冬木アクターズ・ラプソディ ~観光に来た演劇バカの女子大生、うっかり龍之介を轢いてしまったので、キャスターの「ジャンヌ役」として聖杯戦争を完遂します~ 作:斉宮 柴野
・王が帰宅し
・騎士が泣き
・聖女が寝ました
平常運転です。
「アアアア……Arthur……rrrrr!!!!!」
おや、路線変更?さっきまでモルガンちゃんを執拗に追い回していた黒い騎士が、くるりと踵を返した。
彼のターゲットは、ギルガメッシュさんに切り替わったみたい。なるほどね。私のさっきの「もっと役に入り込みなさい!」っていう公開説教が効いたのかしら。あるいは、モルガン役のアルトリアちゃんが、あまりにも泣きじゃくってて「これ以上いじめたら放送コードに引っかかる」って判断したのかも。
気遣いができる男ね。即興劇の基本は「空気を読む」こと。泣いてる女の子を殴り続けるより、強そうな金ピカ男に喧嘩を売る方が、絵的にも盛り上がるって判断ね。ナイス判断よ。
「誰に向かって剣を投げるか……!狂犬!!貴様、死に急ぐか!!」
「……おや?」
ギルガメッシュさんが不快そうに眉をひそめ、背後の「王の財宝」から宝具を射出する。一本、二本、三本。音速を超えた凶器の雨。普通なら蜂の巣にされて終わり。でも、ADさんは違った。
ガシッ!ギギンッ!ブォン!!
彼は飛んでくる剣を、素手で掴み取った。まるで、飛んできたボールをキャッチするかのように。そして、その勢いを殺さずに回転し、掴んだ剣で次の剣を弾き飛ばす。さらに、その弾いた剣を蹴り上げ、自分の武器として構える。……すごい。曲芸だわ。シルク・ドゥ・ソレイユも真っ青の身体能力。
「いやあ……すごい呼吸ですね。見てください、あのコンビネーション」
「ひぃぃぃ……!!ど、どういう事だ!?あんなデタラメな攻撃、普通防げるわけないだろ!見えないぞ!速すぎて目視できない!!」
可哀想に。動体視力が追いついてないのね。一般人の彼には「デタラメな攻撃」に見えるかもしれないけど、玄人の私にはわかるわ。あれは、緻密に計算された「スタント」よ。
「ウェイバーくん、よく見て。あの射出速度……普通なら事故ですよ。時速数百キロの鉄塊を、あんな至近距離で掴むなんて。……凄まじい力量がなければ合わせられない。まさに無窮の武練と言ったところでしょう」
「へえ……技量ってすごいんだな……。って、え?射出側?ギルガメッシュのこと?」
「そうですよ。あの金ピカさん、ただ適当に投げてるように見えますけど、実はADさんが『掴みやすい角度』と『取りやすい速度』で、絶妙にコントロールして投げてるんです」
「はあ!?い、いや、あいつは殺す気満々で……」
「殺す気なら、もっと広範囲に爆撃すればいいじゃないですか。でも彼は、一本一本丁寧にパスを出している。あれはね、『ほら、これを使いなさい』っていう大御所俳優なりのアドリブパスなんですよ。新人に見せ場を作ってあげてるんです」
「……そ、そうなのか?」
無理もないわ。あんな傲慢に見える王様が、実は裏で新人をサポートしているなんて、美談すぎるものね。ツンデレってやつかしら。「勘違いするな、貴様を殺すために投げただけだ」って言いながら、取りやすいコースに投げてあげる優しさ。泣けるわ。
「そうですね。相当練習したんでしょうね、あの二人。楽屋裏で『次は右に投げるから、左手でキャッチしてね』とか打ち合わせしてたのかしら。息が合いすぎてて、見てて気持ちいいくらい」
「……練習……。英霊が……キャッチボールの練習……」
現実逃避しちゃったかな。でも、事実は小説より奇なり、よ。
「おのれ!!ならば!この街ごと焼き払って……!雑種如きに我が財を汚される屈辱、万死に値する!!」
おっと。ギルガメッシュさんが演技に入り込んできた。顔を真っ赤にして、さらに多くの宝具を展開する。今度は数百本?いや、もっと奥から、なんかヤバそうな赤い回転剣を取り出そうとしている。
あ、あれはマズイ。あれ出しちゃったら、この埠頭どころか、冬木市全体が更地になっちゃう。演出過剰よ。いくらなんでも、予算の無駄遣いだし、近隣住民から苦情が来るわ。誰か止めてあげないと。
その時、ギルガメッシュさんの眉がピクリと動いた。何かが聞こえたみたい。インカム?それとも、骨伝導イヤホン?
