思いつきを文字に書き起こしただけなので文章が拙いです。
2018年11月11日 ー禪院家壊滅ー
同日深夜のとある場所にて、2人の人間が対峙していた。
「真希? こんなところまでどないしたん?」
1人は禪院家最強の術師集団『炳』の下部組織である『躯倶留隊』の副隊長を務める若き男。
禪院直人。
「別に……ただ、全部壊すって約束したからな。悪いけど、死んでくれ」
対するは、天与呪縛のフィジカルギフテッド。禪院真希。
「全部壊して……か。そう言われたから禪院家壊滅させようと思ったんやな?」
「ああ」
「そうなんか。まあそれはええわ別に。俺も禪院家嫌いやったし、ぶっ壊してくれて清々したわ。
でも、全部壊すためには俺も殺す必要あんねやろ?」
「……ああ」
「はぁ……まあぐだぐだ言うてもしゃあないな。構えい。これが君と過ごす最期の時間になるやろからな。殺すか殺されるかの命の取り合いや。手加減なしやで?」
「なんにも聞かねえのか」
「聞かんくても大体わかる。その呪具と今の身体、ほんでその
「!」
「なんで一卵性双生児が呪術に於いては凶兆か。それは君ら2人が呪術的におんなじ人間やと見做されるからや。せやから君も真依も中途半端な実力しかなかった。やけど今の君は違う。ここにおるってことは直哉や甚壱さんや信朗、それら実力者を含めた戦闘員は全員殺してきたんやろ?」
「それができるんは今の君を除いたら甚爾くんくらいしかあれへん。なら不完全とはいえおんなじフィジカルギフテッドやった君が甚爾くんとおんなじになったって馬鹿でもたどり着くわ」
まあそれができへんかった本家の馬鹿どもは無様に君に殺されたみたいやけど。と直人は嗤う。
「まあ、最初の質問に戻るけど。何しに来たんや真希」
「言っただろ。殺しに来たって」
「じゃあなんで俺を不意打ちせえへんかったねん。割と隙晒しとったやろ」
「……」
「だんまりか。はぁ……」
そうため息を吐きながら直人は居合の構えを取る。
それに合わせて真希も構えを取った。
小さな風が吹く。そして両者の間に木の葉が一つ、舞い降りた。その刹那
「「フッ!」」
キン、と甲高い音を立てて、2つの刃が交わり合った。
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(速いな……流石に甚爾くんと肉体のスペックは同じなだけはある。正直”これ”使ってなかったら反応できたか怪しいくらいの速度やわ)
直人の言う”これ”とは、御三家にまつわる領域対策。その名も『落花の情』
彼はそれを居合に転用し、フルオートで真希の攻撃を捌くことに成功していた。
真希の攻撃を逸らし、弾き、時には反撃に出る。速度では真希の方が上であったが、剣術の腕は直人の方が上である。
そのため斬撃の応酬は互角の状態が続くと思われた。
しかし、その均衡は容易に崩れる。
「っ!」
直人は類稀なる剣術の腕と、落花の情によるフルオート迎撃により真希の速度に反応していた。
しかし、純粋な速度は真希に劣り、常に後出しを強いられている状態で、その斬撃を完璧に捌くのはいかに直人の技術を持ってしても困難を極める。
それだけではなく膂力の差により、直人は徐々に追い詰められていた。
(マズいな……あっちは傷負ってて、万全じゃないはずやのに、それでも押し負けるほどの強さ。舐めてたわけじゃないけど、想定よりも上やったわ)
これ以上長引かせるとマズい。そう直人は考えた。
そしてそれは真希も同様であった。既に血は止まっているが、本家で負った傷はまだ治っておらず、加えて直人と対峙する前に、本家にいなかった戦闘員を殺害して回った時の疲労。
それらを鑑みた真希は直人と同じ結論に至る。
「なあ、直人」
「わかっとる。次の一撃で決着つけようや」
そう言って直人は抜刀の構えを取る。
対する真希は八相の構えを取る。
数秒沈黙した頃、空気の流れが止まったその瞬間、両者は動いた。
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カラン、と音を立てて一振りの刀が落ちる。
「ごめんな、真希」
そう言ったのは力なく刀を手落として、地に倒れ伏した直人であった。
「なに謝ってんだよ」
「君らに居場所を作ってやれるほど、圧倒的に強くなれやんくて、ごめんな真希」
「っ! ……」
「フッ、内緒やで、ぶっちゃけカッコええと思っとったねん。君が呪力を持たなくても一生懸命鍛錬して、着々と力を伸ばしていってたの」
そう言って直人は微笑みながら続ける。
「俺ら躯倶留隊は、禪院家での立場が総じて弱い。それは単に術式を持ってないってだけやなくて、単純に平均の実力が低いってのもあるし、向上心がないってのもある」
「せやから俺や信朗みたいに術式がなくても、炳に通じる実力を持つ奴は全然おらん」
