廃人が行く!効率厨の最強ビルド育成論 作:こくとうまんじゅう
「貴方今全世界の魔法使いを敵に回したわよ」
セツナは呆れたようにそう言いながら、しかしどこか納得しきれない表情で自分のステータス画面をもう一度見つめていた。極端と言えば極端な振り方だ。普通の魔法使いなら絶対にやらない配分なのだろう。
「え、なんで?」
俺が素直に聞き返すと、セツナはこめかみを押さえながら深くため息を吐いた。
「なんでじゃないのよ……普通は序盤は生存重視なの。HPもAGIもVITもある程度上げて、戦闘不能を防ぐようにするのが基本なのよ」
この世界でHPが0になって、戦闘不能になると、強制的にダンジョン入り口に強制転移されるような仕組みになっている。なので、死ぬ事は無いし、怪我もHPが肩代わりしてくれるから、傷ができないようになっている。【パイニア】は全年齢ゲームだからね。
「でもそれだと火力出ないだろ?」
「出ないわね」
「敵倒すの遅くなるじゃん」
「なるわね」
「その間に敵に攻撃されるじゃん」
「されるわね」
「じゃあ最初から敵を近づけなければいい」
「理論が脳筋なのよ」
酷い言い草である
ちょうどそのタイミングで料理が運ばれてきた。白いご飯は湯気が立ち上っていて出汁の香りが鼻をくすぐる。
懐かしい気分がして視界が一瞬揺れた気がした
「……いただきます」
箸を持つ手が少し震えていた。
一口。
白米を口に入れる。
甘いくて柔らかくて…懐かしい。
その瞬間、胸の奥に何かが込み上げてきた。
「ちょっと」
セツナが顔を覗き込んできた。
「なんで泣いてるのよ」
「泣いてない」
「泣いてるじゃない」
「泣いてない」
「子供?」
「子供じゃない」
やめてくれ。
情緒が限界なんだ。
「……そんなに美味しいの?」
セツナは少し不思議そうに聞いた。
「あぁ…うまい。」
「そんな顔するほど?」
「うん」
セツナは驚いた顔をして、それから少しだけ笑った。その笑みにはすごく母性を感じた、ヤベェ、今だけお母さんって呼んでしまいそうだ
「じゃあ頼んで正解だったわね」
その後は静かにご飯を食べた。だけど気まずきはなく、どこか心地よかった。
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セツナside
ダンジョンの空気は、外とはまるで違っていた。
湿り気を帯びた冷たい空気が肌にまとわりつき、石壁からはわずかに苔の匂いが漂っている。足音が床に反響するたび、その音が妙に大きく感じられて、胸の奥がざわついた。
——怖い。
そう思ってしまう自分を、すぐに否定する。
怖がるな。私は、公爵家の長女なんだ
私は公爵家の長女としてこの世に生まれ落ちた。我がレインデリア家は元々魔法使いが集まった家であり、毎度優秀な魔法使いが送り出していた。私は幼い頃から、「特別な存在」として周囲から扱われてきた。伝説とも言われるジョブ【静謐の魔女】になる才能を持つ少女としてだ。
現在、【静謐の魔女】の条件として判明しているのは“公爵家の長女であること”と言われている。何故なら300年前の【静謐の魔女】がそうだったと言われているからだ。
そう呼ばれ続けてきた。
教師も使用人も、親でさえも。無意識であり、私を苦しめようなんて多分全然考えていないのだろう
でも辛かった。友達なんていないし、話す相手も家族だけ。ただただ孤独だった
視線を前に向ける。そこには少し先を歩く背中があった
レオン
ちょっと変で常識はずれな人…でもこの人の後ろを歩いていると、不思議と安心する自分がいた。
どうしてだろう。
公爵家の騎士団長よりも強いわけじゃないのに。
宮廷魔導士よりも凄い魔法を使うわけじゃないのに。
何故か、この人は、信じられる。そう思ってしまった
この人の隣なら私は——。
一人じゃないのかもしれない。
どんな女が、タイプだい?
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