カードキャプターさくら 〜中身が限界オタクの私は、推し(知世)を泣かせたくなくて勇気を出す〜   作:ちいさな魔女

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因みに、呪詛師集団Qとの戦闘は大幅カット。まあ本編でもパスしてたし、今更か。

因みにオリジナル呪詛師の術式はこんな感じ。

呪詛師集団Q:チョリソー
能力:爆札
呪力を流し込んだ札に爆発の印を記し、物に触れた途端に大爆発を起こす。爆発の範囲は流し込んだ呪力量によって決まるが、最大範囲は三階建ての家を一瞬で爆破するレベル。また術者が自ら札を貼ればすぐに爆発はせず、地雷のような使い方も可能になる。術者本人が爆発を受けてもダメージはない。


日曜日

ある日の日曜日。さくらはケルベロスと共に家の大掃除を行っていた。今日は昨日の大雨の影響か、日曜日に相応しい晴天の空だった。この日、さくらは兄にピアノの発表会に見に行ってもらう事と引き換えに家の用事を頼まれ、引き受けたのである。

 

知世と森林公園に行きたかったものの、また今度の日曜日に行こうと約束した。こういう事は桃矢と約束した後、知世にもしっかりと伝えている。社会人の基本だ。報告と連絡、相談。さくらも前世でよく上司から厳しく教えられた。今にして思えば、本当に素晴らしい人だった。

 

さくら「この前は大変だったね」

 

ケルベロス「ホンマに改修工事をせなあかんくなったしな。まあ、呪詛師の襲撃やったししゃーない」

 

さくら達が話してるのは、この前の水族館で現れた呪詛師襲来の件だ。

 

さくら「今日は知世ちゃんとお出かけしたかったけど、家の掃除当番やら家事やら私も引き受けちゃったしね」

 

さくらは窓拭きを済ませた直後、床に掃除機を掛けた直後にモップ掛けも行っていく。ケルベロスも布巾で人の手が届きにくい場所の埃を拭き取っていく。

 

ケルベロス「掃除の手際ええなぁ」

 

さくら「掃除をやるのは初めてじゃないし、いつもこうして当番でやってたからね」

 

さくらからすれば、前世でもやってた事だ。それに喜んでやる苦労はあまり面倒とは思わない。故に家事をやるのは、さくらにとって大した苦でもないのだ。

 

ケルベロス「それにしても、さくらはホンマに真面目やなぁ」

 

さくら「そんなんじゃないよ。ただ、身の回り位は綺麗にしたいだけ。成績だってそれなりに良くした方がウケも良いし、一度しかない学校も楽しむ。そして睡眠も家事もしっかりやる。健康になれば長生き出来るしその分楽しめるからね」

 

さくらはテーブル拭きも終えて、シンク周りもスポンジで洗った直後に拭き取る。ケルベロスも洗濯物を洗濯機に入れていき、スイッチを入れて洗濯を始める。勿論蓋をしてから洗濯機を起動するよう教えられている。

 

ケルベロス「それを真面目っちゅーんや」

 

さくら「アハハ。やっぱりそうなんだ」

 

さくらは掃除を済ませつつ、この前の事を思い出す。

 

さくら(そう。私がカードキャプターとして戦う、日常もゆっくりと楽しく過ごす。両方やるって決めたんだから。この前みたいな呪詛師集団Qに邪魔させないもん)

 

――――――――――――――――――――――

 

時を遡り、水族館での出来事。

 

呪詛師による襲撃を受けて、さくらは戦う事になった。

 

さくらは呪詛師の仕掛けた爆発する札を避けていく。攻撃を避けていく中で、呪詛師の攻撃のパターンを把握し始めるさくら。さくらの観察眼は、ジョジョ4部で大人になった空条承太郎が広瀬康一君に対して、ただ見るだけではなく、よく観る事を説いた事から来ているのだ。前世では読んで納得するだけだが、今は違う。ただ読むだけでいるのと、実際にやるのとは確かに異なるのだ。岸辺露伴も、リアリティーこそが作品に命を吹き込むと言っていた。

