しばらく忙しくて見れていなかったのですが、
また少しずつですが書いていこう思うので良ければ応援してくださると幸いです。
今回はシリアス気味です。
「それならば教えてやろう、私たちはアビドスのどこかに埋まっているという宝物を探しているのだ。」
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アビドスの面々との”話し合い”を終えた俺は、明確に敵と認識されたことで寝返る心配がないと判断され帰宅を許されていた。
それにしても、宝物ね…。
かなりの手間暇をかけたお宝探しのように思えるが、もしそうだとすれば無学な俺には分からない相当な価値のものが眠っているんだろうな。
まぁ、いいさ。目的がなんであれ俺に危害がなければ大して気にしなくていい。
それより今は1度自宅に帰って装備の見直しを…。
そんな考えから早足で歩いていた俺は、ブラックマーケットを少し進んだあたりで俺は足を止めた。
……ゴミ山のスクラップが随分と増えてるな…。
……ブラックマーケットの一角に存在するゴミ山と呼ばれる場所。
それは、エネルギー不足や破損、ウイルスにより二度とメインコンピューターが起動しなくなったオートマタやらロボット共が行き着く墓場だ。
機械共はメインコンピューターの電気信号が1度途絶えれば二度と再起動することはない。
それは、あいつらの魂であり脳のような役割を担っているからだ。
エネルギー不足…人間で言う餓死で途絶えることもあれば外傷によりぶっ壊れることだってある、
そんな奴らを供養の目的だったりなんだりで捨てたり死に場所として選ばれたりで積み重なったのがこのゴミ山だ。
恐らくは治安の悪化によって戦闘の依頼が増えたことでスクラップどもも増えたのだろう、見覚えのある顔も何人かいた。
ガチャガチャ…
物音に気づき見れば何人かモノアイの光がないやつらからパーツを剥ぎ取っているロボットどもがちらほらいる。
あれはハイエナだ。壊れちまったヤツらから使えそうなパーツを取っているのだろう。
まるで羅生門じゃないかと思わず苦笑する。
当然だが、仲間の死体を荒らしているも同然のハイエナはここブラックマーケットでも嫌悪の対象になる。
それでも、こうでもしなきゃ死ぬんなら誰だってやるだろう。
自分のパワードスーツを少し触りながらゴミ山を見つめる。
俺のスーツもまた、ハイエナによって作ったものだ。
…あぁ、クソ。胸糞悪いもん思い出しちまった。
俺はよっぽどの事がない限り、あまり立ち寄りはしない。
別にあそこに積み上げられてるガラクタ共が可哀想だからなんて優しい理由じゃない、純粋に危ないからだ。
生きてる奴がいたら反撃されるし、そもそもこの街で敵をさらに増やすような真似は…。
「んん…?おお!アシヤじゃねぇか!」
____そんなことを考えながら通り過ぎようとしていると、聞き馴染みのある声が聞こえてきた。
ゴミ山に仰向けになって倒れ込みながらこちらを見つめるのはいつぞやのワカモの件でも一緒にやりあった同業の機械共の一機だ。
「…お前か、どうした?ハイエナにでも来たのか?」
そいつは首をゆっくりと動かし笑うように俺の言葉に答える。
「冗談!倒れ込んでんの見えてねえのかよ!ちっとやらかしちまったのさ。」
パッと見ただけでもモノアイの点滅からなんとなく弱っているのが読み取れる。
「…悪いな。修理はしてやれなさそうだ。俺も今は手持ちがねぇ。」
「数世代前のオンボロ機体のアシヤになんざハナから期待してねえよ!」
「んだと?」
談笑もそこそこにやつの体の損傷を確認する。
____無理だな、エネルギーもう枯渇するだろうし自己修復もイかれてる…何よりメインコンピューターが損傷気味だ。
恐らくはこれが最後の会話になるだろう。
「で、見たらところ死にかけって感じだが…こんな所まで這いずってわざわざハイエナされに来たのか?」
「ああ?別に俺は死んだあとの体なんざくれてやったっていいけどよ~!それが理由じゃねえんだわ!」
そういうと脇のロボットにやつは目を向ける。
