついたりしないのか?」

 

「見た目で分かるようなものじゃないわね」

 

紅魔館の魔女、パチュリーが周囲を見渡しながら答える。

 

「私の能力も使えませんし。

 ……話し合いをするしかなさそうですね」

 

地底の主、古明地さとり。

額の第三の目は開いているが、

そこに“何も映っていない”ことが、逆に分かってしまう。

 

「あたい、よく分かんないけど……

 レイムは村人だと思う」

 

氷の妖精、チルノだったか。

根拠はなさそうだが、言い切る。

 

「えっと……この中で、役職がある人はいますか?」

 

東風谷早苗が、恐る恐る周囲を見回した。

 

沈黙。

 

「……潜伏、ってことかしら」

 

アリスの呟きに、誰もが顔を見合わせる。

 

「夕方まで、ってことらしいしな。

 時間はまだある。

 様子見、って可能性もあるだろ」

 

フォローのつもりで言うと、

いくつかの視線がこちらに集まった。

 

居心地の悪さに耐えきれず、

博麗の巫女へと視線を送る。

 

すると――

 

「まぁ、そうね」

 

霊夢は一度頷いてから、

ふっと表情を変えた。

 

「潜伏が悪いかどうかは別として……

 さとり、あんた変よ」

 

博麗の巫女の視線が、

まっすぐにさとりを射抜く。

 

「そうですか?」

 

さとりは首を傾げる。

 

「私は、いつも通りだと思いますけど」

 

 

「その“いつも通り”が変だって言ってるのよ」

 

霊夢の声は低く、断定を避けながらも逃がさない響きを帯びていた。

 

「どういうことですか?」

 

「自分の重要な器官を失った妖怪の態度に見えない、ってこと。

心が急に読めなくなったのに、何も変わらない顔をしてる。

それは……不自然よ」

 

鋭い指摘だった。

円卓の空気が一段冷え、自然と視線がさとりに集まる。

 

「それを“変だ”と言うのは――

私が人狼だと、そう示唆しているんですか?」

 

「そうとは言ってないわ」

霊夢は即座に否定する。

「私は“変だ”と言ってるだけ」

 

「……それは、疑っているのと何が違うんでしょうね」

 

声音は静かだったが、わずかな棘が滲んでいた。

 

険悪になりかけた空気を、早苗が慌てて遮る。

 

「待ってください。

さとりさん、ご自身が疑われていると感じているなら、

それを晴かすべきだと思います。

弁明でも、反論でも……何かあるなら」

 

「ええ、確かに戸惑いはありますよ」

 

さとりは淡々と答える。

 

「心を読めなくなったのは事実ですから。

ですが――それを外に出していないだけです。

自分が弱っている姿を、わざわざ無様に晒す趣味はありませんので」

 

一理ある。

少なくとも、筋は通っている。

 

「なるほどな」

 

魔理沙が顎に手を当てる。

 

「言ってること自体は、どっちも分からなくはない。

決め打ちするには、材料が足りねぇな」

 

霊夢はそれ以上踏み込まず、ふっと視線を横に流した。

 

「……まぁ、あんたがそう言うなら、そうなんでしょうね」

 

そして、今度は別の人物を見る。

 

「咲夜。

さっきから黙ってるけど、何か気づいたことは?」

 

十六夜咲夜は、初めて口を開いた。

 

「私は、パチュリー様の様子を見ておりました」

 

静かな声だった。

 

「普段と変わったところは見受けられません。

この状況だからといって取り乱す方でもありませんし……

今のところ、不審な点はありませんでしたわ」

 

「そう言われると納得はできるけど」

 

アリスが小さく肩をすくめる。

 

「紅魔館同士でかばい合われても、判断が難しくなるのよね」

 

「そうだよな」

 

魔理沙が頷き、ふと思い出したようにパチュリーを見る。

 

「そういや、喘息は出てないみたいだけど。大丈夫か?」

 

「ええ」

 

パチュリーは一拍置いて答えた。

 

「……今のところは、ね」

 

その言葉の余韻が、

円卓の上に、静かに残った。

 

カチッ、カチッ、と。

時計の音が、一定の間隔で響き続ける。

 

小さな言い合いと、視線のぶつかり合いだけが、

じわじわと時間を削っていく。

 

そして――。

 

ボーン。

ボーン。

 

柱時計の音が鳴り、夕方が訪れた。

 

「時間ね……」

 

『投票時間になりました。投票形式は自由投票、投票先公開形式です。投票先が決まった人から投票用紙に名前を記入し、その名前を明言して、投票箱に入れてください』

 

最初に立ち上がったのは、博麗の巫女、霊夢だった。

 

「さとりに入れるわ。怪しさを拭えなかったし、不安定なまま議論に残される方が困る。……今なら、まだ戦術として許される段階よ」

 

