冬木アクターズ・ラプソディ ~観光に来た演劇バカの女子大生、うっかり龍之介を轢いてしまったので、キャスターの「ジャンヌ役」として聖杯戦争を完遂します~ 作:斉宮 柴野
激辛麻婆豆腐、家族内ツッコミ、そして冬木市の異変への出撃が中心になります。
独自設定・キャラ崩しを含みますので、問題ない方のみお楽しみください。
【冬木市 言峰邸】
冬木市の新都に居を構える言峰邸。
食卓の中央には、赤黒い麻婆豆腐が熱を持った湯気を放っている。
いや、それは湯気と呼ぶにはあまりに暴力的だった。視界に入るだけで眼球を刺し、鼻腔を通り抜ける香辛料の刺激は脳髄を痺れさせる。辛味を不得手とする者であれば、その匂いだけで己の人生の終焉を幻視しかねない代物だ。
その危険物に真っ先に牙を剥かれたのは、卵パックを届けに来てそのまま席に座らされた英雄王ギルガメッシュだった。
「グッ!なんなのだマキ!この麻婆豆腐は!!ただ辛いなどという生易しいものではないぞ!我の舌の上でメソポタミアの業火が踊り狂っているではないか!食べる相手へのいたわり、慈悲、そういった人間が持つべき最低限の情緒が全く欠落している、まさに殺人的な辛味!いや、毒物!我が宝物庫に収められている如何なる猛毒でさえ、ここまで直接的に痛覚を蹂躙しにはこないぞ!!!」
喉を焼く刺激に耐えかねたのか、黄金の甲冑を脱ぎ捨てて私服へ着替えたギルガメッシュが、珍しく水差しを煽っていた。
香辛料の熱が彼の頬を朱に染め、常の余裕を鮮やかに奪い去っている。人類最古の英雄王が食事の席で涙を浮かべるなど、神代の歴史を遡っても存在しなかったはずの事態だ。
「いや、王様、王様のはこっち!そっちの真っ赤なのはうちの家族用で、そっちは段階を一つどころか五つくらい飛ばした地獄仕様なのよ!」
「なに?では、これは貴様ら言峰家専用の兵器か?」
「兵器じゃないわよ!ご飯よ!ただちょっと、綺礼とカレンと白野の味覚が終わってるだけで!」
真樹の非難をよそに、件の終わった味覚の持ち主たちは、まるで毒性など存在しないかのように赤い兵器を口に運んでいた。
「はふはふ……うむ。美味い」
綺礼の額には汗一つ浮かんでいない。口腔を焼く熱も、舌を刺す辛味も、すべてを許容して日常の味として咀嚼している。所作そのものは洗練された上品なものだが、口にしている物質の異常性がそのすべてを台無しにしていた。
カレンもまた、表情筋を一切動かすことなくスプーンを上下させている。
「……相変わらず継母の辛味設計は雑ですが、まあ食べられます」
「文句言いながら完食するな!そして人に作らせた飯に採点を入れるな!」
さらに白野までもが、黙々と赤い麻婆を飲み込みながら小首を傾げる。
「お母さん、今日は少し辛味が足りないかも。手抜き?」
「どこがよ!?あんたまだ小さいんだから、そこは『辛い』って言うところでしょうが!!何よ辛味が足りないって!その感想は中年の酒飲みかなにかのやつなのよ!」
白野は真樹の慌てようが理解できないのか、不思議そうに瞬きを繰り返した。
「でも、これくらいなら立香も将来いけそう」
「いかせる気があるの!?教育方針を見直しなさいよ!!」
話題の中心にされた立香は、未来の過酷な味覚教育など知る由もなく、綺礼の膝の上で心地よさそうに声を上げている。
その隣で、アビゲイルだけが別のベクトルで場を乱していた。
「この真樹の方の豆腐は美味しいのだわ!」
真樹が己の生存のために用意していた、辛味を抑えた普通の麻婆豆腐。それをアビゲイルが幸福そうな笑みとともに掬い取っている。
