冬木アクターズ・ラプソディ ~観光に来た演劇バカの女子大生、うっかり龍之介を轢いてしまったので、キャスターの「ジャンヌ役」として聖杯戦争を完遂します~   作:斉宮 柴野

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※この聖杯戦争では、勝っても終わりません。
・借り物の栄光は却下されます。
・令呪は投資です。
・王は止まりません。


彼方にこそ栄えあり

「おかしい!!ライダー!!話を聞けよ!!!」

 

しかし、彼のその細い声は、神威の車輪が立てる凄まじい轟音と雷鳴、そして周囲で激突を繰り返す臣下たちの鬨の声に完全に掻き消され、イスカンダルの耳には全く届いていなかった。

 

「うおおおおおおお!!!!蹴散らせぇ!!我らの覇道は止まらんぞ!!」

 

イスカンダルは、手綱を握る両手に力を込め、完全に戦闘の快楽に酔いしれていた。

敵の血飛沫(砂漠の砂)を浴びながら、絶え間なく湧き出る無尽蔵の敵軍を、自慢の軍勢と共に圧倒的な力で粉砕していく爽快感。

 

それは、ビーストⅤである真樹が、イスカンダルという英霊の闘争本能を極限まで刺激し、思考を麻痺させるために用意した、究極の魅了(ドラッグ)だった。

 

「おい!!!!ライダー!!!!!ライダーってば!!!!!」

 

ウェイバーが、イスカンダルのマントの裾を力任せに引っ張るが、ビクともしない。

 

(……ダメだ。完全に自分の世界に入り込んでる。全く聞こえていない)

 

プトレマイオスの光の雨が降り注ぎ、ヘファスティオンの戦車が敵陣をすり潰す。

味方は無敵。敵は無限。魔力は無尽蔵。

 

(どうすればいい??このままじゃ、ダメだ)

 

今は無限に魔力が供給されているように錯覚させられているが、それは特異点のシステムが彼らの感情の爆発をエネルギーに変換しているからに過ぎない。

 

このまま、永遠に終わらない「最高に気持ちの良い戦い」の中で無双を続ければ、いずれ彼らの魂(存在の核)そのものがすり減り、最後には空っぽになって死んでしまう。

 

(どうすれば…………。どうすれば、この熱狂の渦から、アイツの意識を現実(こっち)に引き戻せる?)

 

大声で叫んでもダメ。物理的に引っ張ってもダメ。

彼の魂の根底に訴えかけるような、強烈な刺激が必要だ。

 

(そうだ!!!)

 

(彼に僕の声を届かせる、たった一つの方法……!!アイツが、絶対に無視できない状況を、僕自身で作るしかない!)

 

ウェイバーは、意を決し、大きく息を吸い込んだ。

そして。

猛スピードで疾走し、激しく揺れる戦車の縁に、躊躇うことなく足をかけたのだ。

 

「いい加減に、僕の話を聞けえええええええええええ!!!!!」

 

――ヒュンッ!

 

ウェイバー・ベルベットは、自らの意思で、時速数百キロという凄まじい速度で爆走する戦車の荷台から、宙空へとダイブした。

 

このままの速度で硬い砂漠の地面に叩きつけられれば、ただの三流魔術師の肉体など、一瞬でミンチになって木端微塵に砕け散る。

 

「!!!坊主!?」

 

その瞬間。

御者台に立っていたイスカンダルの意識が、強制的に現実に引き戻された。

 

背後から、ずっと自分にしがみついていたマスターの気配と、その重みが、唐突に消失したからだ。

 

「バカな真似を!!!」

 

イスカンダルは、咄嗟に手綱を限界まで強く引き、神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)を急反転させた。

 

――ドスッ!!

