冬木アクターズ・ラプソディ ~観光に来た演劇バカの女子大生、うっかり龍之介を轢いてしまったので、キャスターの「ジャンヌ役」として聖杯戦争を完遂します~   作:斉宮 柴野

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爆弾は爆発しなかった。
代わりに、運命が破裂した。


解除

「さてさて……帰ってきました我が借宿!!アインツベルン城でのロケも無事に終わったし、セイバーちゃんへの指導も済んだし、あとは……」

 

前髪を直す。メイクは崩れていない。戦闘の後だというのに、肌はツヤツヤだ。アドレナリンが出ている証拠ね。

 

「でもでも!綺礼さんが来てくれると私は思うのよ!あんなに情熱的に私を見つめていたもの。あのアサ子ちゃんが伝えてくれたなら、脈はあるはず!だって、わざわざ私の居場所を突き止めて、スタッフを派遣してくれていたんだもの。これって、もう『気になって仕方がない』ってことでしょう?」

 

私の言葉で救われた彼の、あの晴れやかな笑顔。……まあ、笑顔っていうか、不敵な笑みだったけど、男性の照れ隠しなんてあんなものよ。

 

 

【冬木教会・礼拝堂】

 

 

「主よ。報告いたします。ジャンヌ・ダルクは……真の聖女でございますな」

 

「うん??どうしたのだ。脈絡もなく」

 

綺礼が目を開ける。その瞳は、以前のような泥のような濁りはない。獲物を狙う猛禽類のような、鋭い光を宿している。

 

「ジャンヌ・ダルクの監視を続けておりましたが、アインツベルンの城にてモルガンと交戦。キャスターに宝具をダブルクラスで発動させつつ、自らも宝具を発動し、撃退しました。その手腕、そのカリスマ……まさに怪物。いえ、聖女と呼ぶに相応しい器です」

 

「凄まじいな……。あのセイバーと互角以上に渡り合うとは。で?」

 

彼の興味は、戦闘能力よりも、もっと別のところにあるようだ。

 

「我らの隠形も容易く見破られましたが、害されることはなく……。むしろ、我々を労い、あまつさえ次回公演への招待状まで……。そして。『冬木ハイアットホテルにいるのでぜひ招待したい』と仰せでした。スイートルームで待っている、と」

 

「…………そうか」

 

(主の目が……死んだ魚のような目から、少し光が宿ったように見える。やはり嬉しそうに見える……。あの無機質な言峰綺礼が、女の誘いに乗るだと?……いや、主はジャンヌ・ダルクに惚れているのは間違いないようだ。彼女の歪みと、主の歪み。惹かれ合うのは必然か)

 

「いかがなさいますか。罠の可能性もありますが」

 

「無論、行く。彼女が私を呼んでいるのだ。その『問い』に答えねばなるまい。仕事は怠るなよ」

 

綺礼は立ち上がり、黒いコートを翻す。その背中は、恋に急ぐ男のそれだった。

 

【回想終了】

 

「ふふふ……。やっぱりね!」

 

…なんか「気になるもの」が見えるわ……。悪意?正義??甘さ??……

 

「恋の駆け引き、開幕ってことかしら!受けて立つわ、言峰綺礼!貴方のその頑なな心を、私の聖なる愛でこじ開けてみせる!」

 

地下駐車場。冷たいコンクリートの壁。微かに漂うガソリンと排気ガスの匂い。静寂。時折、遠くで車のドアが閉まる音が響く。

 

なんてロマンチックな場所なのかしら。ここなら、誰にも見られずに密会ができる。スパイ映画のワンシーンみたい。私はコンクリートの柱に寄りかかり、コツコツとヒールでリズムを刻みながら彼を待つ。カツ、カツ、カツ……。重厚な足音が近づいてくる。正確なリズム。迷いのない歩調。現れたのは、黒い法衣の長身の男。言峰綺礼。彼は静かに、影の中から滲み出るように姿を現した。

 

「お招きに預かり光栄です。聖女よ。それとも……『真樹』と呼んだほうが?」

 