「ちょいと長い付き合いのやつが居てな!情なんざお互い1クレジットもなかったが…どうせなら顔でも拝んどこうかとおもってな!」
死期を悟って最期にってやつか、よくある話だなぁ。
「そりゃいい、地獄で再会した時の話のネタになる。」
「俺は天国に行くから無理だな!」
「馬鹿言え。」
…ああそうだ、よくある話だ。
全部から逃げてきた奴らのゴミだめみたいなこの街じゃ人が死のうが生きようが知ったことじゃない。
俺だってそうだ。
仕事で良く顔を合わすようなやつとたまたま生きてる時に会えたから話してる。
それだけだ。
ふと、今日話したアビドスの連中との会話を思い出す。
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あれは、宝探しの話をした少しあとの事だっただろうか。
「なら、学校を諦めて去ったらどうだ?」
カイザー理事は泣きごとを言うアビドス生徒らに対して詰めかけるように口に出した。
アビドスの連中に圧をかけるため借金の利率を引き上げたり無理な回収を求めるように
指示を出したその張本人たる理事は
まるでさも当たり前のことかのように話をしだす。
「利率をあげられれば苦しいのだろう?返済なんて到底できかねるだろう?
ならば自主退学して、転校でもすればいい。それで全て解決するだろう。
そもそもあれは君たち個人の借金ではない。」
その通りだ。
波風を立てないよう隅っこで耳を尖らせていた俺は心の中でそう思った。
___逃げ道があるなら逃げればいいのに、何を躊躇っているっていうんだ?
「学校が責任を取るべき借金だ。君たちが進んで背負う必要はないのではないか?」
「そ、そんなこと、できるわけないじゃないですか!」
「そうよ!私たちの学校なんだから!!見捨てられるわけないでしょ!!」
__私たちの、学校だから…
「アビドスは私たちの学校で、私たちの街。」
自分たちの大切にしているものだから、切り捨てられない。
__間違っている、そんな感傷より今の自分を考えるべきだ。
むしろ、そんな理由で無為な行為を続けるなんてなんの意味がある。
かびたパンを食べようとも、嫌いな奴の死体を漁ろうとも、
大切なものを幾つ捨てさろうとも、
自分が、生きて前に進むことがいちばん大切じゃないか。
自分の大切なもののためになら共に沈んだっていいってのか?
俺には理解ができない、したくない。
それでも、こんなことが骨が喉につっかえるように
頭に残るのは。
「羨ましいからか?」
誰にも聞こえないように砂漠の砂に吐き捨てた。
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「なぁ、お前って自分の命より大切なものってあるか?」
「ボロカスで死にかけてる時点で察せよ!ここの住人にそんなもんあるわけねえだろ?」
「…ああ、違いねえ。」
俺はもうあんなふうに大切な何かにしがみつくような生き方はできない。
刹那的で、非合理的であと先なんて考えちゃいない。
だからこそ、羨ましく思うのかもしれない。
俺が死ぬ時には一体何が残るんだろうか。
中身すら知られないままここに吐き捨てられて少したって埋もれていく。
「なぁ、俺たちはよ…」
縋るように俺は問いかける。
「間違っちゃ、いないよな。」
「…」
返事は帰ってこない。
___ああ、最悪だ。
命の危機を感じながら帰ってきてつかの間こんな最悪な気分になるなんて。
気が落ちると死ぬリスクも高くなる。
早いところ持ち直さなければならない。
「…じゃあな、また後で。」
俺はアビドスの嬢ちゃんらのようにはなれない。
感傷を捨てて前だけ向いて生きるために動かなくてはならない。
きっと、あいつのこともすぐに忘れてしまうんだろう。
いつものことだ、忘れて、捨て去って、生きる糧にする。
ここで生きるためのスキルの一つだ。
出来ないやつから、前に進めなくなってやつから死んでいく。
明日は我が身だ。
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