 

ウェイバーの身体が、地面に激突して肉塊に変わる、その数センチ手前。

 

イスカンダルの丸太のように太い腕が、空中でウェイバーの体をガッシリと、しかし優しく抱きとめた。

 

「馬鹿者が!!」

 

「自ら死に急ぐ奴があるか!!一体どうしたと言うのだ!?敵の精神攻撃でも受けたか!?」

 

「ゲホッ、ゴホッ……!」

 

「……おかしいって、ずっと言ってるんだよ。周りも、自分も、よく見てみろよ、この筋肉ダルマ!」

 

「宝具は使い放題、僕の魔力切れも全くなし。お前の魔力炉心も全く熱を持たない。それなのに、敵はいくら倒しても一向に減りもしない!」

 

「あの黒い巨人、ダレイオスなんて、よく見ろよ。ずっと向こうの方の砂丘の上で、ただ『イスカンダル!』って叫んでるだけだぞ。一歩もこっちに近づいてきてないじゃないか!」

 

「む……?」

 

確かに、ダレイオスは先ほどから全く同じ場所で、全く同じモーションで叫び続けているだけで、戦線に参加してくる気配がない。

 

「あんなの、お前の知ってる、命のやり取りをする本物の戦争じゃないだろ!」

 

「これは、僕たちを気持ちよくさせて、永遠に蹂躙し続けるように仕組まれた、あの演出家(ビースト)の作った『地獄(クソゲー)』なんだよ!」

 

「地獄、だと?」

 

「だから僕は、命懸けでお前を止めたんだ。このまま熱狂に流されてたら、お前はただの、無限の敵を倒し続けるだけの『戦うマシーン』にされて、魂を囚われて終わってたんだぞ」

 

「ぐむう……」

 

「確かに……言われてみれば、いささか手応えが軽すぎる気はしていた。敵の剣戟も、血飛沫の熱さも、どこか現実味に欠ける。……まるで、よくできた幻影の劇を、特等席で見せられているような気分だったわ」

 

 

 

◇◇

 

 

 

 

「…………坊主よ」

 

「よくぞ、この余の目を覚まさせてくれた。感謝はしよう。お前がいなければ、余は本当にただの殺戮人形に成り果てていたかもしれん」

 

「だが……どうすればよい?」

 

「ここで余たちが真実に気づいて止まっていても、見ての通り、敵そのものは止まらぬぞ」

 

イスカンダルの言う通りだった。

 

彼らが戦車を止めて会話している間にも、周囲では『王の軍勢』とダレイオスの『死なずの軍団』の死闘が激しく続いている。

 

真樹のシステムは、彼らが立ち止まったからといって、敵の攻撃を止めてくれるほど優しくはない。

 

「我々が戦うことをやめて、お利口にその場に止まったとて。逆にこの死霊の群れに殺されてしまっては、元も子もあるまい」

 

イスカンダルが、キュプリオトの剣を構え直す。

 

「結局、この特異点を突破するには、戦い続けるしかないのではないか?」

 

「……お前、前に僕に言っていたよな」

 

「僕がお前を『ただの使い魔』扱いした時。お前は俺に、こう言って怒っただろ」

 

「『征服というものは、この手、この足で直接味わえぬものなら、何の意味もない』って」

 

「む……」

 

「そのとおりだ。余の征服だ。他人の力で用意された勝利など、酒の肴にもならん」

 

「なら……」

 

「今のお前は、どうだ?」

 

「無限の魔力供給(バフ)を無自覚に受け入れて。敵の用意した無限の魔力で『自分の兵士』を限界以上に動かして。敵の用意した『無限の兵士』を相手に、終わりのない戦争ごっこをさせられて……」

 

「そんな、他人が用意した『借り物の舞台』で、借り物の力を使って暴れ回って。……それで、征服王であるお前が、本当に心の底から満足するようなことなんて、絶対にあるわけないよな!」

 

お前は、こんな安い幻影の舞台で満足するような、底の浅い王じゃないはずだ、と。

 

「……………」

 

イスカンダルは、ウェイバーのその言葉を聞いて、しばらく沈黙した。

そして。

 

「カッハッハッハッハッハッハ!!!!」

 

「なるほど……。いやはや、全くもって、お前の言う通りだ、ウェイバー・ベルベット!!」

 

「よし!わかった!!余の覇道に、あの悪趣味な演出家の手助けなど一切不要!!」

 

