塩の魔神のしょっぱい備忘録   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。一日開けて申し訳ない。ちゃんと理由がございましてね?スメールの用語とか立ち位置とか本当に難解で、確認しにゲームの方で各地を回ってたり過去の会話を探してたりしてたらとんでもない時間がかかったっていう。

えーと。一応注意喚起をば。今回の話は、世界任務「黄金の眠り」シリーズ及びセノの伝説任務「金狼の章・第二幕」、アルハイゼンの伝説任務「隼の章・第一幕」の超ネタバレがございます。今更感あるけど、一応。楽しんでいただけたら幸いです。


スメールの大賢者は今

「そろそろ、ですかねえ……」

 

「あら、なにがかしら?」

 

 

 あの頃より全然成長していないナヒーダ*1と共に執務室で書類を整理しながらぼやくと、椅子に立った上で椅子の足をダークナヒーダの茨で持ち上げてもらって最上段の書籍を手に取っていたナヒーダが首を傾げる。大賢者シオンとして生きて10年。ヘウリアだとは正式に言ってないが、歳をとらない私がヌヴィレット的なものとして受け入れられているのはいいのだけど。10年ってことは旅人がついに動き始めたのだろうか。モンドでなんか事件が起きたら確定だけど。今こうして暇を見つけてはキングデシェレト文明についての記録を漁っているのも、子供の頃は元気に遊びに来ていたドニアザードが倒れてしまった「魔鱗病」をどうにかしないと、ってのもあるのだが。正直ドニアザードが倒れた時点でそろそろ旅人が来るかなと思ってしまった。ごめんドニアザード。

 

 

「いえ、マシュくんが無事にスネージナヤに帰ったかな、と」

 

「10年も一緒にいた彼がいなくなると寂しいわね」

 

「時々別件で帰って出戻ってはいたんですけど、なんでもスネージナヤで大掛かりな計画をするみたいですからねえ」

 

 

 そうなのだ。マシュくん……もといスカラマシュは、結局10年も私達と一緒にいた。たしか厳冬計画だったかな。ナド・クライ辺りでコロンビーナから語られてた気がする。それが始まったとかで、女皇から呼び出しを受けてスネージナヤに帰還したのだ。原作通りだとこの後稲妻なんだろうか。抵抗軍の彼については……もう一人の私がなんとかしてるはずだとして。私ナヒーダに溺愛されてるのと、死域の対処でスメールから離れられないからマジで国外は何とかしてくれ。

 

 マシュくんと呼ぶまでにすっかり馴染んだ彼は文句を言いながらもちゃんと働いてくれてたので、真面目だったのもそうだが、私が離れられない様にしていたのだ。いやほら、居場所出来たらワンチャン、真実知っても自分の存在を消そうとしないでくれるかなって。あとドットーレにあまり会わせたくない。500年前からの付き合いを10年ぽっち離したところで効果あるとは思えないが、やらないよりはいいだろう。たまにフリーダムに遊びに来るコロンビーナ*2情報でドットーレがここ数年ぐらい口を開けばヘウリアの名を出すらしいし、私が嫌いなマシュくんからしたらいい気分じゃないだろうし。

 

 しかしなんでもう一人の私はあんなのに目を付けられてるんだ。かわいそっ。*3

 

 で、どうやって離れない様にしたかというと。スメールシティが復興し終えてアドバイザーとしての役目を終えて帰ろうとしていた彼に役目を与えたのだ。

 

明論派・ルタワヒスト学院の賢者ファルザン先輩*4

 

素論派・スパンタマッド学院の賢者ジュライセン*5

 

知論派・ハルヴァタット学院の賢者アルハイゼン*6

 

生論派・アムリタ学院の賢者ナフィス*7

 

妙論派・クシャレワー学院の賢者カーヴェ*8

 

 現在の教令院を支えてくれている彼らに続く因論派・ヴァフマナ学院の賢者として、スカラマシュを因論派に無理矢理てきとーな理由をつけて所属させ、元々地頭がいいのでスピード卒業を果たさせ、賢者に任命したのである。もちろんナヒーダ直々なので、他国の重鎮と言えど無視できるはずもなく。なお、この時賢者入りを発表した時のスカラマシュの顔は、すっごくいい顔だった。具体的に言うと目の前の鳩たちがマーヴィカの「天を焦がす刻」を喰らったティミーみたいな顔だった。放浪者(笠っち)としてだけど、未来でどうせ入学してたんだしもう入っておけ。いやまあシラージとかいう馬鹿*9を大人しくさせるための処置でもあったんだけど。アレ放置してると本当にやばいんよな。まだ悪いことしてないから罰することもできないし。

 

