冬木アクターズ・ラプソディ ~観光に来た演劇バカの女子大生、うっかり龍之介を轢いてしまったので、キャスターの「ジャンヌ役」として聖杯戦争を完遂します~ 作:斉宮 柴野
・願いは叶う前に査定されます。
・統合はだいたい事故ります。
・本物が一瞬だけ出てきます。
「さあ! どんどん行くわよ!」
二流席のパイプ椅子に座る、私の相棒へとマイクを向ける。
「次はキャスター陣営! つまり私たちのところよ! ジル! 貴方がこの聖杯にかける願いは……まあ、私は大体知っているけど、番組の進行上、皆の前で堂々と発表してちょうだい!」
私に向かって、中世の騎士の作法に則った、美しく、そして深く、完璧な一礼をして見せたのだ。
そこに、かつて私と最初に出会った時の、あの血走ったギョロ目や、狂気に侵された連続殺人鬼としての面影は、微塵も存在しない。
あるのは、フランス王室に仕え、救国の聖女と共に戦場を駆け抜けた、フランス元帥としての気高き威風と、静謐な誇りだけだった。
「私がこの聖杯の声に従い、この冬木の地に降り立った目的……」
ジルの声は、大広間の空気をピンと張り詰めさせるほどに、深く、澄み切っていた。
「それは、神に裏切られ、火刑台の炎に焼かれた聖処女、ジャンヌ・ダルクの復活であります。マキ殿」
「そうね」
「私を警察署で最初に見つけた時から、貴方の中の狂気は、ずっとそう叫んでいたものね」
「はい」
「私は彼女の死を受け入れられず、彼女を奪い去った神を憎み、世界を呪い、ただ彼女の復活という一点のみを渇望して、血の海を渡り、狂気に身をやつしました。……しかし、この3日間」
ジルは、顔を上げ、スタジオのギラギラとした照明を、眩しそうに、けれど愛おしそうに見上げた。
「マキ殿。貴女と共に、この奇妙で、カオスで、そして狂気に満ちた舞台(聖杯戦争)を駆け抜けるなかで、私はようやく、自分自身の本当の心に気づいたのです」
自らの胸に両手を当て、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「私が本当に欲したもの……。それは、奇跡による過去の改竄でも、神への復讐でもありませんでした。私の結末が、いかに恥辱と憎悪に染められ、後世の歴史でどんなに貶められたとしても。ジャンヌと共にオルレアンを駆け抜けたあの日の記憶は、過ぎし日の栄光だけは、私のこの胸の内に確かに刻まれていたのです。いかなる神にも、理不尽な運命にも決して奪えない、穢されることのない、あの白銀の光だけは──私の中に、ずっとあったのだと」
狂気に支配されていた彼が、自らの罪と悲劇の歴史を受け入れ、その上で、かつての美しい記憶(光)を自分自身の内側に見出した瞬間。
「……それは、私と共にいて果たせるものなの?」
等身大の、ただの女子大生として、彼に真っ直ぐに尋ねた。
「私は『ジャンヌ・ダルクの役』を演じているけれど、貴方の愛した『本物のジャンヌ・ダルク』ではないかもしれないわ。私は……ただの、お芝居が好きなだけの、人を騙すのが得意な、我儘な小娘よ?」
彼が追い求めている光が「本物のジャンヌ」であるなら、私は彼の願いを永遠に叶えることはできない。私と一緒にいても、彼はただの幻想を抱き続けるだけになってしまうからだ。
「いいえ」
私のすぐ目の前で、再び深く片膝をついた。
彼の大きな手が、マイクを握る私の手を、そっと包み込む。
「私にとって、貴女は間違いなく、私の愛したジャンヌ・ダルクであります」
「姿形が違うとか、魂が違うとか、そのような瑣末な問題はどうでもいいのです。貴女が持つ、その底抜けの明るさ、どんな狂気をも飲み込んで笑い飛ばす圧倒的な肯定力。その魂の形を……私は何よりも得難いものと感じています。その真白い光、清浄さを……誰あろう、貴女にこそ感じるのです。聖上真樹……貴女は、私の愛すべき、最高のマスターだ」
それは、彼が「過去の幻影(本物のジャンヌ)」への執着を完全に捨て去り、目の前にいる『真樹』という一人の人間を、己の新たな主(光)として、心の底から認めた瞬間だった。
「……………」
