Millennium Research Institute   作:信楽焼のたぬき

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超グダった


Attempt 08

話をしよう。

 

黒服に取引を持ち掛けてから5日経った。

 

ささやかな援助とか言って、何か恐ろしいことをするんじゃなかろうかと邪推していたこともあったが、蓋を開けてみれば大したことはない。俺の傭兵としての初仕事、そのクライアントとの仲介をしてくれたそうだ。

 

そのブリーフィングを受けるべく、俺は依頼主であるインテリオル・ユニオン社を訪れていた。

 

さすがに、我が家で着ていたダボ着に白衣では見た目が悪いから、傭兵然としたかっちりした格好をこしらえた。

 

スーツでの活動を前提とした全身タイツみたいなインナースーツの上に、黒と灰色のコンバットシャツとコンバットパンツを着て、その上にさらにタクティカルジャケットを羽織っている。

 

「初めまして、だな。独立傭兵、ナイトフォールだ。よろしく頼む。」

 

「初めまして、ナイトフォールさん。私はユニオンの仲介人、セシールです。以後お見知りおきを。」

 

挨拶もそこそこに、本題の依頼についての話を始めた。

 

「それでは、ミッションの概要を説明します。」

 


 

ミッション:ギガベース妨害

依頼主:インテリオル・ユニオン

 


 

今回のミッションは、GA社が展開するブラックマーケット再開発計画、通称『ギガベース計画』の妨害です。

 

作戦領域は、ブラックマーケット第4区画。以後、同領域を『Island 4(アイランド・フォー)』と呼称します。

 

『ギガベース計画』とは、ブラックマーケットの1区画をまるごと更地にし、その跡地に堅牢な重武装要塞を建設する、再開発とは名ばかりのもの。GA社は、この計画でIsland 4を実効支配し、マーケット内での勢力を広めていくつもりのようです。

 

GA社はIsland 4にて非合法の軍事活動を行い、居住者を強制的に退去、及び殺害し、区域内の建造物をすべて破壊しました。これが約三ヶ月前のことであり、現在は要塞の約63%の建造が完了しています。

 

このまま建設を許してしまえば、ユニオンはブラックマーケット内の経済活動においてGA社に大きく後れを取ってしまうでしょう。

 

人死にが発生したため、マーケットガードに加えヴァルキューレ、連邦生徒会までもが対応に乗り出しましたが、ギガベースの不完全ながらも圧倒的な火力によって、作戦行動のことごとくに失敗しています。*1

 

そこで、今回の依頼です。

 

黒服さんから話は聞いています。現時点であなたが行使できる最大火力を以って、ギガベースを撃滅して頂きたいと思います。

 

なお、今回の作戦では、ユニオンが別ルートで招集した傭兵、ロックスミス、並びにバレンフラワー、以上二名も作戦に参加します。ご留意ください。

 

説明は以上です。

 

ユニオンは、あなたに期待しています。

 


 

作戦決行日、ブラックマーケット内で最も高いビルの屋上。

 

そこで俺は眼下の過剰武装要塞、ギガベースを見下ろしながら一人物思いにふけっていた。何を隠そう、これから行われる作戦についてだ。

 

ハッキリ言って、この依頼には間違いなくウラがある、だろう。

 

このあいだ受けたインテリオル・ユニオンのブリーフィング、俺は交渉ではまだまだ素人もいいところだが、それでも怪しい部分が多すぎた。

 

だいたい…

 

"…GAを咎める姿勢を示しているのが、企業連ではなくユニオン単体であることですか。”

 

(Exactly)

 

そう、そこなのである。

 

GAもユニオンも企業連の一員で、そして企業連の連中は抜け駆けを徹底して許さない。

 

だというのに、ユニオン以外は不気味なほどに静かだ。

 

それに、奴らには戦力がある。未だ外部に漏れていない戦力が。

 

企業連お抱えの傭兵集団『カラード』と、そこの人間に提供しているパワードスーツ。

 

俺以外にパワードスーツを使うなんて酔狂な連中もいたものだ、なんて思っていたが、実はこれが結構侮れない。

 

コロニー・アナトリアのフリーの科学者、故コジマ博士が開発した“ネクスト技術”がふんだんに使われている。

 

俺の頭に無理やり詰め込まれたものとは完全に別系統の技術だが、なんとなく不健全なものだというのは理解できる。

 

過去の論文を見ると、そもそもこの技術を扱うだけでも適性が必要で、それを持ちえない者は簡単に死に至ることが書かれていた。何が“ネクスト(次世代)”だ、笑わせてくれる。

 

 