「あっ!アビーちゃん!それ私の!貴女の分は、ちゃんと辛さゼロの白いお豆腐ベースで作ってあるでしょ!?」
「イヤだわ、イヤだわ。私もみんなと同じ食卓の空気を吸いたいもの。これくらいがちょうどいいの」
「ちょうどよくない!それはまだ人間の食べ物だから!こっちの赤いのに行ったら開くのは鍵じゃなくて胃袋の終焉なの!」
アビゲイルはふわふわと微笑むばかりで、真樹の忠告が届いている気配はない。無垢なままに災厄の引き金を引くこの性質は、家庭という閉鎖空間においてあまりにも厄介だった。
結局のところ、真樹の前に残されたのは、綺礼たちが平らげているのと同じ真紅の泥のみである。
「……仕方ない、私が食べるか……」
妻であり、母であり、元・人類悪という幾重もの重圧を背負う彼女だが、今はただ、自分の夕食を奪われただけの哀れな一人の女性に過ぎなかった。
エルキドゥはそんな食卓の惨状をどこか楽しげに眺めながら、赤い麻婆を口へ運ぶ。
「はふはふ……ギル、なかなか刺激的だね。心地よい味わいだ」
「お前は平気なのか……」
「味覚はあるけど、苦痛として受け取りにくいのかもしれないね。神造兵装だし」
「その平然とした分析が一番腹立たしいわ!!」
真樹は覚悟を決め、己の皿へと向き直る。
「いただきます……」
一口含んだ瞬間。
脳髄を鋭利な刃物が貫いた。
「からっ!!」
「痛っ!!」
「待って待って待って、辛いじゃなくて痛い!!」
「これ豆腐なのになんで刺してくるの!?」
「だから言ったではないか。美味いと」
「美味いと辛いは両立するけど!これは先に暴力が来るのよ!」
「継母は弱いですね」
「弱くない!これを平然と食べるあんたたちがおかしいの!」
カレンは淡々と食事を続けながら、僅かに肩をすくめてみせた。
「舌が甘やかされているのでは?」
「いや、普通は舌を甘やかすものなのよ!なにそのスパルタ教育!」
「お母さん、牛乳飲む?」
「今それを言える白野の優しさだけが救いだわ……」
白野はこくんと頷く。だがその瞳には、辛味に耐えられない者への憐憫に似た光が宿っていた。やはりこの子の味覚回路も取り返しのつかない段階にあるらしい。
ギルガメッシュは香辛料の刺激で微かに潤んだ瞳を細め、忌々しげに言い放つ。
「しかし、貴様の家庭は本当に騒々しい。十年前にはもっとこう、人類悪らしい不穏さがあった気もするのだがな」
「十年前の私に夕飯とオムツと卵パック十二個を背負わせたら、たぶん三日で人類悪になるわよ」
「それは今も片足を突っ込んでいるのではないか?」
「今の私はただの家事過多よ!」
「でも、人を滅ぼすより家計簿と献立と育児を回してる方が、よっぽど難しそうだ」
「ほんっとにそうなのよ!世界を相手にしてる方がまだ舞台装置で何とかなるの!家庭は誰も台本通りに動かないから!」
「それは少し楽しそうだね」
「見物人は楽しいでしょうね!!」
◇◇
――その時だった。
食卓を満たしていた混沌とした平穏が、見えない刃に切り裂かれたように消失した。
誰よりも早く反応したのは真樹だった。スプーンを持つ手が止まり、視線が鋭く窓の外へと射抜かれる。次いで綺礼の表情から家庭人の色が抜け落ちた。エルキドゥの瞳にも、微かな光が点る。
「!この魔力……!!」
綺礼が低く呟く。
「複数箇所同時に……か」
窓ガラスの向こうには、静寂に包まれた夜の街並みが広がっている。だが、霊覚が捉える現実は異なっていた。冬木の各所で、強大な魔力の奔流が衝突を始めている。局地的な戦闘ではない。複数だ。
「切嗣さんたちは?」
「今はまだ大聖杯の調査にかかりきりのはずだ。街の防衛に回る余裕はなかろう」