淡々と投票用紙を入れるその姿に、息を呑む。

異変解決に動く博麗の巫女――その迫力だった。

 

次に動いたのは、当のさとりだった。

 

「霊夢さんに投票します。霊夢さんの判断は理解できますが、私は狼ではありません」

 

俺は……どうする。

 

断定できる材料は何もない。

視線を巡らせた先で、博麗の巫女と目が合った――気がした。

 

理屈は分かる。

今なら、取り返しがつく。

そう、自分に言い聞かせる。

 

「俺も、さとりさんに投票する。今は狼だと思ってるわけじゃない。でも……今なら、致命的な間違いにならない」

 

震える手で、投票用紙を箱に入れる。

さとりさんの顔は……見られなかった。

 

俯いたまま席に戻ると、いつの間にか投票は終わっていた。

 

『投票の結果、古明地さとりが六票、博麗霊夢が一票、パチュリー・ノーレッジが一票、霧雨魔理沙が一票』

 

確か、魔理沙さんがパチュリーさんに入れて、チルノが魔理沙さんに入れたんだっけかな。

 

『よって、古明地さとりにお札が使用されます。遺言が許されます。遺言終了後、自動的に自室のベッドへ転送されます。遺言をどうぞ』

 

さとりさんが、静かに立ち上がった。

 

「確かに、反論の余地はありません。

私は今も、皆が何を考えているのか分からず、不安のままです。

 

こんな私が明日以降の議論に残れば、足を引っ張る――その理屈も理解できます。

 

ですが、明日、霊能者が私が狼でない事を証明してくれるでしょう。

その時、責任を問われるのは、私に投票した人達だという事を……どうか、忘れないでください」

 

一拍置いて、さとりは霊夢を見る。

 

「霊夢さん。

貴方の正しさが、私の眠りを“仮”で終わらせてくれる事を、願っています」

 

取り乱すこともなく告げるその姿に、胸が痛んだ。

叫びも、涙も、糾弾もない。

 

ただ、霊夢へ向けられた冷ややかな視線だけが残る。

博麗の巫女は、それを受け止め、視線を逸らさなかった。

 

『遺言の終了を確認しました。お札を使用します。生存者の皆様は眠り、明日に備えてください。それでは、おやすみなさいませ』

 

どこからか響く声と共に、意識が遠のく。

視界が暗くなり――。

 

柱時計の音だけを残して、

一日目は、終わった。

 

 

 

 

気が付くと、再びあのベッドにいた。

 

いつの間にここへ来たのか、記憶がない。

おそらく自動的に移動させられたのだろう。

 

無意識のままドアを開き、円卓へ向かう。

同じように席へ着こうとする者たちを横目に、俺も腰を下ろした。

 

『おはようございます。昨日の犠牲者は東風谷早苗でした。

二日目、残り人数七名。再び議論を開始してください。どうぞ』

 

空いた席は二つ。

昨日投票された古明地さとりと、今日の犠牲者――東風谷早苗。

 

彼女は昨日、善意で周囲をまとめようとしていた。

それが理由だったのだろうか。

 

しばしの沈黙を破ったのは、パチュリーだった。

 

「私は霊能者よ。さとりは人狼だったわ。……さすがね」

 

空気が、わずかに緩んだ気がした。

良かった……どこかで、許された気がした。

 

――瞬間。

 

「私が占い師よ、初日はパチュリーが村人陣営ってわかっていたわ、今日はそこの黒崎さんを占ったわ、結果は村側。彼を占った理由は、第一に、ここにいるほとんどが彼の事をあまり知らなくて判断材料が無いから、あとはまぁ、彼が人里の住人だからくらいね」

 

博麗の巫女がそう告げる、初日が霊能者のパチュリーさんの事だったのは残念だったが、俺を占ったのか霊夢さんは、

 

確かに俺の情報を知る者はいないと言っていい、顔と名前を知ってる程度、俺の名前を覚えていた奴なんて誰も居ないだろう。

 

博麗の巫女として俺を守る為に俺に貴重な占いを使った事には申し訳なさと有難さを感じていた。

 

「いやいや、霊夢は偽物だぜ、私が本当の占い師だ、初日はアリスの村川陣営を知っていて、今日はパチュリーを怪しいと思って占ったんだけど、村側だったぜ、霊能者なら昨日言っといてくれよって話だが、まぁ同じように潜伏してた言えた義理じゃなかったぜ」

 

魔理沙さんが、対抗として立ち上がる。

 

「魔理沙は、狂人かしら?昨日私が強く疑った、さとりが人狼だった。その私の占い師にわざわざ対抗してくるなんて人狼じゃなくて狂人の行動よね」

 

「いや、霊夢こそ狂人だろう、間違えて人狼にお札を使ってしまい、パチュリーの霊能結果を聞いて残り一人の人狼から視線をずらすために出てきた狂人だろう」

 

バチバチと視線がぶつかり弾ける音が聞こえそうなくらい睨み合い、言葉を交える二人に思考を巡らすが追いつかない。

 

「ちょっと、落ち着いてよ、状況を整理したいわ」

 

アリスが声をあげる、全くの同感、状況が目まぐるしい。

 

だが――。

 

「二人ともなにいってるの、あたいが真の占い師、えっと初日が霊夢が村人側で、二日目が魔理沙が人狼だったわ、やっぱりあたいって最強ね」

 

三人目の占い師!?しかもチルノだと、妖精のいう事に真偽の重きをどこまでおける?