「……何?……たわけが」
あ、あれは「プロデューサーからの指令」ね。『ギルガメッシュさん、時間押してます!撤収してください!』とか言われたのかしら。あるいは、『予算オーバーです!その赤い剣は使わないで!』っていうNGが出たのかも。
「……チッ。……お前ごときの忠言で退けだと?大きく出たな、時臣……。よかろう、興が削がれた」
時臣。それが彼のマスターの名前ね。古風な名前。きっと、管理人気質の口うるさいプロデューサーなんでしょうね。
「不愉快だ。貴様、次に会う時までにその『無粋』を間引いておけ。……そして狂犬。命拾いしたな」
帰るみたいだ。やっぱり、大御所はスケジュール管理が厳しいのね。「夜10時以降の出演はNG」とか、契約書に書いてあるのかもしれない。
その時。消えかけた彼の体が、ふと止まる。そして、赤い瞳が私を捉える。真っ直ぐで、射抜くような視線。
「聖女よ」
「はい?なんでしょう、大家さん」
「……ふん。その減らず口。どうにも、シドゥリに似ておるな。あの小賢しい物言いといい、王に対して物怖じせぬ態度といい……」
シドゥリ?誰それ。元カノ?それとも、昔のマネージャー?
「そのうちに会いに行く。歓迎の支度をしておけ。極上の酒を用意しておかねば、その首を刎ねるからな」
「あら、訪問予告?嬉しいですけど、ウチの劇団、狭いですよ?」
「構わん。貴様の滑稽な舞、特等席で見てやろうというのだ。光栄に思え」
シュゥゥゥ……。
黄金の粒子となって、彼は夜空に消えていった。退場のエフェクトも豪華ねぇ。最後まで金ピカだったわ。
「……うーん、なんか締まらないわね」
「事務所からの電話」で帰っちゃったみたいな唐突な退場。まあ、あんな大御所俳優さんをずっと拘束しておくのも、ギャラ的に厳しいのかしら。深夜料金とか発生しそうだし。
バーサーカーも、ギルガメッシュさんがいなくなって手持ち無沙汰のようだ。「Ar……thur……?」と呟きながら、キョロキョロしている。セイバーちゃんは、まだ地面に突っ伏して泣いている。
ランサーさんは槍を収めて、呆れている。ライダーさんとウェイバーくんは、戦車の上でポップコーンでも食べ始めそうなリラックスムードだ。……うん。今日の収録は、これでオッケーかな。撮れ高は十分でしょう。私の「物理聖女アクション」も、セイバーちゃんの「魔女認定」も、ADさんの「スタントショー」も、全部カメラに収まったはず。
「ジル……退きますよ。今夜はほとんどの主演さんの顔を見られましたから……十分な収穫でしょう。これ以上長居すると、私たちも深夜料金取られちゃうわ」
「はっ!仰せのままに!今夜の貴女の雄姿、このジルの網膜に焼き付け、帰宅後に石版に刻みたいほどの感動でした!特に、あのモルガンへの罵倒!痺れましたぞ!」
「罵倒じゃないわよ、愛ある指導よ」
「あ、そうだ。ウェイバーくん!」
「えっ!?な、なに!?」
「貴方のその『ビビリ演技』、最高だったわよ。次回も期待してるから、頑張ってね!」
「演技じゃないよ!!本気で怖がってたんだよ!!」
「ふふ、謙遜しちゃって」
◇◇
「アルトリアちゃん。次回はちゃんと設定、読み込んできてね。今日の演技、パッションはあったけど、キャラクターの掘り下げが甘かったわよ」
「?……ジャンヌ、何を……?設定……?」
ビジュアルは満点なんだけどなぁ。中身がまだ「新人」なのよね。
「モルガンはブリテンを憎んではいないはずだよ。歴史書や文学作品を紐解けばわかるけど、彼女には彼女なりの、愛ゆえの狂気、あるいは王家への歪んだ執着があったはず。ただ『私は違う!』って泣いて否定するだけじゃ、歴史上の悪役としての深みが出ないわ。もっとこう、内面から滲み出る『業』を見せてほしいの」
