ハリーポッター プリムローズ通りの怪物   作:匿名魔法使い

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6話

 

 

 6話 秘密の虎の巣

 

 

 「………」

 

 

 

 あの日から数日が経ち、ハーマイオニーは少し変わった。図書館に入り浸らなくなった訳じゃない。食生活や、授業態度が変わった訳ではない。変わったのは、ちらりと盗み見る視線だ

 

 普通の人間なら気の所為と、言われるぐらいの変化。しかし、ハーマイオニーはグリフィンドール1の才女。その些細な事すら、意味を成す

 

 

 

 「………」

 

 

 頻度は、日に日に増していく。今や、数十分に1回だったのが数分に1回は見ている。そして、その視線の先には、同じ男子生徒がいた。アーサーだ

 

 ネビルとの何気ない会話。シェーマスの爆発の被害。ロンとハリーの行動の指摘。アイリスとセレスティアと会話する時の、2人がいる時にだけ見せる、屈託の無い笑顔

 

 そして、アーサーの違和感

 

 

 

 「(おかしい。なに、この違和感は? だって、今、アーサーとセレスティアは、かなり離れて位置にいるのに、ほとんど同じ食事をしている。そして、意味の分からない相槌。これは、一体………?)」

 

 

 

 ハーマイオニーがここ数日で起こっている違和感の正体を探るべく、何気なくアイリス、アーサー、セレスティアを観察する

 

 彼等は、たまに昼休みで一緒に食事をとるが、朝食と夕食は寮が同じ生徒で固まる為、別々で食事を取っている。しかし、その食事には共通点が多すぎた。ほとんど同じ食事をしている。そして、意味が不明な相槌も多い。コレは、おかしい

 

 

 

 「(………彼等の中で、言葉や仕草を通じずに、連絡を取る手段が確立されている? そんな魔法具、1年生が作れるはずもない。なら、セレスティアの実家、グレアム家の財産から?)」

 

 

 

 授業中もそうだ、アーサーが少し詰まっていると、必ず、同じ授業を受けている方が、少し固まる。そして、アーサーがアイリスもしくはセレスティアに目線を配ると、アーサーの問題が解消している

 

 これらの観察事項を踏まえ、ハーマイオニーは、彼らの中で不可思議な連絡手段が使われていることを確認する

 

 

 

 「………」

 

 

 

 ハーマイオニーは思考する。彼には大きな借りがある。一人の人間として、そして、グリフィンドールの一員として、この借りは必ず返さないといけない

 

 そして、ハーマイオニーは、約2ヶ月後の朝食に目撃する。アーサーがなにか思い出した様な顔をした直後、セレスティアとアイリスの顔が硬直し、顔を同時に伏せたのを

 

 ナニカ、あった。それは、彼女たちが、誰かに知られること、勘づかれる事でさえ、不都合なモノ。ナニカがあったのだ

 

 

 

 「………」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 そして、あの日から約2ヶ月が経った。冬も厳しさを増しており、あたり一面は白で覆われているその日。ハーマイオニーがニコラス・フラメルの名前を見つける前日。ハーマイオニーは、意を決する

 

 既に場所は、把握済みだ。昼間にも行き、どのような結界が施されているのかを確認し、対処法も検証済み。後は、行く勇気のみだった

 

 ハーマイオニーが、どうしてこんなにもまどろっこしくしているかは、自分でも理解は出来ていない。誰にでも、秘密はある。そんなのを暴いても、良いことだけでは無いことも承知してる

 

 なのに、彼の事を、彼等の事を考えている自分が、分からない。そこまでして、知りたがっているのが分からない。その、分からないが、彼女をここまでまどろっこしくさせた

 

 いつもなら、ズバッと聞けるのに、躊躇してしまう。聞いていいのだろうかと、いつもの好奇心が疼かない

 

 

 

 「………来ちゃった」

 

 

 

 ハーマイオニーは、ハリーから透明マントを借りて、校則違反を容認しながら、彼等の秘密の場所まで来てしまった

 

 明かりはついていない。外からは、ただの古びた温室だと、何もないと目視で分かる。しかし、それは昼間の検証で確認済み。そこには確かに、3人の痕跡があった

 

 上品な椅子、上品な机、図書館から借りたであろう本。そして、アーサーの字体で書かれたノート。そこにあとから付け足しで書かれた、上品な字、正確な字。それは、決定的に、彼等の痕跡を表している

 

 

 ハーマイオニーが透明マントを外す

 

 

 すると、温室の中で、アラートが鳴る。それは、ハーマイオニーには聞こえていないが、彼女は、アラートが鳴ることを知っている

 

 すぐに、1人の生徒が温室ドアを開けて現れる。その生徒は、セレスティア・ヴァンス・グレアム。彼女が鉄仮面つけて、そして、かなり近付き難い、厳かな雰囲気を纏って、ハーマイオニーの前に立つ。その雰囲気は、成人している貴族でも、近付き難い程の圧力があった

 

 一目で分かる。警戒、その一言だ。ハーマイオニーは、理解している。いきなり、何の連絡もなしに、自分達の秘密に土足で入る侵入者。それが、自分なんだと

 

 

 

 「あら、ミスグレンジャー。奇遇、と言うには、おかしい時間帯かな?」

 

 

 

 声は柔和。しかし、目とその圧力が有無を言わさず、嘘を許さないと、誰の目から見ても分かる程。それが、ハーマイオニー1人に向かって注がれていた

 

 

 「……こんばんは、グレアムさん。貴女達に、少し、お話があってきました。アポイントメントも無く、ごめんなさい。でも、少しだけ、よろしいでしょうか」

 

 

 「………、はぁ。良いだろう。許可しよう。で、話とは?」

 

 

 

 そんな彼女にハーマイオニーは、目を見て答える。それが、普通の人間なら怖気付いて、逃げ帰るのがオチだ。しかし、ハーマイオニーは、重圧に立ち向かい、話し続ける。それが、藪蛇を突こうとも

 

 

 

 「貴女達、3人の関係。それが知りたくて」

 

 

 「………ほぅ? 何故?」

 

 

 「………わか、らないんです。私も、グレアムさん達の秘密を暴いても意味は無いし、良くない事だって理解している、はずです。けど、何故か、あの日以来、ずっと気になってしまっていた。だから、ここに来ました」

 

 

 「………。分かった。ここでは寒いし、客人に失礼だ。中に案内しよう」

 

 

 

 セレスティアは、温室のドアを開ける。しかし、光は漏れない。音も、何も聞こえない。見た目はただの古びた温室が覗くだけだった

 

 ごくりと、ハーマイオニーは喉を鳴らす。今、この場で、何かをされても自分では対処が出来ない

 

 魔力が桁違いに強いアーサー、冷徹にして自分と同レベルの才女アイリス、そして、文武両道でスリザリン生の憧れでもあるセレスティア。知識ならなんとか対抗出来るが、それ以外は勝てる要素は無く、虎の巣に入る気持ちだ

 

 しかし、自分の好奇心は止まらない。ダメだと理解しているのに、知りたくなってしまう。彼らの秘密、そして、自分の戸惑う気持ちを

 

 

 

 




もう毎日は無理かも。申し訳ない。こんな作品に期待してる人はいないと思うけど、すまそ
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