…いや、コーラルもあまり変わらないな。

 

 

そして、噂ではとある生徒の神秘の特性をもとに生まれた技術であり、研究は極めて非人道的であったとされているが、詳細は分からない。

 

どうやってその技術を手に入れたか知らんが、基本的に馴れ合いを好まない奴らが“企業連”なんて組織まで作って独占しているのだ。相当厄介なものに違いない。

 

そんなことどうやって知ったのかって?………俺のサポーターは優秀なんだ。

 

とにかく、そんな兵力があって、まして今回は身内での話なのだから、俺みたいなペーペーの傭兵なんぞ使ってくれる道理はないはずなんだ。

 

それこそ戦力ならば、べリウスのブラックマーケット解放戦線か、“ラインアーク”でも焚きつければよかったのに…

 

"…レイヴン、間もなく作戦開始時刻です。続きは、掃除が終わってからにしましょう。”

 

おっと、いかんいかん。すっかり本命を失念するところだった。

 

作戦開始の合図に間に合うように、俺はペンダントに意識を集中させる。

 

「メインシステム、戦闘モード起動。」

 

この一言で、俺のアセンブリ・スーツは瞬く間に展開し、その身に力を滾らせる。

 

それと同時に、開戦の狼煙が…無線に作戦開始の合図が流れた。

 

MAIN SYSTEM

ACTIVATING COMBAT MODE

 


 

作戦開始。

 

このミッションでの俺の役割は、ズバリ陽動。

 

俺の装備の破壊力を活かして、ギガベースのガワをめちゃくちゃにする。なるべく派手に。

 

その隙に、ロックスミスとバレンフラワー…もといフロイトとオキーフ、この二人が内部に忍び込んで内側を引っ掻き回す。

 

なんだかよく知った名前の二人がいるのに結構驚いたが、その話はあとでいいだろう。

 

まずは武装を一切装備せず、速度限界までアサルトブーストで加速して接近する。

 

近づきながら、おニューの左目でフルスキャン。これが何かと便利である。

 

目標には、ミサイル砲台やら機銃やら戦車砲やらがたくさん積まれていた。怖いねェ。

 

まずはこれを叩き、誘爆させることで損害を大きくさせるのが一番いいだろう。

 

Assembly(アセン)

 

両手にハンドミサイル、両肩に12連垂直ミサイルを装備して、マルチロックで一斉掃射。俺に打ち込んでくる前にぶっ壊す。

 

ミサイルが着弾する前に両手両肩をグレネードに持ち替えて、一箇所を狙って叩き込む。

 

元々、直撃すれば一撃でACをスタッガーさせられる威力の爆発。さすがに耐えられず、装甲に穴が開いた。

 

さて、引き続きギガベースをハチの巣にしていきますかっと…ん?

 

"ッ!? レイヴン、回避を!”

 

空いた風穴から高出力レーザーが飛んできたのを、すんでのところで回避する。

 

それに続いて、ギガベース内部から二足歩行型の兵器が飛び出してきた。

 

…なんかACに似てる。

 

"不明機体の識別が割れました。片方がGA社のGAN-01-SUNSHINE-L、もう一方がローゼンタールのTYPE-LANCELです!”

 

襲い掛かる二体の波状攻撃を避けながら、俺は考える。

 

(さしずめ俺の脅威度測定、そして新兵器のテストってところか…。ローゼンタールが一枚噛んでるってことは、企業連はグルだと考えていいな。)

 

どうやら俺は試されていたらしい。

 

そう考えると腹が立ってきたので、この二体はスクラップにしようと思う。

 


記録文書:アイランド・フォーの動乱

ブラックマーケットで起こった事件の記録。


 

GA社の重武装要塞『ギガベース』の建設に起因する、ブラックマーケット第四区画での一連の騒動の総称。

 

特にギガベース撃破作戦では、ロックスミスとバレンフラワーという二名の傭兵が大きな戦果をあげている。

 

GA社の軍事行動で死者が発生した()()が持たれており、現在GA社に対する強制監査案が立案されている。可決されればレイレナード、アクアビットに続く強制監査となる。

 

なお、ギガベース撃破作戦において、屋外でギガベースに対して攻撃を行う()()()()()()及び未確認兵器の目撃情報があるが、詳細は不明。

*1
ブラックマーケットは“学園”じゃないのに加え企業絡みの複雑さからSRTと封鎖機構は動かせなかった




急に生えるfA要素、でもほぼ名前だけ
カラードは水没王子とジェラルドしか出す予定ナシ
ホワグリは絶対出す





殺人に連邦生徒会が鈍いのは、上手いことやったから。
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