 ちなみにこの因論派、アザールの職権乱用の象徴ともいえる学院である。アザールが統治していた旧体制において、教令院が建前上受け入れていた砂漠の民の受け皿となっていたものの、自民族の歴史を研究するという体裁なのに実際にはまともな教育は行われておらず、砂漠の民をカースト最下位にすることで他の学生の認識を染めさせることに使われてた。ナド・クライの事実上のトップであるネフェルもその1人だったが、中退して砂漠に戻って後の悲劇に繋がっている。これに関しては私が来る前だったから駄目だったこともあり、わざわざネフェルを探し出して謝罪したのももはや懐かしいな。

 

 

「や、大賢者。お届け物だよ」

 

「あ、ありがとうございます。セトス。今日もセノのところに?」

 

「そのつもりだよ。大事な兄貴分だからね」

 

 

 そこにやってきて、手紙を渡して去っていったのはセトス。アトラスとの戦いにおいて、私が沈黙の殿*10に無理矢理侵入して*11、スメールの危機だと説明して手紙と私の塩の一部を託し、フォンテーヌの往生堂フォンテーヌ支店までお使いに行ってくれた彼である。アトラスとの戦いのあとに、ナヒーダ自ら出向いて沈黙の殿と和解。今では友好な関係を築き、沈黙の殿の現当主でありセトスの義祖父であるバムーン氏の病気の治療も行っており、彼からの文通役としてたびたびスメールシティに遊びに来るのである。ちなみに教令院にも不定期にだが所属しており、同じ沈黙の殿出身であるセノを兄と慕い彼と共にジュナイセンの授業を受けている様は、原作を知っている身からしたら感慨深いものがある。そんなことを考えながら中身を読んで、思わず渋い顔になる。

 

 

「お手紙かしら?どうしたの、変な顔をして」

 

「はい。沈黙の殿のバムーン氏から報告なんですが………タニット族の族長バベル・タニットが教令院の名を出していた、顔を隠した何者かと密会してたようです。こちらから使者を送りましたっけ?」

 

「いいえ、今月は誰も送ってないはずよ。先月も使者を送って追い返されたもの」

 

「ですよねえ……」

 

 

 タニット族。アザールに並ぶスメールの害悪と呼んでも過言ではない人物、バベル・タニットが率いる砂漠の民だ。他の砂漠の民は軒並みアーカーシャを受け取り雨林地帯に引っ越したのだが、バベル・タニットはアーカーシャを受け取ることを拒否し、砂漠のタニット露営地に残っている。スメールの統一と救済を願う私達としては目の上のたん瘤みたいな存在だ。理由はわかっている。花の女主人ナブ・マリカッタを信仰しており、ナヒーダもとい草神を神だと認めてないからだ。

 

 これだけなら信心深いですむのだがこのバベル・タニットという女。「永遠のオアシス」と呼ばれるナブ・マリカッタの聖地を見つけ出そうとしているのはいいのだが、そのためなら全てを利用する外道なのだ。ファデュイと取引していたが用済みになると彼らを捨て、他に八名の長老がいたが適当な理由をつけて粛清することでトップとなり、さんざんタニット族のために働いていた旅人とその仲間を仲違いさせて同士討ちさせ、永遠のオアシスを利用し砂漠の民を一つにし、眠っていると思い込んでいるナブ・マリカッタの「唯一の信託者」となり、タニットの律令を神の律令として繁栄させることでスメールシティと立場を逆転して自分が支配者にならんとした、絵に描いたような吐き気を催す邪悪なのである。

 

 ぶっちゃけ、今すぐにでも殺しに行きたいけど大賢者の立場が邪魔をする。旅人と信頼を預ける友人関係になったのにバベル・タニットの策略で悲劇的な結末を辿ることになるタニット族のジェイドやタッドラーの件があるからなんとかしたいのだけど、あれでも一部族の長であり、彼女の砂漠での影響力はあまりにもでかい。原作でも死の間際に斥候を各地の村に飛ばすことで、旅人と共に立ち向かったジェイドを裏切り者として居場所を奪うことに成功している。ナヒーダの願いであるスメール統一を考えると、残りの砂漠の民への悪影響を及ぼしかねないバベル・タニットは本気で嫌だ。

 

 せめてアーカーシャを受け取ってくれたらナヒーダの夢郷を操る能力を利用した乗っ取りで彼女の発言を操れるのだけどなあ…………うん?待てよ。そもそもなんで、アーカーシャという便利アイテムを受け取らないんだ?草神の祝福だからだと思っていたけど、あの女なら上っ面を取り繕って受け取るだけ受け取ってから利用し尽くしそうなものなのに。もしかして、ナヒーダの乗っ取り能力を誰かに知らされていた?だとするなら、ナヒーダの力を知っていたのは、限られている。それこそアーカーシャを制御してナヒーダの情報をシャットアウトしていたり監視カメラとして利用していた10年前の賢者たちとか………………まさか。

 

 

「……この件は早急に調査しないといけないかもしれません」

 