イスカンダルが、天高く掲げていた覇王の剣を、勢いよく振り下ろす。

 

その瞬間、彼の全身から、ビーストの特異点から供給されていた無限の魔力(魅了のバフ)が、完全に弾き飛ばされる。

 

「退けい、我が勇者たちよ!!ここからは、余とこの坊主、ただ二人きりの舞台ぞ!!」

 

プトレマイオスが、ヘファスティオンが、エウメネスが。

彼らは、主君の真意を即座に理解し、自らの意志で光の粒子(砂)となって、次々と消滅していったのだ。

 

残されたのは、ただ一両の戦車と、巨漢の王、そして未熟な少年のマスターのみ。

その彼らの眼前に、数万の軍勢が消えたことで勢いを取り戻した、数十万の『死なずの軍団』が、再び怒涛のように迫り来る。

 

「行くぞ坊主!振り落とされるなよ!」

 

「他人の用意した幻影の軍勢など要らん!余の真の征服は、ここからが本番よ!!」

 

イスカンダルは、自らの魔力と、ウェイバーの限られた魔力だけを頼りに。

戦車一両だけで、絶望的な数の死霊軍団の真っ只中へと、再び狂気的な突撃を敢行するのだった。

 

 

 

◇◇

 

 

 

 

『素晴らしいわ!!本当に素晴らしい!!』

 

特異点の空、分厚い暗雲の向こう側から、真樹の狂気に満ちた歓喜の声が、砂漠の空気を震わせて降り注ぐ。

 

『これよ!私が一番見たかったのは!!偽りの甘い無双(ハッピーエンド)の世界に気づき、弱くて臆病だったはずのマスターが、命懸けのダイブで強大な王の目を覚まさせる!』

 

『そして、誰かが用意した偽りの手助けなんか一切借りずに!己たち二人の泥臭い力だけで、絶対に勝てないような強大な敵の大軍勢に真っ向から立ち向かい、ボロボロになりながらも奇跡的な勝利を掴み取る!!ああ……なんて素晴らしい奇跡(カタルシス)なの!!これぞまさに、誰もが手に汗握って熱狂する、少年漫画の王道中の王道展開じゃないの!!』

 

彼女は、ウェイバーの決死のダイブも、イスカンダルが『王の軍勢』を自ら解散させたことも、すべてを「最高のドラマチックな試練の乗り越え方」として、自らの脚本(演出)の枠の中に強引に組み込もうとしているのだ。

 

「ちぃっ」

 

「どうする、坊主!?この『お前と余の二人きりで困難を打ち破る熱い展開』すらも、結局はあのビーストの仕組んだ、お涙頂戴の脚本の一部であると言うことは、十分にあり得るぞ!!」

 

敵の用意した舞台で、敵の用意したハードルを越えて勝利したところで、それは真樹の「感動のエンディング」を完成させるための、最後の一手になってしまうのではないかという懸念。

 

「関係ない!!」

 

彼の声には、もう一切の迷いも、恐怖もなかった。

 

「敵の思惑なんか、もうどうでもいい!!ここからの勝負は、僕たちの魂が『ここで勝利して、満足して立ち止まる(囚われる)』かどうかの勝負なんだ!!」

 

「僕たちはここから、あの黒い巨人(ダレイオス)を、僕たち自身の力で真っ向からぶっ飛ばして勝つ!!誰の力も借りない!最高の勝利を手に入れる!!」

 

「おう!!」

 

「……だけど!!そこで終わりじゃないだろう!?」

 

「ダレイオスを倒して、過去の因縁に決着をつけて、世界を救って。……それで、お前の覇道は絶頂(エンディング)なんかにならないだろう!?」

 

「彼方にこそ栄えあり!届かないからこそ、夢見て挑むんだ!!どんなに素晴らしい勝利を手に入れても、そこはただの通過点でしかない!まだ見ぬ海の果て(オケアノス)を目指して、永遠に走り続ける!違うか、征服王!!!」

 

