ふぃ〜。極楽極楽〜〜。
のんびりと木陰で過ごしている内に太陽も少しだけ昇ってきたことで雑魚寝部屋に日が差し始めて、それを皮切りに皆が起き出した音が雑魚寝部屋から聞こえてきた。
そこで、にとりも合流した早起き組で朝食の準備を始めた私達が朝食を作り終えた頃には、皆雑魚寝部屋から出てきて席についてきて元気盛々に目の前の食事に手をつけ始めていた。
「はむっ……んん〜!!新鮮な果実は、とても美味しいですね。偶には用意してもらった朝食を食べるのも良いものです。偶にはこうして休暇をとることも大切ですね。椛さん。」
「そうですね大巫女さん。偶にはこうやってのんびり過ごすのも大事ですし。明日への休息になりますからね。」
「はい。まあ私はお二人の国の政の手伝いがあるので休みというものなんて殆どなくて、叶わないんですけどね。」
「…………私もです大巫女さん。文様とはたて様のお世話や護衛を担っているので休みなど皆無なんです。」
「「…………はぁ…。偶にはこうしてたい。」」
従者コンビが仲良く現実逃避をしながらご飯を食べている一方では、元気いっぱいに勢いよく食べ始めたはたてと文が珍しく人参以外も食べているてゐを膝の上にのせている私の隣で朝ごはんを盛々食べていた。
沢山お食べ。そして動き回ってすくすくと身体を育てさせて将来の私を、色々な意味で楽しませるんだよ?二人共?グフフ。
…………今のセリフなんだかお母さんみたいだね。私は全然若いってのにさ。
「わ〜!なにこれ〜?あやぁ?パリ!ジュワっ!ってしてるよ〜!?」
「あっ!その食べ物のことを私は知ってるわよ?はたて?それって確か『そ〜せーじ』とかなんとかって飛燕から聞いたのよ。でも、私はこの『べーこん』って奴が好きね。はたても食べてみなさいよ。」
「うん。分かったよ〜あやぁ〜。にしても、飛燕って色々と料理が出来て凄いね〜。」
「そうなの?はたて?流石、私の飛燕ね!!」
「アハハ。褒めてくれてありがとね?二人共。どっちも私の手作りだからそう言ってくれると嬉しいね。」
「凄〜い!!ひえんってやっぱり料理上手だよね〜?」
「いやぁ〜、始めて私の『飛ばす程度の能力』を使って料理をしたから、何かあったら嫌でさっきまでビクビクしてたけど結局の所、皆が美味しく食べれるように作れたなら私としては満足だよ。」
私が2人から素直に褒められて照れていると、影狼ちゃんに向かってわかさぎ姫ちゃんが話しかけている。
「ねぇ?影狼?それとってくれないかしら?」
「あ〜はいはい。これね。はいどうぞ。お箸はいる?他に困ってることはない?」
「ありがとう。大丈夫よ。でも、影狼。結構優しいのね。」
「そう?別に普通じゃない?特にわかさぎ姫は陸じゃ何も出来なんだから。気遣いくらいするわよ。」
「そういう所が優しいのにね。どう?あんまり話してこなかったけど、これから友達にならない?そこまで話してこらなったけと
、これからも定期的に会いたいわね。」
「友達?……あら?もうなってるでしょ?わかさぎ姫?」
「ふふっ。そうね。それじゃあ何か私達で組織でも作らない?なんだか雰囲気とか似てるし。良いでしょ?」
「そうね?それじゃあ、お互い弱弱なんだから名前は雑草とかそこら辺にしてみる?」
「良いわね?なら、『草の根』とかは?」
「いいわね〜!わかさぎ姫。弱くてそこらに生えてても根っこは強い。言い得て妙だわ!そうしましょう!」
わかさぎ姫ちゃんと影狼ちゃんがそんな感じで一気投合しているその隣側では、守屋勢と龍さん、そしてたかねとにとりが仲良ささげに朝食をとっていた。
「……ねぇ?神奈子?どうして私を神奈子の膝の上にのせてくるんだい?別に隣でもいいだろうに。」
「気分さ。偶にはいいだろ?こういうのも?」
「まあいいんだけどさぁ。目の前の飯綱丸とツバキの目線がさっきからうるさいんだよ。少し恥ずかしいというかなんというか………。」
「嫌なのかい?諏訪子?」
