格闘シーンの描写ってむずっいすね...
あと、めちゃくちゃ難産だし短いです。
波乱の適性訓練から数週間
砂埃が舞うグラウンドでカイル達は対人格闘訓練に勤しんでいた。
エレン「はぁ!」
カイル「うっ!」ドサッ!
エレンがカイルの体を勢いよく投げ飛ばす。
カイル「痛ってて...」
エレン「悪りぃ手加減下手でよ」
申し訳なさそうにエレンが手を差し伸べる。
カイル「気にしなくていい、だけどもう少し優しくしてくれ、腰が使い物にならなくなるから」
カイルはエレンの手をしっかり掴んで立ちあがる。
カイル「よし、じゃあ次はエレンが俺を襲う番だな」
エレン「おう」
そう言ってカイルは木製のナイフを手渡し、構えた。
カイル「遠慮なく来い!」
エレン「...行くぞ!」
エレンはダッ!と一気に踏み込みカイルの懐に飛び込みナイフを突き立てようとする。
カイルはそれをしっかり躱してエレンの腕を掴みエレンの突っ込んでくる勢いそのままに一本背負いのように投げた。
ドサッ!
エレン「くっ!」
カイル「ふぅ...大丈夫か?エレン」エレンが手を差し伸べたように手を差し伸べる。
エレン「あぁ、お前も大概手加減下手だよな痛つつ...」
エレンはぐっと手を掴んで土埃を払う
カイル「ごめんって、つい力入りすぎちゃってさ」
砂埃の中で苦笑いするカイルの視界に、ふと、誰かの影が差した。
???「......ほう」
低く、温度のない声。
振り返ると、そこにはアニ・レオンハートが立っていた。
いつも通りやる気のなさそうな表情で、だが、興味が湧いたような目でこちらを見ていた。
カイル「アニ? ......どうかした?」
アニはカイルの問いには答えず、じっと彼の足元から目元までを舐めるように見つめた。
アニ「......今の投げ、悪くなかった...突っ込んできたエレンの重心、一瞬で後ろに持っていったでしょ。無駄な力を使わない......あんた、意外とマシな動きをする」
珍しくアニが他人を評価したことに、エレンが驚いた顔をする。
エレン「アニ、お前...カイルの動きを見てたのか?」
アニ「......別にいいでしょ。少し興味が湧いただけ」
アニはナイフの柄をカイルに向けて突き出した。
その瞳には、いつもの退屈さはなく、冷徹な光が宿っている。
アニ「カイル。......私と、一手合わせな」
カイル「喜んで相手しよう」
カイルはカイルで面白そうだと、ギラギラした目でアニの挑戦を受けた。
カイルはナイフを受け取り低く構えた。
それに答えるようにアニも独特の構えをし、殺気を放つ。重心を低く落とし、両手を顔の前に掲げる。その構えには、攻防一体の隙のなさが漂っていた。
カイルは唾を飲み込み、訓練用の木製ナイフを逆手に握り直す。
カイル(......あの構え。威圧感がある。......隙がない。でも、人間だ。必ずどこかに動きの『予備動作』があるはずだ)
カイルはアニの瞳、肩、腰、足元の動きを同時に観察し、攻撃の起点を探る。
エレン「カイル、無理はすんなよ! アニの格闘術は......!」
外野の声が遠のく。
先に動いたのは、カイルだった。
カイル「はぁッ!」
カイルは斜め前に鋭く踏み込み、アニの視界の外、左側へと回り込む。
カイルの持つ「鋭い観察眼」は、相手が最も反応しづらい死角を一瞬で見抜いていた。
カイル(......ここだ! 反応が遅れた!)
死角からアニの首元へ、ナイフを突き出す。
勝った、と思った。
だが。
アニ「......甘いね」
アニはカイルのナイフを、首を僅かに傾けるだけで紙一重でかわした。
驚くべき反応速度。いや、それ以上に無駄のない動き。
カイル(......なっ!? かわされた!? 重心移動なしに、首だけで......!)
