ウララカ オチャコです   作:じはははは

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エセ方言注意。


第一話【オチャコ ライジング】

 無重力(ゼログラビティ)の個性を得て、小学校を目前にした麗日お茶子は理由なき喪失感のような、在るべきものがないような、余計な何かが足を引いているような、できるはずのことができないような、そんな如何とも言い難い複雑怪奇な感情に思い悩まされていた。

 別段それは人生を不幸にするようなものではない。

 むしろ彼女は幸福側の、持っている側の人間だ。

 愛情ある両親。恵まれた個性。可不可なき生活環境。生きるにあたって必要なものはすべて揃っているのだ。これを「不幸」などと言えば罰が当たるであろう。

 

 しかし、やはり、どうしても、何かが欠けていた。

 

 そうしてそのまま小学校へ。

 恵まれた個性ゆえに羨望や微かな嫉妬の念を向けられつつ、特にトラブルもなく過ごして迎えた小学三年生の夏の課外学習の日。遊覧船に乗って海を行く途中に事故は起きた。

 きっかけはよくあるヴィラン犯罪。お茶子のクラスが乗船していた遊覧船へヒーローたちに追われていた指名手配ヴィランが紛れ込み、観光客に扮することで目眩ましを企んだことに起因する。

 結論を述べればヴィランは捕まった。

 ヒーローたちの中に追跡特化の個性持ちがいたために、観光客に扮していたヴィランの目論見は最初に見つかった段階で破綻していたのである。

 しかし、すべてがヒーローたちの思惑通りに進んだわけでもない。

 先にも述べた通り件のヴィランは指名手配されていた。

 言い換えれば、顔ないし特徴が周知されていたのだ。

 

 すべては偶然であると誰もが言う。

 運が悪かったのだとみなが言った。

 それでもお茶子だけは必然を謳う。

 これが運命だったと彼女は笑った。

 

 かの日、お茶子は談笑する自分たちの隣に指名手配中のヴィランがいることを確認した。

 対象はヒーロー及び警察関係者を殺害し続ける凶悪殺人鬼。

 そんなヴィランが船旅を楽しむ自分たちの隣りにいたのだ。

 ヴィランは変装していた。

 フードを目深く被っていた。

 それでも、大人と子供の身長差ゆえにお茶子はフードの中を覗けた。

 口端から耳まで裂けているであろう頬を留めた金具。血のようでいて炎のように揺らめく、鷹のように鋭い猛禽類の如き剣呑な双眸。その瞳と、目が合ったのだ。

 未だ幼く、将来はヒーローを漠然と夢見る少女は本能的に叫んでいた。

 逃げて、ヴィランだ、と。

 その行動を責められる者などいまい。

 確かに愚行だ。気づかぬふりが正解であった。

 しかし、その正解を小学三年生の女児に求めるのは難しい。

 結果、お茶子はヴィランに蹴り飛ばされた。

 なお捕縛後に判明した一つの事実として、この時ヴィランは咄嗟の反射的行動でお茶子の口を閉じようとした為に、相手が子供であることなど一切認識していなかったという。

 つまり、お茶子は加減なしの一撃を受けたのである。

 当然、飛んだ。

 25kgにも満たなかった小さな体躯が、遊覧船の最後部から船首側へ向け、木製の手すり等を粉砕しつつ、文字通りにボールのようにして十数メートルを滑空。最終的にはお飾りで造られた操舵輪に激突し、破壊の限りを尽くして止まった。

 密かにヴィランを付け回し、民間人へ被害が出ない形での捕縛を目論んでいたヒーローたちは少女の死を連想したであろう。

 だが、お茶子は立ち上がった。

 モウモウ立ち込める粉塵の中。壊れた木材を押し退け、咳き込みながら姿を表した。

 直後、沈黙の幕が下ろされる。

 誰もがお茶子を目に、絶句していた。

 血塗れでボロボロになったお茶子の姿に、ではない。

 彼女の頭部に燦然と、鶏冠の如く突き刺さる舵輪に、だ。

 その舵輪は観光客の記念撮影用に設置されていたダミー。幼い子供用に低い位置へ設置された、小さな舵輪の一部分であった。

 普通に考えて生きているのが不思議な光景であろう。

 誰が見ても瀕死の重傷のはずだ。

 むしろこの段階で動いているのが奇跡にすら思えよう。

 一拍遅れでヒーローたちが動き出した。

 乗客も思い出したかのようにパニックを起こし始める。

 そんな中、お茶子は一人笑っていた。

 