勝利すらも通過点。ならば、この物語が「完結」してハッピーエンドの牢獄に囚われることなど、絶対にあり得ない。

 

「………………………」

 

「そうだ!その通りだ、我がマスター!!!」

 

彼は、手綱を握る両手に、残された全ての魔力と、覇王としての気迫を込めた。

 

「人類悪よ!特等席で、とくと見ておれ!!」

 

「これが、我が蹂躙だ!たかが過去の幻影との一回の勝利(通過点)ごときで、このイスカンダルの魂が満足し、永遠の平和に囚われるとでも思うな!!」

 

戦車の車輪が、雷光を纏って限界を超えて回転し、砂漠の空気を切り裂いていく。

 

「この征服は、ただの自己満足の征服ではない!!我が王道は、余と共に戦い、余と共に夢を見た、全ての民の生きた総算だ!!」

 

「ならば!!!その余が背負った果てのない欲望(ゆめ)の大きさが、貴様のような小娘の書いた三文芝居の枠に容易く収まり、ハッピーエンドという名の牢獄に囚われるような、底の浅いものではないと知れ!!」

 

「ライダー!!!」

 

彼の右手に刻まれた、絶対の命令権である赤い令呪が、激しく発光する。

 

「勝て!ダレイオスをぶっ飛ばせ!!『勝て!!』」

 

ウェイバーの右手の令呪の一画が、スッと消滅する。

 

莫大な魔力が、イスカンダルと神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)へと注ぎ込まれ、雷光がさらに激しさを増す。

 

だが、ウェイバーはそこで止まらなかった。

 

「『勝て!!!!』」

 

ウェイバーは惜しげもなく「重ねがけ」して消費したのだ。

聖杯戦争における最大の切り札を、ただ目前の障害を突破するためだけに、2画投入する。

 

「おおおおおおお!!!」

 

二連令呪による、物理法則を完全に無視した超加速と、圧倒的な魔力ブースト。

 

神の雷が、戦車の周囲にドーム状の破壊空間を作り出し、迫り来る数万の死霊軍団を、文字通り触れることすらなく一瞬で蒸発させていく。

 

「イスカンダル!!!!!!」

 

ダレイオスが、耳をつんざくような怨念の咆哮を上げ、両手に握った巨大な戦斧を、突進してくる戦車に向かって全力で振り下ろす。

 

「邪魔だぁぁぁぁぁっ!!!」

 

だが、二連令呪のバフを受けた神威の車輪の破壊力は、巨人の一撃を遥かに凌駕していた。

 

そのままの勢いで、黒き巨人の巨大な胴体のド真ん中を、容赦なく貫き、巨大な風穴を開けたのだ。

 

「……、……見事、だ」

 

ダレイオス三世の幻影が、最後に少しだけ満足そうな顔をして、地鳴りのような音と共に砂となって崩れ落ちていく。

 

最大の壁であった巨人の消滅と共に、周囲を埋め尽くしていた数十万の死霊軍団も、一斉に砂漠の砂へと還り、消え去っていった。

 

圧倒的な、完全勝利。

 

――その瞬間。

もしここで、二人が戦車を止め。

「やったぞ!ついに勝った!」と互いの健闘を讃え合い、強敵を倒した勝利の喜び(カタルシス)に浸って、空に向かって勝ち鬨をあげていたなら……。

 

彼らの魂は、「強敵を倒して大団円」という、真樹の用意した完璧なシナリオの枠の中に完全に収まり、ハッピーエンドという名の牢獄に、永遠に囚われていただろう。

 

だが。

 

「アーラララララライ!!!!」

 

「アーラララララライ!!!!!!」

 

巨人が崩れ落ちたその瞬間。

 

イスカンダルとウェイバーは、誰に言われるでもなく、息をピッタリと合わせて、全く同じタイミングで、再びあの雄叫びを上げたのだ。

 

二人は、崩れ落ちる巨人の残骸を、一瞥もせず。

勝利の余韻に浸るために、一瞬たりとも戦車の速度を落とすこともせず。

ただただ真っ直ぐに、ダレイオスの立っていた場所のさらにその先、地平線の彼方(オケアノス)を目指して、猛スピードで戦車を走らせ続けた。

 

止まらない。

決して、立ち止まらない。

 

彼らにとって、この劇的な勝利すらも、永遠に続く覇道の中の、ただの小さな通過点に過ぎない。

 

勝利の美酒を味わうことすらも捨て置き、二人は、はるか遠く、誰にも結末が分からない未知の明日へと、ただひたすらに駆け抜けていく。

 

 

 

 

 

◇◇

 

 

 

 

 

 

 

パリンッ……!!