私自身の魂の本質を「光」だと言って肯定してくれた。詐称者(プリテンダー)の私にとって、これほど救われる言葉が他にあるだろうか。
「……わかったわ。ありがとう、ジル」
「じゃあ改めて聞くわね。過去への執着を捨てた貴方は、今、この万能の願望機(聖杯)に何を願いますか? 元帥」
ジルは、片膝をついたまま、少しだけ恥ずかしそうに頬を掻いて答えた。
「そうですね……。まずは、私が狂気の時代に手に掛けてしまった、数多の子供たちの魂への、心からの鎮魂と贖罪を。そして……」
「私が、貴女の人生という舞台の終着(フィナーレ)まで共に歩くための、確かな『肉体』を願います。……貴女の主宰する劇団でお芝居をするというのも、我が人生の第二幕としては、なかなか面白いかもしれませんな」
彼らしからぬ、とってもポジティブで前向きな「受肉して就職希望」
「ふふっ……! あはははは!!」
私は、堪えきれずに吹き出し、大笑いしてしまう。
「あなたなら大歓迎よ! 私の劇団の、一番の役者(スタァ)にしてあげるわ! 狂気の殺人鬼から、悲劇の元帥まで、どんな役でもこなせる名優なんだから! 貴方のための最高のセリフ、私が徹夜してでも書いてあげるんだからね!」
私がジルの提案に全力で乗っかると、ジルもまた「おおお! それは楽しみですぞ!」と、まるで子供のように顔を輝かせて喜んでいる。
私とジルが、レッドカーペットの上で手を取り合って笑い合っていた、まさにその時。
『………………少しだけ、お願いします。マキ』
え???
また!? ちょっと、待ってよ! 今すごくいいところ(感動のクライマックス)なんだけど!?
私が脳内で抗議する間もなく。
フッと、私の意識が……深い海の底に沈み込むように、急激に遠のいていく……。
――ふわり、と。
「ジル…………」
私の口から紡がれたのは、私の声帯を使いながらも、私自身の声ではない。
その響き、その慈愛に満ちた眼差しは、ジルがかつて命を懸けて守り抜きたかった、あのフランスの聖処女、本物のジャンヌ・ダルクそのものだった。
「ジャ……ジャンヌ……!?」
「ああ……ああああ……!幻ではない、私の魂が理解している……!貴女なのですね……!!本物の、我が聖女……!!」
「ジル。……貴方に生前、どうしても伝え忘れていたことがありました」
本物のジャンヌ・ダルク(に意識を明け渡している私)は、ゆっくりと彼に歩み寄り、彼が空中で止めていたその大きく武骨な手に、私の両手をそっと重ねた。
火刑台の炎に焼かれる前、冷たい異端審問の牢獄の中で、彼女がずっと、ずっと後悔していた、たった一つの心残り。
共に戦った最高の戦友に、最期の言葉をかけられなかったこと。
それを伝えるためだけに、彼女は私の心(魔術回路)を借りて、数百年越しの言葉を紡ぐ。
「私は……貴方と共に戦えて、本当に幸せでしたよ」
「私の誇り高き、最高の戦友。フランスの元帥、ジル・ド・レ」
「――――――――!!!」
神に見捨てられたと呪い、絶望の底に落ちた日。
血と汚泥にまみれて、悪逆の限りを尽くした何百という夜。
彼が抱え続けてきた、そのすべての罪と悲しみ、そして自己嫌悪が。
彼女の、たった一言の言葉によって、白百合の香りと共に、完全に浄化されていく。
「ジャ、ジャンヌ……っ。あぁぁぁぁぁ……っ」
ジルは、もはや言葉を紡ぐこともできず、子供のように両手で顔を覆い、レッドカーペットの上に突っ伏して、ボロボロと声を出して泣き崩れた。
「私もです……!! 私もです、ジャンヌぅぅぅっ!!! 貴女の御旗の下で剣を振るった日々こそが、我が人生のすべて!! 最高の誇りにございますぅぅぅ!!」
何百年もの時を超えて果たされた、救国の聖女と、狂気の元帥の、本当の意味での和解と別れの儀式。
「ああ……。我が魂は……今度こそ……」
「我………満ちたり…………」
その瞬間。
ジルの身体の輪郭が、淡い、金色の光の粒子を放ち始めたのだ。
足元から少しずつ、彼の身体が半透明に透け始めている。
それは、サーヴァントとしての現世への未練が完全に無くなり、自らの意思で英霊の座へ還ろうとする「究極の昇華(成仏)」の光だった。
ハッ!!!