「じはははは。そうやん。うち、おっさんやった!」

「きみ大丈夫かい!? 直ぐにヒーローが」

「金獅子のシキ、足りんかったのはこれ。頭の舵輪やわ!」

「ああ、ダメやわ、アカンて。意識の混濁やろこれ」

「個性もちゃう。フワフワや、どうりでしっくりきやんわけや」

「おいその子……」

「ああ、頭が……」

「無理ないやろ。見てみぃ頭にあないな……」

「じはははは。なんや、スッキリしたわぁ!」

 

 周囲に集まる人々が悲壮な空気を纏う中。

 こうして麗日お茶子はウララカオチャコに成った。

 なお両親は娘の悲惨な姿に涙を流しつつ無事を喜ぶも、危険性を考慮し抜けなくなった鶏冠のような舵輪に再び涙し、益荒男じみた成長を始める娘に頭を抱えることになる。

 

◇

 

 誰もが挙動に不安を見せる中。威風堂々仁王立つ少女がいた。

 膝裏を隠す程に伸び盛っている、放置されたままであろう獅子の如き黄金色の髪。愛嬌と凛々しさを兼ね備えた美貌を際立たせている、陶器の如き肌で目を惹く朱の差すほほ。女子中学生の平均を上回るであろう長身に、日本女性平均値を圧倒するであろう抜群のスタイル。誰が見ても女子中学生の域にない美体を包むのは黒一色の合気道着。それらすべてを覆い隠す黄金の獅子を描いた長裾の派手な絵羽織を肩掛けに、腰元には二振りの木刀を携え、季節外れの下駄を履く少女だ。

 

 しかし、何よりも少女が人目を引くのは容姿以上に頭である。

 彼女の頭部には、鶏の鶏冠を想起させるようなものが生えていた。否、刺さっていた。

 舵輪だ。

 船の舵輪の、一部である。

 具体的には舵輪を時計に見立てた時に、12時から3時に当たるであろう部分が見事に少女の頭頂部から存在を自己主張していた。

 

 少女へ舵輪の話を振る者はいない。

 そもそも彼女の周りに誰一人近づこうとはしなかった。

 偏差値79、入試倍率300倍を誇る雄英高校ヒーロー科の実技試験を前にして「他人に構う余裕がない」と言えなくはないものの、真実としての実情はまるで違う。

 誰も、誰一人、少女の放つ空気に近づきたくとも近づけないでいるのだ。

 実技試験会場への道中に彼女が何をしたわけでもない。

 ただ少女がそこにいる、それだけで受験生たちは呑まれていた。

 理由を解せる者はいない。

 そうしてみなが少女を遠目にすることしばらく。

 

「はいスタート」

 

 そんな気の抜けた掛け声が実技試験演習会場「G」の門前に響き渡る。

 動いたのはただ一人。「スタート」の言葉が耳に入った瞬間、ふわりと浮き上がり門の中へ刹那に飛翔して飛び込んだ舵輪の少女のみであった。

 

「そいじゃあ頑張っていくぞぅ」

 

 速く、速く、疾く速く。

 黄金の髪と長裾の羽織を風に踊らせ少女は廃墟の会場を翔ぶ。

 接敵に時間はかからなかった。

 

《標的補足! ブッコロス!》

 

 時速100Kmを超す勢いで地面すれすれを翔ぶ少女の前方。交差点の曲がり角から姿を表す3体の仮想ヴィラン。組み合わせは都合よく1P、2P、3Pの計6Pを目に少女は目を見開いた。

 

「あれ? 母ちゃん?」

《エッ》

《標的! ブッコロッ!》

「え、父ちゃんまで?」

《エッ》

《ミナゴロシダッ!》

「おばあちゃんも?」

《エッ》

 