「………別に……嫌じゃないけど。」
「なら良いだろう?このままゆっくりしてたらいいんだよ。諏訪子。」
「む、むぅ〜………なんだろうか。いつの間にか立場が逆転されていってるような〜?子供扱いされてるみたいな〜?」
「なんだい?諏訪子?やっぱり悪い気分なのかい?なら辞めるけど?」
「そういう意味じゃないよ。ただぁ〜そのぅ〜………。」
おっと?諏訪子さんが顔をあからめる場面なんて珍しいね?にしても可愛いねぇ〜〜?今記憶に残しておいたから写生した後に、神奈子さんにあげようっと。
そうして私が、神奈子さんのその豊満な胸に半分挟まりながらもそれを気にして赤面させる諏訪子さんの姿を、脳裏に記憶に焼き付けていると、向かい側の木造の長椅子にて朝食を食べていた龍さんが、その紺色の水着から見える谷間を軽く揺らして朝食を上品にぱくつきながら二人に話しかけてきた。
上品なのに胸元は下品ですね〜?これも写真にしよっと ―パシャ―
「まあまあ。良いではないか?諏訪子殿。それくらい仲良しであることの証明になるだろうし、悪くない気分なのは確かだろう?なぁ?……未だに頬を引っ張り合っている河童殿と山童殿?」
「「ん?…なんひゃい?」」
「このいがみ合いは、どうやっても治らなそうだな………。はぁ〜。」
「ふふふ。いがみ合っているにとりさんとたかねさんの二人と違って、いつも通り仲良しですよね〜?お母様達はぁ〜?」ニマニマ
「ほ、ほらぁ〜!ツバキが見てるから〜!やめようってぇ〜!!神ぁ奈ぁ子ぉ〜〜〜!」
― バタバタ ―
「こらっ!暴れるな諏訪子!?暴れる聞き分けのない子はこうだ!!」
「ムグッー!?」
羞恥心とエッチな感情が限界に達してしまって、その短い手足をバタバタと暴れさせ始めてしまう諏訪子さんに、神奈子さんはいいことを思いついたかのような表情で、意外な対処に躍り出た。
「なんと……神奈子殿。諏訪子殿を胸で押しつぶし制圧するとは………朝から見せつけてくれるな?」
「母上…義母上………。」
「神奈子さん!私もやりたい!!後でやって頂戴!!―アイタタタタタタッ!?あ、文っ!?つ、椿ちゃん!?脇腹を急につけらないで!!えっ!?両端からの脇腹の甘噛みはもっと駄目ぇーーーーー!!?!」
ゔ、ゔゔ〜……私の今の服装が水着なんからダイレクトにしなくてもいいじゃん………ふぅ〜ふぅ〜…ンッ……そこは弱いならもう駄目だってっ!?
…んにゃあ〜〜…気持ちが良すぎちぇ………ち、ちきゃひゃが抜きぇるぅ〜〜。
* * *
そんなこんなで楽しい楽しい朝食をワイワイとしぬがらも済ました私たちは、まだ寝起きだった全員が水着に着替え終えた後海辺で活動することで2日目の活動が始まったのだった。
― ザバー ―
「イヒャッフーー!!」
「う、うさぁ〜〜!!?もう少し加減しろうさ!影狼!!」
「いいわねこれ〜!私、気に入ったわ!!」
「そうそう。いいわよいいわよ!その調子よ!二人共!!」
影狼ちゃんとてゐを載せたサーフボードが日本では絶対起きないだろう河童の不思議な技術(河童の力)で起こしただろう大波に乗ってギャーギャーと安定した仲の良さを見せつけながら楽しんでいるのを、サーフボードから落ちて大怪我するのを防ぐための救助係のわかさぎ姫ちゃんがキャーキャーとしながら付き添いながら応援していた。
そんな風景を見ながら安全のために順番待ちをしているメンバーが砂浜から眺めていた。
「す、凄いな…………河童の技術は。まさか長く生きてきた私がこんな体験で驚くとは…………本当に思いもしなかったよ。天晴だ。」
「そうだね諏訪子。やっぱり河童とはご贔屓にしたほうが良さそうだ。」
「フッフッ〜ん♪、河童達は皆ビビリで人見知りだけど、技術と機械弄りだけは誰にも負ける自身はないんですよ。では、昨日のバーベキューの装置のご購入は確定ということで?」
「ああ。そうしよう。たかね。これを見るまでは妖怪風情の技術かと見くびってたよ。」