私の意識が、急激に現実(自分の肉体)へと引き戻される。
ジャンヌの思念が満足して去り、私が主導権を取り戻した瞬間、目の前で光の粒子となって消えかかっているジルの姿が視界に飛び込んできた。
「ちょっと待ったぁぁぁぁぁ!!!!」
私は、レッドカーペットを蹴り飛ばす勢いでダイブし、半透明になりかけているジルの腰に、プロレスラーのタックルのように激しくしがみついた。
「消えないでジル!! 満足して勝手に成仏しようとしないで!!」
「さっき『受肉して私の劇団に入る』って、固い約束を交わしたばっかりじゃない!! 何が『我満ちたり』よ! 主演男優がクランクアップの前に一人で勝手に帰るとか、完全なる契約違反(ドタキャン)よ!! 私を置いていかないで!!」
昇華の光に包まれてうっとりとしていたジルが、ハッと我に返る。
「ハッ!? おおお、マキ殿!!」
ジルが、自分の身体が透け始めていることに気づき、慌てて両手をバタバタと振り回す。
「いかんいかん!! あまりの至福と感動の波に飲まれて、無意識のうちに座に帰りそうになっておりました!! このままでは劇団のオーディションをすっぽかすところでしたぞ!!」
足元から徐々に消えかけていた光の粒子が、シュルシュルと彼の体内へと戻り、再び実体を持ったフランス元帥の姿がレッドカーペットの上に完全復活した。
「はぁ、はぁ……。危ないところでしたな、マキ殿。貴女のダイビングタックルがなければ、今頃私は天国でジャンヌと歓談しているところでした」
ジルが、額の冷や汗を拭いながら、安堵のため息をつく。
「もう! びっくりさせないでよね! 感動の成仏シーンなんて、私の番組じゃ絶対に許可しないんだから!」
私がジルの胸板をポカポカと叩くと、ジルは「ガハハハ!」と豪快に笑って私の頭を撫でてくれた。
感動的な成仏のシーンは、私の執念(バラエティのノリ)によって、ギリギリのところで阻止されたのだった。
ああ、よかった。これで私の劇団の主演男優は確保できたわね!
◇◇
「ジル!いいこと!?成仏(クランクアップ)は私が許可を出すまで絶対におあずけだからね!しっかり現世に定着して、私の劇団の主演男優としてスケジュールを空けておきなさいよ!」
レッドカーペットの上でまだ少しだけ体が透けかかっているジルに向かって、マイク越しに強めの念押し(契約の再確認)をする。
「ハッ! 承知いたしました、マキ殿! この身が朽ち果てるまで、貴女の舞台に立ち続けましょうぞ!」
「……次はアサシン陣営! 百貌のハサン様! 貴女の番よ!」
彼女は、数多の人格を持つ「百貌のハサン」の代表格として私が名付けた、女性人格の『アサ子』さんだ。
黒いタイツのような暗殺者の装束に身を包み、顔には不気味なドクロの仮面を被っている。
「さあ、アサ子さん。貴女がこの聖杯戦争に賭ける、本当の願いは何かしら? どんな血生臭い暗殺の依頼(オーダー)を叶えたいの?」
「……我が願いは、統合された完璧な人格です」
ドクロの仮面の奥から響いてきた声は、私の煽りにも全く動じない、どこまでも平坦で、しかし、底知れぬ深い虚無を抱えたような、ひどく静かな響きだった。
「統合された完璧な人格?」
「それってどういうこと? なぜそんなものを望むの?」
彼女が抱える問題の核心に迫るべく、あえて少し挑発的な(論破モードの)ロジックを展開する。
「いい? 人間なんてね、誰だって自分の中に複数の顔を持っているものよ。家でリラックスしている時の顔、職場で上司にペコペコしている時の顔、恋人の前でデレデレしている時の顔……。みんな、その場その場に合わせて無意識に『役(ペルソナ)』を被って生きているの」
「そのペルソナ(引き出し)の数が多くあるというのは、役者として……いえ、一人の人間として、複雑な世の中を上手く立ち回って生きていくのに、とても『生きやすい』便利なツールなんじゃないの? どうしてわざわざ、それを一つにまとめちゃいたいのよ?」