来たわね!綺礼さん!あえて下の名前で呼ぼうとする距離感の詰め方……テクニシャンだわ!「ジャンヌ」という役名ではなく、素の私を見ようとしてくれているのね。でも、今は焦らしてあげる。私は「機嫌がいい女優」モードなの!!!まずは役柄を通して、徐々に距離を縮めるのが大人の作法よ。

 

「今は『ジャンヌ・ダルク』とお呼びなさい。綺礼さん。ここではまだ、舞台の途中ですから」

 

「何事かな?とても機嫌が良さそうに見えるが……。私を呼び出したのは、懺悔の続きか?それとも新たな神学論争か?」

 

彼、私の笑顔に少し戸惑っている?可愛いわね。

 

「いいえ。神学論争も魅力的ですが、今夜はもっと『現実的』で、エキサイティングなショーにご招待しようと思いまして。これを見てください。この地下駐車場で見つけたものです」

 

「……?」

 

そこには。粘土のような白い塊が、無骨な配線と共に柱に巻き付けられていた。一つじゃない。あっちの柱にも。こっちの車の底にも。壁の配電盤の中にも。C4プラスチック爆弾。その数、目視できるだけで数十個。さらに、起爆装置もセットで組み込まれている。ハイブリッド仕様だ。

 

「……なんと。これは……。このような蛮勇を振るう者がいたのですね。ホテルごと吹き飛ばすつもりか……。正気の沙汰ではない」

 

「そ〜ですよ!!昼にあったばかりなのにアグレッシブね!!熱心な演出家がいたものだわ!……ん??もしかしてケイネス先生を狙ったのかしら?彼、最上階を貸し切って要塞化してるし、それを攻略するための『攻城兵器』?」

 

これ、特効用の爆薬よね?どう見てもそうよね?本物の爆弾なんて、テロリストじゃあるまいし、日本で調達できるわけがないもの。

 

きっと、映画撮影用の精巧なプロップだわ。でも、ちょっと量が多すぎない?火薬の量、間違えてない?これ全部起爆したら、ホテルごと吹き飛んで、冬木市の地図が書き換わっちゃうわよ。派手好きにも程があるわ!

 

切嗣さんってば、私の「派手に行こう」っていうアドバイスを真に受けすぎちゃったのかしら。極端なんだから。

 

「誰の仕業かは見当がつきますが……。ここまでやるとは」

 

彼もまた、この過剰演出に呆れているようだ。

 

「そうです。私はジャンヌ・ダルクとして、この不義には鉄槌……いえ……この旗をぶちかますことを以て応じなければなりません。お客様を巻き込むような演出は、私の美学に反しますから。撤去します。というか、無効化します。でも、一人じゃ手が足りないの。広すぎるから」

 

「綺礼さんには、お手伝いと見届けをお願いしたい。貴方の『代行者』としてのスキル、ここでお借りしても?」

 

「……私に、爆弾処理を手伝えと?」

 

「共同作業ですよ。初めての。……その後で……ゆっくり二人の愛を語り合いましょう。スイートルームの冷蔵庫に、いいワインがあるんです」

 

(……愛とは……神への愛、あるいは人類愛のことか。私に言うということは暗喩か。『この危機を救うことこそが愛の実践である』という聖女なりの教え……?)

 

難しく考えすぎよ、綺礼さん。もっとシンプルに、「私と貴方のこれから」についてよ。でも、その真面目なところがキュンとくるわ。

 

「それは魅力的な提案ですね。ぜひお付き合いしましょう。この『悪意』の塊を排除すること……それもまた、私の求道の一環となりうるかもしれん」

 

きゃー!!綺礼さんやっぱり私を好きになったのね!亡き奥さんを振り切って、私の伴侶になりたいと!!爆弾処理なんて危険なデート、普通なら断るわよ。

 

それを「魅力的」だなんて。吊り橋効果を狙ってるのかしら?策士ね!でもでもどうしましょう!?ジルも捨てがたいわ!彼も私を一途に愛してくれているし、何より大劇団へのパイプや、私を全肯定してくれるパトロンとしての魅力がある。

 

綺礼さんは精神的な支柱、ジルは経済的な支柱……。……年齢的に綺礼さんが夫で、ジルは愛人で納得させられないかしら??一妻多夫制?いや、それは日本の法律が許さないか。でも、私は聖女。神の法の下では、愛の形は自由なはず……!