「どうして?ドニアザードやコレイたちを治す方法を見つけるのが先決じゃないかしら」

 

「バベル・タニットとアザールが手を組んでいる可能性が出てきました」

 

「っ!……へえ、アザールが?まだスメールにいたのね。ワタシは会ったことないけど、“わたくし”の怒りはひしひしと感じるわ」

 

 

 その名を聞いた途端。ナヒーダの悪意が増加したのを引き金として、ダークナヒーダに切り替わって椅子を下ろした茨をザワザワさせて邪悪な笑みを浮かべている。もう見慣れたけどここまで悪意に満ちているの初めて見るかもしれない。そうなのだ、確かバベル・タニットは教令院とも繋がっていた。それが、アザールの時代からあったとするならば、スネージナヤで処罰されたあとの彼を匿っていたとしてもおかしくはない。なんならアザールがいたから教令院の使者を追い返してたのかもしれない。

 

 

「まずはスメールシティに残留しているファデュイに、スネージナヤへ連絡してもらうように伝えます。アザールがどうなったのかを、名前も聞きたくないばかりに確認を怠っていた。その後、所在を確認でき次第マハマトラにタニット露営地を立ち入り調査する様に命じます」

 

「いいわ。その時はワタシも立ち入り調査に参加するように伝えて頂戴。ワタシの束縛と、わたくしの読心能力は役に立つはずよ」

 

 

 その言葉に頷く。アザールが関わっているなら、影響力とかそんなの関係ない。バベル・タニットごと押し潰す。他の国のことはもう一人の私に任せたが、スメールで悲劇は、起こさせない。私は大賢者シオンなのだから。

*1
そもそも神は数千年生きるのが当たり前であり容姿も大きく変わることは少ない

*2
毎回サンドローネがついてきてシオンを睨んでいる

*3
10年もシオンとして生きてたため自分もヘウリアであるのはすっかり忘れてるらしい

*4
10年前よりシオンの懇願で着任。原作だとアザールだった

*5
セノとリサの恩師。本来は引退しているのだが、無理言って後継ができるまで賢者でいてもらっている

*6
卒業と同時にシオンが任命。アトラスの一件の功績もあり反対者は約一名を除いて無し。本人は当初断ったが、ナヒーダの懇願でしぶしぶ引き受けた

*7
ティナリの師匠。原作に置いてまともだった賢者の一人

*8
本人は謙遜していたが、建築デザイナーとしての腕は自宅を建築してもらったドリーのお墨付きであり、彼以外に適任者はいないとシオンは判断して熱弁したら折れた

*9
アルハイゼンの伝説任務で登場した因論派の学生。ハイブマインドと呼ばれる集合意識を利用した研究を行っていた

*10
キングデシェレトの賢者の一人である「ヘルマヌビス」を信仰する組織。キングデシェレト文明の遺産を研究していて、かつては雨林に移り教令院と協力関係だったが、マハールッカデヴァータの死後に教令院が腐敗したため、砂漠に戻った。なお、教令院は恥も外聞もなく沈黙の殿の名前自体は残して上辺だけの部署として名を勝手に使っていた

*11
キングデシェレト文明の技術で隠されていたが場所がわかっていたので物理的に突入した




バベル・タニットを許すな。世界任務やって怒りを抑えきれなかったので、もう既に完成していたプロットにぶち込みました。ジェイドはもちろんのこと、タッドラーのことも絶対に許さん。この間のイベントのもそうだけど、砂漠の民は善玉と悪玉の格差がえぐすぎるんよ。

ちなみにこのシオンさん、白亜と違ってグレメリーと会ってないので、アビスの王子がいて旅人が蛍なことも知りません。グレメリーのほうからは認知しているけど、ナヒーダと仲良くしているのが我慢できないそうです。ダークナヒーダはナヒーダの代わりに怒ってくれる裏人格として定着してます。

賢者組は独断と偏見で決めました。原作通りのナフィスと既に引退していたジュライセンはともかく、他の賢者の情報が全然でなかったせいです。でもファルザン先輩はもちろんのこと、アルハイゼンとカーヴェは賢者を務められる才覚と実力はあるよね。ティナリを入れるかは迷ったけどガンダルヴァー村でコレイと過ごしていてほしいからやめました。賢者にされて10年間仲良くすることになったスカラマシュの内心もいつか語りたいですね。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

姿を見せないドットーレ、なにやらかす?

  • モンドのダスタリオの毒片に熱いまなざし
  • 璃月の各地からなにかを集めさせている
  • 稲妻で部下に荒瀧派を調べさせているらしい
  • アザールを実験体と称して引き取ったらしい
  • フォンテーヌのエリナス地区で目撃例
  • オシカ・ナタに部下を向かわせた模様…?
  • コロンビーナに視線を向けている…!
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