「せやけど真希はそんな奴らよりも才能がない状態から、躯倶留隊の中でもかなり上の方に位置しとった」
「呪力を扱われへんってのは術師するには致命的や。それやのに並の奴じゃ勝てないくらいには君は強かった」
「そんな君を俺はちゃんと見とったし、評価しとった。他の躯倶留隊の子らは殆どそう思ってなかったみたいやけどな」
そう直人は言葉を溢す。
「せやから、俺は思っとったねん。信朗が引退した後、次の躯倶留隊の隊長が俺になった時は、副隊長に真希を指名しようって。決めた時、君はもう高専に行ってしもうたから、帰ってきた時にどれだけ強くなっとるか、俺はワクワクしとったんや」
「だけどそれじゃ、あかんかったんやな」
「……」
言葉を紡ぐことができない真希に対して、直人は「今のは意地悪やったな」と笑みを溢す。
「強くなったなあ真希。多分信朗もびっくらポン言うて驚いとったやろ」
「……ああ、躯倶留隊を皆殺しにした後、部屋に入ってきてな。その時に言ってたよ」
「ハハッ、やっぱりそうか」
そう言って直人は目を閉じる。
「それじゃあそろそろお別れの時間や。真希、こっちに来んのはもっと後にするんやで」
「言われなくても……わかってる。直人、今まで私を鍛えてくれてありがとう」
「フッ、お礼を言うのはこっちの方や」
「殺された相手にお礼を言うなんて、イカれてるな」
「確かにな。でも、殺されるのがお前で、良かったわ。師匠、冥利に尽きる、で……」
「それと……」
そう最後に何かを真希に言い遺して、直人は息を引き取った。
それを見送った真希の頬には乾いた水の跡があった。
禪院直人。呪術廻戦は全く知らないけど一応転生者。
前世はそれなりの偏差値の大学に入って、そこそこ大手の企業に就職して平々凡々な人生を送ってた。
30歳くらいの時に、トラックに轢かれて転生した。
年齢は直哉の3個上で、分家の子。今世の享年も30歳の人。
転生してきたお家があまりにもドブカスすぎて「これはあかん…」ってなった。
ちょっとずつ変えようと努力はしたけど分家の子だから立場は弱いし、術式は無いしで散々。
分家の子だから、高専には通わせてもらえなかった。通えてたら多分そのまま禪院家と絶縁して、高専所属の術師と教師を兼任してた。禪院家がどうなるかは分からんけど、少なくとも真希に殺される未来は回避できる。
術式無いってバカにされて、虐げられたけど、それでも必死にもがいて鍛錬して、気づいたら副隊長にまで上り詰めてた。
副隊長に指名される少し前に、信朗と隊長の座をかけて試合したけどギリギリ負けてしまったため、隊長にはなれなかった。だから副隊長。
向上心のない人間は好きじゃない。逆に真希みたいに才能がなくても実力をつけようとする人間は大好き。九十九さんと同じで、泥臭い人間がタイプ。
真希のことをしっかり認めてたから、他のみんなが見てないところでこっそり修行をつけてあげてた。そんな直人に真希もそれなりに懐いてた。
躯倶留隊副隊長だけど、実力は信朗超えどころか禪院家で勝てる人は5本の指に収まるくらいの強さ。
甚爾>真希>>直毘人>>ドブカス>甚壱>直人>>(越えられない壁)>出来損ないおじさん
大体こんな感じの強さ。甚壱さんには相性の悪さでほぼほぼ負けるけど、直哉には3割くらいの確率で勝てる。
落下の情のフルオート迎撃は投射と相性いいからね。直毘人にもワンチャン勝てるかも。
信朗超えの実力あるのに隊長にならなかった理由は、信朗の引退に合わせて隊長にならないと、副隊長の座が空かないと考えたから。
信朗ボコボコにして自分が隊長になっても、信朗が副隊長になったら意味ないよね、と思ってた。
まあ別に真希が信朗に勝てればそれで良かったんだけど、生憎そうなる未来が直人には考えられなかった。
真希も強いけど、信朗に比べたらなあ…って感じで思ってた。
ちなみに真希は別に直人のことを殺したいとか、痛めつけたいとは思ってなかった。だから他の人と違って残酷な殺し方はせず、痛みを感じないよう、一撃で殺すつもりだった。
だけど思ったより直人が強くてびっくらポン状態になってた。
最後の本気の一撃も、即死させられなくてさらに驚かされた。致命傷ではあったけど。
死ぬまでに猶予があったから直人の最後の言葉もきちんと聞いて、今までの感謝も伝えた。
真依との約束を守るために、悩みに悩んで殺す判断をした。それに後悔はないけど、多分心のどこかでずっと引き摺ることになる。
【オマケ 躯倶留隊からのレビュー】
・禪院直人
☆4.5
コメント
隊士A:まだまだ若いのに、副隊長まで上り詰めたすごい人。
夜遅くまでずっと鍛錬してる努力の人。
隊士B:きちんと弱点とか、動き方を指導してくれるし、それがすごい分かりやすい人。
隊士C:厳しいけど、訓練が終わった後はいつもみんなを労ってくれるいい人。
信朗:正直俺より強くね?