 

「では、行きましょうか。綺礼さん」

 

「……了解した。貴女の運命力に委ねよう」

 

 

 

◇◇

 

 

 

館内には非常ベルがけたたましく鳴り響き、パトカーや消防車のサイレンが遠くから近づいてくるのが見える。

 

宿泊客たちが、パジャマ姿のままエントランスから吐き出され、避難していく様子が豆粒のように見える。

 

その光景を、冷徹な目で見下ろしている男が一人。衛宮切嗣。彼は夜視スコープ付きのライフルを構え、状況を確認している。

 

「……避難誘導は完了したか。ホテルマンに暗示をかけ、火災報知器を作動させ、ケイネスたちは避難したと告げた。だが、魔術師の彼らが素直に逃げるとは思えない。プライドの高いロードのことだ、結界を張って籠城しているはずだ」

 

相変わらず用意周到ね。一般人を巻き込まないように配慮するあたり、やっぱり根は「正義の味方」なんだわ。甘い。甘すぎるわ、切嗣さん。

 

「この高さから垂直落下して生き残ることは、どのような魔術礼装でも不可能……。物理的な圧壊と、爆発の熱量。さらばだ、ロード・エルメロイ」

 

…………シーン。

 

何も起きない。ドカーン!という爆発音も、ガラガラガラ!という崩落音も。ホテルが火柱を上げて崩れ落ちるスペクタクルな映像も。何ひとつ起きない。ホテルはただ静かに、美しい夜景の一部としてそこに佇んでいるだけ。

 

「……なに?故障か……?いや、通電反応は……」

 

ピピピピピ……切嗣さんの背後で、聞き慣れない電子音が鳴る。彼は弾かれたように振り返る。

 

「目当てのものは、これかしら??」

 

私の腕の中には、大量の黒い箱――受信機が、まるで花束のように抱えられている。その数、30個以上。綺礼さんと二人で、地下駐車場を這いずり回って回収した戦利品だ。

 

重かったわよ、これ。ここぞ名シーンよ!!爆弾から外しておいた遠隔起爆装置を、犯人の目の前で見せびらかしてやったわ!!「小道具さん、忘れ物よ」ってね!ドヤ顔が決まった瞬間。

 

「ジャンヌ・ダルク……!またお前か!!」

 

「なぜ!??なぜここが……なぜ計画が……!僕の計算では完璧だったはずだ!起爆回路の隠蔽も、ダミーの配置も!!」

 

「調査不足ね。リサーチが甘いわ。私もあそこに泊まっているのよ。808号室、スイートルームにね。自分の楽屋の足元に火薬を仕掛けられて、気づかない女優はいません。私の安眠を妨害するものは、全て排除します。それが主演女優の特権よ」

 

「言峰………綺礼!!!!貴様まで……!聖堂教会がサーヴァントと結託して、僕の邪魔をするのか!!」

 

「衛宮切嗣……。かつて私は、貴様という男に興味を抱いていた。貴様の中に、私と同じ『虚無』があるのではないかと。あれほど焦がれた貴様との邂逅だが……私にはもはや価値もない。貴様はただのテロリストだ。美学なき破壊者だ。私の『道』とは交わらない」

 

切嗣さん、フラれたわね。綺礼さんの中で、切嗣さんは「運命の相手」から「ただの迷惑な人」にランクダウンしたみたい。これも私の影響の成果かしら?

 

その時、切嗣のインカムに通信が入る。微かに漏れ聞こえる、切羽詰まった女性の声。

 

『切嗣!作戦失敗!こちら、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトに攻撃を受け……!くっ!月霊髄液が……!退路を……!』

 

「舞弥!撤退しろ!!ケイネスが生きて反撃に出ているだと……!?爆破の失敗を悟って、即座に迎撃に転じたのか!?」

 

彼のシナリオは、完全に破綻した。ケイネス先生は生きている…まあ私が教えた。しかも、めっちゃ怒ってるはずだ。「私の城を爆破しようとしたな!」って。鬼の形相で舞弥さんを追いかけている図が浮かぶ。

 

「……全ては、貴様の手のひらの上か??ジャンヌ・ダルク……」

 

買いかぶりすぎよ。

 

