ゲンドウ君!インパクトを起こすのは良い!
妻を想っているのに愛人を複数作るのも!
実の息子を育児放棄するのもまだ良い!
しかし、親戚の集まりに顔を出さないとは失礼にも程がある!

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とりあえず明日はサードインパクトだから絶対来いよ(笑)


ゲンドウ君って自分の話になるとめっちゃ早口になるよね(笑)

 

 

 特務機関NERVにて。

 

 エヴァンゲリオン初号機、その整備場所。

 紫色の巨人を前に、話は進んでいた。

 

 「これが人の作り出した究極の汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン‥‥その初号機」

 「我々人類の、最後の切り札よ」

 

 地上では使徒*1が暴れ、地下であるこの場所にも振動は伝わっている。

 

 「これが‥‥ゲンドウ君(・・・・・)の仕事か」

 

 六分儀(・・・)シンジ。13歳。

 父ゲンドウに放棄され、親戚に預けられた少年。

 

 『来い』の一言だけで地元を離れここまで来た彼の目的は、やはり父ゲンドウである。

 

 「そうだ」

 

 上の通路に一人の男が立っている。

 彼こそ()ゲンドウ。48歳。

 

 人類補完計画*2という、不完全な今の人類を完全な存在にしようとする試み。

 その計画に乗り、最愛の妻ユイと再び会おうと暗躍している男である。*3

 

 「‥‥ゲンドウ君」

 

 「ふっ‥‥出撃」

 

 久し振りにあった父ゲンドウが発したのは、淡白で最低限な単語だけだった。

 

 なにを隠そう、このゲンドウという男は隠キャのコミュ障であり、親戚の集まりが苦手なタイプの人間だ。*4

 妻以外には、息子相手にすら心を晒せない臆病者である。*5

 

 「出撃!?パイロットもいないのに!」

 

 「今届いたわ」

 

 半ば叫ぶように言った葛城ミサト*6の言葉を、赤木リツコ*7が否定する。

 

 シンジが初号機に乗ることは既定路線である。

 初号機の設計段階から計画されており、それを見越してシンジの母ユイは初号機と一体化した。*8

 

 「まさか、シンジ君を乗せる気!?」

 

 「それしか方法は無いわ。零号機が凍結している以上、初号機の他に戦う手段が無いのだから」

 

 エヴァンゲリオンは複数の機体があるが、日本には現在零号機と初号機しかない。*9

 

 つまり、誰かが初号機を動かして使徒と戦わなければならない。

 

 「シンジ、エヴァに乗れ。でなければ帰れ」*10

 

 「‥‥ゲンドウ君」

 

 六分儀(・・・)シンジは“覚悟”を決めた声を上げた。

 

 勇気では無い。勇気とは未知へ踏み出す最初の一歩である。暗闇を開拓する意思である。

 だからこそ、これは覚悟なのだ。危険を危険と認識して尚進む意思なのだ。

 

 「ゲンドウ君!」

 

 大声が炸裂した。近くで作業していた職員すら手を止めて顔を向けるほどだった。

 

 「人類補完計画とやらで人類を滅ぼそうとするのは良い!」

 「妻のことしか考えていないような顔をしながら愛人を作るのも! 実の息子を育児放棄するのもまだ良い!」

 「しかし! 親戚の集まりに顔を出さないとは失礼にも程がある!」

 

 その場に居た全員の顔が大きく変わった。

 驚きであり、焦りであり、恐れでもあった。

 

 ─── 六分儀(・・・)シンジは、全て知っている。

 

*1
アダムという宇宙人から生まれた怪獣達。星の覇権を握るために活動している。人類の敵

*2
ゼーレという組織が考えるものとゲンドウが求める2種類がある。どっちにしろ人類は滅びる

*3
ゲンドウは世界中の魂を一つに纏めることでもう一度会おうとしている。人類は滅びる

*4
ほぼ全ての作品で共通している。一部のギャグ描写は除く

*5
(作品によって異なるが)息子のことを「ユイの愛を奪った存在」として憎悪している。また、息子との接し方が分からないような描写もある

*6
現場の中ではトップの偉い人。アダムの暴走のせいで父を失い、自身も傷を負った。その復讐で使徒を殲滅したいと思っている。アダムの暴走はゼーレという組織が意図的に起こしたものであり、ミサトの父もグルの可能性がある

*7
ミサトの親友。作品によってはゲンドウの愛人。リツコの母もゲンドウの愛人であり、散々利用された挙句自殺した

*8
ユイは(作品によって異なるが)神、或いはそれに類する存在であると思われる。人間とは視座が異なる描写もあり、未来を知っていた可能性は大いにあり得る

*9
零号機は物語開始前に暴走し、今は凍結されている。

*10
こんなことを言っているが息子が初号機に乗ることを疑っていない。追い詰めればなんだかんだやると思ってる


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