 果たして仮想ヴィランは人為操作であったのか。時速100Kmで迫りくる少女の突然の言葉に動きを停止し、目前まで来た彼女をじっと注視した直後のことである。

 

「あ。違うや。びっくりしたぁ……斬波(ざんぱ)ぁ!」

 

 すれ違いざまの一瞬、少女は腰に差した二振りの木刀を振り抜いた。

 刹那、3体の仮想ヴィランの上半身が宙を舞う。

 少女はそれを後ろ目に、己の木刀の握りを確かめつつ飛翔を続ける。

 

「うん、うん、ええ感じやんね。やっぱ堂々と暴れられるんわ気持ちええなぁ。けどあの程度なら斬らんくても、今のうちの獅子でも十分いけそうやわぁ!」

 

◇

 

「すごいわね……、この子」

 

 薄暗い部屋の中。唯一の光源である壁一面を埋めた大型モニターを前に、審査員を務める18禁ヒーロー《ミッドナイト》は思わずといった風に口零した。

 反論の声はない。

 他にも多くの審査を務める教職員が居並ぶ中、見るべき受験生が数え切れない程にいるにもかかわらず、雄英高校が誇るプロヒーローたちはモニターに映るただ一人の少女を見つめていた。

 あるいは、見定めようとしている。

 

「麗日お茶子。個性は『フワフワ』。自身と自身の触れた物体を浮遊させ自在に操れる、と。これは事実なのか? どう見ても『浮遊させ自在に操れる』の範疇を超えているんだが」

 

 事前に提出された資料を目に、ブラッドヒーロー《ブラドキング》が訝しむ。

 彼の目にはモニターの向こう側で水を得た魚の如く暴れ狂う、アスファルトとビルの瓦礫を固めて造ったであろう獅子の群れが映し出されていた。

 一体々々が5メートル規模の体躯を誇る瓦礫製の獅子の群れは誰が見ても浮いておらず、鉄製の仮想ヴィランを玩具の如くに次々と破壊せんと地に足つけて滑っている。

 その光景は個性の説明範囲を明らかに逸脱しているも同然であり、そんなことを教職員が考えている合間にモニター上では麗日お茶子が新たな瓦礫の山を素手で薙ぎ払う。

 瞬間、散弾銃も斯くやな勢いで瓦礫の一部が飛散。軌道上に在った仮想ヴィランの鉄製の胴体にいくつもの穴が空いていく。そこで終われば「弾いた瓦礫を浮遊させて散弾にしました」で話は済むものの、残念ながら事はそう単純には終わらないのだ。

 全員の視線がモニターの、麗日お茶子の触れた瓦礫の山を注視する。

 その瓦礫の山は蠢き流動し、そうして新たな獅子が誕生した。

 今現在、室内にいるのは漏れなく一流のプロヒーローたちだ。

 そんな彼ら彼女らが真剣に見極めようとして、しかし理解できずに『フワフワ』の個性に疑念を抱かざるを得なかった。

 

「それについては簡単さ!」

 

 誰もが抱く疑念に答えたのは校長の根津だ。

 熊にもネズミにも犬にも見える根津は意気揚々と語りだす。

 

「彼女の個性『フワフワ』のトリガーは触れること。その効果範囲は点ではなく面、範囲で連鎖的に影響を及ぼすものなのさ!」

 

 つまり瓦礫の山の一部にでも触れられれば、瓦礫の山そのものを操れると根津は語る。

 ビルの一部に触れれば大きさにこそ左右されるもののビル全体を対象とし、地面に触れれば効果対象範囲内の地面その物を、砂漠の砂を、海や湖の水を、雪を、ありとあらゆる生命以外の対象物を浮かせ、あるいは浮かせずとも自在に操ることができるのだと根津は締めくくった。

 しばしの沈黙の後。口火を切ったのはスペースヒーロー《13号》であった。

 

「なんというか……それは……とてつもない個性ですね。見ての通り戦闘は言うに及ばず。むしろ災害現場でこそ光るものが……即エースとして活躍できますよ。本当に……すごい」