「まさか!私は綺礼さんと夜のデートに出ただけですよ??たまたま爆弾を見つけたから、愛の共同作業でお掃除しただけ。貴方の計画なんて知りません」

 

嘘じゃないもん。……それにしても。一つだけ、演出家として納得いかないことがあるわ。

 

「なんで客を避難させたんですか??」

 

「なんだと?一般人を巻き込まないのは当然だろ」

 

「甘い!甘すぎるわ!!避難させないほうが、最高にいい舞台じゃないですか!?崩れ落ちる床、天井!逃げ惑う群衆!悲鳴!絶叫!迫りくる死に抗えない者たち……実にスペクタクル!!パニック映画の傑作が撮れたのに!『タワーリング・インフェルノ』を超える名作になったかもしれないのに!!貴方、予算をケチりましたね!?」

 

切嗣さんが絶句する。「こいつ、マジか……」という顔をしている。

 

そうよ、私はマジよ。エンターテインメントのためなら、倫理観なんてドブに捨てる覚悟があるの。

 

「……それは許容できませんよ、聖女。正義にも悖ります。無辜の民を巻き込むなど、貴女の美学に反するはずだ。貴女は救う者であって、滅ぼす者ではない。……そうでしょう?」

 

でも、私は知っている。彼の本性が、私の提案にどれほど心惹かれているかを。「本当は見たいくせに!」「人の不幸で飯がうまいくせに!」でも、彼はそれを「我慢」している。

 

「正義の味方ごっこ」を貫くために、必死に自分の欲望を抑え込んでいる。ああ!私の提案に魅力を感じながら、我慢してそう応える貴方!!綺礼!!最高ね!!!その禁欲的な姿勢、濡れちゃう!!

 

サディストがマゾヒストの仮面を被って、必死に善人を演じている。なんて歪で、なんて美しいの!

 

「悪徳を愛する者が正義を謳い、正義を志す者が悪逆の徒に堕ちる……か。まさに舞台!配役の妙ね!貴方のその『我慢顔』、ゾクゾクするわ!綺礼さん、貴方は最高のパートナーよ。私の暴走を、貴方の『理性』で止めてちょうだい」

 

彼の首に腕を回す。見せつけるように。

 

切嗣さんに向かって、「彼、私のモノだから」とアピールするように。

 

綺礼は、私の抱擁を拒まなかった。それどころか、太い腕を私の腰に回し、しっかりと抱き寄せた。

 

やったーー!!腰抱いてくれた!!公認カップル誕生!!週刊誌に撮られたら一面トップ間違いなしのスクープよ!「聖女&神父、禁断の屋上ハグ!」

 

(聖女が私を支えてくれている……。私の内なる獣が暴れ出しそうになるのを、彼女の体温が鎮めてくれる。この温もりは、私の迷いを断つための支柱か。あるいは、共に修羅の道を歩む誓いか)

 

「お前たちに……繋がりなど……」

 

理解を超えたカップル成立の瞬間に、脳処理が追いついていないようだ。

 

「今朝初めて会ったからね。一目惚れってやつ?運命よ」

 

ここで決めポーズが必要ね。聖女としての、威厳ある姿を。

 

「変身!!」

 

ブォン!!

 

力が弾ける。私の私服が光に包まれ、瞬時に換装される。銀の胸当て。蒼いスカート。腰には聖剣。手には旗。真樹、ここでジャンヌ・ダルクの鎧を装着!!

 

綺礼さんへのアピールも完璧よ。「戦う聖女」と「守護する神父」。絵になるわ〜。さあ、切嗣さん。この完璧なカップルを前に、貴方はどうする?

 

 

 

◇◇

 

 

 

「衛宮切嗣さん。貴方は何に追われてこのような凶行を行うのですか?ホテル一棟を吹き飛ばすなんて、予算の無駄遣いにも程がありますよ。主のもとに懺悔なさい。今なら特別に、私が聞いて差し上げてもよろしくてよ?」

 

「悪のテロリストを追い詰める正義のヒーローとヒロイン」の画だ。

 

「幸い、ここにいるのは聖職者のみだ。聞いてやろう。迷える魂の救済もまた、代行者の務めゆえ」

 

ジャキッ。

 