役作りとは、ただセリフを覚えることじゃない。その人物が歩んできた人生、背負っている背景、そして隠された感情までを想像し、自分の肉体を通して表現することだ。
彼女の今日の演技は、ただのヒステリックな否認に終始していた。それでは観客の心は動かせない。「ああ、こいつは本当に弟を愛していたんだな、だからこそ憎んだんだな」と思わせるような、哀切な芝居が求められているのよ。
「期待してるから。貴女には素質があるわ。その『悔し涙』をバネにして、次はもっとドロドロした魔女を演じてみせてね」
「…………」
「……は、はい……精進します……。もう……疲れました……」
「素直でよろしい!その謙虚さがあれば、きっと次はもっといい役者になれるわ!」
よし、これで一人の迷える新人女優を救済したわね。私ってば、なんて面倒見がいいのかしら。
「アレクサンドロス大王、また!今夜の貴方の『王の宣言』、痺れましたよ。あの声量、マイクなしであそこまで届かせるなんて、腹式呼吸の極みですね」
「ガハハハ!聖女よ、貴様のその物怖じせぬ態度も天晴であったぞ!次回は是非、余の軍勢と酒を酌み交わそうではないか!」
「ええ、喜んで。エキストラの皆さんも誘ってくださいね」
豪快なおじさんだ。彼との共演は楽しそうね。そして、少し離れたところに立っているランサーさんと、その姿が見えないマスターさんにも声をかける。
「ディルムッドさんも、お疲れ様でした。あの槍捌き、見事でしたよ。そちらの神経質なケイネスさんによろしくお伝えしてね。あまりピリピリしてると、眉間のシワが取れなくなっちゃいますよって」
「……ああ。伝えておくが、我が主君を神経質呼ばわりするとは、やはり肝の太い女だ……」
イケメンの苦笑いは、それだけで絵になるわね。さて、そろそろ撤収の時間だ。現場の空気も緩んできたし、ここらで「締め」といきましょうか。
「今度、みんなで打ち上げにでも行きましょう!冬木の名物とか食べながら、今日の演技プランについて語り合うの。どう?経費で落ちるかプロデューサーに聞いてみるけど」
ライダーさんが「おう!悪くない!」と乗り気な声を上げる。セイバーちゃんも「ご飯……」と少し反応した。
やっぱり、同じ舞台に立つ仲間だもの。親睦を深めるのは大事よね。しかし。私の背後から、ぬっと巨大な影が現れる。
「なりませぬ!!!!」
ジルだ。ジル・ド・レだ。彼が血相を変えて、私と男性陣の間に割って入る。両手を広げ、私を庇うようなポーズ。その目は血走っている。
「ジャンヌは未成年でおられる!19歳!法律上、飲酒は禁じられております!たとえ演技上の設定であろうとも、不浄な男たちとお酒など、このジル・ド・レが許しませんぞ!!」
「……ジル。設定守るのも大事だけど、ここ日本よ?あと私、中身は大学生だからギリいける……いや、ダメか」
「ダメです!!絶対にダメです!!特にあのライダーとかいう男、隙あらば貴女を連れ去ろうとする野獣の目をしています!ランサーも危険です!あの泣き黒子は歩くフェロモン爆弾です!近づいてはいけません!!」
お父さんか、あなたは。まあ、マネージャーとしては優秀な危機管理能力と言えるかもしれないけど。
「もー、今どきケチケチしないでよね。堅苦しいんだから。……じゃあ、打ち上げはお預けってことで。また、次の幕で会いましょう」
さあ、退場だ。普通に歩いて帰るのも味気ないし、ここは一つ、さっき覚えた「新技」を使って、ド派手に消えてみせましょうか。
私は瞳を閉じる。イメージするのは、さっきのADさんが使っていた黒い霧。あれの構成式を脳内で再生し、私の力で上書き保存する。色は白。聖女に相応しい、純白の輝きを添えて。
「それでは皆さん、良い夜を」
シュゥゥゥゥゥ……ッ!!