 

 麗日お茶子の『フワフワ』であれば、譬えば土砂崩れに、譬えば倒壊事故に、雪崩に、沈没に、あらゆる災害でネックとなる質量問題へ容易に対処できてしまう。

 紛れもない強固性である。

 その場の大半が13号の言葉に同意を示す。

 ゆえにこそ、抹消ヒーロー《イレイザーヘッド》は口を開いた。

 

「にもかかわらず一般入試枠にいる。これだけの個性。筆記の方も見る限り悪くない、どころか1位だ。普通に考えて推薦組にいて然るべきやつでしょう」

 

 一人壁に背を預けて立つイレイザーヘッドは資料を目に続けた。

 

「実際、この資料を見る限り中学校側に推薦されてはいる。が、うちに弾かれた。原因は素行不良に不定期登校。不定期登校の理由は「学校に学ぶものがないから自主学習に励んでいた」と。まあ事実として頭はいいでしょうね。結果も出してる。部活は剣道部で全国大会三連覇。これまた立派だな。ただし練習には一切参加せず、大会出場権は他の部員から力づくで奪い取っている。そして素行不良の件。「夜な夜なヴィジランテとして活動していた疑いがある」ときた。実力とヒーローの素質は別問題でしょう。コイツはヒーロー向きじゃありませんよ」

 

 麗日お茶子のヴィジランテ活動疑惑について、イレイザーヘッドはほぼほぼ確信していた。

 証拠はなく、あくまで噂にとどまっているにもかかわらずだ。

 その理由は単純明快である。

 彼女は個性を使った戦闘に慣れすぎていた。

 いくらヒーローを目指す子供とはいえ、受験の段階で百戦錬磨のヒーロー並の動きなど常識的に考えてありえないのだ。

 ゆえの確信。ゆえの否定。イレイザーヘッドは麗日お茶子が推薦枠から弾かれた事実を至極当然の事実としていた。その上で、入学することも確信している。

 

「だからこそここでヒーローの何たるかを学んでもらうのさ!」

 

 イレイザーヘッドに答えたのは根津だ。

 根津の言葉は正しい。

 同時にイレイザーヘッドは根津の言葉の裏も理解していた。

 これだけの個性を持った麗日お茶子がもしもヴィランとして活動を始めた場合の被害規模は、近年稀に見る大災害レベルとなるのは確実なのだ。

 そのような人間を野放しにするよりは、雄英高校へ迎え入れて管理した方がいい。そのうえで先人として、教え導きたいというのが根津の本心なのであろう。

 だが、それでも。

 

「どのみち合格ラインは大幅に超えてるんです。好きにしてください」

 

 イレイザーヘッドは、喜々とした笑みを浮かべたまま破壊の限りを振りまいた麗日お茶子に対して、一抹の不安を拭いきれずにモニターを眺める。

 そこに表示された彼女のポイントは────。

 

1位:麗日お茶子【ヴィランP139/レスキューP16/合計P155】

2位:爆豪勝己【ヴィランP77/レスキューP0/合計P77】

3位:切島鋭児郎【ヴィランP39/レスキューP35/合計P74】

 

◇

 

 

 

 

 

 誰得百科事典     
白

 

 

 

No

IMAGE

...ウララカオチャコ

 

...うららかおちゃこ

 当作品の前世の影響ウケちゃった系主人公

 全然うららかじゃない系ウララカオチャコ

....

 

──────────────────────────────────────────

 

 『うち、おっさんやった!』

 

 プロフィール

──────────────────────────────────────────

 

 自身および触れたものを浮遊させて操ることができるフワフワガール

 全てのヒーローを支配下へ 麗らか笑顔に秘められた野心

 

Lヒーロー名

 

L個性

 

L学校・学年

 

L出身校

 

L誕生日

 

L身長

 

Lスリーサイズ

 

L血液型

 

L出身地

 

L好きなもの

 

L嫌いなもの

 

L性格

 

L入試実技

 

L個性把握テスト

 

L一年一学期中間学力テスト

 

L笑い方

 

L前世記憶覚醒率

 

L前世戦技習得率

 