「ほんとほんと!見ている内にもう一度あの快感を味わってみたくなってきた!!神奈子!行こ?」
「分かった分かった!諏訪子。だが、まだ全員の順番が回っていないだろう?」
「はい!私と龍さんがまだ体験してませんよ!母上!義母上!!」
「そのとおりだ。まさか椿殿とやるとは思わなかったよ。てっきり化けガラス殿と組むかと思ったが?」
「今は良いんです。私ばかり飛燕さんを独占してたら文さんや影狼ちゃんが可哀想ですしね。貴方とは個人的に話したいことが沢山ありますからね。」
「…………そうか。まあ、相談事なら色々と聞こうか。」
「まあ、そこら辺は後々にお話しすることにして、今は沢山楽しみましょうか!!…………わぁ〜!それにしてもあの大波、規模が凄いですね〜?早く私もやりたいです!!」
「そうだな。私もこういうものには始めてだから楽しみだ。」
「飛燕さんから教わった私達の練習の成果を見せるべきですね!!」
そんな感じで意気込む彼女達や、影狼ちゃんとてゐのビックヴェーブを楽しむ様子を、私と文を中心としたお転婆娘達は注を飛びながらいろんな角度からいい写真を撮ろうと切磋琢磨していた。
「こうか!?……ん〜?やっぱり上手くいかないわね。中々動いてるのを撮るのは難しいわ。」
「あぁ〜。これね?写真機は撮るときはあまり動かさないでおくんだよ。ほら、こうやってね?」
「…う、うん。…………。」
私に背後から抱きつくように密接させられて赤面している文と一緒に写真機を固定させるようにして今も止まることなく大波の上でサーフボードを走らせている影狼ちゃんとてゐの姿を捉えてシャッターを下ろすと、その瞬間『カシャリ』と懐かしいシャッター音がなった。
「おお〜!いい感じに撮れたわね?」
「そうそう。じゃあ今度は、文だけの力ではたてと椛ちゃんの写真を撮ってみよ?」
「ええっ!分かったわ!!」
文は地頭と頭の回転が速いのでこういうテクニックなら、なんでも吸いとる教えればすぐにできるようになるのだ。
「ふふっ……見なさい!飛燕!2人の撮影に挑む、真剣な顔!良い絵になってると思わない?」
今だって、私が教えた通りにやるどころか自分なりに考えて私が教えたコツを発展させて撮影し、私の元に笑顔で飛び返ってくるのだ。
はぁ〜………ほんと、文ってかわちいよね〜。お姉さん今にも襲っちゃいそうだよ?ハァハァ
写真に夢中になっていて私の心の内に気が付かないままの文は幼気で太陽のような明るい笑顔を私に向けながら先程撮っていたはたてと椛ちゃんの写真を見せてきた。
その写真には2人が揃って顔の頬をくっつけ合いながらお互いの写真機から出てきた写真の成果を真剣に議論している姿が映っていた。
「凄くいいじゃん!表情も真剣さもばっちしだね。」
「ふっふ〜ん♪よしっこの調子でどんどん撮っちゃいましょう!」
私の褒め言葉に満足そうにはにかんだ文は、今度は私の隣で私が撮るための動きを真剣な表情のまま真似し始める。流石文。夢のためならストイックだね。この調子だと私の写真の技術なんてすぐに追い越しちゃうね。
「これなら、伝えたいことを届けられる手助けになりそうね!!後で河童からこの写真機貰えないかしら?」
1つのサーフボードに龍さんの上に椿ちゃんが重なるカタチで初めてとは思えないほどの素晴らしいバランス力で波にのっている様子をパシャパシャと撮りながら、文がそう独りごちる。
どうやら、文は自身の夢為の第一歩として、写真技術を上げることを選んだらしい。だけど、文には悪い知らせなんだけどね………。
「けどね、文?…………まだ試験段階らしいから貰ったり買い取ったり出来るのはまだまだ先になりそうだって、にとりが言ってたけどさ?だから、文がこの写真機を手にするのは完成を待たなきゃ行けないらしいよ?」
そう。この写真機は河童から借りた試験品なので貰えないのだ。
「………た、確かに、にとりは私達が触らせてもらってるのは動作不備とか知るためとか言ってようなぁ〜?