綺礼の脳内ではすでに冬木の地図が広げられ、最適な戦力配置が計算されているのだろう。
「遠坂、間桐、衛宮邸……それに郊外。これ、同時にやってるわね。嫌なやり方」
カレンもアビゲイルも食事の手を止めている。白野だけが周囲の緊迫した空気を不思議そうに眺め、残された麻婆豆腐の処遇に思考を巡らせていた。
「仕方ないわね……!!冬木の平和を脅かす不届き者は、この私が全員ぶっ飛ばしてやるわ!王様!いつまでも水を飲んでないで、あれ出してください!ほら、いつもみたいにピカピカ光って空を猛スピードで飛ぶやつ!」
「我は貴様らの都合で動く御用聞きではないぞ!何を出せというのだ!!大方、またろくでもないことを考えているのだろうが、我はこの激辛麻婆豆腐のダメージからまだ回復しておらんのだ!気安く命令するな!」
「ヴィマナです。人類最古の英雄王が誇る、天翔る王の御座、ヴィマナ!今すぐ冬木中を駆け巡って各陣営を救援するには、あの超便利な空飛ぶタクシーが必要不可欠なのよ!もたもたしてると街が火の海になっちゃうんだから、出し惜しみしないで早く出しなさいよ!」
真樹は極めて当然のように、人類最古の英雄王に向かって最高ランクの宝具を要求している。タクシーを呼ぶような気軽さである。
「この身の程知らずの雑種め……。最高ランクの宝具をタクシー呼ばわりするその図太い神経、いっそ感心するわ。まあよい、この退屈な日常に少しばかりの娯楽を提供してくれるというのなら、ヴィマナを出してやらんこともない。だが、これはあくまで我の慈悲だ。貴様には大きな貸しにしておいてやるからな。後で高くつくと思え!」
「わーい、ありがとうございます王様!さっすが大家さん、気前がいい!じゃあ、そのヴィマナの貸しは、この間私が王様のくだらないピンチを身を呈して救ってあげた時の『私の貸し』で、綺麗さっぱり相殺ということで手を打ちましょう!これで貸し借りなしね!さあ、交渉成立よ!」
「………………」
ギルガメッシュの額に青筋が浮かぶのが見えるが、彼は文句を飲み込んでいる。なんだかんだ言って、この王は真樹の厚かましさを楽しんでいる節がある。
「エルキドゥは、ここに残ってカレンや白野、それにアビーちゃんたちのお留守番を頼むわ。こんな物騒な夜に子供たちだけで家に置いておくわけにはいかないから、最強の神造兵装である貴方に警護を任せたいの。お願いできる?」
「マスターである君はどうするんだい?まさか、その可愛らしいエプロン姿のままで、激戦の只中に飛び込むつもりじゃないだろうね??」
「みんなの救援に行くに決まってるじゃない!私はね、この冬木の平和を愛し、日夜悪と戦う正義の味方の妻なのよ!ここでちまちまお皿洗いなんてしてる場合じゃないの!エプロンなんてすぐに脱ぎ捨てるわ!行くわよ綺礼!私たち夫婦の愛の力で、この同時多発の脅威をサクッと片付けて、またこの平和な食卓を取り戻すのよ!」
「ふむ……。君のその熱意は評価するが、少し冷静に状況を分析してみようか。魔力の発生箇所は全部で5か所。対してこちらは、私と君の2人だけだ。どう計算しても、最低でも2箇所はカバーしきれない計算になる。戦力の分散は各個撃破のリスクを高めるだけであり、極めて非効率的だ。我々だけでは、圧倒的に頭数が足りないな」
「おい、そこの似た者夫婦。貴様ら、まさかこの我を頭数に入れていないのではあるまいな?」
ギルガメッシュが不敵に笑いながら立ち上がる。彼もまた、この退屈しのぎに乗る気らしい。
「えっ、本当!?王様も手伝ってくれるの!?やったー!王様〜、お願い〜、一生のお願い〜、本当に助かる〜!やっぱり持つべきものは、暇を持て余してて戦うのが大好きな気前のいい大家さんね!頼りにしてるわよ〜!」