L前世能力習得率

 

L前世戦闘再現率(戦技+能力÷2)

 

L前世人格侵食率

LNO DATA

 

L無重力(ゼログラビティ) → フワフワ(事故後)

 

LNO DATA

 

L露座柳(ろざりゅう)中学校

 

L12月27日

 

L177cm

 

LB85・W56・H83

 

LB型

 

L三重県

 

L空、将棋、和食、純和風、日本刀

 

L悪天候(特に暴風)、風系統個性

 

Lうららかに豪胆で狡猾、ちょくちょくボケる

 

L1位

 

LNO DATA

 

LNO DATA

 

Lじはははは

 

L86%(入学時)

 

L24%(入学時)

 

L41%(入学時)

 

L32%(入学時)

 

L16%(入学時)

※戦闘再現率32%=フィルムSWのシキの半分程度のレベルを想定 (弱った(覇気なしの)シキを55%~65%に仮定)(目安)

※戦技習得率が低いのは命懸けの実戦経験を積めていないため(オチャコとして殺し合いの感覚を掴めていない)

 

 概要

──────────────────────────────────────────

うっかり前世が(頭に)生えてきた(というか突き刺さった)本作の主人公。

幼いながらも漠然とした喪失感、あるいは虚無感を抱えて生きていたものの、小学三年生の夏の課外学習中に頭へ舵輪が突き刺さった衝撃で前世(金獅子のシキとして生きた記憶)を思い出し満たされた。(満たされていいのだろうか)

足りなかったのは舵輪の鶏冠だったらしい。(足はいいのだろうか?)

もっとも前世の記憶は「記録」という形で脳内データとして存在するだけなので、(人格に影響こそ及ぼしているものの)前世を「そのままインストール」のようなことにはなっていない。(今後どうなるかは不明)

言ってしまえば「金獅子のシキに前世含めて世界の誰よりも詳しい状態」がウララカオチャコである。

ヒロイン。ヒロイン?

 

 人物

──────────────────────────────────────────

 

容姿

チャームポイントの赤いほっぺた(前世は眉毛)、好き放題に伸ばされた金獅子風ロングヘア、そして何を置いても頭頂部で燦然と自己主張する鶏冠の如き舵輪が特徴的な長身でナイスバディの美少女。元は茶髪であったが(頭部舵輪)事故以来、個性や人格の変化(あるいは前世の自身)に合わせるように変色(むしろ変性)を始めた。周囲は、特に両親は非常に気に病んでいたが当の本人は「そんなこともあるやろ」と笑い飛ばし、まるで気に留めた様子がない。

 

性格

愛嬌と凛々しさを兼ね備えた金髪美少女顔がデフォルトで微笑み(戦闘中はより笑顔)を浮かべているため、チャームポイントの赤ほっぺも相まって第一印象は非常によく、その印象を裏切らないノリの良さもあるので名前の通りに「麗らかでいい子だなぁ」と(誤)認識されやすい。事実として作り笑顔というわけでもないため評価自体は間違っていないものの、その本性は(前世の記憶から酸いも甘いも学んだ上で清濁併せ呑んだ結果)非常に計算高く狡猾なものとなっている。前世の記憶を思い出す前の夢であったヒーローを目指し続けているのも、社会情勢や民意を計算した結果の「現状最適解」でしかなく、状況次第では躊躇なくヴィラン側へ立ち位置を変えてしまいかねない危うい一面を持つ。

今のオチャコは良くも悪くも前世と今世の好いとこ取りをした状態といえよう。

しかし、もしもなにかの拍子にそのバランスが崩れてしまえば…………。

 

服装

前世の影響か、オチャコの素養か、和を尊び和を愛し、基本的には私服、部屋着、ヒーローコスチュームも含めて和装がデフォルトである。(例外は学校指定の衣類のみ)

 

前世を思い出したことで常に感じていた喪失感や虚無感からは解放されたものの、今度は「前世で当たり前にできていたことができなくなっている(大海賊の大親分から非力な少女になれば当然である)」ことに「できそうでできない」「思い出しそうで思い出せない」「ここまででかかってるのに」的モヤ味を覚え、(頭部舵輪)事故以降は一歩でも金獅子のシキへ近づくべく日々過酷な鍛錬(他者が実施すれば6割方死ぬ程度のもの)を行うようになった。