 

呪詛師の札は、投げて物に当たると爆発する。そして水族館にはいくつか貼られており、さくら達が踏むと大爆発を起こす。幸いにも踏んでからすぐに避けて爆発から逃れる事は出来る。それさえ分かれば、さくらなら踏んでも避けるのは容易い。

 

それはさくらだけでなく、一瞬視界に映った知世やケルベロスもそれを示すように合図を送っていた。

 

中々攻撃力の強い術式だが、さくらは対策が分かればすぐに対処出来た。

 

さくら『やっぱりね!』

 

チョリソー『なんじゃと!?』

 

爆煙に紛れたチョリソーが再び札を投げる前に、さくらは『SHADOW』のカードで自分の影を操り、両腕を拘束した。

 

さくら『ドンピシャアアア!!』

 

さくらはチョリソーを下顎から蹴り上げた。

 

チョリソー『バカな………』

 

チョリソーはその場に倒れた。札は効力が消えた後に床へ落ちて、さくらはその場から離れる。しかし、札は爆発しなかった。

 

その後、チョリソーを影で拘束したまま帷を降ろさせ、一ノ瀬に引き渡したのだ。

 

一ノ瀬『まさか呪詛師が狙うなんて………良い?さくら。知世さん。ケルベロス。呪詛師が襲来した以上、私達も全力で貴女達をサポートします。これからは学校や友枝町、行く先にも『窓』を紛れ込ませるし、私を含めた補助監督や高専の術師、もしかしたら呪術御三家の誰かが日常の中で傍らに居る事になるわ。用心しなさい。呪詛師集団Qとなると、カード集めも楽じゃなくなるわよ』

 

一ノ瀬はそう言い残し、車に気絶したチョリソーを乗せた後に運転席へ乗って去っていった。

 

その後、さくら達は知世のボディーガードが運転する車に乗せられながら帰宅したのだ。

 

――――――――――――――――――――――

 

さくら(はあ。気が休まらないなぁ。呪詛師にも狙われるなんて………)

 

掃除を済ませたさくらだが、2枚のクロウカードをそれぞれ見つけた。その内の一つはインク塗れになっていたが、布巾で綺麗にしようとしたら、父親の藤隆さんから電話が入る。青い封筒に大事な書類があると言われて、留守番をケルベロスに任せてバス停に向かった。

 

ローラースケートを巧みに操り、藤隆さんへ書類を届けた直後に雪兎と出会う。どうやら試合の助っ人を頼まれたのでこれから向かうらしい。どこの部活も属してないのに助っ人を頼まれる事自体、そもそも凄い事なのだ。さくらは純粋に雪兎を尊敬していた。

 

最も、さくらは正体を知ってる為に複雑な思いなのだが。

 

雪兎「そうだ。さくらちゃん、お昼はまだでしょ?これから一緒にどう?」

 

さくら(ホントは行きたいな………大食いの雪兎さんを見てみたい……でも……あっ!!この後確か、レインのカードが発動してウッドで家中ジャングルみたいになっちゃう!それに……どうせなら知世ちゃんとお昼にしたいし、名前を書くのを忘れてたし………雪兎さん、ごめんね!!)

 

さくらは雪兎と一緒にお昼を食べたかったが、断念する事に。首を横に振り、雪兎の提案を断る事に。

 

さくら「ごめんね雪兎さん!今日、家の当番もあるし、友達も呼んで皆でお家で食べたいから!」

 

雪兎「そっか、それは残念だね。分かったよ。さくらちゃん、ホントに優しいね。お家の当番、頑張ってね」

 

さくら「はーい!雪兎さん、ありがとうございまーす!」

 

さくらはローラースケートを走らせ、真っ先に自宅へ向かう。雪兎に褒められて嬉しいが、今は家の地下に蔓延るカードをなんとかしなくてはならない。その道中、さくらは電柱に背中を預けながら知世から貰った携帯を取り出し、一ノ瀬に連絡した。

 

一ノ瀬『もしもし?』

 

