知るかバカ!そんなことより侵略だ! 作:ブラッキオ
Side in
どうも皆さん、ネットの海を彷徨ったらfateを見つけました。この十数年何やってたんだとなりました、岸波大地です。四条め、実はアンテナが鈍いな?
「というわけで訪日したぞい」
我が家の最上階に何故か出来ていたVIPルームにオーディンさんが案内された。俺、知らないんだけどリアスは我が家に一体何をしたんだ?
今はそれは置いておいて、オーディンさんは日本に用事があって来たらしい。で、その用事になるまでの間はこの町にいるそうだ。何でも、この町は悪魔,堕天使,天使の三勢力の協力体制が強いから安全らしい。何なら俺もいるから無敵に近いとか。え、俺知らないんですけど……。
「こやつはわしのお付きであるヴァルキリーのロスヴァイセじゃ」
朱乃からもらったお茶を飲みながら、そう言うオーディンさん。
「ロスヴァイセと申します。日本にいる間お世話になりますが、よろしくお願いいたします」
ロスヴァイセさんね。随分真面目そうだ。あと、すごい若く見える。まるで俺達と歳がそう違わないように見えるくらいだ。
「彼氏いない歴=年齢のヴァルキリーじゃ」
そんなロスヴァイセさんに茶々を入れるようにムカつく笑顔でそう言うオーディンさん。すると、ひどく狼狽し、その場に崩れるロスヴァイセさん。
「そ、それは関係ないじゃないですか!私だって、私だって好きで今まで彼氏を作ってこなかったわけじゃないんですよ!好きで処女なわけじゃないんですからねぇえええ!!」
床をバンバン叩き出すロスヴァイセさん。おい、下で遥輝たちが寝てるんだ、静かにしてくれ。
「まぁ、戦乙女業界も今じゃ厳しいもんじゃ。どれだけ器量よしでも、これがまた中々芽吹かぬ。そこに追い打ちをかけるように昨今は勇者や英雄の数も減った。その為に経費削減でヴァルキリー部署が縮小傾向にあっての。こやつもわしのお付きになるまで職場の隅にいたもんじゃよ」
世知辛い。世知辛すぎるよ、北欧よ。何でこんな所で悲しい現実を知ることになるんだ。
「と言うわけで、ブラックゾーン。こいつを貰ってくれんかの?」
「何故急に?」
突然の推薦。俺にはとても突然『はい』と言えるほどの度胸はない。
「お主、英雄じゃろ。こやつ、これでも見てくれはいいはずじゃし、どうじゃ?」
「いや、そう言うのは今はいいかなぁ……」
別にロスヴァイセさんが美人じゃないとかそう言うことを言っているわけじゃない。君達だって、今日会ったばかりの人と結婚しろなんて言われたら流石に保留するだろ?そう言うことだよ。
「ま、ヴァルキリーが岸波にフラれた所で、話を進めるぞ」
「ふ、フラれてないです!」
「爺さんが日本にいる間は俺達が護衛することになっている。バラキエルはグリゴリ側からのバックアップ要員だ。俺も俺で最近忙しいせいで、ここにいられる時間も限られちまうしな。その間はバラキエルが何とかしてくれる」
「よろしく頼む」
アザゼル先生がそう言うと、バラキエルさんが短く挨拶をする。
てか、護衛とか俺は全然話を聞いていないんですけど。その辺り、マジでムカつくんでアザゼル先生に抗議しよう。
「てか爺さん、来日するにはちょいと早くないか?俺の聞いた予定だともう少し先だったはずだ。今回の来日も日本の神々と話を付けたくて、で、サーゼクスとミカエルが仲介で俺が会議に同席って感じ。そんな話じゃなかったのか?」
アザゼル先生がお茶を飲みつつそう言う。おや、アザゼル先生も知らなかったことなのか?
「まぁの。予定じゃともう少し先じゃ。ただ、我が国で少々厄介事……と言うよりも厄介なおんにわしのやり方を非難されておってな。事を起こされる前に速めに行動しておこうと思ってのぉ。今まで閉鎖的にやっておったもんだから、日本の神々とも話をいくつかしたいんじゃよ」
厄介事?何だそれ?そちらもそちらで面倒なのか?