…………そうだとしたらこれが終わったら練習出来ないってことなのよね!?飛燕!!なんとかしなさい!!」
そのことを聞いた文は少しだけ物悲しそうに写真機をさするが、文はすぐに気持ちを切り替えたようで、私に駄々をこね始めだす。
文の良い所のその一つは、こんな感じで色んな意味で逞し過ぎる所なのだ。その切り替えの速さは流石だね。
「って!?いや、無理だから!!幾ら器用だからって私の専門は機械弄りじゃないからね?竹弄りとかもう少し原始的な奴だから!!諦めて完成品が出来るまで待とうよ?ね?」
「むぅ〜〜。」
「…………不満そうだね?文?」
なんだか、心の内で変なこと考えてないよね?文?
「あやぁ〜!ひえん〜〜!!見て見て〜〜!!椿とお母さんのツーショットで凄いのが撮れたよ〜〜!!」
「よろしければ私のも見てくださ〜い!!」
「へぇ〜〜!!なら見せないよ!!はたて!私よりも上手ければ褒めてやるわ!!」
「へぇ〜?そんなに上手く撮れたのかな?見せて見せて。」
お転婆娘達とワチャワチャしながらも、文の作戦会議が聞こえてくる内心では少し不安になる私だった。
* * *
そうして、皆で楽しくビーチバレーなどをして遊び尽くして時間を過ごしていくとあっという間に楽しい時間は過ぎていき、気がつけばいつの間にか時刻は夕方になってしまっていた。
と、まあここで一旦引き上げて夜の宴とか何やらの準備をし始める訳だけど、今回だけは違った。
なぜならば文が来ちゃうな河童製の試作品の写真機を人質に立て籠もり事件を起こしたからである。
「文さん!!貴方は今囲まれています!!逃げ場はありませんよ!!諦めてこっちに来てその写真機を河童のヒト達に返しなさい!!」
「そうだっ!!さっさと一緒にうまい飯を食べるべきだね!!さっさと自首しろ!文!!………あ、うさ!!」
河童製の拡声器を持ったてゐと椿ちゃんがドラマの刑事役顔負けの険しい表情で語りかける方向には海岸で写真機を抱きしめている文が険しい顔で犯人顔負けの子供らしい(?)駄々をこねまくっていた。
「むぅ〜。嫌よ!私はこの写真機と添い遂げるの!!叶わなかったらこの写真機と一緒にいっそのこと心中してやる心意気だわ!!」
「分かった!分かったから!そんな恐ろしいこと言わないで文!!どうにかにとりと協議してみるから!!一旦落ち着いて!!」
「……あやぁ〜何してるの〜?早く食べようよ〜〜!!」「駄々をこねないでくださいよ〜!文様〜!!」
「文!駄目よ!貴方には私達がいるでしょ!!だから早まっちゃだめよ!!今は兎に角話し合いましょう!!ね?」
「影狼……貴方、意外とそっち側だったのね………。」
私達が文を取り囲んで一生懸命説得している背後では、あきれ顔を零している大人組を中心として、文に付き合ってくれている私達以外のメンバーがバーベキューの準備をし始めてくれていた。
「う〜ん?一旦止めたほうがいいかな?私と神奈子なら文くらいなら小指でも制圧出来るし。そのほうが手っ取り早いと思うんだけど?」
「それは辞めろ。私が天魔様に詰め寄られることになる。それにしても、いったいさっきからなにをしておるのだ?あの娘達は………うむ?ここはどうやって部品を取り付けれるんだ?」
「なんでも、写真機を取り上げられたくないと言い始めたらしく、文様による立て籠もり事件のようになっているようですよ?はい、龍様。この釘を差し込みください。これなら取り付けられるとにとり様にお聞きしました。」
「……なんだ?そんなことでか?後で私が取り寄せてもいいだろうに……それにしてと会ゆいところまで気が利くな大巫女殿。感謝する。」
「どういたしまして、………恐らくですが、文様にとってはあの写真機事態が大事なモノをなのかもしれません。あの写真機は飛燕様と作った思い出の品だと思いますからね。
