貴方は淫魔の国へ渡る   作:ばばばばば

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3-07 道具作り1の失敗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

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 貴方を魅了から守る道具とだけ伝えられていた貴方は

 彼女の一連の作業を見てそのような疑問がわいていた。

 

 


(hr)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな貴方の不安を感じ取ったのか、彼女は貴方を安心させるように話しかけてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(hr)


 

 

 

 



 

 

「いいっスよ、多少の魔力を融通してくれたらそれで」

 

「分かってるって! ちょろまかした魔力は後で渡すからさ!」

 

 

 彼女が疲れ切っているのは別の理由であるからなのだが、彼女は否定も肯定もせずに会話を続けた。

 

 

「とにかく部品を運ばなきゃっス、後は任せていいっスか?」

 

「そうだった! じゃあね!!」

 

 

 誰かが飛び出す音、そしてしばらくの沈黙。

 

 

「出てきていいっスよ、後はここから人間ちゃんを連れだせばパーペキっス、まぁ、私はまだ仕事なんすけどね……」

 

 

 貴方は彼女の体を心配するが、彼女はへにゃりとした笑みを見せる。

 

 

「こんくらいの私が平常運転っスからね。問題ないっス!! 人間ちゃんは私が戻るまでさっきのところで待っててくださいっス!」

 

 

 

 

 

 

 その後、貴方は公園に戻り、彼女の帰りを待つことになる。

 

 

 聞きなれた羽音が貴方の背後から聞こえる。

 

 

「今夜、少しだけで構いません。貴方の隣にいさせてはいただけませんでしょうか?」

 

 

 微笑む彼女の手を取り、貴方は家へと戻った。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んあ~~~~! 疲れたッス! 癒して欲しいっス人間ちゃーん!!」

 

 

 先ほどのキメ顔は何だったのか、じたばたとベッドの上で伸び縮む彼女が先ほどの淫魔と同一人物とは思えない。

 

 

 ――貴女の疲れを癒すにはどうすればいい?――

 

 

 しかし、彼女の労力を想えば、自分がする彼女への奉仕の殆どは“ほんの少し”でしかないだろうと貴方は知っていた。

 

 

「に、人間ちゃんが優しい!」

 

 

 勢いよくベッドから顔をあげる。

 

 貴方は今日の作業が彼女に相当の疲労感を与えていたと予想する。

 

 彼女の身体状態の回復に役立つことなら、貴方は大抵のことを行うつもりであった。

 

 

「淫魔が回復するのに一番の手段はまぁ、その……、セックスっスね」

 

 

 その言葉に貴方は目を逸らすと、彼女は苦笑いを浮かべる。

 

 

「分かってるっスよ、人間ちゃんのそういう奥ゆかしい所も私は好きっスから」

 

 

 ――何か他に出来ることは無いだろうか――

 

 

「うーん、そうやって私に気を使ってくれるだけでも本当に癒されるんスけど……、あとは人間ちゃんのエネルギーを取り込んだり?」

 

 

 彼女はいつの間にか手に握った血入りの小瓶を眺め透かす。

 

 

「 血とかは人間ちゃんが痛いからダメだし、今あるのは道具のための分……、爪……はあんまり、髪とかもそこそこ纏まった量がないとなんスよね」

 

 

 貴方は彼女の為にやれることを考えるが、その光景の全てが余りに不道徳な光景に思えた。

 

 

 ――望むなら頭ぐらいは丸めるがどうだろうか――

 

 

「ちょっとみたいかも……、でもいいっスよ」

 

 

 貴方はそれでも何か渡せるものが無いかと自身の体を眺める。

 

 そして手の平を見つめる。

 

 そこには彼女が巻いた清潔な布、血は止まったが布の上層には僅かに乾いた血がにじんでいた。

 

 

 ――流石にこれは難しいか――

 

 

「吸血鬼でもないんで凝固した血はちょっと効率が悪いっすね……」

 

 

 そもそも、血で汚れた布を渡すというのは彼女に対して失礼にも感じた貴方は諦める。

 

 

「人間ちゃん……、布が汚れたんで取り替えるっス」

 

 

 逆に手の平の布を取り換えられるという治療を受ける貴方

 

 

 ――他に自分に出来ることはないのだろうか――

 

 

「十分に助かってるって言ってるっスよ」

 

 

 彼女は貴方の手に布を器用に巻いて圧迫していく。

 

 そして自然な動きで汚れた布を懐にしまい――

 

 

 

 ――待って欲しい、それは必要ないものではなかったのだろうか――

 

 

 

「ウフフ、何ですか人間ちゃん」

 

 

 彼女は微笑を湛える。

 

 

 ――それは捨てるつもりの物であるのかを確認する――

 

 

「ウフフ、何ですか人間ちゃん」

 

 

 変わらぬ微笑。

 

 

「ウフフ、何ですか人間ちゃん」

 

 

 どうやら彼女はすっとぼけてゴリ押すつもりらしい。

 

 NPCじみて会話が進まない彼女にしびれを切らした貴方は彼女の手に握られた布に手を伸ばす

 

 

 画像、すっ

 

 

 ――なぜわたさないのだろうか?――

 

 

 もう一度手を伸ばす。

 

 

すっ

 

 

 

 まぁ良いだろうと貴方は思いなおす。

 

 元より彼女の為になら渡しても良いと思っていた物である、貴方はそのまま彼女の行為を見逃し――

 

 

――隙あり――

 

 

っス

 

 

 

 ――なぜ、必要もないのに自分の血を――

 

 

「き、記念に……、それに、なんかこう……、使う日が来るかも?」

 

 

 ――おそらくそんな日は来ないだろう――

 

 

「そ、そんなことないっス、今まで集めたコレクションはいずれ役立つときが――」

 

 

 ――他にもあると言っただろうか――

 

 

 貴方は目を向けると、彼女は非常に悲しげな表情を浮かべながら懐から何かを取り出す。

 

 

 

 縮れた毛、クシャクシャになったチリ紙が数個、いつか貴方が使った食器

 

 

 ――これは……、ダメであろう――

 

 

「うっ……、ち、違うんス、これは出来心で……」

 

 

 特に貴方の目に入ったのは袋に密閉されたチリ紙の一つ。

 

 

 貴方は猛烈に嫌な予感を感じて、その袋を開けた。

 

 

 遠くからでもわかる猛烈な臭気

 

 なじみ深いそれだと感じた貴方はそれをゴミ箱へと運び――――

 

 

「あぁ!? ご勘弁を人間ちゃん!?」

 

 

 ――これは捨てるべきだろう――

 

 

「それをすてるなんてとんでもない! その超絶パワーアイテムを!? 淫魔のエリクサーと言っても良いレジェンドアイテムっスよっ!」

 

 

 貴方の腕に縋りつく彼女を見て、貴方は少しだけ考える。

 

 彼女は淫魔、貴方にとっては嫌悪しか感じないこの物体も彼女からしたら本当に必要なものである可能性はあるだろう

 

 

「人間ちゃんが自分で出したモノなのに、そんなに邪険に扱わないで欲しいっス……」

 

 

 貴方は苦渋の表情を浮かべて――――

 

 

 

彼女の為と思い直し、捨てないで置く

 

それとこれとは話は別なのでゴミ箱へ 

 

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