さくら「あっ!さくらです!一ノ瀬さん、今すぐ私の家に来てください!クロウカードを自宅で2枚見つけましたけど、嫌な予感がするんです!」

 

一ノ瀬『クロウカードが?分かったわ。同僚の補助監督も連れてくから、待ってて頂戴』

 

そして、すぐに知世にも連絡した。

 

知世『はい、大道寺ですわ』

 

さくら「知世ちゃん!クロウカードを見つけたよ!私の家にあって、もしかしたら暴走しちゃうかもしれない!」

 

知世『まあ!そうでしたの!今すぐ向かいますわ!』

 

さくら「撮ってくれるの期待してるよ!じゃ、後でね!」

 

さくらはローラースケートを走らせ、自宅へ直行した。因みに洗濯物は全てケルベロスが干しており、疲れたケルベロスを無理矢理起こして自宅の外へ避難しようとした。すると、玄関に向かう途中で地下から騒音が響いた。確認したかったものの、さくらはケルベロスを連れて外へ避難した。

 

その1分後、さくら達の元へ一ノ瀬と複数の補助監督を連れた1台の車と、知世を乗せたバンが到着した。

 

――――――――――――――――――――――

 

さくらは着替えを済ませ、知世のコスチュームを確認する。ピンクが基調のドレスに、頭の白い羽、そして白いタイツに白いブーツといった、全体的にフワフワな妖精がモチーフの衣装だ。さくらと森林公園で舞ってもらおうと、知世が用意した衣装だ。

 

さくら「うん!ぴったり!ありがとう知世ちゃん!」

 

知世「さくらちゃんの自宅でクロウカードが暴走するなんて予想外でしたけど、またさくらちゃんの活躍をビデオで撮れるなんて素敵ですわ!」

 

さくらは鏡を確認した後、知世のビデオにも衣装に綻びが無いか確認させる。

 

一ノ瀬「ホントに良いセンスしてるわね」

 

さくら「さて、そろそろ行かないと。封印解除(レリーズ)

 

さくらは封印の鍵を手にした後、杖を解放して手に持つ。

 

すると、ベランダの奥から樹木が出てきた後、葉を生やし始めた。その時、樹木の成長は止まったものの、地面からは地鳴りが止まらない。

 

さくら「この音は……」

 

ケルベロス「太陽の光を浴びて大人しくなったんやな。けど、そのせいで外に日光があるから日光の元へ出ようとしとるんや!」

 

知世「お家が壊れちゃいますわ!」

 

さくら「時間が無い……早く入ろう!」

 

さくらと知世、ケルベロスは家の中へ入る。一ノ瀬は補助監督数名と共に現場を封鎖しており、その隙に一ノ瀬か帷を下ろし始めた。

 

一ノ瀬「現場は工事の名目で一時的に封鎖したわ。幸運を。今度は呪詛師も居ないことは確認済み。さくら、知世さん。ケルベロス。幸運を。『闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え』」

 

家に帷が下ろされ、さくら達はジャングル化した自宅内に入る。玄関から入るさくら達は、木々の間を潜って移動していく。どうやら攻撃しなければ無害な上に日光を少し浴びた影響もあって、WOODは大人しくなっている。しかし、成長を続けているのでいつ家が破壊されるか分からない。

 

木々の間を掻い潜る中、さくらは地下室から伸びているのを見つける。

 

さくら「地下室からみたい」

 

ケルベロス「せやけど、WOODがこんな事をするとは思えんわ。もう一枚のカードが関係しとんのか?」

 

さくら「だと思う」

 

地下室に入ると、階段を降りた先が水浸しであった。

 

さくら(ホントに水浸し。ウォーティ持っといて良かったよ)

 

さくらはウォーティのカードを取り出し、木々の間を潜り抜けていく。すると、小さな雲から雨が降って樹木に振り注いでいた。

 

さくら「ケロちゃん。あれ」

 

ケルベロス「RAINのカードや!二つのカードが共鳴しあってこんな事態になっとるんや!」

 

知世「チャンスですわ!さくらちゃん!」

 

さくらは知世の言葉に頷いた後、RAINに向かって叫ぶ。

 