だからあれ取り上げられたくないってと程駄々を捏ねているんでしょう。龍様。一度中断してお止めになられたら如何ですから」
「文の気持ちは分かるが、物はいつか壊れてしまうし、別れが早い方がその分早く諦めがつくだろうに。
こういうところも割り切ることが大事だんだが…………まあ、文のいつもの一次的なわがままだ。
それに、対応している者の中に化けガラス殿や椛がいるなら安心だし放っておこう。
はたては引っ張られることが多いから何も言えんが、少なくとも彼女等に任せればそのうち収まるだろう。だから、私達はこのまま作業を続けても問題あるまい。」
「………随分と信頼しているんですね?」
「まあな。何せ信頼のできる2人だ。」
「そのとおりだ。龍の言う通り、私達はこのまま作業を続けよう諏訪子。さっさと中断してる準備を終わらせないと日が暮れてしまうぞ?」
「そうだね。神奈子。日が沈んで明かりが少なくなると、作業が難しくなるからね。ちゃっちゃとやっておこう。お〜い!にとり〜!中断しなくていいからバンバン準備していいからね〜!!」
「わ、分かったよ〜!ほらっ、たかね!これくらい持てないのかい?相変わらず貧弱だね。ほらっ手伝ってあげるから少し脇に退きな。」
「に、にとり…………ありが…はっ!?……ふんっ!当たり前だよ!河童は山童と違って力持ちなんだ。手伝うのが当たり前さ!!だから私は感謝しないからね!!」
「はいはい。必要ならいつでもやってあげるよ。なんだかんだ言ってたかねにはいつもお世話になってるし。その仕返しだよ。」
「ふんっいい心がけだね!!…………………でも、ありがと。にとり。」
「………う、うん。どういたしまして。」
なんだか、凄く冷静だね。皆。あと、そこの河童と山童の二人組。今結構切羽詰まってるから親友がやるような青春みたいなやりとりしてないで。こんなに必死に抵抗してる文がかわいそうじゃん?せめてオトナ組みたいに反応してあげなよ。
「くっ!……さぁ!貴方が選ぶのよ!!飛燕!!私かこの写真機か!!」
そんな大人の対応をされてしまったヤケクソになってしまった文はドヤ顔で私に究極?な選択を迫ってくる。写真機如きでここまで命を天秤にかけるなんて……文、恐ろしい子だわ……。
まあ、私や天然な椿ちゃん。面白いからといって加わってきたノリの良いてゐと影狼ちゃんとわかさぎ姫ちゃん以外が凄い冷静だからここで主張を曲げるのは恥ずかしくなっちゃった感じなんだろうけど。
因みに情報の裏取りは私と文による契約の心の通じ合いからです。
と、兎に角。にとりに時々使わせて貰うように交渉しとかないと!!
どうせこれからたかねを通じて色々と取引とかさせてもらうだろうし。文の要望は毎日使うとかは無理だろうけど、どうにかしようとすればなんとかなる筈。
でも、味をしめられてこういうことを立て続けにされるのは困るな………特に椛ちゃんがね。
因みにこれはフィルム式ではなく、撮った瞬間焼き上がる即席式である。撮った瞬間に写真が上部からスライドして出てくるので、撮るたびにすぐに自分の成果が分かる。だから、体験や練習としては最適だったりする。
そのことを文はわかっているのか、写真活動に熱を入れたかった文は意地でも手放すつもりがない。
まあ、流石に商品でもないものを捕るのは駄目だろうし、妖怪としては盗んだり奪い取るってのは、正しいんだけど私個人としては文にそういうふうに育って欲しくないのである。
ただ、こういう時の文は中々強情なんだけど、まだまだ私の方が上手のようだからね?文?
「………へぇ〜?そう来るんだ〜?ならさ。諏訪子さん達の作業が終わるまでにちゃんとその写真機を返してくれないと、一ヶ月は文にだけおやつ作ってあげないからね?