「気安く触れるな!そしてその媚びへつらうような猫撫で声を出すな!このアラサーがすり寄るな!!貴様のその、実年齢の重みを感じさせる必死な態度は、見ていて非常に痛々しいぞ!少しは自分の年齢と立場を自覚して、年相応の落ち着きというものを身につけたらどうだ!!」
「うぐっ……!!ア、アラサー……!?ちょ、ちょっと王様、今の発言はいくらなんでもデリカシーがなさすぎるんじゃない!?29歳っていうのはね、大人の魅力と若さのちょうど狭間にある、一番美しくてデリケートな時期なんだから!それをアラサーなんて一言で片付けるなんて、精神的ダメージがどんな強力な宝具の直撃よりデカいんですけど!私の乙女心、完全に粉砕されたわ……!」
真樹が猫撫で声ですり寄った瞬間、ギルガメッシュは容赦のない言葉の刃を突き刺す。29歳。肉体年齢もしっかりと歳を重ねている真樹にとって、「アラサー」という単語はどんな宝具よりも重く、精神にクリティカルヒットしている。
「ええい、うるさいわ!自分の年齢にコンプレックスを抱いている暇があるなら、とっとと出撃の準備をせんか!わかった!わかったと申しておるわ!!今すぐヴィマナを出してやるから、その恨めしい目で我を見るのをやめろ!全く、どいつもこいつも我を顎で使いおって……!」
膝から崩れ落ちそうになる真樹を横目に、ギルガメッシュは呆れたようにヴィマナの召喚準備に入る。
◇◇
「気を取り直して、いざ出陣よ!みんな、私の華麗なる変身プロセスをその目に焼き付けなさい!いくわよ、セットアップ!光り輝く星々の導きと、冬木の平和を愛する主婦の祈りが今、奇跡を呼ぶわ!……あ、ちょっと待って、今から変身バンクに入るから、BGMとか脳内で適当に壮大なやつを流しておいてね!
本当ならここで画面の背景がピンク色とか宇宙空間っぽくキラキラ光って、私の着ているこの生活感あふれるエプロンが光の粒子になって解けていく超絶作画の演出が入るんだけど、現実世界ではそこまで都合よくいかないから、各自の想像力で最大限に補完してちょうだい!
さあ、現界せよ、我が魂の礼装!……って、ええい、やっぱり声に出して言うのってちょっと気恥ずかしいわね、でもこういうのはノリと勢いが一番大事なのよ!」
気を取り直した真樹の全身が、眩い光に包まれる。展開されるのは、白銀の胸当てと蒼いスカート。そして手には巨大な聖旗。かつて彼女が模倣し、今やすっかり己の持ち役となった『ジャンヌ・ダルク』の武装だ。
「我が名はジャンヌ・ダルク!オルレアンの乙女にして、フランスを救いし奇跡の体現者!皆を助けに参りましょう!」
高らかに宣言し、自画自賛しながら完璧な聖女のポーズを決める真樹。
「継母はお父さんと既に何度も性行為をしている。決して処女ではない。よって、聖処女失格。ただの魔女ね」
一切の感情を排した冷ややかな声が、真樹の背中から鋭い氷の刃となって突き刺さった。実の娘からの、あまりにも身も蓋もない暴露。完全無欠の聖女のオーラは、その一言で一瞬にして粉砕された。
「カ〜レ〜ン〜!!!ちょっとあんた、なんてこと言うのよ!!あんたには人の心ってもんがないの!?」
「うん、カレン姉ちゃんの言う通りだよね。お母さんが聖女って、なんか言葉の響きからしてギャグだもんね。聖女っていうのは、もっとこう、儚げで、清楚で、大声でわめいたり、激辛麻婆豆腐を作ってキレ散らかしたりしない人だと思うんだ。お母さんはどっちかっていうと、物理攻撃で敵を粉砕するバーサーカー寄りのクラスじゃない?『心はいつでも乙女』って言い訳、テレビのバラエティ番組に出てくる売れないアイドルみたいでちょっと痛々しいよ」