足元から、大量のスモークが噴き出す。光の粒子を含んだミストだ。『己が栄光の為でなく』
後光が差すような神々しい演出。照明さんがいなくても、自前でここまでライティングできるなんて、私ってば便利すぎる。
「おおおお!!ジャンヌが……天へ還られる……!!」
「消えた!?またあの術を!?」
「鮮やかだな……。最後まで喰えぬ女よ」
完璧な引き際。今日のMVPは間違いなく私ね。
◇◇
冬木ハイアットホテル。新都の一等地、未遠川を見下ろす高台にそびえ立つ、この街で一番高級なホテルだ。エントランスの自動ドアが開き、冷房の効いた空気が私の火照った肌を撫でる。深夜2時過ぎだというのに、ロビーのシャンデリアは煌々と輝いている。さすが一流ホテル。24時間、完璧な「舞台セット」を維持しているのね。
「ふぅ……。疲れた」
タクシーを降りる時、運転手さんがジルの格好を見て二度見どころか五度見くらいしてたけど、「ハロウィンの帰りです」って笑顔で押し通した。
今は2月だけど。まあ、冬木市なら「そういうイベント」で通るでしょう。私は聖女の鎧を解除し、元のパーカーとジーンズ姿に戻っている。オンとオフの切り替え。これ大事。鎧のままだと、ホテルのベッドにダイブできないしね。
「……で?ジルはついてくるの?」
いや、目立ちすぎでしょ。ホテルマンの人たちがギョッとしてるよ。「あのお客様、どういうご関係で?」みたいな視線が痛い。でも彼は気にする素振りもない。彼の目には、私しか映っていないようだ。
「はい!ジャンヌ・ダルクあるところ、私がありますゆえ。貴女の身辺警護、この元帥にお任せください!たとえ火の中水の中、フロントのチェックインカウンターの中までも!」
「チェックインはもう済んでるから大丈夫よ。というか、着替えないの?その格好、暑くない?」
「衣服など些末な問題!このローブは、貴女と共に過ごした日々の記憶そのもの!脱ぐことなどできましょうか!」
……マジか。この人、24時間役作りを解かないタイプなんだ。メソッド演技法も極まると、日常生活に支障をきたすレベルね。ストーカー一歩手前……いや、もう半歩踏み込んでるかも。でもまあ、一人で広いスイートルームに泊まるのも寂しいし、マネージャー代わりと思えばいいか。荷物持ちとしては優秀だし、何より私の演技を全肯定してくれる貴重なファンだし。
「わかったわよ。じゃあ、部屋まで来ていいわ」
「おお!感謝いたします!!」
「2808号室」最上階の一階下のスイートだ。一泊数万円。私の貯金残高を考えると胃が痛くなるけど、これも「必要経費」よね。大女優になるためには、普段から一流の空気に触れておく必要があるの。プロデューサーへの先行投資だと思えば安いものよ。
「ここよ」
ドアを開ける。広い。無駄に広いリビングと、キングサイズのベッド。窓の外には、冬木の夜景が一望できる。最高のリラックス空間だ。
「おお……!なんという宮殿!ジャンヌ、ここは王侯貴族の城ですか!?」
「ホテルよ。現代の宿屋。……さて、ジル」
「貴方を部屋に入れるのは許可するけど、お風呂は別々よ?トイレも鍵かけるからね?入ってきちゃダメだからね。覗きとかしたら、即刻契約解除&目潰しだから」
「はい!滅相もございません!!聖処女の身を覗き見るなど、神への冒涜……いえ、今の私にはあまりに眩しすぎる光!直視すれば目が焼き尽くされ、灰になることでしょう!」
眼球が飛び出しそうなくらい見開かれている。彼の信仰心は本物みたいだ。そこは信用していいかもしれない。
「ですので、私はここで……廊下で不動の姿勢にて守護いたします!!門番として、蟻一匹通さぬ所存!!」
本気だ。この人、本気で一晩中、廊下で立ちん坊する気だ。……いやいやいや。それはさすがに迷惑だから。他のお客さんが通ったら通報されるし、ホテルの品位に関わるわ。