……あ、もしかして。
「ブラックゾーン」
俺が一つの答えにたどり着くと、それを諫めるように俺の名を呼ぶオーディンさん。
「はい、何でしょう?」
「お主、ちょいと聡すぎるのぉ。その名は、今は出さんでおってやってくれ。この段階でその悪事を読まれた『あ奴』のプライドが泣くことになる」
「……うっす」
ああ、やっぱ『あいつ』なのかなぁ。俺でも知っている『北欧神話』で『面倒な奴』って、もう1柱しか思いつかないんよ。
「何が言いたいか、木っ端の堕天使の俺にはさっぱりだが……爺さん。その厄介事ってマジでなんだ?ヴァン神族か?今から
「分かっとるわい。今からそんなことをすれば、ブラックゾーンにわしらが殺されかねん。そもそもヴァン神族など今は捨て置けばよい。まぁ、この話は今していても仕方ない」
そこからは
○○○
皆が帰ったら何しようかな。大人しく寝るか、それとも絵でも描くか。うーん……
「朱乃、お前と話をしたい」
一階で麦茶を飲んで、VIPルームに戻る途中のことだった。何やら朱乃とバラキエルさんがお話をしている。それも、余りいい雰囲気とは思えない。
俺は隠れて、こっそり様子をうかがった。
「気安く名前を呼ばないで」
朱乃は朱乃で何だかとても不機嫌そうだ。いつもの余裕のある感じじゃない。何て言うか、怒りを感じる。ただ、その奥に後悔のようなものもあるのも。
「ブラックゾーン殿と逢引きしていたのは、どういうことだ?」
あ、ギルティっぽいですね。分かりました、首を出します。
「あなたには関係ないでしょう?何故、あなたにとやかく言われないといけないの?」
「心配なのだ。お前が、その……卑猥な目に遭っていないかと。ブラックゾーン殿とて男である故何か間違いが起こる可能性も否定できない」
俺も悲しい。だけど、何だか二人の方から伝わる悲しみが苦しい。これも禁断の影響か。感情に敏感になりすぎている。少しくらい落ち着こう。
「彼をそんな風に言わないで。大地君はそんな酷い男じゃないわよ」
「私は父として……」
「父親面しないで!だったら……だったら何であの時来てくれなかったの!母様を見殺しにしておいて、よくそんなことを!」
思わず、ため息が出そうになった。頭痛もしそうだ。これ、面倒なことだな。
朱乃がどこかへと行った頃合いを見て、俺は物陰から出る。バラキエルさんがこちらを見た。彼は誤魔化すように笑う。
「ブラックゾーン殿か。申し訳ない、無様な姿を見せた」
「はて、何のことやら」
幽さん風の答えをして、俺は傷心のバラキエルさんをそのまま一人にさせるように部屋に戻った。
正直に言おう。今回のオーディンさんと言うVIPの護衛任務、バラキエルさんと朱乃は確実に邪魔になる。あんなにもいがみ合う、と言うより仲たがいをしているような奴らを護衛に付けるなど笑止千万。足を引っ張るのが目に見える。彼を分かっていて採用したなら、アザゼル先生は相当な大馬鹿者ってことになるだろうな。
だからと言って、ここで人員を減らすなんてことをすれば、堕天使の面目も悪魔の面目も両方潰すことになりかねん。でも、二人をそのままここにいさせるのも俺が納得できない。
ならばこそ、何とか出来る問題であるなら、俺も力になりたい。ただ、何が原因なのかも分からない以上下手に手を出すわけにはいかない。こっちの禁断の力だって何に使うかで器用に使わせてもらっているだけで、万能とまではいかないのだ。
これは……少しリアスとかを問い詰める必要がありそうだな。具体的に言うと……アザゼル先生。
あんた、何を隠している?あの二人の間に何があったのか、あんたなら知っているはずだ。
Side out
仕事はいつ楽になるのか。そんなものはない。