「私もそう思うのだわ!真樹さんはレディとしては魅力的かもしれないけれど、聖女という概念からはおよそ100光年くらい離れたところにいる存在なのだわ!大体、その服もよく見たらサイズがちょっとパツパツなんじゃないの?ジャンヌ・ダルクの清らかなイメージというよりは、無理して若作りしている感が否めないのだわ。私みたいな本当の可憐な少女にこそ、そういうヒラヒラした衣装は似合うのよ!」
白野とアビゲイルまでもが、子供特有の残酷なまでの純粋さで、カレンの意見に便乗して真樹の精神をさらに追い詰めていく。
「ひどい……ひどすぎるわ、あんたたち……。私が何をしたっていうのよ……。ただ街の平和を守るために、ちょっと気合を入れて衣装を借りてきただけじゃない……。なんで出撃前に、味方であるはずの家族からこんなにボロクソに精神攻撃を受けなきゃいけないのよ……」
「継母がいじめる〜、お父さん助けて〜」
「その棒読み、もう少し芝居をしなさいよ!!」
だが綺礼は、意外にも娘を嗜めるでもなく、むしろノリノリで黒鍵を手に取った。
「カレン、今回はおふざけの場ではない。正義の味方の出番だ。戦隊もののごとく、派手に目立つとしようか」
「……父が一番ふざけている気がするのですが」
「気のせいではないわね」
「真樹よ、私は真面目だ」
「その真面目さの向いてる方向がだいぶおかしいのよ!」
「ちっ!」
「おい、そこの騒々しい家族ども。いつまでそのような次元の低い茶番劇を繰り広げているつもりだ。我はヴィマナのエンジンを温め、いつでも出撃できる状態にして待機してやっているというのに!」
「きれいだわ。これで飛ぶの?」
「飛ぶのはあれ。王様の舟」
「王様って便利」
「白野までそれ言う!?」
家族全員の認識が少しずつおかしい。いや、だいぶ前からおかしいのだけど、こういう非常時にそのズレがいっそう際立つ。
「…………とにかく、行くわよ!!」
「貴様ら、乗るなら早くしろ。我は暇ではない」
「十分暇そうに麻婆豆腐食べてたじゃない」
「うるさい」
「はいはい」
真樹はジャンヌ姿のままヴィマナへ飛び乗る。綺礼も当然の顔でその後ろに続く。ギルガメッシュは不満そうだが、なんだかんだ一緒に行く気満々だった。エルキドゥは見送りながら、カレンとアビー、そして子供たちの方へ目を向ける。
「こっちは僕が見てるよ」
「お願いね。あと、白野に卵パック踏ませないで」
「そこは一番に気をつける」
「踏まない」
「信用がまだ七割くらいしかないのよ」
「低い」
「今日の要求数を思い出しなさい」
綺礼はヴィマナに乗り込みながら、ちらりと家族を振り返る。
「留守は頼む」
「父上は?」
「正義の味方をする」
「悪人面で?」
「悪人面で」
真樹は聖旗を握り直し、夜空を見上げる。
冬木のあちこちで、目に見えない火花が散っている。遠坂、衛宮、間桐、そして郊外。全部まとめて面倒を起こしてくれるなんて、ほんとうに景気のいい夜だ。
「行くわよ綺礼! 王様! 今夜も派手に助けて回るわ!!」
「うむ。せいぜい我の舟を傷物にするなよ」
「王様の舟は丈夫でしょうが」
「言い方の問題だ!」
「真樹、掴まれ」
「分かってる!」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は言峰家の日常回……のはずが、結局いつも通り大騒ぎになりました。
麻婆に敗北する英雄王と、出撃前から精神的に削られる真樹を楽しんでいただけたら嬉しいです。感想をいただけると励みになります。