「……いや、廊下は迷惑だから。ホテルの人に怒られるから。部屋の中に入りなさい」
「しかし!」
「部屋のソファで寝なさいよ。あそこのソファ、ふかふかだから。ベッドより高いかもしれないわよ」
ジルは恐縮しきりで、「めっ、滅相もない!そのような上等な寝具、私ごときが!」とか言ってるけど、無理やり座らせる。座った瞬間、彼の体が沈み込む。「おお……」と声が漏れる。気に入ったみたいね。
「よし。じゃあ、私はシャワー浴びてくるから。冷蔵庫の中の飲み物は好きに飲んでいいけど、有料だからほどほどにね」
「はっ!この命に代えても、冷蔵庫の平和は守り抜きます!」
「平和じゃなくて中身を気にしてほしいんだけど……まあいいわ」
熱いお湯が恋しい。さっきまで潮風に当たってたから、髪がベタベタする。メイクも落とさなきゃ。「聖女ジャンヌ・ダルク」から、「女子大生・聖上真樹」に戻る儀式。……
ふぅ。バスルームの鏡に映る自分の顔を見る。ちょっと疲れてるかな。目の下にクマができてるかも。でも、目は輝いている。充実感。
そう、今の私は、人生で一番「演じて」いる。誰かの書いた脚本じゃない。私がその場で作り上げ、周囲を巻き込み、世界を変えていく即興劇。
なんて刺激的。なんてエキサイティング。シャワーを浴びて部屋に戻ると、ジルはソファの上で正座していた。
ただ、窓の外の夜景を、じっと見つめている。数百年の時を超えて、現代の夜景を見る中世の元帥。役作り、深いなぁ。
「……明日からは、この『ジルさん』と一緒に、どうやってこの即興劇を完結させるか……。作戦会議が必要ね」
サイドテーブルの上のメモ帳を引き寄せる。今日の反省点と、明日のプランを書き留めておかなきゃ。
・セイバーちゃん(モルガン役)のメンタルケア
・ライダーさんとの飲み会のセッティング
・ギルガメッシュさんの「大家さん」設定の活用法
・ADさん(バーサーカー)の労働環境改善について
書きたいことは山ほどある。でも。ペンを持つ手が重い。まぶたが、鉛のように重い。急激な眠気が襲ってくる。そりゃそうよね。一晩で、あれだけの力を消費して、あれだけの運動量をこなしたんだもの。アドレナリンが切れた途端、体が悲鳴を上げている。私の「眼」も、使いすぎてオーバーヒート気味だ。視界がぼやける。文字が霞む。
「……ダメだ。今日はもう、限界」
「おやすみ、ジル。……明日は、朝7時起きだから……起こして……」
「御意。ゆっくりお休みください、我が聖女よ。良い夢を」
でも…今日は疲れたな。今は何も見えないや。私の意識は、深い深い闇の中へ、吸い込まれるように落ちていった。
冬木アクターズ・ラプソディ。第一幕、これにて閉幕。カーテンコールの拍手は、明日の朝までお預けだ。
第一幕終了です。
一番ダメージを受けたのはたぶんセイバーです。
次の助演指導の相手は誰が良い??
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衛宮切嗣
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言峰綺礼
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ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
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ウェイバー・ベルベット
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遠坂時臣
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間桐雁夜