その成果は実力として如実に反映されていくことになる。

また(頭部舵輪)事故以来「成長速度」「肉体の頑強性」「体力」「回復力」等の身体機能が軒並み異常化しており、何も知らない者がオチャコを見れば肉体増強系統の個性をまず疑う程である。(頭部舵輪)事故後の定期的精密検査でもその原因は一切不明とされているが、当人だけは言うまでもなく原因がなんであるかを察している。

どうやら魂に肉体が肉付けされている論は正解らしい。

 

戦闘能力

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同世代に並ぶ者なき圧倒的戦闘能力を誇る。

実技入試では獅子奮迅の蹂躙劇を観せつけ、会場を同じくした受験生を震え上がらせ多くの者の心をへし折った。

個性戦闘は言うに及ばず、近接格闘戦においても同世代の追随を許さない圧倒的フィジカルを持っている。

無論、その根底に在るのは金獅子のシキが培ってきたものだ。

だからこそ周囲がどれ程に褒め称えようとも、彼女は決して納得せずに前世を目指し日々鍛錬を積み続けている。

 

余談として中学入学と同時に剣道部へ入部。部活練習にはほぼ参加しないまま二刀流で三連覇を果たし、「二刀流の天才剣道小町」として全国に名を売っている。なお前述した「部活練習にはほぼ参加しないまま」の「ほぼ」とは、「練習には参加しないのに大会だけなんて」といったブーイングを黙らせるための「殴り込み」を意味している。

さらなる余談として、殴り込みの際にも麗らか笑顔で部員全員(指導員含む)を叩きのめしたことで、露座柳(ろざりゅう)中学の剣道部員(指導員含む)は軽度の笑顔恐怖症を患う羽目になっていた。

 

コスチューム

──────────────────────────────────────────

和装を好み、基本的には着用するすべてが和調になっている。

実技入試時は合気道着に下駄、金獅子の絵羽織を肩に木刀二本を持って参加した。

 

個性

──────────────────────────────────────────

4才で発現した個性は『無重力(ゼログラビティ)』であったが、8才の頃に巻き込まれたヴィラン事件で脳に障害を負い『フワフワ』の個性に変化した。なお『フワフワ』の名称は当人命名であり、頑なに譲らなかったという。

 

『無重力』時は指先の肉球で触れたものを強制無重力状態にしていたが、事件後の精密検査の際に任意での状態選択が可能と判明した。(なおこの事実は当人の自己申告によって判明している)

また『無重力』が自身と自身の肉球で触れた対象物の重力を取り払うだけであったのに対して、『フワフワ』に変化して以降は自身と自身の触れた対象物を浮遊させ自在に操れるようになっている。

加えて『無重力』時にあった無重力化可能許容量及び無重力化反動による目眩や吐き気も改善され、『フワフワ』に変質してからは重量ではなく対象物の大きさ(あるいは範囲)によって浮遊対象となるかどうかが決まるようになり、能力行使の反動も能力使用時は体力を消費し続けるというものに変わっている。さらに浮遊可能対象物の規模や範囲は日に日に拡張しており、本人曰く「島を浮かせて一人前!まだまだ最盛期は遠いわ!」らしい。

ちなみに8才の時点で自身と乗用車2台を浮かせ、半日程度操り続けている。

 

そんな『フワフワ』の弱点は風である。

物体を浮遊させ操る性質は、本質的には『無重力』同様に対象物の重量を取り払い浮かせる能力であり、『無重力』とは違い操ることで無抵抗に流されることはなくとも、宙に浮いた物体には重さがないためダイレクトに風の影響を受けてしまう。(オチャコは「風の強い日に外でキングサイズのベッドシーツを数枚同時に綺麗に畳むような苦労があるんよ」と語る)このため『フワフワ』は悪天候や、何であれ風を起こせるような個性との相対を苦手としている。

 

活躍

──────────────────────────────────────────

 

 

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