1998年、天皇賞(春)。鹿毛の馬体が直線を駆け抜ける瞬間、画面の前で泣いていた。
 メジロライアンから追いかけて、ずっと待っていた勝利だった。
 そのメジロブライトが、十歳で逝った。サイアーラインは、途切れた。
 次に気がついたとき、俺は馬になっていた。しかもブライトの、ラストクロップとして。
 名前はフォージングライト。光を鍛える者。
 前世の記憶を持ったまま、血統の壁に何度もぶつかりながら、それでも走り続けるうちに、俺は気づいた。この体には、何かが宿っている。
 これは、途切れかけた光を繋ぐために走り続けた一頭の馬の話。
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