……それに、私にしか作れないお菓子とかもね。それでもいいの文?」
「っ!?」
そう、目には目を人質作戦には人質作戦である。最近、私は乙女修行をしているついでにお菓子を時々作り始めたのだ。
当然その完成品は椿ちゃんや影狼ちゃんそして、勿論文達が大体消費している。
それに、自画自賛するつもりはないけど私のお菓子は皆に好評っぽいし、私が作ったお菓子のお零れを沢山貰っている文達にとってはそのお菓子を食べる時間が密かな楽しみだった筈だ。これは文にとっても同じ筈。
ならば、これを抜かれるのはさぞかし辛かろう?私だったら今すぐ土下座しちゃうね。
「文?一ヶ月間耐えられるの?目の前で皆が私のお菓子を美味しそうに食べてるのに、文だけは指をくわえて眺めることしか出来ないんだよ?いいの?」
「ぐ、ぐぬぬぬ……けど!私には夢の相棒が!!けど……飛燕のお菓子は私の生きる為の活力の元……くっどうすれば!!あ〜!!迷うわ〜〜!!」
私の予想通り案の定、文の瞳は欲と夢の間を彷徨っているようだ。
この時代でも、女の子にとっては貴重な甘いおやつはお金よりも大切なモノなのだ。そして、普段文達に挙げているとお菓子は現代のお菓子の知識を持っている私にしか作れないものばかり。
そう。私が作っている以外のお菓子では物足りなくなっているのだ。尚更文にとっては辛ぁ〜い一ヶ月になる筈だ。
フッフッ〜!これが胃袋を掴んでいる者の強みだよ?文?
「一応追加に条件を付け加えておくと、今度作って配る文達のお菓子の量を倍にして―」「―降参よ!!お菓子大事!!」
「―いやっ!?判断が速い!速すぎるよっ!?文っ!?」
「いやっ!!速すぎです!!もう、このごっこ遊び少し続けたかったんですけど!!」
「やり足りないうさ!!もう少し耐えろうさ!!」
「そうよ!そうよ!!もう少し続けなさい!!説得をするヒロイン役……悦に浸るには丁度いいのよ!!」
「影狼……キャラが振れてるわよ…………。」
ブーブーとノリに乗っていただけのメンバーを背景に、今まであれ程相棒呼ばわりしていたはずの写真機を裏切ってにとりに返していい笑顔で私に『お菓子楽しみにしてるわよ〜!!』と笑いかけてくる文に私は戦慄してしまっていた。
いや……文、さすがに切り替えが速すぎじゃない!?正直怖いくらいだよ?そんなにお菓子気に入ってたの?
まあそれはそれで嬉しいね。
「ほらっ!皆!!早くバーベキューしましょ!!」
「あやぁ〜!マイペースすぎるよ〜!!」
「あんたには言われたかないわよ!はたて!!」
「みなさんもブーたれてないで早く作業を手伝いにいきましょう!!」
「「「「は〜い。」」」」
「聞き分けがいいですね………。皆さん実はただ文様の行動にノリで付き合っていただけだったのでは?」
「えっ?生意気従者?逆に何があるのかしら?」
「それ、文様が言ってしまうのはどうなんですか!?」
「まあまあ。ほどよい寸劇になっただろうしね。水に流そうよ。椛ちゃん。さてっ!昨日に引き続きバーベキューだね!!いやぁ〜!楽しみだ〜!!」
まだまだ試験段階で開発途中らしいのでいつか、写真機が完成プレゼントするのは悪くないかもしれない。
私は沈む夕方を背景に皆とワーキャーしながら大人達の作業を手伝いに行くのだった。
(次回に続く。)
最近一話の尺が伸びがちですね。まあ、読者さん達にとってはどうでも良い話なんでしょうけど。
読者の皆様にとっての女オリ主のイメージを教えてください!
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可愛い! ここに皆入れてね!
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格好いい! そう?まあそれもありだね?
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美しいね! エヘヘー分かってんじゃん!
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変態! でも変態なお姉さんは好きでしょ?
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人情姉さん! 私についてきな!君達!
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大人なお姉さん! 妥当だよねー!うふふ♪
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乙女だよ! 分かってるねー!
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人妻最高! 良い子の皆は入れないでね?
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未亡人最高! なんか投票欄が怪しくない?
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もっと強くなれよ! あっはい、頑張ります
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ポンコツだね。 ん?これは褒め言葉?