 

混乱が極みになる。

 

しかし、冷静な声が響いた。

 

「勝ったわね」

 

「そうですわね」

 

パチュリーさんが告げ、咲夜さんが同意した。

 

「ああ、そうね」

 

少し遅れて、アリスさんも同意する。

 

「えっと、つまり……?」

 

俺が説明を求めると。

 

 

「さとりが人狼だった。残りの人狼は一人しかいない、占い師が三人でている、つまり占い師の内訳は、本物、狂人、狼。全員にお札を使えば勝ちよ」

 

パチュリーさんが呆れた目でこちらを見ながら説明する。

 

「あっ」

 

それを聞いて思わず声をあげる、確かにその通りだ。

 

「占いローラーね、いいわ、それなら魔理沙からにして、それで終わりよ、私目線チルノが私たち二人が争ってる最中に負けに来る可能性は…無くは無いけど、普通に考えたら魔理沙よ」

 

博麗の巫女が声を上げる。

 

「いや、霊夢からだ、チルノが狂人でわけもわからず参加しに来たただの目立ちたがりやの馬鹿予想だ」

 

魔理沙さんがそれを遮る。

 

「魔理沙にお札を使えば終わりよ」

 

チルノが我関せずと胸をはり告げる。

 

「そうね、順番は些末なものだけど早く終わらせる事に越したことはないわ」

 

「魔理沙さんにお札を使って、明日が来ればチルノが破綻、チルノにお札を使って次の日がくれば霊夢さんが破綻で霊夢さんにお札を使うが、道理じゃないか?」

 

勝確が確定したおかげか頭が回って来たのか自然と言葉出る。

 

「そうね、その通りね、やるじゃない」

 

霊能者のパチュリーがそう肯定してくれる、俺も役にたてたのだろうか?

 

「時短とかできるのかしら、もう投票してしまいたいわ」

 

霊夢がアナウンスを待つように天井を見上げる。

 

『プレイヤーから時短宣言がありました、賛同者は手をあげてください』

 

「ちょっと待てよ、嘘だろ、おい」

 

パチュリーが手を上げるのをみて魔理沙が声をあげた。

 

「魔理沙が本物でも結果的には勝てるのだから、私を疑った罰として我慢しなさい」

 

パチュリーが優しい笑みで魔理沙にそう告げる。

 

「ちっ、それを言われたら言い返せないな」

 

魔理沙が深く帽子をかぶり視線を遮る。

 

次にチルノが手をあげ、俺も手をあげる、アリスも手を恐る恐るあげたところで。

 

 

 

『過半数以上の同意により、これより投票時間に入ります』

 

 

結果、魔理沙は霊夢に投票し、

他の全員が魔理沙に投票した。

 

……夜が訪れ、朝が来てしまった。

 

 

そして俺は再び、円卓の前に座ってしまってる。

 

『おはようございます。昨日の犠牲者は十六夜咲夜でした。

三日目、残り人数五名。再び議論を開始してください。どうぞ』

 

「えっと、これでチルノが破綻したから……今日はチルノにお札を……」

 

使えばいい、と言おうとした瞬間。

 

「私は狂人よ、パワープレイを宣言するわ」

 

パチュリーが言葉を紡ぐ、何を言ってるか理解できない。

 

「同意するわ、チルノも同意しなさい」

 

「あたいもどーいする」

 

「いったい、何を…」

 

「ああ、この可能性も考えていたけれど、実際に起きるなんて思って無かったわ」

 

アリスが諦めた声をあげる。

 

「黒崎に投票するわ」

 

パチュリーが赤く染まった瞳でこちらを見ながら言う。

 

「黒崎ってやつに入れるわ」

 

チルノが同じ瞳で言う。

 

「黒崎を…永眠させるわ、もちろんアリスもよ」

 

博麗の巫女が…いや人狼達がそう告げて意識が遠くなっていく。

 

 

『狂人パチュリー・ノーレッジの宣言を受け、人狼チルノ、人狼博麗霊夢による過半数以上の同意による時短投票の省略による勝利宣言が行われました。人狼陣営の勝利です、おめでとうございます。』

 

 


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