私の「多重人格肯定論(都合のいい役作り)」のプレゼンに、アサ子さんは静かに首を横に振った。
「……聖女殿。貴女の言うそれは、『芯となる一人の役者(本来の自分)』が確固として存在していて初めて成り立つ理論です」
「我らは、誰でもないのです」
「自分自身が、自分という宇宙の『唯一人の王(主人公)』である。……そんな、他者にとっては息をするように当たり前の事実を、我らは信じることができないのです。百の仮面があり、百の知識があり、百の技能がある。しかし……その百の仮面の下には、肝心の『素顔(私)』が一つも存在しない。我々は、ただ情報とスキルを共有しているだけの、顔のない群れに過ぎないのです」
「自分自身が何者かわからない」それは、世界征服を企むイスカンダルさんや、アルトリアちゃんのような、スケールの大きな英雄たちの野望に比べれば、ささやかで、そして、ひどく人間臭くて切実な祈りだった。
「なるほどね……」
「それはつまり、極度の『自己愛』の欠如の問題ね」
図星を突かれた暗殺者は、隠すことも、誤魔化すこともなく、ただ素直に、コクリと首を縦に振った。
「ええ。私たちは、自分という存在を愛せていないのです」
「己が何者か分からない者を、芯のない空っぽの器を、どうして自分自身で愛せましょうか。だからこそ、私は……私たちは、この聖杯の奇跡をもって、バラバラに散らばった百の魂を一つに編み上げ、確固たる『私』という個人になりたいのです。誰の真似でもない、たった一つの素顔を手に入れて、初めて自分を愛してみたいのです」
「……あのね、アサシンさん」
「貴方は今、こうして私と会話をして、自分の中に素顔がないと悩み、自分を愛せないと悲しんでいるわよね」
「……はい」
「いい? 貴方は『いま』、この瞬間に、私の言葉を聞いて、確かに自分自身の意識を持って、感情を動かしている。それこそが、貴方が『貴方』であるという、何よりの証拠じゃないの?」
「ですが、この私は……あくまで百の群れのうちの一つ、百分の一の破片に過ぎません。全体の意思を代弁しているだけの……」
「破片だろうが、群れの一部だろうが、何だろうが関係ないわ!」
「いま、この瞬間に貴方が感じているその『悲しい』っていう心は、誰のものでもない、本物の感情でしょう? 他の九十九人がどう思っているかなんて関係ない。今ここで私と向き合っている『貴方』の心は、絶対に嘘じゃないわ!」
「いい? よく考えてみて。もし貴方の願い通りに、聖杯の奇跡で百人の魂を強引にミキサーにかけて、一つに『統合』したとして……」
彼女の胸の真ん中を、指先でトンと突く。
「その完成した『完璧な一人』の中に、いまこの瞬間、私と会話して、悩んで、悲しんでいる『貴方(アサ子)』の意識は、そのままの形で残っているの?」
「それは……」
「わからないでしょう? 統合した時にそこに立っているのは、百の知識を持った完璧な暗殺者かもしれないけれど、今の貴方ではない、全く『見知らぬ誰か(新しい人格)』に生まれ変わっているかもしれないわ」
「主観の連続性が途絶えた時、人は自己の生存を疑うものよ。たとえ記憶が引き継がれたとしても、今の『私』の意識が消えてしまったら、それは『私』にとっては死と同じよ。……わかる? 貴方の願う魂の統合は、魂の救済なんかじゃない。今ここにいる、貴方たち百人の個性の『死(完全なる消滅)』を意味しているのよ」
「だから、今ここにいる不完全なお前たちを、お前たち自身で否定するな」という、私の演出家としての、強烈な存在肯定でもあった。
ドクロの仮面の下で、彼女が混乱し、絶望しかけているのがわかる。
「真樹の言う通りだ、アサシン」
「マスター……」