さくら「RAIN!イタズラは其処までだよ!」

 

すると、雲の中から小さな水色が基調の可愛らしい妖精が顔を出してきた。

 

RAIN『アハハハ!』

 

さくら「はい。ウォーティ」

 

さくらはウォーティのカードを杖に翳した途端、雨が螺旋を描くようにRAINを囲む。

 

さくら「帷を張るまでも無かったと思うけど、一応騒ぎは面倒だからね。閉じ込めろ!」

 

さくらはウォーティによる水の結界で、RAINを水の球体に閉じ込めた。

 

知世「ナイスですわ!さくらちゃん!」

 

ケルベロス「さあ、封印や!」

 

さくら「汝のあるべき姿に戻れ!クロウカード!」

 

こうして、RAINのカードも手に入れる事に成功したさくら。カードを手に取った後、さくらはRAINを見てふと思う。

 

さくら「雲が無くても雨を降らせられるのは驚いたね。やっぱり物理的なものじゃないんだ」

 

雨によって水浸しな床も、濡れてなかったように綺麗になっている。

 

ケルベロス「そりゃ魔法のカードやさかい。普通の物理法則とは違うんや」

 

さくら「さて、後はWOODかな?」

 

さくらは杖を構えようとした途端、木々が輝いた後に巻き戻るように木々が引っ込んでいく。やがて木々は一人の小さな女の子の姿となり、さくら達へ微笑んだ。

 

WOODの、本来の姿だ。

 

さくら「ありがとう、WOOD」

 

そして、さくらはWOODのカードも手に入れて、木之本家で起きたカード騒動も終了した。

 

因みに、家の中は家具がかなり散らかっており、さくらは知世や一ノ瀬の手も借りて大掃除をやり直したのは、言うまでもない。

 

父と兄が帰って来た後、さくらは自室でケルベロスと共に寝ており、自宅も綺麗になって洗濯物も畳んでおり、藤隆は感謝のケーキを買ってきていた。桃矢もなんやかんや言いつつ、さくらが家事を立派にやり遂げた事を誇らしく思っていた。

 

―――――――――――――――――――――――

 

東京呪術高専にて、総監部に呼び出された夜蛾は、老人達から聞いた言葉に驚愕していた。彼等の姿は障子の向こう側にあり、正確な姿は影しか映ってない。蝋燭の火による灯りしか灯されておらず、薄暗い総監部の会議室にて、夜蛾はその中心に立ちながら総監部からの報告を受けていた。

 

夜蛾「五条家が木之本桜へ縁談を?彼女はまだ小学生です」

 

総監部『しかし、五条家は木之本桜を六眼を持って生まれた息子の嫁に迎えたいとの事だ。友枝小学校に当主となる息子を転校させ、交流させた後に婚約するか否かを決める』

 

夜蛾「彼女が同意するかは分かりませんが、少なくとも禪院家や加茂家の耳に入っているでしょう」

 

総監部『禪院や加茂も許嫁の話を進めようとしているが、五条家に先を越された事を憤っているようだ』

 

夜蛾「でしょうな」

 

禪院家や加茂家から見ても、木之本桜は正に突然変異種だ。呪術界の根底を覆しかねない存在と言っていい。クロウ・リードの事は高専も調査して把握していたものの、記録状のクロウ・リードは既に死亡している。そんな彼の残した遺産を扱う事の出来る少女を、家の血筋に取り込めばより強力な術師を生み出す事が出来るだろう。しかし、禪院家や加茂家は御三家として最悪だ。五条家も五条家で訳ありな所はあるものの、それでも加茂家や禪院家と比べてマシである事には変わらない。故に、五条家が先を越したのはさくらにとって幸運と言えるだろう。

 

夜蛾「五条悟……600年ぶりの六眼持ち。そして無下限呪術の使い手……しかし、性格に難ありか」

 

夜蛾は総監部の元を離れる内に、補助監督から貰った資料を見てそう呟いた。

 

失敗を知らない少年。木之本桜との出会いで、何かが変わると良いが。

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