元東風谷です   作:覚め

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諏訪子→七 また暮らそうよ
七→諏訪子 関わらないでもらえますか。


第十九話

霊夢さんと話し、住む場所を転々とすることにした。守矢が来てから少し。諏訪子神がよく訪ねに来ていた。それに対して霊夢さんが良い顔をしない。八雲紫も。目的が私であるとわかっているのだから、まあ私が移動することが一番だろうと結論付けた。間違っていようが知らないね。と言うわけで。式神になってから食事はいるのかどうかもわからないが…まあ、その気になれば式神が取って来てくれるだろう。そうなると私のやることは水辺で寝泊まりすることになる。雨風をある程度防げるとなれば大体木の下にはなるが。

 

「あやや!?」

 

「あれ、文じゃん」

 

「…あの、生きてたんですね…」

 

「式神になってね。…そうだ、慰謝料として新聞よこせ」

 

「むむ…アレは勝手に山へ入った七さんにかなり非があると思うのですが」

 

関係ない。慰謝料として新聞をもぎ取る。今の人里は新たな宗教家の出現によって盛り上がっているとかなんとか。変なの。私にとっては興味のかけらも湧かないものだな。文に新聞を返す。最近は人里にも変化が訪れているようだで締められた新聞はちょっといらない。私は文を少し睨んで歩き始めた。…どうやら文は去っていったようだ。外来人なんだから食えば良いのに。本人からすれば気まずいの一言で終わるのだろうか。式神は不味いのだろうか。妖怪はどんな人間を美味く感じるのか。

 

「ひっ」

 

「早苗か。どうした」

 

「あの、諏訪子様が」

 

「須和胡様?誰だそれ。」

 

理由だけは聞いた。私の扱いとか、私がなぜ忘れられたのかとか。結局のところ、諏訪子神のいう理由でさえ真実とまでは行かないようだったが。私の能力は式神を作ること。媒介になっているものは血液。空を飛ぶことはなく、なんならお祓いも満足に出来ない。そんな中早苗が生まれた。早苗には才能があったようで、私が猛特訓したような物事を楽々と進んでいった。考えれば考えるほど、私が恨んでいた理由が思い出せない。何かあったのかも知れない。諏訪子神が言うには、そんな早苗を私は遠くから見ていたらしい。覚えていない。

 

「私は行方不明扱いだったのかな」

 

「…いや」

 

「死人?」

 

「違う…」

 

「じゃあ何。神様が覚えてたのに、私は外の世界じゃ存在自体がないの?」

 

「…うん」

 

ため息、呆れ、不貞寝。つまりは私を探そうとしたのはこの諏訪子神だけだったわけである。私にとってはショックな話だ。ため息吐いて移動を再開する。早苗と諏訪子神が着いてくる。諏訪子神は何のつもりなのか。私に過去のことを話してどうしたいのか。こう言う時に便利な式神を私は持っていない。早苗が私を思い出してどうこうするならまだマシだが、関わりの薄い諏訪子神が来ても意味がないと言うことに理解を示してもらいたいと願うことしかできない。

 

「早苗は、まだ思い出さないかい」

 

「はい…すみません」

 

「思い出さなくて良いでしょ。私だってあんまり覚えてないんだから」

 

「えっと…苗代さん」

 

「名前はなんでも。今は七だから」

 

「あー…七さん」

 

「何」

 

「私は…その、お兄さんがいた記憶もないのですが…」

 

それは諏訪子神に聞かなければわからないだろう。もしかしたらどこかの神による祟りかも。そう言って紙の束に乗って私はおさらばする。悪いがもう話をする気はない。する気になれない。私自身、関わるのはある程度自制してもらいたいのだ。あんな気分の悪い奴らと話したくない。そもそも間隔がおかしい。隔週で来るな。早苗も連れて来るな。連れて来られたところで、私が忘れられた側であることを思い知るだけだ。文字通り気分が良くない。不快。

 

「やっほー」

 

「あら、七じゃない」

 

「こんにちは」

 

「ああ、どうも妖夢さんこんにちは。幽々子さんも」

 

「あらあら」

 

行き方がわからない冥界にようやく辿り着いた。前回は偶然の賜物でなんとか辿り着いたようなものだったからな。最近知ったのだが、アレは八雲藍の仕業だったらしい。私にはよくわからない。…まあ、結論から言うとこの場所なら諏訪子神も来ない。八雲紫伝に霊夢さんにも会える。後は…何かあったかな。死んでもすぐ迎えがある、くらいか。実際私は死んでいるのだから、居るべき場所に身体付きで居るくらいか。ただ、辿り着けただけで今後私が死ぬのかもわからない。私の魂自体はここにあるのかも。

 

「そこまで死に近づかなくても良いのにねぇ」

 

「死んだら生前のこと忘れるんでしょ?」

 

「私の場合はね。貴方は知らないわ」

 

「…式神の私が死んだところでか」

 

「式神…主人はいるのですか?」

 

「いないんじゃないかな」

 

「…この際、決めてみては?」

 

「それも良いかもねぇ」

 

冥界への行き方が分かったのだから、次にここに来ることは難しくはない。そう考えると確かに、主人を決めて死ぬ寸前にここに来れば良いのか。…面倒だな。良いや。断っておく。断った上で冥界に居させてもらう。今夜をここで過ごして、明日からはまたどこかに行こう。噂に聞く地底もいいかも知れない。後は…なんだ。無縁塚とか言う危険地帯とか、八雲紫のスキマ空間…は無理か。マヨヒガ?とか言うやつも良いかも。…色々と巡る場所がありそうで楽しそうに思える。諏訪子神が関わらなければ。

 

「ご飯は要らなさそうなんだよなぁ」

 

「わかりました」

 

「…今後はどうするの?」

 

「場所を転々と移動するだけかな。」

 

「流浪者ね」

 

「…霊夢さんに迷惑かけちゃうからねぇ」




終わり!!!!!!!!
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