「完全な一つになる必要など、どこにもない」
「お前たちは、お前たちのままでいい。その百の無数の欠落を抱え、自分が何者かわからずに悩み続ける、その醜くも不完全な群れのままで構わんのだ」
「私が先ほど、この世界で全てを守る『正義の味方』になると宣言したのを忘れたか? 私がすべてを救うというのなら、当然、お前たち百人の群れが抱えるその自己否定の苦しみもまた、私が守り、肯定すべき対象の中に入っているのだからな。お前たちが自分を愛せないというのなら、まずは私が、お前たちのその歪な在り方を、正義の名の下に全面的に肯定(愛して)してやろう」
綺礼さんからの、究極のツンデレ(サイコパス流の)愛の救済。
「マスター……あぁ……」
「そうよ! 綺礼さんの言う通りよ!」
「完璧な一人の主役になろうとなんて、しなくていいのよ! 百人もバラバラの役者(人格)がいるなら、統合なんてつまらないことしないで、自分たちの脳内で『劇団』を立ち上げなさいな!」
「げ、劇団……?」
アサ子さんが、私の突拍子もない提案に、ドクロの仮面を傾ける。
「そうよ! 一人の人間の中に、主役も、脇役も、悪役も、裏方も、エキストラも、全部自分たちだけでキャスティングしてこなせるなんて、これ以上ないほど最高のアンサンブル・キャスト(群像劇)じゃない!! ハリウッドの監督が聞いたら、泣いて羨ましがるわよ!」
「自分が何者かわからない? 自分の宇宙の王(主人公)になれない? 上等じゃない! 王様になれないなら、自分の宇宙の『観客』になればいいのよ! 『今日の私はどんな役(人格)かな?』って、客席からいろんな自分のドタバタなお芝居(人生)を、ポップコーンでも食べながら面白おかしく楽しめばいいのよ! それが、貴方たちにしかできない、最高の自己愛の形よ!」
「劇団……アンサンブル……。己が、己の観客に……」
彼女の脳内で、今まで「欠陥」だと思っていた百の分裂した人格たちが、一つの「劇団員」として、新しい役割(居場所)を与えられていくようだった。
「……あぁ……」
無理に一つになるのではなく、百の自分を許容し、それぞれを愛する(楽しむ)ということ。
私と綺礼さんによって、暗殺者の教団に、全く新しい「自己愛(自己肯定)」の形がもたらされた瞬間だった。
「はい、カットぉぉぉ!!!」
「アサシンさんも、これにて無事にクランクアップ(悩み解消)ね! 統合なんかに逃げず、百の個性(劇団)で勝負する覚悟を持てたなら……貴女たちも文句なしの『一流サーヴァント』に特別昇格よ!! おめでとう!!」
『おおおおおおおおっ!!!』
『我らがマスター万歳!!』
『真樹監督、一生ついていきます!!』
特設スタジオの大広間のあちこちの暗がりから、現在霊体化して待機していた残り99人のアサシンたち(骸骨バニーや、筋肉ムキムキの男、子供の姿など様々)の、歓喜のコーラス(野太い雄叫び)が爆発的に鳴り響いた。
さあ、これで残るは。
自分の理想を否定され、マスターに見捨てられ、過去の亡霊と罵られ、ゴザの上で一人ぼっちで俯いている、純白の騎士王。そして臣下たる湖の騎士
この狂乱の宴の最後に、彼女はどんな答え(反逆)を見せてくれるのかしら!?
私の『プリテンダーの舞台』は、いよいよ真のクライマックス(大オチ)へと突入するわよ!!
※ご視聴ありがとうございました。
・救済が二件成立しました。
・成仏は差し止めました。
・暗殺者は百人で一流になりました。
・次は純白の騎士王です(闇担当)
【超重要・展開が変わります】真樹は聖杯にかける願いを…。
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言う
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言わない