 

二人の、終わりなき果てしない蹂躙劇(無限の進行)を、「ひとつの脚本(完結したハッピーエンドの枠)」に収めきることができなくなった真樹の特異点のシステムが、完全に限界を迎え、エラーを起こしたのだ。

 

見渡す限りの熱砂の砂漠の世界が、空からパラパラと砕け散り、元の冬木の夜の景色へと戻っていく。

 

二人の背後で、天を貫いていた第四の光の柱が、音を立てて完全に消滅し、光の粒子となって夜空に溶けていった。

 

「ハァ……ハァ……」

 

彼の全身は汗と砂埃にまみれ、魔力を使い果たしたことによる極度の疲労で、手足がガクガクと震えている。

 

「柱が……消えている。俺たち、本当に幻の砂漠を抜け出したんだな」

 

「だけど……僕たちの走る道は、まだ先がある!!ここで立ち止まっている暇はないぞ、ライダー!」

 

「……見事な覇気よ!!」

 

彼の顔には、いつもの豪快な笑みはない。

ただ、一人の王として、目の前の小さな魔術師の少年を、かつてないほど真剣な、そして深い敬意に満ちた目で見つめていた。

 

「ウェイバー・ベルベットよ」

 

「貴様は、このイスカンダルの臣として仕える気はあるか……?」

 

彼が自らの命よりも大切にする『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』の心象風景の中に招き入れるに値する、真の勇者への、正式な誘いの言葉だった。

 

「……」

 

ウェイバーは、イスカンダルのその真剣な眼差しを受けて、一瞬だけ言葉を失う。

時計塔の落ちこぼれで、誰からも認められず、ただ自分の価値を証明したいというちっぽけなプライドだけで聖杯戦争に参加した、臆病な少年。

 

その自分が、歴史に名を残す偉大な覇王から、臣下として共に歩むことを請われている。

 

ウェイバーは、涙と汗と砂埃で汚れきった顔を上げ、しっかりとイスカンダルの目を見返した。

 

「貴方こそ……貴方こそ、僕の王だ」

 

「僕は、貴方に仕える。貴方に尽くす。だから……どうか僕を導き、貴方と同じ、その果てのない夢を、一緒に見させて欲しい」

 

「うむ、良かろう」

 

イスカンダルは、顔をほころばせ、大きな手でウェイバーの頭を、クシャクシャと乱暴に、けれどどこまでも優しく撫でた。

 

「行こう。ウェイバー」

 

「王の見た夢を、これからも共に見よう。この世界のすべてを見届け、共に征こうではないか。……まずは、あの悪趣味な劇場の真ん中でふんぞり返っている小娘をぶっ飛ばし、さらにその向こうにある、真の海(オケアノス)を目指してな!」

 

「…………はい!」

 

彼方にこそ栄えあり。

 

真樹の仕掛けた甘く残酷なハッピーエンドの牢獄は、二人の果てしない夢の前に完全に打ち砕かれた。

 

ここに特異点を支える第四の柱は攻略され。

 

イスカンダルとウェイバー。二人の、王と真なる臣下の絆は、どのような幻影にも決して揺るがない、永遠の完成を見たのであった。




あなたはどう思いますか?

勝利のあとに止まらないことは、
幸福でしょうか。
それとも呪いでしょうか。

イスカンダルとウェイバーの着地、
好きか嫌いか、ぜひ教えてください。

【超重要・展開が変わります】真樹は聖杯にかける願いを…。

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