綺礼さんが法衣の下から『黒鍵』を抜く。刃渡り1メートル近い、投擲用の剣。それを指の間に挟んで構える姿は、まさに処刑人。

 

いいノリよ!綺礼さん!!「聖職者のみ」って、私のこともカウントしてくれてるのね!嬉しいわ。やっぱり私の相手役は貴方しかいないわ!阿吽の呼吸ってやつね。リハーサルなしでここまで合わせられるなんて、運命を感じずにはいられない。

 

「くっ……!キャスターはどうした?」

 

そうよね。私がここにいるってことは、私のサーヴァントであるジルも近くにいると警戒するのが普通だもの。でも残念。彼は今、別の現場でアルバイト中よ。

 

「心配ですからケイネス先生のところにいますよ。私、あの方にも恩を売っておきたくて」

 

「……なに?」

 

「ソラウさんはディルムッドさんが護衛していますからね。今はジルが、先生の専属ボディガードです。『我が聖女が、貴殿を守れと仰せだ!』って、頼まれてもいないのに押しかけてますよ、きっと」

 

想像できるわ。あの堅物なケイネス先生が、テンションの高いジルに絡まれて困惑している姿が。「ええい、離せ!私は一人で大丈夫だ!」とか言いながら、結局ジルに守られている図。微笑ましいわね。

 

「参ったな……」

 

舞弥さんの安否を気遣っているのね。大丈夫よ、ジルは女性には優しいんだから。……たぶん。切嗣さんが呟く。諦めの言葉?いいえ、違う。彼の目は死んでいない。窮鼠猫を噛む、あるいは追い詰められた獣の目だ。

 

ダダダダダダッ!!!

 

突然、乾いた発砲音が夜気を切り裂く。切嗣さんがコートの下からサブマシンガンを取り出し、躊躇なく乱射してきたのだ。警告もなしに!

 

いきなり実弾!?危ないじゃない!私の衣装に穴が開いたらどうするの!

 

「きゃっ!」

 

いや、驚いたのは本当だけど、声が出遅れたわ。女優失格ね。でも、避ける必要はなかった。だって。

 

ガギンッ!ガガガッ!!キンッ!!

 

綺礼さんが一歩前に出て、その手に持った黒鍵を振るったのだ。見えないほどの速さで。弾丸が弾かれる。切断される。叩き落とされる。毎分数百発という発射速度を誇るサブマシンガンの弾幕を、彼は涼しい顔をして「剣」で迎撃しきったのだ。

 

なんかいきなり撃ってきたんだけど!しかも綺礼さんがいきなり剣を抜いて……全部弾いた!嘘でしょ!?キャリコを弾けるなんて素敵!!人間離れしてる!!ジェダイの騎士!?それともサイボーグ忍者!?どっちにしてもかっこよすぎるわ!

 

「我が聖女に手出しはさせん……。貴様の行いは正義には程遠い……。主の名のもとに成敗してやろう」

 

その背中が、以前よりも大きく、頼もしく見える。守られてる……!私、今、守られてるわ!ヒロインポイント爆上がりよ!

 

「正義だと……!」

 

驚愕の眼差しを綺礼さんに向ける。彼が知る情報の言峰綺礼とは、別人のように生気に満ちているからだ。

 

以前の彼なら、こんなふうに他人を守るために動いたりしなかったでしょうね。そうよ、私が変えたの。彼の中の「空虚」を、「我慢する変態という美学」で埋めてあげたの。感謝してよね。

 

「これこそ愛!!愛し愛される私は!!この舞台の主演!!今、最高に輝いている!!!」

 

 

「切嗣さん……貴方の『底』も見せて下さい。壊れた機械としての機能美ではなく、人間としての足掻きを!それでこそ……この舞台で踊るに相応しいか、私が裁定しましょう。さあ、ダンスの時間ですよ!!」

 

なんでもござれよ。私の「眼」が、貴方の奥の手を全て解析し、エンタメに昇華してあげるから。




聖女は舞台を壊さない。
だが脚本は書き換える。




【挿絵表示】

この物語の行きつく先、ZEROのあとは

  • stay nightは見たいよね。
  • hollow ataraxiaが良いな
  • Apocrypha世界へ出張
  • Grand Order発令‼
  • Samurai Remnantは演技
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