カイルが一瞬動揺した隙を、アニは見逃さなかった。
アニはかわした勢いのまま、カイルの懐に潜り込む。
アニ「......あんた、技術は盗めても、私の動きまでは、盗めないよ。」
アニは冷徹な瞳でカイルを見つめ、カイルの襟元と手首を掴みそのまま足を払った。
ドサッ!
カイル「くっ!」
カイルは体勢を崩し、地面に這いつくばる。
アニはカイルを見下ろし、冷不敵に笑う。
アニ「...意外とやるね...でも詰めが甘い、それに狙ってるところがバレバレ...」
アニは構えをとく。
カイル「強いんだな、アニ。どこで習ったんだ?その動き?」
アニはカイルの言葉に少し目を見開いた。がすぐに少し遠くを見た。
アニ「...父親に......でも別に、こんなものなんの役にも立ちやしないよ...」
するとカイルはすかさず
カイル「そんなこと言ってるけど、さっきのアニ凄く楽しそうだったけど?」
アニ「……は?」
カイルの言葉に、アニの動きが止まった。
図星を突かれたのか、それとも無神経な言葉に不快感を覚えたのか。彼女の氷のような瞳に、微かな動揺の火が灯る。
アニ「...気のせいだよ...?忘れな...」
アニが吐き捨てるように言い、カイルから視線を外そうとしたその時だった。
???「……そこまで」
鋭く、重い声が二人の間に割り込む。
ミカサだった
いつの間にかすぐ傍まで来ていた彼女は、底冷えするような視線をアニに向けていた。
その手には、訓練用のナイフが固く握られている。
エレン「ミ、ミカサ!?」
ミカサ「カイル、下がって。……次は、私が相手をする」
カイル「……ミカサ? いや、今はアニと話をしてるんだ。それにこれは格闘訓練で——」
ミカサ「……カイルとエレンをあんな風に投げ飛ばすなんて。……許せない」
周囲の温度が数度下がった気がした。
彼女にとって、カイルはエレンと同様に「守るべき家族」の一人だ。そのカイルを翻弄し、地面に這いつくばらせたアニを、ミカサの防衛本能が見逃すはずもなかった。
アニ「......ふん。過保護な猛獣の登場ってかい?」
アニが再び、構えを取る。
先程カイルに向けていた「興味」とは違う、本物の「敵意」に近い闘争心がアニの体から立ち昇る。
アニ「いいよ......。あんたみたいな『化け物』が相手にどこまで通じるか試してみようか、それに、退屈しなくて済みそうだしね」
ミカサ「死なない程度に、加減はしてあげる」
エレン「おい! 待てよ二人とも! 訓練だぞこれ!」
エレンの制止も届かない。
この時既にミカサは頭角を現していた。104期の二大天才。その激突は、もはや一訓練兵の手には負えない領域に入ろうとしていた。
カイル(......不味いな。ミカサは本気だ。......でも、これを見ておかない手はない)
周囲も面白いものが始まりそうだとこちらに視線を集めており。やれアニに1票だの、やれミカサに晩飯全部賭けるなどと見世物のようになっていた。
カイルは脇腹をさすりながら立ち上がり、二人の間に流れる「殺気」を、その鋭い眼光に焼き付けようと集中した。
そして一瞬の静寂の後
2人の技が交わった。
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結局2人の戦いに決着が付くことはなく2人の一進一退の攻防はキース教官が「そこまでッ!」と言うまで終わることはなかった。
そして場所は変わって食堂
カイル「なあ、アニ、これからの訓練のとき俺に色々教えてくれよ」
隣に座るアニに手を合わせて頼む。
アニ「...気が向いたらね...」
無愛想にアニは答え食事を続ける。
そう言いつつこれからの対人格闘訓練でカイルはアニとずっと組むことになるのはまた別の話であった。
現在公開可能な情報
カイルはエレンやミカサたちと街のガキ大将を相手に喧嘩をしていたこともあった。そのため、格闘術は素人ながらエレンとは同等かそれ以上の実力がある。